28Aug
投機家ジョージ・ソロス氏の名言「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」から色々と考察してみました。
弱さを知れば、強く生きられる。
相場には「強さ」と「弱さ」があります。
相場は市場参加者の意識エネルギーの増加と減少によって、この強さと弱さを繰り返します。
トレード手法やエントリーポイントといったものは「強さ」の象徴です。
エネルギーが増加して加速する「今」を捉えれば、儲けにつながるので皆が注目しますが、「今」をルーペで拡大するがあまり、過去との「因果関係」をおざなりにしています。
その結果、現実に振り回されるという望まない現実を引き寄せてます。
ボクは「強さ」よりも「弱さ」にフォーカスしますが、そうすることで、守りながら攻めるという一石二鳥な思考ができるからです。
弱さを知れば生き残れる。
生き残りたいなら、弱さを知ることです。
いわゆる退場者は、まともな勝負をして負けたわけではなく、単なる自滅です。
売上以上に経費を使えば、赤字になるのは当然、売上のための先行投資と考えるのも間違いです。
必要経費として認めるのは売上を出すための「勝ちパターン」での損失のみ、つまり、仕事のために使うお金だけ。
それ以外のムダ使いは徹底的に削減します。
そうすれば、明日も、明後日も生き残ることができます。
勝つことより、まずは負けにくくなることが、生き残る術です。
さて、相場が失速すると、しばらく、上にも下にもいけなくなります。
これを「レンジ」といいます。
中段持ち合いなどのレンジだけでなく、天底や、押し目や戻り目も、レジサポに挟まれているので「レンジ」といえます。
レンジをブレイクすると、次に失速するまで加速します。
相場には、売りも、買いもしない「傍観者」が必ずいますが、この人たちの比率が、トレンドに比べ多いのがレンジです。
なので、レンジを疑いだすタイミングで、この「傍観者」の気持ちになります。
傍観者ならブレイクを待つし、上下どちらにブレイクするかは傍観者次第だからです。
上昇後レジスタンスで頭を押さえられ、安値3から2回目の上値試しが終われば、緑ネックラインが確定します。
このなかを動く限りは「レンジ」です。
トレードする人より、傍観者のほうが多いレンジと仮定すれば、トレードはお休みです(このなかのトレードは次のステップです)
まだ、レジスタンスラインを引くスキルがなかったとしても、高値1から高値2へ切り下げで、「買いの弱さ」に気付ければ、頭上に何かあるとわかります。
相場がこれから減速して弱まる可能性は、早い人なら、安値3辺りから気づくので、緑ネックラインを引きます。
もちろん、レジスタンスラインを上抜く可能性は残っていますが、緑ネックより上は「天井圏」という見方ができます。
戦略とは戦いを略すこと。
この天井圏内を傍観する戦略をとることで、余計な戦いを避け、利益の目減りを激減させることができます。
つまり、相場で生き残るには、市場の弱さにいち早く気づくこと。
勝ち方にこだわるより、負け方にこだわることです。
「弱さ」は「強さ」へのトリガーになる。
「強さ」を視認できる前に「弱さ」が顕在化して、これが強さへの引き金になります。
つまり、強さを視認できた段階では、すでに強くなったあとで、その段階で反応しても、乗り遅れてしまうことがあります。
150キロの速球、いきなり目の前に球が現れてからバットを振り始めるようなものです。
ピッチャーが球を投げる手元をみて、アクションを起こさないとバットに当てられません。
つい先日もこんなケースがありました。
このチャートでも、6月安値を目前に、安値3辺りからレンジを疑います。
傍観者はブレイクアウト目前まで手を出しません。
安値3から安値4に切上げたタイミングで、買い手が有利になりました。
傍観者は高値ブレイクを期待し始めますが、賢い傍観者なら、6月安値と13日はらみ高値(先週高値)を上抜かない限りは上方へブレイクできないことを知っています。
これに、気づけるレベルなら”ダマシ高値”を疑うので、ブレイクに飛びつくことはありません。
高値5ダマシの高値、それと、パウエル発言でできた緑〇上ヒゲが「強さ」の引き金になり、そこへトランプが「ダメ押しのツイート売り」をかましてきました。
高値5ダマシ高値+緑〇上ヒゲは「買いの弱さ」の象徴で、「強さ」が始まるサインです。
レンジブレイク前であっても赤1で売れます。
その後は、トランプツイートもあって、だれにも買われず利確もされず急落しました。
個人的には、レンジブレイク手法の理想は、ブレイク前にエントリーできることだと思ったます。
これができれば、どんなカタチでブレイクしようが、押し戻しがあろうがなかろうが、全く関係ありませんからね。
もちろん、ブレイクの初動に飛び乗ろうとすれば、ブレイク後の押し戻しにつかまったり、ブレイクがフェイクになって損切りになってしまうこともあります。
この辺のは話は、ブレイク前の「足場」を見つけることで、ある程度回避できるので「レンジブレイクの極意」という動画を参考にしてください。
こちらのチャートは、高値5が切り下げたタイミングで売り優勢。
高値6が高値5に届かない「買いの弱さ」のをトリガーに「強さ」が始まりました。
週足サポ1.110ブレイク局面、高値4での「買いの弱さ」をトリガーにブレイクしていきました。
高値1もどこにも届かない。つまり「買いの弱さ」、売りの利確+新規の買いが入らない証拠なので、安値ブレイクでショートできます。
今日のまとめ
ジョージソロス氏は1992年に70億ドルのポンドを空売りして、イングランド銀行をたった一人で破綻させた投機家です。
彼はハンガリー生まれのユダヤ人で、ナチスの迫害から逃れた過去があり、
名言「まずは生き残れ、儲けるのはそれからだ」は感慨深いものがあります。
彼の行動原理ともいえる考え方が3つあります。
1.市場は常に間違っている。
市場参加者の多く(自らも含め)は判断に偏りがあり、常にバイアスがかかっていて、支配的なバイアスが価格を動かしていること。
バイアスという間違いが市場を動かしているという意味でしょうか、市場に正常や正論などないというふうに解釈できます。
2.間違いを認める
自身の間違いを認めないと、いつまでも偏ったバイアスのなかです。
間違いを認めることで、次のステップに行けるし、客観的な視野を持つこともできます。
3.物事の因果関係を視る
ひとつの事実が、別の事実の引き金になる。
ついつい、現実に顕在化された「現象」にフォーカスしがちですが、その現象を招いた原因は過去にあり、過去から現実を推測できない時点で、現実に乗り遅れます。
ジョージソロス氏のこの行動原理にも語られてる、「認知バイアス」と「因果関係」は、このブログでも常にテーマにしています。
余計な装飾をを外せば、これが、「物事の成り立ち」なのかもしれません。
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コメント
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コメント (8)
いつも素敵な動画をありがとうございます。今朝、ちょうどジョージソロスの名言集を見直していた所だったのでかなりタイムリーな話題でびっくりしました笑
最近では、シナリオを立てる際に「上げようとしたけれど上げきれなかった高値」「下げようとしたけれど下げ切れなかった安値」という風に直近のチャートに名前をつけることがあります。少し名前が長いですが、単なる高値切り下げや安値切り上げよりも、シナリオを立てる上で個人的にはイメージが湧きます。上位足のレジサポを見極めて、ここで上げきれなかったから下がる、ここで下げ切れなかったから上がる。これが自分の中での相場の「強さ」や「弱さ」を見極める物差しの一つとして考えています。シンプルな考え方ですが、機械的にダブルトップやダブルボトムなどのチャートパターンを覚えるより実戦で使えるのかなぁと思っています。
ボクは「見切りの高安」(売り手・買い手が諦めた)なんて覚え方してます。アクションや心理と繋げて覚えるといいですよね(^_-)-☆
いつもご教授頂きありがとうございます。週足を基本にシナリオも考えるようにしてからは不思議とポジポジしなくなりました。1時間足くらいで動いていても週足レベルではノイズにしかなかったりするようです。ではどこを狙ってるかというと週足に逆らって相場が動いたところです。最近は自分も性悪になってきて、多く個人が焼かれそうなところはどこかしか見てません。ドル円もユーロドルも今のところ週足は下と見ています。ただドル円に関しては104.500に週足のラインがあると見ており、そこをサポートされるかブレイクするかは注視してますが、基本週足が下と見ている以上跳ねたところを狙ってます。1時間足とか4時間足が上にブレイクした辺りで、多くの個人が上目線に切り替るタイミングが多くの個人が焼かれる絶好のチャンスだと思ってます。なぜなら週足のトレ転なんてそう簡単には起きませんし、それなりに時間がかかるはずです。動画にもあったようにしっかりレンジになるのを待って、そこでようやく短期足を開いて高値切り下げ、三尊等を確認してショートするのがいいと思います。最近このパターンに徹してからはすこぶる順調です。性悪ですけど今後もマーケットメーカーと一緒に、個人を焼いていこうと思ってます。
今週は104.5フラッシュクラッシュ安値で強烈反発しましたね(^_-)-☆週足のトレ転なんて、そう簡単に起きない、という着想がいいですね。ボクも週足をもう少し意識するようにしてみます。
初めまして こんばんわ
やぎやぎと申します。
FXやって3年位経って。やっと利益が出せるようになってきました。
本当に「生き残れ」という感じです(笑)
最近FXって元気玉みたいなものなのかなって思ってます。
「みんなオラに力をわけてくれ」という感じで相場が動いてる様な気がします。
まあ、そういうポイントを見つけ出すのが経験からくるものなのでしょうが。
力が集まりそうな場所を見つけるのが大事なんだと思います。
集まらなかったら損切になるのかなと。。。
これからも動画楽しみにしています。
駄文かもしれませんが、ありがとうございます。
はじめまして!元気玉のように、気を集めるのに時間がかかるところが厄介なんですよね。
いつも更新ありがとうございます。
今回の動画は、過去に何度も仰っている「上がらないから下がる。下がらないから上がる。」ですね。言い方を変えれば、「●●出来なかった」弱さに気付け、という事で非常に理解しやすかったです。
この感覚を身に付ける事は、Wトップ/ボトムや三尊がなぜ出来るのか?を言語化できるようになる事と同義だと個人的に思います。傍観者の視点に立ち、特に損切を食らう傍観者の視点をよく考えてみます。今回もためになる視点をありがとうございます。
WボトムやWトップというカタチだけ覚えて、成り立ちの意味を理解できないとダメですね。そこが天底になる根拠と併せ見ないと全く応用が効きません。