22Jan
先回2回に渡り”トレードの基礎・基本”の動画をリリースしましたが、今回はその応用編として”マルチタイムフレーム分析(MTF)についてお伝えします。
相場は3Dレイヤー構造。
「発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。」
これはフランスの作家マルセル・プルーストの名言。
相場を難しくしている一番の原因は”複数時間軸の存在”で、ひとつの”事実”に対し、それぞれの時間軸トレーダーの立場毎に複数の”解釈”がありえるからです。
この解釈の混在をスッキリひとつにまとめる作業がMTF分析で、相場を単純化できる”新しい目”で、新しい景色をみるスキルです。
このスキルがあれば、より確度の高い方向へポジションを持つことができるようになり、明日への糧にならない意味のない負け方をしなくなります。
相場は値段と時間、そして時間軸から成る3D構造です。
例えば、あなたが5分足チャートを見ているとしても、そこには日足トレーダーや4時間足トレーダーの思惑がうごめいています。
そして、彼ら上位足トレーダーが行動にでれば、5分足チャートだけのシナリオなんてすぐ崩れ去ります。
ひとつの時間軸をみるだけでは、相場全体で何が起こているかを知ることは不可能なんです。
MTF分析をマスターすれば”相場観”という、どんなトレードスタイルにも応用できる力がつきます。
相場観とは”現在値”の適切な解釈で、相場世界を旅するための方向感覚のようなものです。
あなたがAを期待しても、BやCの行動をとる人が多ければAという現象は起こりません。
あなたがしたいことはどうでもよく、それぞれの時間軸トレーダーが、いつ、どこで、なにをするかをイメージできることが大切。
必要なのは、主観ではなく”達観”です。
あなたは、相場に複数の時間軸があることを難問と思い込まされてませんか?
その難問を小手先のテクニックで解決しようと時間とお金を浪費してませんか?
もうとっくに解決できたことを未だに迷ってませんか?
どこかでケリをつけるべきじゃないでしょうか。
MTF分析をマスターするメリットはたくさんあります。
インジケーターに依存しなくなる。
手法に依存しなくなる。
このラインは機能するとかしないとかで悩まなくなる。
そういう次元で悩まなくなります。
方法として上位足の移動平均線を下位足に表示することで、ある程度、上位足の状況はわかりますが、3Dを2D化するのではなく、そのまま”3D空間”として処理できるほうがいいに決まってます。
MTF分析も所詮は、過去2回に分けてお伝えした”基礎と基本”の組み合わせでしかありません。
処理を分解すれば、ひとつの原理と5つの原則、そして、5つの基本型の組み合わせです。
どの道、避けては通れないことを、なんとか避けようとうと、かえって事態を悪化させてませんか?
王道という近道があるのに、わざわざ遠回りしてませんか?
なぜインジ沼・手法沼にハマるのか?
正直、MTF分析ができて、相場観があれば、インジケーターや手法の必要性をそこまで感じなくなります。止まるべきところで、短期足の値動きを確認するだけのことですから。
インジケーターや手法を求める心の奥底には、相場観を養うのに何年もかかりそうなイメージがあるからではないでしょうか。
ボクもそうでした、むずかしそうで時間がかかると思い込んでました。
むずかしいから、インジケーターや手法があるのだと思ってました。
これが大間違いで、MTF分析はそこまでむずかしくありません。
確かにMTF分析は頭を使うし、簡単ではありませんが、だからといって3か月もあれば身につきますし、その後も永久に使えるスキルです。
3ケ月で手法を探すか、相場観を身につけるか、どっちが後々の役に立つでしょうか。
どの道、MTF分析を避けても、MTF分析の代わりになる方法を探すことになります。
その方法は有料・無料含めて無数に存在していますが、本来のMTF分析に比べれば劣ります。
インジも手法も”道具”です。
道具は使ってナンボ、使われては元も子もありません。
機能するとかしないとか、言ってるうちは、使われている証拠です。
むしろ、道具は相場観を身につかてから”後乗せ”するほうが変に依存せずに上手に使えます。
N波動を使ったMTF分析
今回は、値動きの第一原則”N波動”を使ったかんたんなMTF分析方法をお伝えするので、これをきっかけにMTF分析のスキルを高めていってはいかがでしょう。
まず現在値の解釈をします。
110.0戻り高値手前で11月陽線が確定した12月第一週目にくるみトレーダーがいます。
高値Aと安値Dから成るND1波動、高値Cと安値Dの片波支配下なか61.8%まで戻してます。この片波の支配を受けてることを理解します。
買い手の解釈
安値D始点の上昇トレンドがラス高値を更新して上昇トレンド継続中。
フラッシュクラッシュ安値Bを更新できずに安値Dで長い下ヒゲをつけたので戻り売りの成功率は低い。
売り手の解釈
高値C始点戻り売り61.8%候補+日足売りNゾーン内、110.0戻り高値も近い。
現在値の解釈としては、売っても、買ってもよいが、しばらくレンジになりそうなので大きくは狙えそうにない。
11月足確定後の12月1週目、高値Dが11月高値でレジされれば、MH4波動の安値Cと高値Dの片波支配下の動きで考えればいい。
4時間足買い手のシナリオ
NH4波動は上昇トレンド中、安値Cまで下落する途中の”半値押し”か、高値の更新幅が小さいので”深押し”されれば下位足の反転アクションを待ってロング。
11月高値で止まらなければ、別シナリオを考える。
4時間足売り手のシナリオ
安値C始点の上昇波押し目買い候補まで売り。”半値押し”か、NH4は上昇トレンドだが高値の更新幅が小さいので、安値C近くまで”深押し”されるかもしれない。
12月1週目、11月高値で上げ止まるのを待って、いったんNH4安値Cと高値Dの”半値押し”までショート。
強いモメンタムが発生すれば、V字にならない限り、ほぼ戻り売り・押し目買いされる。
つまり、翌日の3日も戻り売りできるが、NH1安値BのWボトムを警戒すれば安値B抜けショートでもいい。
何がどうなったらエントリーして、どうなったらイグジットするか決める。
NH4高値Dの反転を緑ネック安値抜けで確認するなら、翌日のNH1高値C、3波を待たないといけない。
勿論、これでもいい、1時間21MAが下落始点になっていてやりやすい、108.5でWボトムになるまで狙える。
NH1高値Aからの1波をとるなら、ワンザイズ小さなWトップ(黄ネック)を使って上値試しで2番天井を確認して赤1ショートできる。
これらは先回の基本編の”5つの基本型”のひとつ”波の反転”です。
2日の下落はNY初動に始まりましたが、相場観がないと、押し目候補の109円を前にショートしてしまい、戻りの2波に飲み込まれてしまいます。
そういうトレードを繰り返しているうちは何年経っても進歩しないでしょう。
12月1週目の水曜から2週目にかけて、NH4安値C押し目買いとNH1高値A戻り売りが衝突しての三角持ち合い。
NH1高値Cと安値Dの波の支配下において、さらに小さな紫波をつくりました。
値幅50ピプスあるのでトレード可能ですが、波動の中央でエントリーすれば反転を喰らいます。
レンジになりそうなら”レンジ内張り”が有効、それか、”レンジブレイク”を待ってロングすればいい。
ちなみに、NH4安値Cと高値Dの支配下ですが、さらに、NH1高値Cと安値Dのはらみが二週間続いています。
安値DからHまでの紫波はワンサイズ小さな波になり、NH1高値Cと安値Dの支配下にあります。
クイーンがジャックを支配している構図です。
こうやって”N波動”を使えば、今どこの高値と安値の支配を受けているのかわかります。
まとめ
あなたの人生に起こるすべての出来事、この責任をいったい誰が引き受けるのか?
それは政府でも、会社でもなく、自分自身です。
この”自己責任度100%”マインドを持つと無敵になれます。
なぜなら、周囲の目や環境に振り回されなくなるからです。
他人に受け入れさせるのは難しいですが、自分で受け入れてしまうなら一瞬です。
結局、自分の課題として解決するほうが楽なんです。
今の時代、誰だって政府や会社、世の中に対してモノ申したいことはあります。
社会保障が起業家の生活を苦しめてる現状なんて、マジで何とかならないかと思います。
だからといって日本人として、日本に住むなら受け入れるしかありません。
自分ひとりでどうにかの課題じゃないからです。
混沌とした時代には”心理の退行”が起こって精神的に人心が幼児化するといわれます。
精神年齢が幼いと、いつまでも”環境被害者モード”から抜け出せなくなってしまいます。
あなたの人生のCEO(最高運営責任者)は”あなた”であって政府や会社じゃありません。
ブーブー言いながら、結局、この国にいるのも、その会社にいるのも自分の選択。
自分が選んでるんです。
自由と責任って比例します。
自己責任感度100%の人は、100%自由人です。
年末年始にかけ多くのメールを頂き、社会への不平や不満からトレードを選ぶ人や、早く専業になりたい、自由になりたいというメールも頂きました。
ボクはむしろ兼業になりたい人なんですが、会社員だから不自由、フリーランスだから自由、専業トレーダーだから自由、兼業トレーダーだから不自由。
そういうことではありません。
自分に起こることを100%自己責任にできるマインドが自由な心をつくるのではないでしょうか。
何かを選べば、選べないものがでてきてしまいます。ならば、選ばないものを先に決めてしまうほうが選びやすくなります。
今回の内容も、2020年に”選ぶもの”の基準にしてもらえれば幸いです。
絶対的な正解なんてない世界だからこそ、自分で選んで、選んだものを引き受けるマインド、これこそ不自由な心を解放する鍵ではないでしょうか。
◆お断り◆
この動画は「学習」を目的に制作されたものです。個人の見解を過去のチャートから解説したものであり、未来を予想したり、利益を保証するものではありません。
記事へのレビューやご意見はコメント欄をご利用ください。コメントを「読者さまの声」としてブログや動画に掲載させていただくことがございます。
◆著作権について◆
当サイトは無料でご覧頂けますが、著作権は放棄しておりません。動画等のコンテンツを営利目的でお使い頂くことはできません。
詳細はご利用についてをご覧ください。
関連記事
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (13)
素晴らしい3部作をありがとうございました。
やはり、分かるとできるは全然違うなぁと思いながら拝見していました。
また、新たな気づきもありましたので、できるに変換すべく取り組みたいと思います。
上がるか下がるかだけなのに、なんでこんなに難しいんでしょうね。
でも、人生が大きく変わるようなスキルなんですから、習得までが大変なのは当然ですけど。
「大」きく「変」えるのは、自分自身ですし、どちらに大きく変わるのか、これこそ自己責任ですね。
その上がるか下がるかに、色んな要素が絡みますからね。だから基準にする”単純眼鏡”が必要なんですよね。まぁ、人生も同じかも(^_-)-☆
動画お疲れ様です。
楽しく拝見しました!
MTFは本当に必須科目ですよね。以前は押し目買い候補を探すだけでしたが、
最近はもみ合いもMTFで考え、ブレイク手法に使ってこちらのほうが成績がいいです。
理論としては応用編ですが、さらに発展させることもでき、ここからスタートみたいな部分もあります。
毎年、mayohareさんはコンセプトを変えて動画を作っている気がします。
年初めは、雰囲気が変わるので、何時にも増して動画が楽しみです。
FXでは、今週で月の目標値3%は達成することができました。
いつ来るかわからない勝ちをコツコツエントリーしながら待っていたところ、
久々にバイーンを取れました。そして学びも多い月になりました。
成績のいい手法2つに絞って、コツコツ損切してたら、何かが吹っ切れ、
今回の動画の話につながると思いますが、理論ではなく、自分の判断を信じれるようになれた気がします。
長々失礼しました。ありがとうございました。
お疲れ様でございます!基本がしっかりしてるからこそ、応用が効くというものですね。自己責任って、自分の決断に対する許しともいえます。何が起こっても自分を許せるって、それだけ下積み経験をしてきたからこそですよね。
いつも素敵な動画をありがとうございます。林修先生の名言に次のような言葉がありました。
「努力は裏切らないっていう言葉は不正確だ。正しい場所で、正しい方向で、十分な量なされた努力は裏切らない」
おそらくうまくいかない人は、頑張っているのだけれど、やってもやっても結果に結びつかなくてあきらめていってしまうのではないかと思います。「正しい努力」これがとても重要で、方向を間違うと人より頑張っているのに結果がでないという残酷な現実を突きつけられます。受験や難度の高い資格所得でさえ3か月の努力量ではゴールにたどり着くことはできません。相場の世界では3か月あれば人生を変えるきっかけをつくることができる・・・。これってすごいことですよね!
膨大な量の観察と検証を重ねて、何となくわかってきたかもというフェーズ。リアルチャートの中で「ここは入れそうかも」と迷ったあげく見送っていると想定通りの値動きが起こり機会損失にヤキモキするフェーズ。小さな成功体験を積み重ねて自信を持ってエントリーができるようになるフェーズ。これは自分のパターンでしたが、人それぞれに小さくても前向きな成長の証を感じられると努力することが楽しくなってきますよね。
正しい努力と間違った努力の見極めが大切ですね。ボクもFXを始めた当初はインジをこねくり回しましたが、もしかするとその方向性にも「正しい努力」の方法があったかもしれません。
しかし、インジや手法のようなフィルターのかかってない「素」の相場を学びたい欲求が強く、結果として今のカタチになりました。行動を起こす前に、なぜそうすべきなのかを考えることで間違った努力をするリスクを減らせるかもしれませんね。
ちょっとビックリしました。
ちょうど自分の座右の銘は「正しい努力を継続」です。笑
正しい
努力
継続
3つの条件で頑張っている人なんて、1%いるかないかぐらいですかね。
ちなみにまだ皆様のように安定に勝てていない自分は、ただの努力不足だと思います。
精進して参ります!!
Tonyさん、コメントありがとうございます。「正しい努力を継続」するってとても大事ですよね。本質を見ようとする思考回路が重要だと思いますし、努力を継続させる工夫も大切だと思います。そのためにも、迷晴れさんのコンテンツを有効活用させていただいています。自分もまだまだです。共に頑張りましょう♪
素晴らしい動画、ありがとうございます。
値動きって、本当に理にかなっていることは、マヨハレさんの動画を見て初めてわかりました。
相場の前に、(大口を除いで)皆平等で、本当に一個のゲームとして成り立っていると思います。
検証を重ねて養った「相場を見る目」で、
自分なりに分析して、納得するエントリーをする!っというのは、楽しいですよね!
それに対して、インジばかり頼ってトレードは、楽しくなければ、納得感も得られないでしょう。
そういうfxの楽しさを教えてくれたのは、mayohareさんです。感謝です!
インジを使うにしても、使わないにしても、何にしても”納得解”でトレードするってのは大切ですね。
制作お疲れ様でした!初心を忘れず三種の神器にして日々頑張りたいと思います(^^)
自己責任100%=自由100%
私もそう思います。人命を扱う現場で責任感が無いのを見ていると気が滅入り、自己責任100%の専業を選びましたが、私も働き方に融通が利けば兼業が良いと思います。フリーランスは社会保障も手薄いですしね(笑)自由目指して奮闘していきます(^.^)
自由とは自分で決めること。仕事も、お金も、時間も、人間関係も、居場所も、全部自分で決められるはずですが、変化を嫌う本能がこれを妨げるんですかね。
いつも更新ありがとうございます。
今回も非常に濃く、刺さる内容でした。
自分なりの解釈として、そもそもMTF分析がきちんと出来ているか?は、迷晴さんがよく仰る「目標」を明確にする事で測っています。今はこの波の支配下=「目指している目標はここである」と言語化し、そこを達成した/していないからこういう動きになった。その説明と実際の動きがピンとこない場合は、目標を無視するほどの大きなファンダの影響があったか、そもそも自分が目標と認識していた事が市場参加者とズレていたのか。「目標」という具体的なモノを使う事によって、私は「なんとなく相場観が身に付いてきた気がする」という状態から、「今の自分の相場観は正しいか」を以前より測れるようになってきたように思います。
間違っている時に、なぜ間違っているか、どこが間違っているか気付けない状態は、即ち成長・改善できないと同義なので、今回の3部作は本当にFX学習の全てが詰まった…無料だと逆に不安になるほどのクオリティだと思います笑
結びの自己責任と自由の相関についても、非常に共感しました。どれだけ自身の人生に責任を持ちたいか。それに良し悪しはないので、自分のしっくりくる所を見極める事が大切だな、と思いながら拝聴しました。