25Jul
リアル・トレードを通じて、様々なシチュエーションを擬似的に体験することで、気づきやアイデアが生まれやすくなり、今後起こりうるリスクを予見することができるようになります。
ゲイン・ロス効果
ギャップ萌え、心理学では、ゲインロス効果という。
ゲイン(得る)とロス(失う)を組み合わせた専門用語で、ギャップが大きいと与える印象も大きいということ。
元KGBのプーチンさんが、秋田犬を飼ってる姿をみると、なんか本当は可愛い人なんじゃないかと思ってしまうが、スケートのザギトワ選手が秋田犬を飼っても、もともと可愛いいのでそれはない。
相場でも、「ギャップ萌え」、「ギャップ萎え」が起こっている。さらに、悪いことは、良いことよりも強い。
トラウマは、過去に起きた悪い出来事が、その後の人生や人格に悪影響を及ぼすことをいうが、このトラウマの反意語は見当たらない。
不幸な感情は引きづるが、幸福な感情は、薄れてしうまうものなのかもしれない。
たとえば、トレードで、一万円勝てた日と、一万円負けた日があったなら、おそらく、一万円負けた日のほうが、感情の振り幅が大きい。
市場参加者が、どう感じるか。
これがポイントで、感情の振れ幅が大きいほどよく動く。
ドル円
相場環境
オレンジ上昇CHLのなかの上昇トレンド。
買われる根拠
オレンジ上昇CHLのなかを、青インナーライン+4時間足SMA21に支持されている。
売られる根拠
青インナーライン+4時間足SMA21の支持が崩れれば次の押し目候補まで売り、日足レジスタンスでWトップになれば、長期トレンドラインまでのプルバックを狙える。
青インナーライン+4時間足SMA21サポートから日足レジスタンスWトップ2番天井までロング
優位性の確保
上昇トレンド中、東京時間、青インナーライン+4時間足SMA21でのサポートされた、ただし、この優位性が確保できるのは日足レジスタンスまで。
エントリー
青インナーライン+4時間足SMAサポート+切下げレジスタンスのブレイクアウト、損切りは切下げラインをブレイクさせた陽線起点を5分足終値で抜けたとき。
このトレードのポイントは、買いが優位な「相場環境」で下値を試してダメだったこと、この「下値試し」がとても大事。
ユーロドル
相場環境
オレンジ乱流上昇CHL下を18日足がブレイク(下ヒゲが長いのは気になる)
買われる根拠
18日先週安値からのV字回復、このまま、18日高値を上抜くと、18日ブレイクがフェイクとなり先週終値まで買われる。
売られる根拠
オレンジCHL裏タッチから、18日ブレイクの戻り売りは入る。第一目標は先週安値、突破すればオレンジ水平線(ほぼ大陽線起点)まで。
前日のオレンジCHL下ブレイクからの戻り売り
優位性の確保
18日足は実体より下ヒゲの長い陰線、V字回復しているので、19日東京時間では、完全に売りが優勢とは言い切れない。売りの優位性を確保するためには、上値レジスタンスを試して失敗する必要がある。反対に、買いの優位性を確保するには、下値サポートを試して失敗する事実がいるので、必然的に東京レンジ・ブレイクを待つしかない。
エントリー
赤1ショートは東京レンジへの戻しに警戒して利確。次の1時間足に切り替わり、安値を更新したところで、赤2ショート。先週安値を抜けてから揉んだので、第二目標のオレンジ水平線まで持てた。
このトレードのポイントは「18日ブレイク」をフェイクとみるか、ブレイクとみるか。予想や思い込みでポジションを持たず、決着を待つこと。
ユーロ円
相場環境
オレンジ上昇CHLを割るも青水平線を下抜くまでは買いも押し目買いもされそう、高値圏で方向感が弱いカオス。他の2通貨ペアのモメンタムをみてついていく。
ユロドル追従ショート
優位性の確保
他2通貨ペアのモメンタムが優位性になる。
エントリー
ユロドル2回目のショートを追従しはじめた直後、ドル円が上昇を開始したので即逃げ。
このトレードのポイントは、ドル円の値動きが停止していれば、ユロドルに釣られ、ユロ円は下がったはずだが、そもそも、この時刻、ドル円とユロドルは逆相関し始めるタイミングだった。やはり、クロス円は他2通貨ペアが相関関係にあるときのほうが簡単。
投資心理のふり幅を原動力に相場が動くなら、インパクトの大きさと値動きは比例する。
転んでヒザを擦りむけばバンドエイドを貼る。
転んで頭を打って意識不明になれば119番する。
バンドエイドと119番、打ちどころ(インパクト)によって、全く違う未来がつくられる。
買うなら、下値サポートを試してから。
売るなら、上値レジスタンスを試してから。
こうすべきなのは、下値サポートを試したのに下がらないというインパクトのせいで、市場心理が「買い」に傾くからだ。
もし、下値サポートを試さなければ、インパクトがない、つまり、市場心理が「買い」に傾くことはないから、たいして買われない。
さらにいえば、下値サポートの格付けが重要で、誰もが注視する大きな節目や、機関投資家が買い支えるようなレートならインパクトは大きい。
反対に、格下のサポートだと、少し反応してはみても、それについていこうとする人がいないから動かない。
チャートが読めない段階では、この「解釈」ができないので、押し目買いの上昇中に高値を掴み、戻り売りの下降中の安値を掴んでしまい、逆行に耐えきれず損切りになることが多い。
押し目買い、戻り売りはシンプルな手法だが、実はなかなか奥が深い。
18日、オレンジ上昇CHL下をブレイクしたがV字回復、これは先週安値での買い圧力が強かったことを示唆していて、ブル派にとっては「ゲイン(良い事)」、オレンジCHLのブレイクがフェイクになるかもしれない予感さえしてくる。
にも拘わらず…19日の東京時間、18日高値を更新できず、オレンジCHL裏でレンジになった事実は、ブル派にとって「ロス(悪い事)」になる。
ただ、まだこの段階では、レンジを上にブレイクする可能性が残っているので、ロングを諦めたくない気持ちと、どっちに転ぶかわからない期待と不安の感情が入り交り「心のスキマ」をつくる。
この心のスキマを埋めるのが「思い込み」で、自分を正当化すべくロングエントリーという行動にでる。
しかし、この行動は、打ち上げ前のスペースシャトルのブースターに燃料を供給しているにすぎない。東京レンジを下にブレイクすると、シャトルは打ちあがり、ブースターは切り離される。
このとき、シャトルに搭乗する側になるか、ブースターの燃料側かになるかで勝敗が決まる。
東京レンジを下抜けた事実は、ブル派からすれば「ロス(悪い事)」だが、その前に、V字回復という「ゲイン(良い事)」があったからこそ、余計に強いロス感情になる。
これは、ブル派からすれば、「ギャップ萎え」、先週安値で買い支える気にもなりにくい。
一緒にいると楽しいとか、〇〇さんみたいな人がタイプとか…思わせぶりな態度をとられ、全力で勘違いしてフラれた、その失意は半端ない、小悪魔かよ!もう、何言われても信じない!となる。
では、もし値動きが、赤点線のような値動きだったらどうだろう。
先週安値手前で揉んでるだけで、ブル派には「ロス」にも「ゲイン」にもならない。18日のV字回復という「ゲイン(良い事)」もないので、13日安値とのWボトムを狙って先週安値で買い支えられていたかもしれない。
反対にベア派の目線ならどうだろう。
ベア派からすれば、18日のV字回復は「ロス(悪い事)」だ。にも拘わらず、18日高値をブレイクできず、グズッテ東京時間レンジになった「ゲイン(良い事)」は「ギャップ萌え」になる。
19日ドル円、もし赤矢印のように一段下の押し目まで落ちていたらどうだろう。
上昇トレンド+4時間足SMA21+インナーラインが効いていそうで、いかにも、買い手市場な相場環境、にも拘わらず…東京時間のサポートが崩れたら…
ブル派にとって「ゲイン(良い事)」な条件が浸透したたマーケットだけに、この「ロス(悪い事)」は、アルマゲドン級の急落をもたらしたかもしれない。
精神科医、アルフレッド・アドラー (1870~1937) によると、 同じ出来事を経験しても、 「よい意味づけ」 をする人もいれば、 「悪い意味づけ」 をする人もいる。 他人と比較さえしなければ、他人より 「優れている」 とか 「劣っている」 と、感じなくなるという。
これは相場にも当てはまる。
トレーダーには選択の自由があるので、ブル派の考えを、一瞬で、ベア派に変えても一向にかまわない。
マーケットからすれば、円高と円安に善悪はない、売りも買いも等しく存在する。自分の思惑通りにならなかったからといって、それは「悪」ではない。
為替市場は、すべての事象を織り込んで成り立っている。
それを見える化したのがチャートであって、すべての情報はチャートをみればわかる。
ただし、生の情報をそのまま利益につなげることができないだけだ。そこで「解釈」という力が求めらる。
トレーダーとは、情報の「整理屋」なのかもしれない。
今の時代、情報の入手に困る人はいない、だから、情報を仕入れることにあまり価値はない。
むしろ、情報を整理して捨てる能力が、トレードには必要だと思う。
◆お断り◆
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コメント
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コメント (10)
いつも素晴らしい動画ありがとうございます
嬉しくなり思わず書き込みしちゃいました
ユーロドル・ドル円
エントリータイミングが全く同じでした^^
ただ
凄く勉強になったのは利確のタイミングです
僕に足りないところです
大変参考になりました
欲が出てもっとと僕はホールドしてしまっていました
ドル円は同じところで利確してるのですが。。。。。。
この先の動きの予想が何と自分本位の予想をしていたかを痛感しました
いつも本当に色んな事を教えていただきありがとうございます
感謝の言葉しかありません
今回の様なトレードの時に迷晴さんが何を考えてトレードしているのか?
僕はこのシリーズが一番好きです
大変タメになり自分に足りないものを教えてくれます
このシリーズまた楽しみにしております
利確についての考え方は人それぞれですが、エントリーがオソロなら、全く同じ見方をしていたということですね。参考になって幸いでした。
いつもご教授頂きありがとうございます。7/19のトレードは途中まではマヨハレ先生が言われたようなトレードを順調に行ってましたが、トランプさんのあの口先介入で勝ち分をすべてなくなってしまいました。よく登り坂、下り坂、そしてまさかがあると言われますが、相場では常にまさかがあるということを頭に入れておかなければならず、必ず損切り設定を忘れずにしたいと思いました。
3つの坂、久しぶりに聞きました(^_-)-☆トランプになったから「まさか」ばかりですね。
いつも楽しくて為になる動画本当にありがとうございます。今までの動画ももちろんすばらしいのですが、今回の動画は特にすばらしかったと思います。最初にシナリオの解説があってその後にライブ。週間チャートナビよりもわかりやすかったです。
また、迷晴れさんのすばらしい判断力。ライブで見れるのでトレードのタイミングのとりかたの参考になります。ユーロドルの2回目のエントリーは自分なら絶対出来ていません。ローソク足の勢いや1時間足の切り替わりを考えてエントリーされたという解説もとても参考になりました。制作にいつも以上にご苦労されたとお察ししますのでわがままはいえませんが、また時々やって頂ければうれしいです。
お忙しいところ申し訳ございませんが、一つお伺いしたいのですが・・・。ユーロドルの一回目のエントリーですが、少し抜けただけでエントリーされていました。下向きにバイアスがかかっていたわけでもないですし(上下ほぼイーブン?)、私なら5分足が完全に抜けて戻りを待ってエントリーと考えます(このまま行ってしまってエントリーできないことも多いです)。実際は迷晴れさんのお考え通りに下落しましたが、だましにならずに下抜けする可能性が高いと御判断された根拠は何でしょうか。
ユロドル1回目ショ-トは切上げライン反発後の上ヒゲ2本+ボリバンのマイナス1σ反発です。これがレジスタンスの役目をするだろうと考えました。もし、上抜けても、その上にある4時間足終値で止まると考えました。
昨日のV回復のあと、東京時間に上値を止めらていたので、幾分売りバイアスをかけてました。
それと、最近、AI導入の関係なのか欧州初動のフェイクが減っている気がします。
勿論、おっしゃるように5分足終値確定を待つのも正しいですし、2回目のエントリーを見送るのも正しいです。
この辺のことになると、考え方に個人差が出るかもしれません。参考にしていただければ幸いです。
早速のご丁寧な解説大変よくわかりました。上ひげとボリバンが根拠だったのですね。5分足の場合は4時間足終値でもレジになるとは考えていませんでした。幾分売りバイアスがかかっていることもわかっていませんでした。欧州初動のフェイクが減っていることも気付いていませんでした。大変参考になりました。
今回の動画とコメント欄で半年分は成長できたと思っています。それくらい今回はすばらしかったです。今年に入ってちょうどプラマイゼロくらいの成績ですが、後半はプラスになると思います(思いたいです)。
勝って勝ちに驕ることなく
負けて、負けに屈することなく
安きにありて、油断することなく
危うきにありて、恐れることもなく
ただ、ただ、一筋の道を踏んでゆけ
これは、講道館の創始者 嘉納治五郎の言葉です。
プーチンさんは子供のころ柔道をやっていたそうです。
トレードにも通じるものがありますよね。
「道」を歩む心構えは、みな同じですね。
トレーダーにとってのただ、一つの道、それは自分のルールなのかもしれません。
最近、やっとルール通りにトレードができるようになりました。
それでも、毎回勝率は5分です。ルール通りで自信満々でも負けるのです。
それでも、屈することなく、恐れることなく、ただ、ただ、この道を踏んでゆく、
ルール通りで負けることに、恐れる必要はないのだと思いました。
この研究こそが最後のテーマであり、本当のスタートラインなのかもしれません。