16Dec
週間チャートナビ(2017.12.11~12.15)は、ドル円、ユーロドル、ユーロ円の主要三通貨ペアの一週間を振り返ったチャート解説です。
今週の視点
ロウソク足4本値、とくに「終値」は重要な意味を持つことがあります。これが、日足や週足などの大きな時間足になれば尚更です。
ほとんど意味もなくロウソク足が時間切れになって閉じたのではなく、何らかの意味があって、そこで閉じていると考えたほうがいいでしょう。
ボクも先週足、前日の日足の状態は必ずチェックしますし、小さな時間軸チャートから小さな情報を拾うよりも、大きな時間足チャートから小さな情報を拾うほうが案外、お宝情報だったりします。
初心者のうちは、自己に都合のいい「蛇足ライン」をいっぱい引くぐらいなら、50ピプス刻みのキリ番、先週足、前日の日足4本値に機械的に水平線を引いたほうが無難です。
そもそも、通貨ペアにもよりますが、たとえばドル円なら一日に100ピプスも動きません。
たとえ100ピプス動いたとしても、単純に20ピプス刻みでも6本しか引けません。
キリ番と前日の日足、先週足で、6本に達してしまうかもしれません。
20ピプス以上の利益を狙っているのに、10ピプス間隔で引いても、蛇足というわけです。
「相場のことは、相場に聞け」こういわれますが、ロウソク足には先人が何をしてきたか、その歴史です。
下手にオリジナリティあふれる考え方をするより、素直に、キャンドル先輩に話を聞くのが一番ではないでしょうか。
ドル円
先週足が、そこで閉じた理由を考えると、キリ番113.500+子ネックに反応して上げどまったようです。
今週のプランをたてるとき、例えば先週足が陽線なら、先週足の高値を更新するなら、どのパターンになるか、あるいは、半値辺りの押し目が失敗して安値まで下がるのか。
そんなことを簡単に意識するだけでも、いろいろなことが見えてきます。
青安値を更新しているので売り目線で攻めるのは間違ってないですが、日足チャートでみればレンジ内なので、Nゾーンからの買い圧力も軽視できません。
もし、押し目買いの圧力が高まったとすれば、①~③の値動きも考えられたので、売り選好にしても、そこのところを意識しないといけません。
子ネックでのプライスアクションを確かめる。
最初の仕事は子ネックでのプライスアクションを確かめる(確かめながらのスキャル)ことです。波が転回するにしても、一日はかかりそうで、その間に、天井圏をつくるだろうことが想像できます。
レジスタンスの強さを確認後に売る。
9日、10日と日足が高値更新できなかったことで、113.50が天井になる確信が持てました。ここからは売り選好になりますが、Nゾーンからの押し目買い買い②③に注意します。
13日の安値付近白〇で水色押し目買いNゾーンを若干下抜けて112.50で反発してますが、勢いがあれば、このようにオーバーシュートすることがありますが、安値のそばにキリ番があるときは、その両方をひとつのゾーンとして意識しておきます。
Dec.11 Mon. 5分足に日足ロウソク
- 週足などの節目でのブレイクアウトの判断は、日足が閉じないとわからない。
- 天井をつくる可能性が高いので、暫定ネックラインをサポートとしてシナリオをたてる。
- 高値から9日安値の暫定ネックまで50ピプスあるので、この間をスキャルするか、決着がつくまでスルーする。
高値天井を試した上ヒゲ(赤1)これをサインに113.50まで売れる。この局面での買いはブレイクアウト期待で、壁打ちになるので致しません。
5分足の黄色ラス押し安値を更新したので陽線ハラミ足(赤2)をサインに売れます。
売り目線なら、赤3で天井を試したあとの安値ブレイク、ここなら、青安値からの買いポジ損切りも巻き込みます、狙いは水色水平線ですが届きませんでした。
買い目線なら水色水平線に引き付けて底値フォーメーションを待ちます。
Dec.12 Tue. 5分足に日足ロウソク
- 前日の日足は節目でレジスタンスされている。
- ブレイクアウトの判断を焦らない。
前日終値を試す動きが赤1で出たので売れますが、怪しい動きになれば即逃げます。買い目線は壁打ちになるので致しません。
青安値は黄色ネックを抜いた「強者の値」ですが、ここを下抜かない限りは暫定ネックまで下がりません。
赤1でのショートを、この強者の値で半分決済して、残りを引っ張りましたが建値まで戻ってしまいました。
米国セッションで再度、高値試しの動きになりましたが、ここは慎重に判断したいところです。
この水平線に対して、何時間足でブレイク判断するのかに明確な基準はありませんが、少なくとも「分足レベル」では役たたず、そうかといって日足が閉じるのを待っているとチャンスを逃す可能性もあります。
できれば4時間足くらいが妥当でしょうか、それに加えて、抜けた値幅やロウソクの形状をみます。切下げラインのブレイクアウトを待てば、焦って買うこともないでしょう。
Dec.13 Wed. 5分足に日足ロウソク
- 日足が2日連続レジスタンスされたので積極的に売り。
切上げライン上に赤ブロックをつくりました。これをサインに赤1のブレイクでショート、水色ネックラインのピンバー出現まで売ります。この動きで、天井完成を意識するトレーダーが増え始めると判断しました。
先週高値ブレイクアウトへの期待を捨てきれないトレーダーが水色ネックから買うでしょうが、その心理を逆手にとっての売りを考えます。
赤ブロックを試したモミ合い(赤2)をサインに売り、狙いが親ネックまでの理由は、ここが押し目買いの候補だからです。
手前戻り高値の天井を試した赤3をサインにショート、狙いは親ネックまで。
Dec.14 Thu. 5分足に日足ロウソク
- 112.50からの押し目買い③に気を付ける。
- 112.50を下抜ければ、112.00まで売れる。
- 買いは赤高値を上抜けてから考えればいい。
赤1で売るも安値を切上げてしまったので逃げる。
安値を切上げているので、なかなか売りすらい。ポイントは112.50押し目買いのポジションが逃げ出すところか、赤高値レジスタンス(赤2)で売るのがいい。
買い目線の人からすれば青安値は波の転換狙いのロングポイント、ここでロングするのは間違ってないが、このポジションが崩れれば一気に下落の流れになることに注意したい。
売るなら、買いの勢いが弱まった高値切下げ始め(赤3)か、グレーのハラミ抜け(赤4)になる。このハラミ外側に逆指値を仕掛けておくのもいい。
Dec.15 Fri. 5分足に日足ロウソク
- 112.00 + 4時間足押し目買いNゾーン下限 + 先週高値まで降りてきた。
- 112.00が今週のゴールになるか、押し目買いで上昇するか。
戻り売りは、前日終値=天井を試した赤1からショート。この売りが安値を切り上げたことで「暫定ネックライン」を赤高値に設定。買いなら、これを上抜いてから考えることにする。
赤高値から112.00までの値動きは、どう動くかわからないが、下限からの逆張り(青1)は挑戦してみる価値がある。そもそも、112.00を今週のゴールに設定していたので、もし、上昇始めればラッキーといった感じだ。
この35ピプスほどの真ん中はトレードが難しいが、赤高値をブレイクすれば、押し目買い(青2)できる。5分足ボリン+2σ反発で勢いがある。
ユーロドル
先週足に孕まれた150ピプス程の一週間になりました。先週の陰線からの戻り売りを狙いつつも、青押し目買いNゾーンからの買い圧力もあるところ。青Nゾーン下限付近でダイバージェンスしています。
Dec.11 Mon.
先週足は陰線なので、戻りを待っての売りを考えます。
戻る売り候補はキリ番1.80000、まずは、ここで上げ止まるのを確認します。
Dec.12 Tue.
8日ボトムと11日トップで上下に分かれています。先週終値が境界線になるので、これを基準にプランをたてます。
天井を試した毛抜きロウソク(赤1)をサインにした売りましたが、日本セッションでは安値更新ならず、子ネックまで、もう一段上に上がりました。
8日安値を押し目とみた買い手のロングが強ければ①のようになる可能性もありますので、子ネックからの売り(赤2)は、そのリスクをはらんでいますが、うまくいけば高いところから売れます。
この8日安値と11日高値の対決、決着がついたのは十字足(赤2)ブレイクなので、ここまで待てば、この下落を利益にするのは簡単です。
Dec.13 Wed.
買いを考えるのは先週安値やNゾーン下限オレンジ水平線でサポートされてからでいいでしょう。
12日の安値はNゾーン下限に若干届いてませんが、これをサポートとみなせば、ハラミ足(青1)抜けで買えますが、まだ、12日下落の戻り売り残党がいるので狙えるのはそこまでです。
次はレジサポ転換で売り(赤4)、これの狙いは、青1の安値までで、安値試し(青2)に失敗すれば、売り手はあきらめて逃げだします。
8日と12日で安値を切り下げてますがダイバージェンスしています。Nゾーン下限とも重合するので、売りより買いが優勢です。
Dec.14 Thu.
8日と12日のWボトムで上がり始めました。14日朝には伸び切った感があるので、押し目を待って買いますが、候補が複数あります。
Dec.15 Fri.
青1周辺で買いを考えていましたがV字回復して買えませんでした。次の買いのチャンスは、再び同じレートまで下がってきたところか、赤高値を上抜いたところです。
売り目線なら赤高値の反発で売れたかもしれませんが、売りと買いの強弱関係が、よくわからないところで難しいです。
ユーロ円
レンジ相場が続くユーロ円、2週前の週足と先週足、2重に孕まれていています。
まず、可能性として2つの青矢印のように、先週高値あるいは先々週高値を目指すことも考えましたが失速しました。
週前半に高値を切下げ、133.00上の水色押し安値も下抜けば、先週安値まで売り選好でトレードできます。
Dec.11 Mon.
先週高値に今一つ確信が持てずに逆張りはできませんでした。
先週高値を狙ってで押し目買い(青1)しましたがモミ出しました。
トレンドラインを使う人なら青2のロングもいいと思いますが、あくまでスキャル感覚で期待はしないことが前提です。
Dec.12 Tue.
翌日、11日足がレジスタンスされたことで売り選好でした。高値天井を試した赤1をサインに133.50を抜ける一波目を売り、一旦、利確。さらに、戻ったら売ろうと考えていましたが、133.50の抜け方が浅く(サポートが強い)、戻り方も強かったので売れませんでした。
そうなると、次は、133.50のブレイクした戻り(赤2)を待つしかありません。
Dec.13 Wed.
水色水平線のある押し安値からキリ番133.00にも近くWで圧力がかかりそうで、しっかり値動きを確かめたいところです。値幅も30ピプス弱しかなく、スキャルで対応するしかありません。
Dec.14 Thu.
ひとつめの安値を下抜け、ふたつめの安値で反発。133.00を挟んでレンジ化したパターンです。
緑Cブロックは天井を試しているので、ここで高値を切下げれば売れますが、22:30にECB総裁ドラギ氏の発言を控えていますので、直前のエントリーは危険です。
この初動をトレードするのは難しいので、上を試して上げ止まったところで売るか、Wトップのネックを下に抜いてから売るかでしょう。
Dec.15 Fri.
先週安値ゴール達成です。ここからの上昇はオマケと考えています。
一を以って万を知る。
に大きな気づきがあったのでコメントしました。
一部分である『以って』についてですが、一を知って万を知ると表現されてないことが、私にとっては、とても重要だと思うのです。
つまり、『以って』とは知ることとは区別されており、それは信じることではないかと思っています。具体的に言えば、ラウンドナンバーの存在を知り、ショートをしたとしても、利食いを反転しそうな場所でしているようでは、それはラウンドナンバーを信じていなかったことになります。
万を知る一としてラウンドナンバーを見るのであれば、次のラウンドナンバーまで利食いをするべきではないのです。根幹となる考え方は2つも3つも信じることは出来ません。矛盾してしまうからです。
一つを信じれば、エントリーが決まり、損切りが決まり、それ以外行動する必要がないのですから、つまりは、勝ち負けは別として、万を知ったということになるのではないでしょうか。長々書いてしまいましたが、今回気付いたことは、一つを信じれば、知ることに終わりが来るということです。
投稿者:山崎さん
鶏と卵、どっちが先かみたいな話になりますが、そもそも、相場の創成期は、過去にデータがありませんでした。
そのとき、おそらく基準になっていたのは「キリ番」ではなかったかと思います。
今でも、キリ番周辺に高値や安値、ローソク足4本値やネックラインができることが多いわけは、もしかしたら、キリ番を中心に節目が決まっているのかもしれません。
この「キリ番地動説」という仮説を前提にすれば、そのほかのラインの成り立ちも、キリ番への試しのオーバーシュートやアンダーシュートというふうに考えることもできます。
多少強引な仮説ですが、そう基準をひとつに絞ることで「観点」が単純化され、みるべきところが見えてきます。
そうすればキリ番の前後10ピプス以内に引ける高安、ネックライン、レンジ上下限だけを基準にトレードするといったルールだってつくれるかもしれません。
ふたつの「観点」持つことで、ふたつの「解釈」ができてしまい迷うのが相場です。
観点をひとつに絞れば、解釈もひとつ、そこを起点にして、多くの気づきを獲得するほうが、納得解へのショートカットかもしれませんね。
◆迷晴れFXの上手な活用法◆
この動画やブログを見るだけでトレードが上達することはありません。
本来の学び場はチャートであり、当コンテンツは【考えるヒント】の気づき場とお考え下さい。自分で仮説をたてて、自分で考えることが勝つコツです。
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コメント
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コメント (5)
月曜火曜は上目線でしっかり利益を出せたのですが、
NoNさんのように火曜終わった時点でドル円で天井圏ができたと見抜くことができず、
水曜も買い目線、つまり上昇していくのではないかという予測でトレードをして、
この日は大きな損失となりました。
上昇するという頭があると、損切を遅めにしてしまい損失が増えてしまうんですよね。
私を含めて水曜に負けたトレーダーは多いのではないかとtwitterなどを見て推測するのですが、
NoNさんのように火曜の時点で上昇は苦しいと一足先に気づいたトレーダーが
利益を大きく重ねていくのですね。
水曜のBox動画の「諦めに備える」がとても大事だと思います。
自分の見方をすぐに捨て去れる心持ちでいることですね。
以前、私の投稿に
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後からわかっても意味がないといわれる方がいますが、それは間違いです。
後からみてわからないものが、リアルでわかるようになるはずありません。
今、されていることをこれを繰り返せば、必然的に、分析・洞察能力は向上します。
——————————-
というとても励まされるコメントを頂いたのですが、
今回の天井圏で翻弄された経験をしっかりと記憶して、
同じ値動きが必ず繰り返されると思うので、
次回はしっかりと利益にしたいと思います。
体調を崩されているとのこと、
今年は寒さが厳しく、また忙しい時期なので
何卒、ご自愛ください。
日足の反発を参考にするといいかもしれません。もちろん、そうならないこともありますけどね(^_-)-☆
以前、トレンドラインをメインにした方が良いという声を聞きトレードしてた時がありました。
自分のやり方も悪かったかもしれませんが、値動きでどんどん斜めラインが増えてしまい。
斜めラインだらけのチャートで翻弄されてことがありました。トレンドラインを重視の声も
聞きますが。キリ番を意識して相場はうごくのかなとここ最近よくおもいます。
まずはキリバンなどの水平線。斜めラインは後からトッピングできます(^_-)-☆
基準を決めた時、それ以上知る必要がないことに気付く。知ることに終わりが来る。
即ち、それ以外の選択はすべて消えるということ。
どうしてこんなに単純なことに気付けなかったのでしょう。
作戦、戦略、戦術、全ての基準がやっと決まりました。
投稿者様に感謝します。