11Oct
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トレード・エピソードでは、リアルなトレードを通して、エントリーや損切りに至った根拠や、局所的な判断など詳細な情報をお届けします。
どの尾根を登り、どの谷を降りているのか。
相場は単山ではなく、いわば山脈のような連山です。
トレードでは、自分が何をしているのかわからなくなったときが最も危険です。
今から登る尾根の高さ、今から降りる谷の深さ、これを把握してからポジションを持つようにしましょう。
山高ければ谷深し。
等高線の高低差は通貨ペアによってだいぶ違います。ドル円が丹沢なら、ポンド円は南アルプス、山脈であることはおなじですが、ボラの大きさや、険しさが違います。
赤ブロック内をトレードしました、オレンジ・ネックラインより上部は天井圏で指向性は弱いです。安値も切り上げていて、何が起こってもおかしくありません。
一発目のロングの山頂は手前の高値まで限定、すぐに山頂が迫っていて、同値、あるいは、若干の高値切下げを想定しました。
二発目のショートは、ほぼ、山頂から谷底まで狙えました。候補は、先週終値、抜ければ、オレンジ・ネックラインです。
一発目のロングは、ショートの可能性が否定されたのでロングしたパターンです。手前にある、ボトムとトップの最終的な競り合いにトップが負け、その後、高値試しにいく動きを狙いました。
こういう最後の最後で、大逆転なんてことはよくあります。局所的な部分も見極めないと、損切り貧乏になりかねません。裁量トレードにしかできない、よいところです。このロングの目標は直近高値ですが、至らないこともよくあります。
二発目のショートは、ほぼ山頂から打ちました。このWトップのネックラインで、一旦反発しましたが、想定通り谷底まで落ちていきました。
2回目のショートは、第一目標だった先週足終値に達したので利確(40pips)しました。やはり、多くのトレーダーが注目してるだろうオレンジ・ネックラインを抜くまでは予断を許しません。
次に、市場が動意づくのは、金曜日の米雇用統計ですが、注目ネックラインを越えるにしても来週以降になりそうです。
数時間先から数日ぐらいなら予測可能ですが、一週間以上も先になると、正直よくわかりません。
今回のショートは、ネックラインを抜けを、ちょっと期待しましたが、「お前には早い!」とばかりに拒絶されてしまいました。
つくづく、複数のエンディング・シナリオを考えておくことは重要です。
FFXというロープレで、バッドエンドからハッピーエンドまで、数種類のエンディング・シナリオがあったのを思い出しました。
途中のイベントクリア具合でエンディングが変わるため、なんとか「ディーダ復活エンド」にしようと、分岐点からゲームをやり直しました。
チャートにも分岐点があります。
この分岐点の特定さえできれば、未来を知る必要なんてありません。
上位足トレーダーの絡み方が、明らかに売り、あるいは買いに偏っているなら別ですが、天底エリアの分岐点で上か下かなんて、誰にもわかりません。
今回のように第一目標に届いたなら御の字で、もし、ネックラインを抜けたなら、運がよかったと捉えるべきでしょう。
昔から、運も実力のうち、といわれます。成功する人は皆、運を味方につけていると思っていて、運を味方につけるにはどうすればいいいかを日々考えています。
そこを分岐点と知ることで、そこから先は、運の支配する領域とわかります。
エベレスト登山でも、そこから先は神の領域という段階があるそうです。
努力で行けるところと、運でしか行けないところがあります。そういう分別があれば、躊躇なく引き返すことができますが、運に逆らえば命を落とします。
利食いが難しいのは、こういう、人智の領域と相場の神が支配する運の領域を一緒に考えてしまうからではないでしょうか。
トレードも、この分岐点までは行くだろうけど、そこから先は、わからないときが多々あります。
分岐点に立った時のマインドセットを、イソップ童話の金のオノ、銀のオノのエピソードで例えるなら、
「お前が落としたのは、この金のオノか?それとも銀のオノか?」
「いいえ、わたしが落としたのは、ふつうのオノです」
こういう謙虚さを前提に行動することが、利食いの鍛錬には必要かもしれませんね。
運をつかむには、どこから先が、運が支配する領域なのかわかること。
そういう意味で、運も実力のうちです。
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コメント
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コメント (6)
いつも楽しみに見せていただいている者です。
かっこいい!
こんなトレードができるようになりたいです。
2回目のエントリー、まさに私の目指すショートです。
まよはれさんはFX界のアイドルですね。
それにしても、すごいゆるい感じでトレードなさるんですね。
相場の呼吸に合わせることができれば、こんな楽な感じでかっこいいトレードができるんですね。
私は力みすぎかもしれません。
リアルトレード是非また見せて下さい。
とても刺激になります。
貴重ものを見せていただいて、ありがとうございました。
はじめまして、コメント有難うございます!ボクもそうでしたが、自動車で言えば、ハンドルの遊び部分的なところでエントリーしちゃつて失敗するケースが多かった気がします。キチキチに考えずに、ハンドリングに遊びを持つことも大事かもしれません。
こんばんは、
桜井章一さん、この人の考察も深いですね。
負けのほとんどは自滅である。
かっこよく負けることを考えると良い。
麻雀は、ある意味トレードより運の要素の比率が高いと思います。
その中で、負けなしの雀鬼なのですから、何をやっても成功する人なのでしょう。
心・技・体の中で運は心の部分です。
運の要素が強ければ強いほど心のあり方の比重が高くなります。
素晴らしい才能を持ったスポーツ選手もメンタルの部分の原因によって力を発揮できない人もいます。
単に運が悪かったとは言えません。
運悪く怪我をしてしまった。
怪我はスポーツ選手生命に致命傷を与えます。
いくら才能があってもそれで全てが断たれることもあります。
イチロー選手は怪我をしません。ある意味運が良いのでしょう。
しかし、怪我をしないように彼がどれほど神経を使い努力をしているかは有名な話です。
技術も実力、体力も実力ですが、それと同時に心のあり方も実力であり、それが運という要素に密接に関係します。
運とは運命の略とも言えると思いますが、運命は何かもう決まっているように思いがちですが、運命は変えれます。
変えれないのは天命であり、それは人間に生まれたこととか男に生まれたというような類です。
この勝負の運命は決まっていた。
そうかもしれませんが、もし運が良ければその運は自ら運んだものなので、その運を運べる実力もあるということでしょう。
やはり…やりかた、より、在りかた、ですね。
やり方が通用するのは、物事の「さわり」程度ではないでしょうか。
NoN様
こんにちは。KaZです。
今週も『【エピソード】運は実力のうちなのか。』の文字起こしが完了しましたのでご確認ください。
PS
今回の動画とは違う意味でチャートの波の性質も運だなぁと思いながら文字起こしさせて頂きました。トレードは指向性から利益を得るものですが、例えば1つの指向性から同じ着地点になった場合でも、順行してのものとボラを経てのものでは運が大きく作用していると思います。そんな運に作用される不確実の指向性からリスクを取って利益を上げて生き残るには、僕としては3つの一貫性管理が重要だと思いました。NoNさんの動画テーマ風に言うのであれば、「枯渇させない資金管理・変動させないリスク管理・乱高下させない精神管理、3つの”させない管理”というテーマでお送りします」といったところですね(笑)それらの管理を、泰然自若の精神・継続的活動の精神というような、経営者のような精神性で実践していけるのが個人的に理想かなと思っています(経営者の精神性はそんなに浅いものではないと思いますが、想像ということでご容赦下さい…(^^;)
それでは、言うは易しにならないよう心して、今週もチャートの荒波に出かけます(^^)ゞ
いつも有難うございます。
お金・リスク・精神。
いいですね!手法やルールは、この3つを崩さないためにあるのだと思います。