30Jan
ブログの『迷晴れボックス』に投稿されたトレードを考察、テクニカル・メンタル面についての気づきを共有する企画です。
ブレイクの戻りで損切り まっとさん
迷晴れ様、こんにちは。いつも大変ためになる動画を配信していただき、ありがとうございます。私は2018年3月頃から本格的にトレードを初め、迷晴れ様の動画はちょうど1年前くらいから拝見させていただいております。成績は3ヵ月に1回はプラス収支、あとはまだまだマイナス収支の月が多く、勉強中の身であります。
私はブレイク手法をメインでトレードしており、特に三尊のネックライン抜けが視覚的にも好んでトレードしております。
ただ、前のめりになっているせいか、ブレイク後の戻りを待たずにエントリーし、損切になることも少なくないです。
今回の負けトレードもネックライン抜けの”戻り”にやられてしまいました。
環境認識としては、4時間足で114円あたりから高値を切り下げてきており売り目線。112.251あたりでサポートされていたので、そこを抜ければ売っていこうと考えておりました。
自分のルールとしては、1時間足確定でブレイクと判断しているので、その後は1時間足実体でブレイク確認後エントリー(112.166)し、利確目標は111.462、損切はブレイク起点の上の112.456付近にしておりました。指値と逆指値を入れて就寝し、朝確認すると損切になっておりました。
今回の自分なりに気付いた反省点
- ネックラインをみるとするならば、113円のところだったのではないか。
- ブレイクの起点は112.625だったのではないか。
- そもそも戻りを予想して、その日はトレードせず翌日にトレードすればよかったのではないか。
などと考えております。普段は損切10pips程度に抑えるのですが、このときは4時間足でも実体で抜けていたので、気持ちが大きくなり、損切幅を大きくとってしまったのも後悔しております。今までのトレード記録を振り返ると、月間勝率は50~60%ですが、リスクリワードが伸びずに負けてしまう月が多いです。
迷晴れ解説
まず、ブレイクアウト手法に潜むリスクを解説します。この2つの落とし穴を見極めながらでないと”ブレイクアウト手法”はガクンと勝率が落ちます。
ラインブレイクのダマシ
ⅱ波押し戻し含み損。
まっとさんは1時間足ロウソク実体抜けをシグナルに、次の1時間足でエントリーというルールなようです。確かにこれは、”セットアップ”の一環ですが、ブレイクアウト成功を確定させるものではありません。
これをブレイク成功としてエントリーすると2つの落とし穴を回避できません。
112.25は、11月安値+先週安値であり、4時間足チャートでみても長い時間意識されているレート。”強者の安値”を下抜き返しているので、売り手のモチベーションは上がってます。
なので、ブレイクアウトという狙いは間違ってません。
確かに、下抜ければ大きく動きそうな局面ですが、黄色の値幅に対して10%抜けたかどうかの微妙な感じで、少し抜けたぐらいでは”フェイク”を疑う人もいるでしょう。買い手の最終防衛ラインを死守する人も多そうです。
深夜のFOMC直前+10%ほどの微妙な抜け方で、こぞって売り始めるかどうかは疑問です。
1時間ロウソク足の実体抜けは、セットアップ開始のサインにはなりますが、ブレイクが成功したわけではありません。
整いました。ではなく、整ってません。
これは、波の転換部にできた、Wボトム一番底で早々逆張りするのと似ています。2番底を確認しないと、下げ止まったどうかはわかりません。
ラインブレイクは、抜けのⅰ波、押し戻しのⅱ波、おいしいⅲ波というリズムで展開します。
勢いが強かったり、ポジション溜まりの損切りを巻き込むと、ⅱ波目の押し戻しが浅いことがありますが、基本はこのリズムです。
ご本人も”前のめり”といわれてる通り、赤〇ショートは、ⅰ波目、いわゆる飛び乗り。大きかろうが小さかろうが、必ずプルバックが起こります。
ちなみにボクが、ⅰ波目で飛ぼ乗るのはⅱ波目が小さいと推測できるときです。
112.250をブレイクさせた”緑レジスタンス”された可能性もあり、その場合、含み損も小さくて済みますが、この日はFOMCもあり~の、強者の安値裏もあり~ので、緑レジスタンスに優位性はありません。
世界がブレイクを認めるのは、黄安値を下抜けたときです。仮に、黄矢印の動きになれば、黄安値は”フェイク”になり”ブレイク失敗”になります。
黄安値を以ってカウントダウンが始まったが、シャトルの打ち上げは失敗したということです。
シャトル打ち上げ成功の決め手は、ⅱ波押し戻し。このⅱ波は、直近で最も意味のあるレートを試すと考えます。
このチャートで最も意味のある高値は、112.6強者の安値ではないでしょうか。これを下抜き返したことで112.250ブレイクへの期待感は高まってますし、東京時間にも紫高値で反発してます。
仮に、緑レジスタンスからの抜け方が大きくて、誰の目にもそれがわかるなら、目論み通りの下がり方をしたかもしれません。
ブレイクアウトは何も特別な手法ではありません。ⅱ波押し戻しが意味あるレートを試してから、ⅲ波目で押し目買い・戻り売りするのが基本です。
ⅰ波に注目しすぎるがあまり、ガラる赤矢印の値動きに”リアリティ”を感じてしまったのでしょう。ブレイクアウト手法にはよくある負けパターンです。
戻り売りなので、ⅰ波よりⅱ波押し戻しに注目するのがいいでしょう。
もう、これ以上買う力がないレートから売ればいいだけです。
ガラるのを、根元からどうしても取りたいなら、ⅰ波目から仕掛けるしかありませんが、ⅱ波でどこまで戻るかを考えて、リスクリワードが悪ければ、ⅰ波目からは狙えません。
このチャートなら、強者の安値の㊤にロスカットを置かなければなりませんが、おそらく許容できないので、戻りを待たざるを得ません。
やはり、FOMCを待って、翌朝、ⅲ波緑〇戻り売りをが賢明ではないでしょうか。
18日、19日と、112.250を背中に買いポジを持った人も、黄安値からの上昇波やFOMCでも抜けなかった”強者の安値”を前にして、ポジションを手放さざるを得ません。
ブレイクアウトは視覚的にわかりやすくシンプルな手法ですが、節目を挟んで、反対勢力からの最後のあがきもあるので、なかなか奥が深いものです。
昔、理科で習った、作用反作用の法則。
2つの物体が互いに力を及ぼし合うとき、それらの力は向きが反対で大きさが等しいというもの。
ペラペラな暖簾を押しても、壁を押しても、その押す力と同じ強さで、暖簾や壁から押し返されている。確か…そんな意味合いのものだったと記憶してます。
相場も、波が反転するタイミングで、この法則が働いてる感じがします。
高値切り下げ、安値切上げ、それが起こる瞬間は売り買いのパワーが均衡して、現象としてのWトップやボトムができるわけです。
人ならホメオスタシスや自然治癒力、自然なら自然淘汰など、人の体も、自然界も、バランスを保とうとする目に見えないエネルギーが存在します。
そう考えると、相場では”レンジ”というバランスが保たれた状態が正常で、一方的な”トレンド”はアンバランスな異常事態なのかもしれません。
だから、移動平均線への回帰、ボリンジャバンド2σ逆張りなどの手法が存在するわけです。
相場はパラレルワールドになっていて、異なった時間感覚を持った人が住んでいます。
4時間足トレーダーが巨人からみたら、5分足トレーダーは小人なので、歩幅が違います。5分足トレーダーからすれば1時間は12歩もあって、4時間足トレーダーからすれば1歩にも満たない感じです。
さらに”バランス”についての解釈も違います。
4時間足トレーダーがレンジと解釈していても、歩幅の小さな5分足トレーダーなら、小さなアンバランスで勝負できます。
相場とは、アンバランスを意図的につくりだそうとする”人の欲”と、人に壊したバランスを回復しようとする”自然の摂理”とが織りなす造形物かのかもしれないと、年始急落後から回復した様子をみて思いました。
◆お断り◆
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コメント
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コメント (14)
いつもご教授頂きありがとうございます。ラインブレイクはレンジと違ってはっきりした土台がないので判断しづらいです。上位足や守破離をよく確認したり、そこに至るまでのチャートの流れ、時間帯、その日のイベント等、いろんなことを複合的に考えなければと思います。また、日足以上で何度も止められてるラインは突破すると一気に進むことが多いので注意したいと思います。明日未明にはfomc、今日明日2日間米中通商協議等今週は一気にラインブレイクしそうな重要イベントが目白押しなので、突発的なラインブレイクには注意が必要と考えております。
ラインブレイクはシンプルですが奥が深いですね。米中通商協議、気になります(^_-)-☆
お疲れ様です。直近の意味あるレートを試す。名言ですね^_^
私もショートの戻りが焦って苦手です。名言をしっかり意識して検証してみます。ありがとうございます^_^
ショートはロングより、戻りが浅くなるケースが多いですが、冷静にみていけば大丈夫です。
いつも画を拝見し、参考とさせていただいております。
今ちょうどFT3で「先週の高安」を検証しているところであります。
「2波目の意味あるレートへの試し」のお言葉が大いに参考となりました。
この動画を見なければ、そこに気づくのにあと1年は掛かっていたでしょう。
ありがとうございました。
とくに下落相場では、上値を試して届かないこともありますが、それはそれとして、意味あるレートに意識を向けることに意味があると思います。
イーロン・マスクによると、
人生とは、大脳新皮質と旧脳との対話だそうです。
トレードも同じような気がします。
新皮質でいくら論理的に考えても、恐怖や欲という本能が反応してしまいます。
しかし、反射的な感覚も大事にしなければ、最適なエントリーも難しくなります。
ナポレオン・ヒルがもう一人の自分と言いましたが、
恐怖や不足感を感じているもう一人の自分と論理的に考えている自分は確実にあると思います。
なんとなく感じる不安感やなぜかトラップにはまってミスしてしまう現象は、もう一人の自分の仕業ではないかと思います。
論理的な考証は経験を積んでいけば成熟していきますが、旧脳の反応に対しては別のアプローチが必要ではないかと思ってます。
引き寄せの法則的には、アファメーションというのが一つの方法でそれも有効かもしれませんが、それが上手くいかないので誰もが苦労しているのだと思います。
得意なパターンを一つでも見つけて、それのみを繰り返して成功体験を積むというのは具体的な方法論だと思います。
普段から旧脳が発する感情をコントロールするというのも大事なことです。
瞑想とかヨーガとかもありますが、
私的には、不安などの感情をなだめる、説得するという感じかなと思います。
人と話をするときは、感情的に訴える方が有効な場合もありますが、
長い目で考えると説得するというアプローチの方が上手くいきます。
ただし、時間がかかるということとエネルギーが必要であるということです。
意識している自分が感情的なもう一人の自分というのを想定して、
時間をかけてそれを説得していきながら最適な答えを導き出していく、
イーロン・マスクの言及はそういうことかなと思います。
言い換えると前回述べた「頭を使う」とは、
こういうことになるのではないかなと思います。
脳の仕組みについては、まだわからないことだらけですが、ナポレオンヒルなど、古典的な成功法則の言わんとしたことが、少しづつ脳科学で証明され始めているのでしょうか。
いずれにしても、脳の仕組みを理解できると、客観的になれますね。
いつも気づきの多い動画をありがとうございます。
2波が重要なレートを試すということでしたが、
そういった、相場がここを気にしてるんだよ。って
教えてくれることってあると思います。
決着がついたところにレートが戻る性質を知ったときは
相場の声なき声を聞いたような気がして驚きました。私はレジサポになった時点で認識しますが、たぶん強者の値とちかいと思います。
そうすると過去検証で何度も発見できる。聖杯は手法のことですが、そんなものは相場の特徴あっての二次的なものです。
いつか、波だけでなく、ローソクの挙動で相場の声が聞こえるようになりたいです。
ありがとうございました。
相場の何かが大きく変わって”手法”が無効になったとしても”試す”という動きは変わらないと思ってます。投資家心理がいま、どこを気にしているかを知るって、ある意味究極ですね。
いつも学びの多い動画、ありがとうございます。
意味のあるレートを見極められるか
すなわち「なぜそこが?誰に?意識されやすいのか」を根拠を持って可視化できること
これに尽きるなぁ、と改めて感じました。
また、自己制御やヒット率を高めるためのマイルールと
環境認識のための根拠は、しっかりと区別しなければいけない事も、今回の学びです。
今はまだ初心者すぎてそこにすら至っていませんが
ある程度マイルールができてくると、マイルール=エントリー根拠にしてしまいそうなので
気をつけながら勉強していきたいです。
チャート分析は「通貨ではなく、人を取引するんだ」という自覚が必要。トレーダー(人)をみる目を養って、集まった人の意識の渦に飲み込まれないことが大切ですね。
いつも ありがとうございます
冷静にトレードしているときは 自然と 3波目を狙っていて
雑な時 欲、恐怖、驕りなど 1波目なってます
そのまま 2波で食われる
今日から 2波目の 心理などにも 注目したいと思います
また 新しい発想を投稿者さんと迷晴れさんに 感謝します
3波狙うなら2波クライマックスを意識ですね(^_-)-☆