31Jul
ブログの『迷晴れボックス』に投稿されたトレードを考察、テクニカル・メンタル面での『気づき』を共有する企画です。
負けトレード考察 OTさん
いつも大変参考になる動画を有難うございます。楽しく勉強させていただいています。
前回の投稿以降、家族に反対されたり勉強が忙しかったりと、実弾はお休みして、検証と練習をメインにやっています。そのつもりが、モチベーションが低下してきてしまっています。
トレードスキルを身に着けることは絶対諦めないつもりですが、実弾を始めるまでに最低限済ませておくべき原理原則の検証(ラス押し安値、上位足高安、キリバンなど)で推奨されるものはございますでしょうか。あるいは並行して実弾でどんどん現実の負けサンプルを収集すべきでしょうか。まよはれ様の意見を伺いたいです。
さて、今回は実際の負けトレードではないのですが、トレードプランを立てクリック寸前まで行った負けシナリオです。なぜか本能的にクリックできませんでした。朝プランを立て、2019/6/3 21:20のエントリーです。
2019年初のフラッシュクラッシュが止まったことで、レンジが確定。下限で押し目買いが入りそう。切り下げているので売りが短期的には有利か。
その日のトレードには影響しなくても、常に上位足でレンジ幅を確認するのは良い習慣、これを怠ればレンジ上下限にレートが届いたときのプライスアクションにあとから気づくことになります。
大きな戻り売りの最中。どこまでいくかはわからないが、押し目買いが入りそう。引き続き戻り売りしたいが、揉みそうなので108付近のエリア限定が必要そう。
「108円は強そう」この見立てはとても良いですね、この見立てがないと、前日陰線の見た目のせいで強烈な売りバイアスがかってしまいそうです。
上段:先週高値からH4ラス戻り高値まで。中段:先週高安。下段:先週安値からD1安値
ゾーニングの目的は、一週間の可動範囲を予め予測しておくことで、日々のトレードを迷わないようにするものです。108付近があやしいと前述しているのに、なぜこれを加味しなかったかなと思いました。先週安値のスグ下に108.0があるので、ボクならここまでを”中段”とします。先週の強い下降モメンタムを止めるのが108.0だとすると、ここでしばらく浮動する可能性もでてきます。
買い手:下の日足点線(緑)から先週足月足の安値、終値(紫、赤)付近でのWB形成をまってか、切り上げの中に戻れば、109の戻り売り候補まで買う。途中の月足が実体サポされた点線に注意?
売り手:暴落の戻り売りが入りそう。戻り売り候補は先週足安値か、赤丸。WT形成を待って、戻り売り。
月曜日のトレードプランなら、下降モメンタムの余波で108.0まで少し抜くか、浅い戻り目ですが108.5や2月安値から今日中に売れるかなといった感じです。当日中で赤〇位置まで戻ることは難しいし、戻ったとしても、そこからWトップが完了するとは考えにくいです。先週足が金曜一日で急落している+108.0目前なので暫く調整に入ることも考えられます。
M5切上げ抜け確定後の安値抜けでエントリーし、その直前のダマシの高値上に損切、2番底になれば利食い、抜けていけばホールドのプランでした。反省としては、切り上げの試しを待つべきだった、損切が不適切(前回から成長していない!?)、タイミングの経験不足、M15をみてるつもりがM5を見ていたなどです。環境認識、ゾーニング、シナリオ建てなど問題点、アドバイスをお伺いしたいです。
そもそも、高値の切上げ前に引く”切上げライン”は、どこにでも引けてしまいます。信頼性に乏しいので、ボクは下降フラッグになりそうなら、高値側から引くようにしてます。そうすることで、高値が切上がってから引くことになるからです。この失敗エントリーは、前回の動画と全く同じなので参考にしてください。
今回のまとめ
今からどんな動きを狙うのか。
行きあたりばったりではなく、この値動きのイメージが用意できるかどうかが大事で、利益をもたらすのも、損失を被るのも、このイメージ力次第です。
とにかくシンプルに考えて、トレードは環境認識で上位足レジサポを把握して、流れに沿って、損切り幅に余裕を持たせ、タイミングに神経質にならず、ポジションを持てば大概勝てます。
今回、OTさんのトレードを拝見して感じたことは、もっと根本的な部分です。
週足や日足レベルの環境認識から、いきなり、5分足のエントリータイミングへ視点が飛んでしまって、シナリオ部分が曖昧な気がしました。
もしかすると、相場の流れから利益を抜き取るというトレードの本質部分が曖昧かもしれません。
とくに、ウィークリーな値動きと、デイリーな値動きを混同されているように思えます。
宇宙から地球のアフリカ大陸をみてはいるが、いざエントリーとなると、ナイルの本流をとらえる視点と、ナイル支流の視点が、ごちゃ混ぜになってしまう。相場のスケール感が身についてないせいではないでしょうか。
週足はレンジで方向感なし。108.0周辺がチャートを上下分割している。
この108.0の重要性は移動平均線などのインジでは気づけません。移動平均線に強い傾きがあっても、節目とぶつかれば、そんなのお構いなしに値動きが止まり、それからでないと、傾きが緩やかになりません。
レジサポでの反応を最も早く察知できるのは”値動き”そのもので、これは、期間1の移動平均線ともいえます。
おそらく、この日足チャートに移動平均線を出せば右下がり、かつ移動平均線の下にロウソク足があるので売りサインを出しますが、108.0に気づくまで負け続けます。
移動平均線は環境認識したり目線を決めるには便利ですが、レジサポで止まるという概念はないので、そこは裁量判断するしかないわけです。
高安を切下げ下降トレンド発生中(移動平均線も売りサイン)なので、誰もが戻り売りを考えます。しかし、すでに2回売られているので、今回は3回目の売りになります。
レートは先週金曜急落で下降チャネル安値+108.0の安値圏に到達しているので、この月曜日のトレードは、急落の余波を108.0までスキャルで抜くか、浅い戻り目108.5辺りから売れるかなといった感じです。
今週のなかでのナイル本流売りというより、ナイルの支流を売るイメージで、先週陰線戻り売り本流とはスケールが違うので混ぜるな危険です。
ちなみに、”戻りA”は約一週間かかりましたし、今回の”戻りB”は急落の調整時間+108円サポートにつかまり下抜けるのに二週間以上かかっています。
月曜日に大きく動く可能性は絶対ないとはいえませんが、108.0を目前にその可能性は低かったといえます。
毎週の月曜日の日足をみてください。経験則から、月曜日ってあまり動かない曜日ですし、先週金曜日が大きく動きすぎたともいえます。急落後はしばらく時間調整することもよくあります。
そうなると、先週陰線の戻りを売ろうとするトレーダーは、108.0サポートを気にして、しばらく様子を見るのではないでしょうか。
さて、
「検証と練習をメインにやっています。実弾を始めるまでに最低限済ませておくべき原理原則の検証(ラス押し安値、上位足高安、キリバンなど)で推奨されるものはございますでしょうか。あるいは並行して実弾でどんどん現実の負けサンプルを収集すべきでしょうか。」
というご相談ですが、何を検証して、どう練習しているのか、わからないので憶測ですが、ニュアンスとして、情報に振り回されてカラダの軸がブレてるのではないでしょうか。
いつまでも自分のなかに軸が通らないことに不安を感じている、そんな感じでしょうか。
そもそも勉強って、何を得るためというテーマを決めて取り組むものだと思います。
子供の頃「机に向かってるだけじゃ勉強にならないぞ」とよく怒られましたが、その通りで、チャートに向かってるだけでは、勉強したつもりになるだけで何も身につきません。
ひとつのテーマについて学べば、そこには必ず結果がついてきます。
勝ち負けという結果を通じて、さらにテーマを深堀りでき、そこに今までの知識が紐づいて、学習が強化されます。
最短で勝ちトレーダーになる方法は、勝ちパターンをひとつ作って、それだけを実行することです。
その勝ちパターンが出現したときだけトレードすればいいし、通貨ペアを増やせばチャンスも増えます。
唯一わかってることだけをやり続けるだけです。
その勝ちパターンがづくりが難しい…というのは、手法至上主義者の思い込みで、おそろしく地味な作業ですが、チャートさえあれば、教材や商材なんて全く必要ありません。
そもそも、相場の値動きが100パターンあるとして、100パターンすべてに有効な手法は存在しません。
もしあれば、それこそ聖杯伝説です。
じゃ、10個のパターンに通用する手法ならあるんじゃないのか?
そんなものを探してるうちに、たちまち、3年経ち、5年経ちます。
そうやって、勝ちパターンをひとつも持てない人が、何年も沼にはまってます。
そもそも、発想が逆なんです。
手法ではなく”値動き”にフォーカスします。
すでにお気づきの方も多いと思いますが、ボクのやり方には手法が存在しません。
それは手法ではなく”値動き”にフォーカスしているからです。
今回のケースもそうですが、手法は環境認識を読み取れません。仮に、日足や4時間足に売りのサインが出ていても、それよりも強いのが”節目”と呼ばれるレートです。
インジケーターのサインはどうしても値動きの後追いなので、環境認識できないと、節目付近の値動きに呑まれてしまいます。
自動売買にドローダウンがあるのは、その手法にふさわしくない環境下でも稼働してしまうからです。
そうなると、環境認識を裁量でした上で手法を使うことになりますが、正直、環境認識ができれば、手法の必要性をあまり感じません。
結局は環境認識で把握した、サポで買って、レジで売るをやるだけなので、期間1の移動平均線である値動きをみればいいわけです。
さて、話しを戻すと、相場の無数の値動きに対して通用するひとつの手法を探すのではなく、ひとつの値動きを研究して、ひとつのやり方をつくるわけです。
ひとつの値動きに絞って、フォレックステスターやデモチャートを使って、ひたすら検証と練習をします。
この反復練習は死ぬほど地味ですが一番力がつきます。
これって、スポーツとかも一緒じゃないでしょうか。
ひとつのグリーンの上でパッティング練習だけやる。
カーブを打つ練習だけをする。
英単語を100回紙に書く。
つまり身体で丸暗記です。
イメージは記憶されますし、記憶されるから本番で実践できます。
相場は”値動き”で構成されていて、その値動きにはパターンがあります。
そこに、上位足のレジサポが作用してるだけなんです。
値動きのパターンをひとつ、丸暗記するようなものです。
たとえば、今回のケースから”4時間足天井転換3波戻り売り”という勝ちパターンがつくれます。
今回、OTさんはⅤ波発生前のⅳ調整波をトレードしましたが、これをⅲ推進波に限定します。
ⅰ波、ⅲ波、Ⅴ波では、それぞれ性質が異なるので、同じ条件で比べられないからです。
同じ条件下でトレードしたサンプルを集めるほうが、パターン化をより強固なものにでき、負けパターンもみつけやすくなるはずです。
4時間足サイズのトレードなら、環境認識も週足と日足のレジサポだけをみればいいいのでシンプルです。
この局面をフォレックステスターやデモチャートで過去から探しまくり、戻り候補まで戻る時間、戻り方、戻り売りの入り方など、身体に記憶させます。
フォレックステスターなら過去に遡れるのでエントリーの練習も併せてできます。
これを毎日数時間、一週間も続ければ、4時間足というタイムフレームのスケール感や、上位、下位足とのフラクタル相関関係を身体が覚えていきます。
また、ひとつの値動きを深く研究することで、今までの知識が繋がってくる感覚にもなれるはずです。
この値動きなら勝てる、そういう自信がついたら、デモチャートやリアルチャートで少額からトレードを始めてください。
これは、バレエダンサーの”プリエ”のような、すべての動きの基盤になる”基本姿勢”をつくるのと似ています。
この基本姿勢という軸があれば、相場はフラクタル構造なので、下位足スキャルや上位足スイングにも応用が効くようになります。
つまり、すべての動きの基盤となるセンターポジションをつくるわけです。
残念ながらボクも試行錯誤しながら進んだので、最短ではなく軸がブレまくりましたが、イチから始めるならそうします。
一番大事なことは、とても地味で面倒くさい基礎作業のなかにあります。
今までのことはムダだったわけではなく、つながってないだけです。
たったひとつの値動きから、おどろくほど多くのことを学べることに気づくはずです。
情報過多の時代だからこそ、1から100を学ぶ姿勢が必要です。
深い川を浅く渡れば溺れるだけ、浅き川も深く渡れ、ですね。
◆お断り◆
この動画は「学習」を目的に制作されたものです。個人の見解を過去のチャートから解説したものであり、未来を予想したり、利益を保証するものではありません。
記事へのレビューやご意見はコメント欄をご利用ください。コメントを「読者さまの声」としてブログや動画に掲載させていただくことがございます。
◆著作権について◆
当サイトは無料でご覧頂けますが、著作権は放棄しておりません。動画等のコンテンツを営利目的でお使い頂くことはできません。
詳細はご利用についてをご覧ください。
関連記事
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (10)
いつもご教授頂きありがとうございます。自分も最近は相場の大局を把握するために月足、週足、日足を毎日必ずチェックしてますが、動画でもご指摘があったように図星を自分も今日の値動きとのミスマッチで全く検討外れのことをしていることはよくあります。月足から日足迄見て今4時間足がどう動こうとしてるのかをよく見たいところです。でも結局そうは大局に戻されるので、例え4時間足が大局と反対に動いていてもそれは一時的にリバってるんだとわかっているかどうかで大分違うと思いますし、上位足の節目まで来たらトレンドフォローの初動を掴める絶好のチャンスを逃さないと思います。その節目を見極める重要なツールとして自分が最近よくコメントさせて頂いている三尊、逆三尊と複数足のフィボが重なっているところではないかと考えますし、そこにフォーカスして今後も深く検証していきたいと思います。
明確な基準をお持ちのようなので、それを極めていってください。いつもコメント有難うございます。
この度は迷はれボックスにて採用し、ご教授いただきまして誠にありがとうございました。
モチベーションの低下というか、何をしていいかわからず迷走していた自分に気が付きました。
検証してるつもり、勉強してるつもり、みたいになっていて、仰ってるようにふわふわとした違和感が出口の見えない迷宮のように確かにありました。
今日からはご教示いただきましたように、H4の3波の売りだけをFT3で練習し、初心にもどって最初の勝ちパターンを作れるよう頑張りたいと思います。具体的な方角を示してもらえたので、遭難しないように徹底的に粘着質に固執してものにします。
トレード解説だけでなく、その人物の抱えてる問題まで読みとって、導いてくれる迷はれボックスは、本当に他にない素晴らしいコンテンツだと思います。
熱くなってまいりましたが、どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。
ご投稿有難うございました。おかげさまで、OTさんと同じタイミングの方々の指針にもなりそうな動画をつくることができました。最初の勝ちパターンの完成を願っています。
いつも素敵な動画をありがとうございます。どこかのコメントでも書かせていただきましたが、「押し目買いなら押し目買いだけ」など、とにかく1つのパターンを徹底的に練習することでそこから様々な気づきが生まれトレード上達につながることは自分の身を持って体感しています。自分の場合、例えば、押し目買いの転換パターンの考え方を使って、月曜日ユーロドルの月足サポート&先週急騰ハラミ下限からの「ダブルボトムの右底からのダブルボトム右底」という得意なパターンからもエントリーできました。迷晴れさんもおそらくここら辺りの切り下げライン抜けでロングされているのでは!?なんてことも頭によぎりましたが、このトレードも結局の所、押し目買いを追及する過程で「どのような所にダブルボトムができるのか」などの感覚が検証&練習で身についたものだと感じています。上位足のレジサポが引けるようになり、ライン際の攻防を見てエントリーする、という考えが身に着けば、皆さん同じ所でエントリーを考えるのかなと思ったりしています。結局の所、手法・・・というよりも「考え方」が大事なのだと思います。
まさしく共感します!Hさんのユロドル・ロングはとてもシンプルみえますが、おそらく、どの手法よりも早くシグナルを察知しています。しかも、負けても一切悔いの残らないポジショニングですね。
上位足レジサポ+ライン際の攻防を見てエントリー。
ホント、ボクのやり方なんてこれだけなんです(^_-)-☆
週ナビ237でコメントさせていただいた小野と申します。7月のトレード結果ですが、57pipsとなりました。今年の5月からドル円にて実弾トレードを始めたのですが、この2ヶ月は合計-40pipsとなりマイナス収支でした。実弾で始めてから3ヶ月目にして初めてのプラス収支を達成できましたので報告させて頂きます。FT3で「値段、時間、時間足がどうなったらエントリー、どうなったらイグジットする」はもう決まっていたのですが、実弾で始めてみると練習通りにトレードする難しさを感じました。チャートを見れていなかったり(就寝時間や仕事中)見れていても難しく考えすぎてエントリーをスルーしてしまったり。枚数も1枚ですしトレードもまだまだ改善できる点がありますが、実弾トレード初プラス収支という結果は素直に受け止め、今後もトレードスキル向上に励んでいきます。迷晴れさんには感謝しかありません、今後も無理のない範囲で動画投稿して頂けると幸いです。
プラス収支おめでとうございます!実弾に少し慣れてきて、本来の小野さんの実力を発揮できた感じですね(^_-)-☆ムリなく奢らず続けていってください。
いつも更新ありがとうございます。
基礎である基本姿勢とは、Hさんが仰る「考え方」という事に共感です。将来トレードを収入の1つにするとイメージした時の再現性・改善可能性を考えると、「自分の頭で考え、根幹となる思考パターンを作る」という解に行き着きました。これを実感して腑に落とすまでに、迷晴FXで何記事もかかりましたが、チャートが“波”である事と、人間の心理を可視化したものと捉えると、自然とこの答えに行き着くと、今では思います。上位足のレジサポと重要価格での動き→結果についていく。言葉にするとシンプルですが、これを実現するためには、自分の勝ちパターンを作る必要がある。勝ちパターン=「その後の波の動きを想定しやすい得意な環境」と考えると、手法でなくいかに自分の中で信頼性の高い考え方を確立するかが重要だと、今回の動画&コメントを拝見し、感じました。
特にweeklyなのかdailyなのか、スケール感の視点は検証上で私は見落としがちなので、非常に気付きの多い動画でした。
いろいろなやり方はあると思いますが、何をするにつけ、ボクは”やり方”より”在り方”に重きを置くようにしています。在り方とは抽象的でわかりにくい側面もありますが、深く理解できると、テクニックよりも、応用が効くのではないかと考えます。