15Jan
初心者は単なる思い込みや期待でポジションを建てますが、熟練者は他人のポジションの成り行きを見てポジションを建てます。この違いは勝率に大きく影響します。
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もう買われないから売られる。もう売られないから買われる。
優位性の高いトレードをすれば、自ずと勝率は向上します。ポジポジ病の多くの原因はチャートの左側にある事実をよく確認せずに、その場のローソクの勢いや期待感だけでエントリーしてしまうことにあります。
よく買われた、よく売られたという事実をチャートの左側で確認する。
よく買われた(売られた)事実をチャートの左側に確認できれば、もうこれ以上買われない(売られない)と皆が考えそうなポイントから反転の動きが現れます。そのタイミングを狙ってエントリーすることで、どっちに動くかわからない中途半端(オレンジ四角)なポイントでポジションを持つことを防ぐことができます。エントリーすることばかりに気持ちがいってしまうとムダなポジションを量産してしまうので、こう考えるだけでも、優位性の高いエントリーに絞り込むことができます。
敗者はチャートの右側を見る、勝者はチャートの左側を見る。
相場が動くのは注文が入るからです。その注文というのは新規注文と決済注文の2種類しかなく、必ずペアになっています。初心者はチャートの右側の動きを期待を込めて予想して新規注文をしますが、熟練者はその新規注文から決済注文までの一連の動きを見てポジションを建てます。なぜ、そうするのかというと、注文の流れがチャートに事実として残されていることで、その事実を使って、より優位性の高いエントリーができることを知っているからです。
他者の利益確定を狙ったトレード
新規注文(青)から利益確定(青)までの成り行きを使ってエントリーする。
新規注文(青)のポジションは、しっかり買われたあとにレジスタンス・ライン(赤)で止められ、天井圏のチャート・パターンであるダブルトップをつくり、そのネックラインを下抜けました。この時点で新規注文のポジションが利益確定されます。買い注文の利益確定=売り注文となるので、そこを狙って売り注文をします。
新規注文(赤)から利益確定(赤)までの成り行きを使ってエントリーする。
新規注文(赤)のポジションは押し目候補までを狙ったトレードですが、その後、トリプル・ボトム(オレンジ四角)をつくりネックラインを上抜けたことで利益確定されます。売り注文の利益確定=買い注文となり、上昇トレンドと見ている人の押し目買いも入るので、そこを狙って買い注文をします。
他者の損切りを狙ったトレード
新規注文(青)から損切り(青)までの成り行きを使ってエントリーする。
新規注文(青)のポジションは押し目買いを狙った買い注文ですが、レンジをつくった後に崩れてしまいました。このポジションはレンジ下限を下抜けたことで損切りされますので、そこを狙って売り注文をぶつけます。レンジ上限を一瞬ブレイク(だまし)した事実も加わると一気に下落します。買い注文の損切り=売り注文を狙ったトレードです。
今日のまとめ
もし、今、エントリーのタイミングが掴めないことが原因でムダなエントリーを量産しているなら、今回の記事を参考にポジションを絞ってみて下さい。裁量トレードの最大の強みはチャートの成り行きを見てエントリーできることで、これはシステムトレードや手法だけでトレードしている人には出来ない芸当です。
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■投資のリスクについて■この動画、ブログは、相場について個人の見解を解説したものであり、利益を保証するものではありません。投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分ご考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (16)
いつもながら素晴らしい内容の記事・動画だと思います。とても参考になります。ありがとうございます。自分も過去チャートを見ながら、相場心理や損切りで走る場所などを探す練習をしていますが、なにぶん「正解」がないのでいつも宙ぶらりんな感じになっています。Nonさんは、どのような視点を持って過去チャートをご覧になっていますか?何かアドバイスなどいただけたらうれしいです。m(_ _)m
コメントありがとうございます。「その時、時代は動いた」というTV番組がありましたが、その時、相場が動いた理由を過去から辿って説明できるように練習しました。また、チャートを客観的に見て、そこにポジションを持っている人間がいることを意識するのが大切かもしれません。本当はトレード目的ではなくリアルチャートを俯瞰してみるのもよい練習になります。でも最終的には慣れかもしれませんね。
相場参加者の心理を利用するって、本当に知的な取り組みかたでですね。自分も早く客観的に相場が見れるように訓練していきたいと思います。
自分的に納得レベルが高いので、そこに重きを置いています。相場は未来永劫、人の欲望と恐怖で動くという前提に立てば一番シンプルかつ普遍的な気がします。
有り難うございます。参考になります。
こんにちは、『毎回、無料でいいの?』と思える位の動画解説ありがとうございます!
値動きを読み取ることは、相場参加者の心理を理解すること。と、わかってはいるんですが初心者の自分にとっては大変難しい事です。
今、やっている事は声に出してチャートを読む事をしています。
たまにその通りになるとニヤニヤしてます…
因みに昨日のユロ円急落…凄かったですね!
次回作、楽しみにしています。では…
「声に出してチャートを読む」いいアイデアですねぇ。いつもコメント有難うございます。
チャートの左側を読み解くことはとても大事ですね。
同じ価格でもたどってきた経緯が違えばまったく違う意味合いになる。
とても大切なことと感じています。
プライスアクションとチャートパターンはやはり面白いですね!
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします!
地味な作業ですが、腕をあげるには必要なことですね。こちらこそ、よろしくおねがいします。
本講義も圧倒的にためになりました。 いつもありがとうございます。
相場とは、上がったり下がったりしながら、上がったり下がったりする、昆虫(短期足)や植物(長期足)のような、不可解な生物として分析するようなイメージでいましたが、ローソクは自分で上がったり下がったりするのではなく、「買われたり」「売られたり」するから動くのですね。 さらには、保持されたポジションは必ずどこかで解消されるという鉄則を意識しながら見ないといけないのですね。
これからは、上下動を繰り返すローソクの後ろから、「買いだ買いだ!」 「売だ売りだ!」 「よし、利食いだ!」「うわっ、損切だ!」 などという声が聞こえないか気を付けながらチャートを見ていきたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。
コメント有難うございます。相場は生き物とよく言いますがその通りで、そう考えるとチャートも今までと違った見え方がしてくると思います。
いつもありがとうございます。
今回も深い内容ですね。
長時間足のレジスタンスからの逆張りは好きですが、「よく買われた」後なのか・・・意識していませんでした。
レジスタンスにアラート設定して、単純に逆張りしていました。
ショートカバーで上がった時などは、反対売買が出ない訳ですね。
レンジの下限を割って、大きく下落する時ですが、スピードが早くて乗り遅れてしまいます。逆指値注文をあらかじめ設定されますか?ブレイク後、戻りを待ってエントリーする方が安全ですか?
よろしくお願い致します。
安全なのは教科書通り戻りを待つとなっていますが、ショートは速いので損切りを巻き込みそうなら飛び乗りますよ。
拝見させていただきました。
チャートの左側を読むためには、自分の中に統合された判断システムを確立することが必要と考えています。
そうすればチャートの動きを、感覚的にとらえたり、物語りのように理解したり、波を生き物のように見たり。
そんなことが出来るのかなと思っています。
何より自分はそうなりたい、チャートを有機的なものとして見れるよう望んでいます。
ありがとうございました。
お世話になります
松村と申します
動画で勉強させて頂いています
早速ですが 迷晴れ様は注文はアラートなど使われないのでしょうか?
成り行きや指値で注文されているのでしょうか?
ずっとチャートを長時間見ていらっしゃるとも思えないので
その辺りのことを動画で解説いただければありがたいです
宜しくお願いします
注文は、アラートを使って、ほぼ「成り行き」です。決済にOCOを使うことはよくあります。