3Mar
迷晴れボックス第114回、視聴者さんのトレードをテクニカルとメンタルの両面から深~く考察する代理学習シリーズ。
KAZUKIさんのトレード
お世話になっております。本日、2021/2/4のトレードが「MTFチャート」のお陰でとてもシンプルに出来ましたので、感謝とご報告をさせてください。
MTFチャートについては知識に溺れてる人必見!知識を『使える知恵』に昇華させる手書きチャートのススメ / MBOX#110をご覧ください。
現在地の把握 MTFチャートの作成。
過去の迷晴れさんの動画で「だいたい38.2付近までの戻しを仮ネックの目安にしている」とおっしゃっていましたので、それを参考にしております。
MTFチャートを見て上昇トレンド中だと判断、売りを考える時は長く保有しないように気をつける。
トレーディングレンジ設定とシナリオ作成:1時間足
トレーディングレンジは基本的にネック〜ネックで捉えるようにしています。
今回は、上段は高値〜赤ネック(1Hのネック)、下段は赤ネック〜緑ネック(4Hネック)に設定しております。
シナリオは基本的には、ネックで反発するか、抜けていくかの2択です。
あとは適宜、半値だったり、61.8%のところだったり、キリ番だったりを気をつけながらトレードします。
シナリオを3つ立てました。
- 半値からの上昇。
- 38.2赤ネックに反発して下落。
- そのまま下落。
あとはロンドン時間の値動きを見てトレードするかどうかを決めます。
エントリータイミング
20分足をメインに見ていて細かく見たい時は5分足を見ています。
20SMAを使ったランデブー・ポイントもタイミングの参考にしてます。
今回は、20分足の20SMAに沿って上昇し、午前中にSMAを下に割る動きがありました。
そのまま横ばいでロンドン時間になり、上値を試すが、失敗して上ヒゲ陰線(青丸)になったと判断し、売りエントリーの心構え。勝敗クラスター(ハラミ足)を下落ブレイクでエントリー。
さらにSMAがサポレジ転換として機能してると判断し、根拠が増えた所で、SMAとのランデブーで売りエントリー実施(青矢印)、無理せず、半値付近で決済(青旗)。
振り返り
MTFチャートの作成で「現在地」の把握がしやすくなりました。
これが、自分で理解できるように作成出来る相場は、分かりやすくシンクロしやすいと感じております。
それぞれのサイズの波とネックが分かると、自動的にトレーディングレンジの設定ができ、さらにシナリオ作成もネックを基準に抜けるか反発するかの2択になりました。
色々と試行錯誤しながら、ひとまず今のMTFチャートの形になりまして、始めた最初の時はグチャグチャになったり波の大きさがバラバラだったり、なかなか上手くいきませんでした。
今でも日々練習中ですが、少しずつ上達してきてると感じております。
以前にトレードのご報告をさせていただいたのが、2020年の10月で約4ヶ月経ちました。正直、たった4ヶ月なのかという感覚です。
毎日チャートと向き合いながら試行錯誤。チャートを見続けて眼精疲労と頭痛を繰り返し、目の負担を減らすためにチャート画面も今は黒に変わりました、笑。
あの時よりかは、相場をシンプルに捉えられるようになりましたでしょうか。
当時の記事や動画、改めて自分でみると成長も客観的に分かりますね、成長していると自分では思っているのですが、コツコツ続けてきて良かったと、なんだか感慨深くなります。
まだまだ道の途中でして、スタートに立ったかどうかも分かりませんが、1つの区切りといいますか、4ヶ月たった今の自分の姿を迷晴れさんにお見せ出来て良かったです。今後ともよろしくお願い申し上げます。
マヨハレ的考察
トレードは2つの壁を乗り越える必要があります。
ひとつめは「わかる」こと、言語化。
ふたつめは「できる」こと、運動化。
世の中「わかったつもり」が圧倒的に多いので、運動化まで努力できた人が勝者です。
MTFチャートを作成できる相場は、分かりやすくシンクロしやすいと感じてる。
MTFチャートが描けるのは、今の相場が「わかる」証拠なので「できる」にも繋がりやすいわけです。
わかった状態からシナリオ通りすればいいだけなので、短期足をみて余計なお手付きもしなくなります。
反対に、MTFチャートが描けないなら、今の相場をわからない証拠なので、わかるまで手を出すべきじゃありません。
偶然勝つのが一番良くないです。
チャートは平原のようになだらかな地形もあれば、岩山のように等高線が狭く険しい地形もあります。
敵を知り、己を知り、地の利を活かせって、昔からよく言われるように、
複数足レジサポの位置関係で「地形」が変わるので、わかる地形になるまで待てばいいのです。
今回のトレードで使われたツールにメタトレーダー標準で特別なものはありません。
- ネックライン
- フィボナッチリトレースメント38.2%と50.0%
- ロンドン・セッション
- 20SMA
- 勝敗クラスター
戦略
トレーディング・レンジを複数波のネックラインからネックラインに設定。シナリオはネックで反発するか、抜けていくかの2択というシンプルさ。
ネックラインとネックラインを仮置きするフィボナッチ38.2%しか使ってません。
日足・4時間足・1時間足はご存じフラクタル構造なので「ネックライン」を基準にして「現在値の解釈」をしています。
この基準を時間足ごとに変えてしまうと支離滅裂になって頭が混乱します。
戦術
ロンドン時間・20分足(短期足)と20SMA・勝敗クラスターの3つを、エントリー・タイミングをとる「戦術ツール」として使用してます。
今回は、20分足の20SMAに沿って上昇し、午前中にSMAを下に割る動きがありました。
今回と同じ相場環境、同じ戦略で、どの程度の成果がでるのかわかりませんが、検証してみる価値はあります。
思いつきですが、ネック割れから、一段上位ネックまで抜く「ネック2ネック」ショートなんてのもアリかもしれまぜん。
同じ相場環境で、同じ行動をして、安定した成果を残す。
これが「一貫性」ですが、ある意味これがトレーダーのゴールです。
社会的にも一貫性のあるブランドって信頼されますが、自分の行動に一貫性を持たせることが、自己信頼を高めメンタルを安定させていきます。
一貫性がメンタルに与える影響については、また別の動画をつくりますが、
トレーダーは手法でなく「一貫性」で勝つ、トレーダーということです。
今回のトレードで最も評価すべきは、その一貫性の扉をノックできたことです。
まとめ
今回のトレードは戦略から戦術への落とし込みが、わかりやすかったのでご紹介させて頂きました。
よく長期足を短期足に落とし込むと言われますが、これは「戦略から戦術に落とし込む」という意味です。
あらゆるモノゴトには抽象的側面と具象的側面があります。
抽象化するとは、モノゴトを共通属性で「本質」ひとつにまとめることです。
トレード戦略を考えるのはこの抽象化作業に似ていて、具体的なカタチが明瞭でなく捉えにくい側面も持ちあわせるので敬遠されます。
対して、
具象化とはカタチを備えた「現象」を定義すること。
カクカクシカジカになったらエントリーなんてのが戦術です。
ここで大切なのは、戦術は変えても戦略は変えないということ。
旅をするのに移動手段はいろいろあっても、先に行先(どんな動きを狙うのか)をひとつに決めないといけません。
ひとつの戦略に戦術がいくつかあっても構わないが、移動手段のひとつである、エントリー手法が聖杯になることはありません。
バスで行くか、電車で行くか、車で行くか、その前に、どこに行くかを決めるべきなんです。
トレード戦略なら「チャートの地形(共通属性)」さえわかれば、戦術は移動平均線でもラインでもなんでも構わないというのが持論です。
あなたがチャートを視るときの「北極星」はなんですか?
昔の船乗りはいつでも不動の位置にある「北極星」をみて航路を確かめました。
kazukiさんの北極星はネックライン。
コンパスの針がこの北極星を指し続けているからこそ「一貫性」とはなにか?を学べるのではないでしょうか。
◆お断り◆
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コメント
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コメント (18)
いつもご教授頂きありがとうございます。一貫性、自分にとっての北極星は何かということですが、日足で環境認識をして4時間足の節目でエントリーするという自分の軸は変わらないのですが、もう一つ今後の北極星にしていきたいのがドルインデックスとユーロドルです。詳しくは分かりませんがドルインデックスの計算式にはユーロの値動き大きく関わっているとのことで、ドルインデックスとユーロドルのチャートは上下反対にするとピッタリ一致しているようです。この2つを常に監視しながら今ドルが買いなのか売りなのかによって戦略を立てていこうと思います。通貨強弱チャートをよく把握してドルが強い時は弱い通貨のショート、ドルが弱い時は強い通貨のロングをして、ドルが強いのに強い通貨のショート、ドルが弱いのに弱い通貨をロングする等の効率の悪いことは極力避けていきたいと思います。
基軸通貨の米ドルが北極星、理にかなってますね(^_-)-☆
いつも素敵な動画をありがとうございます。戦略を考える事に面白さを感じられるようになると上達のスピードも速まりますよね。地の利を把握しきれない内に、戦術におぼれて自滅してしまう事が多くの人の敗因となっている気がします。ちなみに自分の場合は、例えばダブルトップで戦う時、左肩ならネックラインで迷わず利食い、右肩と判断できたならばネックで半玉利食い、残りはとことん伸ばす、という戦い方をよくします。ここでのエントリータイミングの取り方は、時間足の確定を1本待ってから入ってみたり、短期ネックブレイクで入ってみたり、短期ミニダブルの右肩天辺から逆張りしてみたり、ハラミ抜けを待ったり、とその都度バラバラです。エントリーの取り方なんてどれを使おうが一長一短なので最後はその時のチャートの相性と好みの問題になるのかなぁ・・・と思います笑。ポイントは押し目に向かって打ち込んでいないかどうか、ダブルトップが崩される可能性とそのジャッジ、これがシナリオで考えられているのならあとは負けても時の運だなあといつも思います。
「敵を知り己を知れば百戦してあやうからず」孫子の兵法がまさにトレードを見事に表しているなぁとふと思いました。
やはり最後は「運」だし、そこは神域ですよね。ただ、裁量なら神域のひとつ手前までいけるかな~て思ってます。
拝見させていただきました。
一貫性、抽象化、具象化、わかるとできるの違い。
生活して行く中でも理解してると役に立つものばかりですね。
NoNさんの『北極星』は何ですか?
私は4H1Hの高安(レジサポ、波の把握)です。
ボクも主に4時間足のレジサポですね。
ありがとうございます。
解説ありがとうございました。
一貫性という所、まさに今、課題としている所で、
自分の典型パターンを整理し、そのパターン通りに実施し、
それを記録し、それを振り返る。
このサイクルを回すために、その時々の感情に振り回されることなく
トレードできるようにする。これからの取り組みになります。
解説いただいたおかげで、出発地、現在地、ゴールに捉え方がより明確になりました。
また、関連動画を拝見し、さらに気づきが増えました。
関連動画をみてて特に印象的だったのは、
短期足のエントリータイミングの1つの要素して、
「何を根拠に、反発したと判断するか?」
というところでした。
漠然と、エントリータイミングは下位足でとる、
と覚えていましたが、「反発根拠探し」という引き出しが
1つ増えたおかげで、またエントリーがしやすくなるような気がします。
上位足: 俯瞰
中期足: シナリオ
下位足: エントリーのための反発根拠探し
という住み分けが、今回を通じてできたと感じております。
今回は4ヶ月あきましたが、次回は2ヶ月くらいで、
しかも1日ではなく数日通して、かつデータがしっかり残ってる状態でのご報告ができたらな〜と思っております。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
お名前を呼び間違えてしまいました…すいません。エントリーのタイミングは「反発の定義」をどうするかですが、反発を目視できるのが裁量トレードのメリットだと思ってます。
名前は何でも大丈夫です(^_^)
反発の定義、なるほど。。
ある意味、
シナリオを作る時には、
反発しそうな所。
実際にエントリーする時には、
反発した所。
と分けられるのかな、と思いました。
だから、裁量トレードは後だしじゃんけん出来るのかなと。
だんだん整理がついてきました。
日足はらみ足ブレイク手法の基本パターンは、それを日足だけでやってて、
ブレイク足の値の更新を、反発したと判断してるってことですかね。
それが仮に反発ではなかった場合に備えて、反発する可能性のある値までを損切りにするから、損切り幅が広くなると。
これをMTF分析を使って、下位足で反発したと判断することで、損切り幅を狭くすることが出来る反面、チャートを見る時間が増えると。
またいくつか、自分のパターンに出来そうなのが増えそうです。
日足はらみの実体ブレイク後に、押し目を待つ時に下位足でタイミングをはかって、前日の高安値を抜ける前に打診でエントリーして、高安値ブレイクでさらに追加するとか、検証したいことが増えました。
ありがとうございました。
動画アップして下さりありがとうございます。
抽象・具体
戦略・戦術
抽象と戦略は、目に見えてつかめるものが分かりにくいのですが、
ここを磨く事こそが本物を目指す上で重要であると考えます。
改めて再認識致しました。
全てはマヨハレ様から教えていただいております。
感謝申し上げるとともに、動画アップして下さることを当たり前と思わず継続していきたいと思います。
かんじんなことは目に見えないんだよ (サン=テグジュペリ)
お世話になっております。
僕の北極星はMWそのものですが、それが起こりそうなところはやはり上位波の折り返し付近です。そういう意味ではH1以上の水平線ということになります。これが曖昧な事があるのでバチッと水平線を引くわけではなく大体その辺りと言うように見ているのですが、折り返しそうなところはほぼMWやそうなろうとした痕跡が見られるので上位レジサポがどの波の押し戻しラインなのか考えて成功と失敗のパターンを準備しておく、と言う形に今はなっております。
ラインに固執する余り上手くいかない事が多かったので、ざっくりあの辺で形が出来るのをを待ってそのチャートパターンが成功するか失敗するかをラインブレイクと判断するようになりました。例えるならポラリスを見つける前に大体北はあっち、あ、カシオペア発見、ならあれがポラリス、という感じでしょうか、、、(カシオペアってMWじゃないですか!!)
なんと!カシオペアってMMですか!なんか偶然とは思えませんね(^_-)-☆
ブログ更新ありがとうございます。
長いですが有名なコピペを貼ります。
ある大学の講義で教授が大きな壺を取り出し教壇に置いた。その壺に彼は一つ一つ岩を詰めた。壺がいっぱいになった時彼は学生に聞いた。「この壺は満杯か?」教室中の学生が「はい」と答えた。「本当に?」そう言いながら教授はバケツいっぱいの砂利をとり出し壺の中に流し込んで岩と岩の間を砂利で埋め、もう一度聞いた。「この壺は満杯か?」一人の生徒が「多分違うだろう」と答えた。教授は「そうだ」と笑い、今度は砂の入ったバケツを取り出し、砂を岩と砂利の隙間に流し込んで、また聞いた。「この壺はこれでいっぱいになったか?」学生は声を揃えて「いや」と答えた。教授は水差しを取り出し壺の縁までなみなみと注いだ。彼は学生に最後の質問を投げかける。「僕が何を言いたいのかわかるだろうか」
一人の学生が手を挙げた。「どんなにスケジュールが厳しい時でも、最大限の努力をすれば、いつでも予定を詰め込む事は可能だということです。」教授は言った。「そうではない」
「重要なのはそこではない。この例が私達に示してくれる真実は、
大きな岩は、それを真っ先に入れないかぎり、後から入れることは出来ない、ということなんだ」
我々は迷晴れさんに岩を入れていただきました。砂から入れちゃった場合は一回全部捨てた方が良いですね。
私は一連の作業を定型化してから負けなくなった、というか時にロスカットになっても負けた気分にならなくなりました。
面白い話ですね~。砂で満杯になると融通が効かないですよね(^_-)-☆
迷晴れ様
いつも勉強になる動画配信ありがとうございます。
一見面倒に見えるMTF分析も、一度理解してみるとこれなしでは怖くてトレードできなくなりますね。
今回の様な動画を見ていると、いかに勝つかということは、いかにチャートをシンプルにして見やすくするかということだと分かります。
インジケーターを色々出してしまって、一見してごちゃごちゃしているチャートでは思考回路もごちゃごちゃしてしまい、納得できるトレードなんてできませんね。
遠回りに見える道が、実は一番近道だったりするものです。
MTFなしでは「道迷い」必至、必勝法探しより地図読みスキルの獲得。急がば回れで正解です。