1Mar
迷晴れボックスに寄せられた投稿をご紹介するコーナーです。今回は水平線についてと、トレードする波のサイズと利食いについてです。
水平線を引くとき、チャートの左側をどこまで遡れば効果的でしょうか。
いまの自分の方法ですが、日足で直近の最高値・最安値に水平線を引く、1時間足・15分足(または5分足)でネックラインと高値(安値)を更新した起点に水平線を引く。ここで、気になるポイントがない(気付かない)場合、ドンドン遡ってポイントを探そうとしてしまいます。そこまでする必要があるのか、したほうが良いのかご教授いただけますでしょうか。
類家 様
何のために水平線を引くのか
水平線は、トレード・プランを立て、プライスアクションを観察するために引きます。水平線を引くことは手段であって、目的ではありません。
誰しもそうだと思いますが、最初は、水平線を引き過ぎてしまい、情報過多で、かえってチャートを見づらくしてしまいます。
デイトレなら、最低でも20ピプスは間隔を空けるべきですし、ラインが近接しているようなら、ゾーンとして視るようにします。水平線は、意識して、厳選して引くようにすべきです。
凄く極端な話が、50ピプス毎のラウンドナンバー+プライスアクションだけを基準にトレードプランを立てるなら、考えて引く水平線は1本もいらなくなります。
判断に迷ったら、もし、世界が10人のトレーダーなら、と考えてみて下さい。
100%機能する水平線は、10人全員が意識するプライスに引けます。
反対に、2人しか意識してないプライスなら、そこでのプライスアクションはきっと弱いはずです。
今回の投稿にある、チャートをどこまで遡るかについても、ロウソク足を細く(ヒゲが確認できるサイズ)して、モニターに表示される範囲で十分だと思います。さらに、過去を遡るなら、時間足を大きくすればいいでしょう。
例えば、5分足チャートなら、せいぜい1日分程度しかモニターに表示されません。これを過去、2日、3日と遡ってラインを引く人が、10人中、何人いそうでしょうか。
デイトレなら一日の値幅となる日足のサイズは、だいたい決まっています。ドル円なら2円も動くことはまずありません。その移動幅の中で、インとアウトを決めるためにラインを引くだけです。
狙う波のサイズと利食い
1時間足4時間足での天井を確認し、短期足で下にブレイクしたあと戻りを待って5分足で売りエントリーをしました。切り上げラインを引いてブレイクした○の部分の114.72でエントリーしました。114.35付近で長期足での押し目買いが入ってくると思ったので。114.50のキリ番を利食い目標にし損切りは115.05に設定しました。
ですが、114.55付近で強く反発ましたので一度115.00のキリ番まで戻る可能性があると思い、それだと含み損が大きいと判断したため?部分の114.67で早めに利食いをしました。結果は+5pips でした。
後に揉んだあと戻らずに114.50に到達したのですが、これは保持しておくべきだったのでしょうか?
僕は、今回たまたま下に抜けただけであって大きく戻してくる可能性もあると思い利食いしたので判断は間違いではないと思いましたが、まよはれさんは今回の場合はどのような考えで利食い設定し、キープしたのでしょうか?
Yuuki 様
どのサイズの波の、どういう値動きを狙うのか。
日足でも115.000は強力なレジスタンスになっていることがわかります。今回は緑〇部分(天井部分)で、Yuukiさんの下がり始めるという見立ては正しいですし、実際に、この日は、150ピプスほど下落しています。日足レベルの強力な水平線(115.000)で前日、トリプルトップを形成しているので、大きく狙えそうです。
画像が添付されていなかったので、どこでエントリーしたのか不明ですが、黄〇でエントリーしたと仮定します。
Yuukiさんが、もし、5分足サイズの片方の波を狙ってエントリーしたなら、ラウンドナンバー114.500付近で利食いして、トレードを終えるプランでも問題ないと思います。114.35付近で買われるという想定も、実際に黄色点線から買いが入って天井を試す動きになっています。
ただし、エントリー直後に順行しないことはよくあるので、当初のプラン通りに利食いしてもよかったのではないでしょうか。一旦プラスになったのを見て、マイナスになりたくないという感情から、急遽プラン変更して利食いしてしまったのかもしれません。損切りを115.000の上まで持つ必要なありませんが、114.35付近で買いが入るという想定ができているので、114.500まではホールドできたと思います。
どのサイズの波の、どういう値動きを狙うのかは個人の自由なので、ボクが口を出すことではありませんが、このチャートを視て、緑波の値動きがイメージできていれば、赤〇からエントリーして大きく狙うこともできます。
日足レベルの強力そうなレジスタンス(115.000)で前日にトリプルトップをつくったという分析ができているので、勿体ない気がします。
115.000で天井をつくり、安値1からの買いパワーが、高値2と3の切り下げで力尽きたとなれば、買い手はポジションを手放し始めます。そうなれば一気に売り手優勢になるので下がり始めます。
黄〇は天井部からの1波目、しかも途中入りなので、大きく延びることはなく、すぐに、天井を試す2波目に打ち消されます。それをわかって5分の波をとりにいくなら問題ありませんが、緑波のイメージがあったなら、114.500でトレードを終わらせてしまうのは、かなり勿体ないです。
「1時間足4時間足での天井を確認し、短期足で下にブレイクしたあと戻りを待って5分足で売りエントリーをしました。」
このニュアンスだと、5分足はタイミングをとるだけに利用しているように伺えます。5分足をタイミング足で使うのか、それとも、5分足の波をトレードするのかで、プランの立て方が全く違ってきます。
どこからがレンジブレイクか
私はFXをはじめて1か月がたちました。チャートパターンなどいろいろ勉強して、かつデモで検証を行いつつもリアルマネーでトレードした方が責任感がつくと思い1Lotでトレードしていますが損切ラッシュです。
その原因は大体わかっているのですが、明確な原因が分かっておらず質問してみました。私は基本的にレンジブレイクを狙っています。ですがエントリーのタイミングがいまいちつかめません。
画像の黄色枠で囲ったエリアをレンジと判断し、ブレイクを待っていたのですが、レンジ内ではAひげが最安値、でも直近ではBが意識されているのか、そもそもひげを抜けたらブレイクか、実態で抜けたらブレイクか、こういうあいまいな部分でやられてしまいます。
終わってみっればCが実際にブレイクしたローソク足だと分かりますし、これほど大きな陰線だとブレイクしたと判断できますが、乗り遅れる可能性がありますし、いったん戻ることもなくどこか行ってしまいました。
エントリーのタイミングは他の方の動画などもみて皆さん共通している部分もあり、参考にしてイメージはできるのですがいざ実践するとローソク足のあいまいな動きで損切されてしまいます。一回の損切はだいたい5-10Pips程度ですが損切が多すぎてブレイクでの利益を差し引いてもトータル損です。
1か月でもう40回ほどエントリー(ポジポジ病ではないはず。)していますが、運が悪いようではなく恐らく私のエントリーの仕方がへただということがこれでわかりました。
主な損切結果は、エントリーした瞬間に逆行、数pips伸びるが一瞬で戻ってきて損切、この2種類です。勝率は5%ほどです。どうかご指導の方よろしくお願いいたします。
サイファー 様
ラインは目安、肝心なのは、プライスアクション。
チャートは5分足ですが、ボクの場合、ヒゲは、抜けたとみなしていません。Cのように5分足ロウソク終値が確定するのを待って抜けたと判断します。
また、Aの安値、Bの安値、どちらをレンジ下限とするかについてですが、安値2からの上昇が、高値3をつくり、高値を切り上げているので、レンジで考えれば、直近安値Bを下限としますが、直下の安値Aが意識されないとは言い切れないので、余裕をもって安値Aとします。
ただし、機械的に引いたラインに頼り過ぎると、本質を見落とし、洞察力が働きません。
レンジ部分を、ボックスで囲い、見える化するのはいいのですが、もっと肝心なのは、プライスアクションです。
安値2から買われて高値を更新しましたが、高値3から売られてチャラになっています。これは、122.000周辺に強い売り手がいることを示唆しています。その後、高値を切下げて、最終的には小競り合い(緑枠)を起こしている事実が決め手です。
曖昧なレンジ下限に迷うことよりも、この小競り合いを抜けたことで、買いポジを持っているトレーダーがポジションを手放すということを意識することが大事なのではないかと考えます。
NY時間になっていますし、安値Bではフェイクになりましたが、時間が経過するほどにブレイクの可能性は高まります。そうなれば、小競り合い下限を試すことがあっても、下がり始める可能性が濃厚ですし、指標も絡んでいたかもしれません。
これらの条件下で、5分足Cが勢いよく抜けて確定したので、これがフェイクになる可能性は低かろうと思います。
抜けたところを試さずに、浅い戻しだけで下がっていく現象は、よくありますので、過去チャートで確かめてみて下さい。
次に買われるとしたら、121,600なので、この買いによる反発を受けて、5分足が陰線になり始めたところでショートしてもいいと思います。最悪、逆行しても小競り合いゾーン下限でレジスタンスされそうです。
ただし、もしも、安値4ができていれば、ここで反発に警戒して、小競り合い下限付近を試してから入るかもしれません。理由は、この安値4は、安値Aのような曖昧さがないからです。
エンリコ・フェルミ氏の「フェルミ推定」という考え方があります。
シカゴ大学教授だったフェルミ氏が、学生に出した「シカゴにピアノ調律師は何人いるか?」という問題で有名ですが、マイクロソフトやグーグルなどの入社試験でも、このフェルミ推定の問題が出題されているそうです。途方もなく膨大な事象を、限られた情報量から推測する能力が入社条件として、あのような企業には必要なのでしょう。
「トレードで勝ち続ける方法は?」
これもある意味、フェルミ推定のように感じます。相場で起こるあらゆる事象を、大局的にひとつのものとして捉えて推測するわけですから。
単純さや複雑さは、相対的なもので、経験値によって感じ方が違います。
ピアニストは、複雑なことを、演奏という、ひとつの流れとして捉えて、簡単そうにやっていますが、それは、訓練によって、ひとつのものとすることができたからです。トレードも、ひとつの演技、演奏のようなものだと思います。
複雑さと洞察力はトレードオフ関係にあるのではないでしょうか。
複雑に感じることほど、直感が鈍り、本質を見落としてしまうことになりそうです。
トレードでお金を儲けるのに、リストのピアノ曲のような超絶技巧は必要ありません。どちらかと言えば、童謡のようなシンプルな曲を、余裕をもって弾きこなすかが重要だと思います。
水平線を引いてのトレードは、日本ではよくライントレードと呼ばれますが、海外ではプライスアクションと呼ばれていて、こちらが源流です。その本質は「値動き」に意味付けをしてトレードの指標とすることだと考えます。
目安として引いたラインそのものよりも、そこでのプライスアクションを注視するべきだと思っています。そうすることで、直感力や洞察力といった経験者しか得られない付加価値がついてくるのではないでしょうか。
水平線に囚われすぎると、美しい日の出(本質)を見損なってしまいます。
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コメント
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コメント (6)
いつもありがとうございます
負けた理由今回でがわかりました
今年になり いい感じでしたが それはプライスアクションで他者の気持ちになりトレードしていました
そして
悪い癖が出て ラインのみ 切り下げライン引いてロング その逆 で 大敗
ほんとに 本質の意味がようやく解りかけたようなきがしました
またまた 霧が晴れました
ありがとうございます
切上げ・下げラインは、使うポイントによっては抜群に使えますが、そうであっても、プライスアクションを確認することで、いろいろな情報が得られると思います。
初めまして。
(お問い合わせフォームから送信させていただいたあとに気が付いたので、こちらに改めてコメントさせていただきます)
いつもYouTubeにて動画を拝見させていただいています。
過去の動画から遡って少しずつ勉強させていただいています。
少し私の身上に触れさせていただきますと、現在34歳で、前職を辞め、今は大学に入り直して学ぶ傍らトレードを行っているという状況です。
トレード歴は8ヵ月ほどと未熟ですが、ほぼトントン、累積でほんの少しの負け、というぐらいには成長することができたかなと考えています。
さて、今回のコラムの内容からはズレると思うのだすが、お尋ねしたいのはダラダラとトレンドが続く相場でのエントリーについてです。
普段は日足、4時間足で相場の環境を確認しつつ、1時間足を軸として、5分足を基にエントリーするというスタイルでトレードを行っています。
ここ2日(2/28,3/1)のように強い押しや戻りが入らず、ダラダラと上昇または下降が続く相場ですと、どこでエントリーしてよいか分からず、気付けば100pipsも動いていたということがまれにあります。
おかげさまでポジポジ病は解消されたかなと思うのですが、逆にタジタジ病にかかってしまい、エントリーを躊躇するということが多くなってしまいました。
何かいいアドバイスがあればご教授いただけると幸いです。
こういう値動き、ボクも嫌いですよ。ロウソク足があまりに小さいときは入らず、大きなロウソク足が出てから考えます。あと通常なら、足の速いショートであっても、追っかけエントリーはせずしっかり引き付けるようにしています。
「強者の値からラインを上抜いたら、戻ってきてもその値段で支えられる」というプライスアクションを考慮すると、ラインの下に強いサポート勢が控えているという場面が多々あるのかなぁと思います(^ ^)ラインが効くとかダウがどうとか色々ありますが、複眼をもって本質を撰りだす的な訓練が大事なのかなぁと思います(^。^)複雑なものを単純に変化させるって人が最も苦手とするところかもしれないですね(^ ^)
その通りだと思います。結果としてラインが効いただけで、そこには人間の思惑が交差しています。