24Jun
NHKの朝ドラ「まれ」を観ていると、伝統を重んじる職人とトレーダーはよく似ているなぁとつくづく思います。
マンネリも極めれば伝統。
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相場の環境認識とリスクマネジメント、それにしっかりと検証されたトレードルールがあれば、あとはひたすら同じことを繰り返すのがトレード。超マンネリな作業ですが、それを続けるのが唯一利益を出し続ける方法です。
トレードも職人や芸の世界と同じ。マンネリを貫くことへのプライドがないと道を極めることなどできないし生き残れない。
僕もまだまだトレード道を極めているとはいえないし、一生修行なのかもしれませんが、そういうものであるべきだと思っています。
いよいよ職人の時代かもしれない。
朝ドラ「まれ」を観ていると普通のサラリーマンが出てこない。主人公のまれ自身も、もともとは地道な生活を目指し公務員になったのだが、途中からケーキ職人に転職、夢を追うことになった。まれの元カレも輪島塗りの職人だし、まれの弟に至ってはデイトレーダーだ。
デイトレーダーは世間一般的には職業として認められてない気がする。僕の奥さんも近所の人に職業を聞かれると返答に困るらしい。金融関係というとヤバイ人だと思われるので、「デイトレーダー」とそのまま言っているが、近所の奥さんには意味が通じないのだそうだ。「まれ」のお陰でデイトレードが怪しい仕事ではないことを少しはわかってもらえるかもと期待しています。
NHKのドラマともなれば影響力は絶大。これからは職人を目指す若者が増えるのではないかと密かに思っています。効率ばかり求められる労働者になるよりも、1億総クリエーターになったら日本は楽しくなると思う。
これからの時代、超頭の切れる人材は別として、ロボットの普及や社員の外注化などで高いサラリーを払って日本人社員を雇用する必要がなくなるだろう。そうなると、ますます就職難が予想される。中途半端な頭脳で、中途半端な大学に行って就職活動をするより、絶品のシュークリーム職人になったほうが、きっと幸せな人生がおくれると思う。
話をトレードに戻すと、トレーダーも職人。輪島塗やパテシエと同じで正しいやり方をひたすら繰り返すことで技を昇華できる。
輪島塗りは2年かけ100回も塗りの工程を繰り返すそうだが、だからこそ、あの強度と深みが出せるのだ。パテシエだって、一人前のカスタードクリームをつくるのに繰り返し練習するはず。それに比べればトレーダーはむしろ楽な部類に入るかもしれない。正しいやり方に気づき(これが大事)1年程度トライ&エラーを繰り返せば、そうそう負けないトレーダーになれる。
試行錯誤ではなく指向錯誤になってませんか?
努力しているのに一向に勝てない人は、あれこれ、やり方を変えすぎる指向錯誤の罠にはまっているかもしれません。
トレードが上達し始めるきっかけは、自分なりの基準を持ち、トレードや検証を始めることです。この基準のない状態で何年チャートを眺めていても、そこから得られることはほとんどありません。
基準の始めは全て仮説。この仮説を証明するための作業そのものが糧になりトレードを上達させます。試行錯誤とはあれこれ手を出しては次から次へやり方を変えることではなく、ひとつの仮説に対してトライ&エラーを繰り返すことです。
簡単で楽な方法を見つけるのにウロウロ指向錯誤するのは、ハツカネズミのように同じ場所をクルクルしてるだけで、ちっとも前へ進んでいません。効率的にトレードを学びたいなら、いかに迅速にトライ&エラーを繰り返すかという1点に絞ることです。
伝統的なライントレード手法。
ご存知のように、僕のトレード手法はかなり伝統的です。おそらく相場の歴史が始まって以来ずっと使われ続けているのが水平線だと思います。なぜなら水平線は相場の動く原因となる値段そのものだからです。
移動平均線などのインジケーターは値段の動きを、値段が動いた後から補足しているにすぎず、値段そのものに比べると二次的なものです。適材適所で使っていけば便利な面もありますが、値段の動きを捉えるのに邪魔になることも多く、一長一短あり、これはこれで使いこなすのに訓練が必要です。
システムトレードなら、数値化できるインジを組み合わせた簡単なプログラムで対応するのでしょうが、裁量トレードは人の頭脳というスーパーコンピューターが武器です。訓練次第で値段の動きに俊敏に対応できるようになるのが、トレードが頭脳スポーツと呼ばれる所以でしょう。
プロトレーダーの中にはチャートを全く見ずにフラッシュボード(値段がチカチカするやつ)だけでトレードする人がいます。点滅のスピードや強さで値段の動きがわかるのだそうです。これができればスマホ1台で、どこでもトレードできそうですが、相当訓練しないと難しそうです。
マンネリと聞くと型にはまり独創性や新鮮味がないと思われがちですが、細部をみれば同じものはひとつとてありません。マンネリを極めていくと細部に職人の魂が宿る、職人なら仕上がりの美しさ、トレードなら絶妙なエントリーといったところでしょうか。いずれにしてもトレーダーと職人はよく似ています。
今日のまとめ
以前お話ししたかもしれませんが、オッカムのカミソリという科学の定理があります。余分なものをそぎ落とすと真実が見えてくるというもので、この言葉を知ったのは「コンタクト」というジュディーフォスター主演のSF映画でした。
シンプルな仮説の方が正しい結果が得られるとするなら、水平線は、まさにオッカムのカミソリと言えます。
コンタクトは宇宙の真実と神の存在がテーマでしたが、僕は相場も小さな宇宙だと感じています。もし神が宇宙をつくったのなら、きっとシンプルにつくるだろうし、相場も同じような気がします。
無駄にややこしくしてしまっているのは人間の方なのかもしれません。
◆お断り◆
この動画は教育目的で制作されたものです。相場についての個人の見解を過去のチャートから解説したものであり未来の利益を保証するものではありません。売買取引についての判断は一切行っておりませんので、投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分に考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (17)
とてもためになりました。
マンネリも
極めれば
伝統!
深いイイ言葉です。
私にはまだマンネリがありませんでした。
いま、マンネリが絞られて来そうな状況です。
素晴らしきマンネリが決まるよう、
日々精進を続けて行きたいと思います。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
良い兆しですね!共にマンネリを信念に昇華させましょう。
迷晴れさん、こんにちは。
トレーダー職人論は私も同意です。私自身が自分自身をトレード職人だと思っています。
同じ手法を1万回繰り返せば、誰でも勝てるようになります。
するかしないかだけの差です。手法は何でもいいです。ただ、繰り返し繰り返し強化すれば技術になります。
そういう意味ではトレーダーは日本人にあっています。
ただ、これは私の考えですが、トレーダーが職人とは違う点、そして日本人が苦手な点があります。
それは自己責任とリスクの許容という点です。
損失は痛手です。その痛手は自分以外のどこにも責任がないことの確認存在をすることが出発点になります。
リスクの許容も同様です。
世の中は責任を回避する組織、人間であふれています。責任を回避できた人間こそが頭がいいと思われがちですが、全く逆でしょう。責任を回避する連中など端から無視しましょう。責任回避こそが世界を混乱に導き、多くの悲劇と犠牲を生み出しています。
自己責任主義とリスク許容の精神が身につけば、日本人はトレーダー王国を築けると思っていますが、さてどうでしょうか。。。。
その通りだと思います。先日も知り合いが福井県から来た投資話にひっかかってました。100万預けると年利25%つくそうです。預けるだけで毎月2万円づつ増えるそうですが、元本保証はありませんし、お金を預けた先も怪しいものです。増資の話が来たら断れといっておきました。
僕から見れば、いつ飛ぶかわからない2万円のリターンのために100万円のリスクをとっているようにしか見えません。そのくらいなら「迷晴れFX」を観て自分で稼げといっておきました(笑)
NoN様
お世話になります。
トレードの勉強を始めて1年半ほど経ち、現在は月ベースでは負けないようになりましたが
イマイチ突き抜ける感じがありません。
5月7日のブログでの1時間足トレードを今もデモで行っております。
お陰様で最近ようやく勝てるようになってきました。
今回の記事でエントリーされていたところですが、私も同じようなところでエントリーしていました。
私の場合25MAを表示していますのでそれをブレイクしたところでエントリーだったのですが…
ただ、この場面は1時間足で見るとトレンドとは言いがたい相場でしたので自分的には良かったのかどうか
分かりませんでした。
毎回分かりやすい動画を感謝しています。
私も会社員から経営者、現在は専業トレーダーを目指して勉強しています。
今後とも宜しくお願い致します。
凄いですね!おめでとうございます。レンジ相場なので、確かにトレンドとは言いがたいですね。短期足が上昇のカタチになったのでエントリーしてみました。もちろん失敗した可能性もあったと思いますが、4時間サポートを割るまではロングで攻めようと決めていました。
皆さんレベルの高いコメントなので恥ずかしいのですが、いまだにプラスとマイナスを行ったり来たりの日々です。最近、こんな事を言われました…『どんな物事にも向き不向きがある』『センス無いよな』悔しかったですね…でも、これで辞めたらダメだと思った矢先に今回の職人の話。何度も失敗を繰り返し栄光を手にする…誠に勝手ながら自分の師匠は『迷晴れさん』です。なんだか人生相談のようになってしまいました。次回はまともなコメントします…でわまた。
トレードで稼ぐなんてもともと世間では未常識なことなんで、気にしないことです。リスクマネジメントをしっかりやって退場しないように続ければ、いつか道がひらけるはずです。
いつも、とても参考になる動画をありがとうございます。
マンネリも大切、この考え方はありませんでした。そして、同じことを繰り返す。
今回の動画を観て、自分の中で何かトレードに対する方向が決まった、そんな衝撃を受けました。
職人もトレーダーも自分の型というものを会得する事が、成長への近道だと、私は感じました。
あと、コンタクトという映画、10年以上前だと思いますが私も観ました。
相対性理論の映画で、ラストのジョディ・フォスターの腕時計の時間が進んでいたぐらいしか覚えていません。
もう一度、時間があるときに観てみようと思います。
FXに出会って3ヶ月になりますが迷晴れさんのブログに出会えて本当によかったです。感謝です。
来週から1000通貨でリアルトレードを始めます。何とか迷晴れさんに良い結果報告が出来るように、
一人で勝手に気合が入っています。
それでは、失礼します。
いよいよリアルトレード。まずは正しく負けることを意識するといいです。最初から儲けようと思わないことです。頑張ってください。
初のリアルトレードは1pipsでもいいので、勝ちトレードで終わりたいと思っておりましたが、正しく負ける事を意識しながらチャートを見ようと思います。
値動きに振り回されず、値動きに対応し、チャンスが目の前に来るのを、じっっっと待つトレードを自分の型にしたいと考えております。
トレードにブログに動画作成とお忙しい中、
貴重な時間とアドバイスを、ありがとうございます。
パッと見「まれ」⇒まよはれの省略化と思ってしまいました(笑)現在一目均衡表と移動平均線をチャートに表示して検証していますがこちらの動画を拝見して水平線の重要性を再認識することができありがたいと思っています。特にN-Zoneの考え方はすばらしく検証していく価値があると感じました。複数の条件の一致という観点でまだ雲とMAとローソクの位置関係などの基準を消し去るまでは不安で技術がないと思っていますが一生のスキルとして身につけたいと思いました。
水平線にしろ、インジにしろ、職人の道具のように、使いこなせるようになるまで徹底的に使い倒すことが大事かなと思います。
道具として使う意識がないと、エントリーポイントを表示してくれる便利グッツと勘違いしてしまい成長できなくなります。
インジは使いこなせば、鬼に金棒となります。トレードのやり方は人それぞれです。是非リッキーさんのやり方を見つけてみてください。
自分の手法にマンネリを感じたら、同じ手法でもっと細分化して見るべきポイントは無いか?を探すことが必要と感じました。
はたから見れば同じ事をやっていると思えることでも、本人にすれば違いを見極めて行動していることがあり、そこを感じ取れるかが職人として必要なことだと思います。
また、自分の悪い癖を直すときも、あれもこれも手を出さず、期間を決めて1つの癖を直すようにしてみます。
今回もためになる動画をありがとうございます。
弘法筆を選ばずといいますが、まず1本を自分の筆にすることが大事かなと思います。
いつも楽しく拝見させて頂いてます
いきなりですが、【窓】が開いた時の相場解説もあると嬉しいなと思い書き込みしました。
気が向いたら作ってくれると嬉しいです!
拝見させていただきました。
凄く力づけられました。
私は生来の性格が、集中力が無くて飽きっぽいです。
ただ、だからこそ正反対の【一つのものを極める】【一つのことを繰り返す】そのことに幼少のころから憧れていました。
その想いは40代の今になっても全く変わりません。
「何か一つだけでもいい」なんてもともと思っていません。
その一つを手にすることだけが自分にとっての全てです。
余談ですが、コンタクト私も見ました。
何で最後北海道から旅立ったんでしたっけ?
素晴らしい気付きをありがとうございました。