14Dec
迷晴れボックスに頂いたご質問にお答えします。今回は高値ブレイク後のエントリーについて、チャート分析にはプロセス(過程)が大事というお話です。
どういうプロセス(過程)で結果(今)があるのか。
数ピプスのスキマを狙うスキャルピングならいざ知らず、デイトレードなら上位足からの環境認識は必須です。そもそも、地図がなければ、周囲の景色だけ見て車を走らせているようなもので、現在地も、どこを目指しているのかもよくわかりません。
質問者様は、FXを始めて3ケ月ということですが、重要な高値をブレイクしたという「結果」の認識はできています。このあとは、押したところで買うだけですが、どこが押し目になるかを想定するには、ブレイクしたプロセス(過程)を見ていきます。
ただし、相場は紙一重のことで流れが変わることがあるので、決めつけるのではなく、「そうならなかった」複数のパターンを想定しておく必要があります。
また、エントリー・タイミングについては、ボクの場合は、市場参加者のポジション決済を意識しますが、こればかりは、練習をひたすら積むしかありません。何を基準にエントリーするのかという「流派」を決めて、数稽古です。
ボクの考え方が全てではありませんが、トレ-ドは「環境認識」が8割、「エントリータイミング」が2割と思っています。スナイパーが狙撃する位置を決め、ライフルを据え付けるのが「環境認識」で、ターゲットが現れたらスコープを覗きトリガーを引くのが「エントリータイミング」です。ターゲットがどこを通るかという「シナリオ力」と、高精度な「狙撃力」が求められます。ただし、シナリオさえあれば、多少エントリーの精度が悪くても、損切り幅をあまりタイトにしなければ、トレードはできます。まずは、環境認識が大事です。
今回のご質問
ラインブレイクの判断について
初めて質問させていただきます。いつも動画を見させて頂いております。ありがとうございます。 FXを初めて3ヶ月目に入りました。まだまだ思ったように動くことが少なく、悩み続けております。 文字制限があるみたいなので早速質問させていただきます。
画像を二枚添付させていただいたのですが、12月9日、23時ごろのドル円になります。 ピンクのラインは、私なりに4時間足で見て重要そうなところに入れたラインになります。 ラインの根拠は、大分左側にある高値、4日前、6日前に跳ね返された辺りだったからです。 同日20時ぐらいに、重要だと思っていたラインを1時間足でブレイクしました。戻りを待って押し目買いを狙うつもりでした。 しかし一気にラインの下まで戻ってしまい、直近の安値付近まで落ちた後、またラインを上抜けしていきました。
何度も止められているラインだったのでライン上付近で止まるに違いないと思い、動きが止まった時にエントリーしました。 ですが結果かなり下まで下がってしまい、ライン下の損切りはあっさり損切られてしまいました。 押し目買いや戻り売りをする時は、だいぶ左側の高値などに反応して止まるという事も3ヶ月ながらたくさん経験していたので当然止まるはずだと・・・。
過去動画で「本物ブレイクとモドキの見分け」にもあったように、ラインを抜けても下のブロック(画像で四角に囲ったブロック)に戻ってきたという結果に、コレだったかぁ・・・とガックリきているところです・・・。 ずっと過去の高値に反応して止まることもあれば、あっさり戻ってきてブロックに反応して止まることもある。ブロックまで戻ると思って我慢して待ってみても、バビューンと3波目が行ってしまう。これはどうしたらいいんでしょうか・・・。
エントリータイミングも難しいですね・・・。今回のトレードは自分がラインを過信し、ブロックを見逃し、早急にエントリーに走ってしまったのが原因だと思ってはいるのですが、これから先、どちらを信用すべきなのか解らなくなってしまいました。
HAM様
参考回答例
1時間足「A」の高値を上抜ければ、上昇トレンド継続確定なので、黄ラインは間違いなく世界が注目しているラインです。
質問者様の言われるように、1時間足で何度も止められ上ヒゲを出しているので、明らかに、この値段が意識されているのがわかります。
多くのトレーダーは、この高値のブレイクアウト後、押し目を買っていくことを考えるでしょう(もちろん、このブレイクがフェイクになるのを狙って逆張りするトレーダーもいます)
「何度も止められているラインだったので、ライン上付近で止まるに違いないと思い、動きが止まった時にエントリーしました」
「押し目買いや戻り売りをするときには、だいぶ左側の高値などに反応して止まるということも3ケ月ながらたくさん経験してきたので当然止まるはずだと…」
期待や思い込みは危険です!人間の脳は、自分の見たいものを映し出すようにできているので、期待感があると止まってないのに「止まった」ように見えてしまいます。
確かに、黄高値ラインは注目されていますが、そこでピタリ止まるかどうかは、止まってみないとわかりません。1時間足が上ヒゲを出したのは4日離れていて、間近ではスンナリ抜けています。ボクなら、黄高値ラインをブレイクさせた起点(強者の値1)に注目します。114.50レンジをブレイクした結果もあるので、上昇しやすい条件はそろっています。
もちろん、黄高値ラインで下げ止まる可能性もありますので、局所的に、短期足で下げ止まりを確認しないと、詰めの甘い、当てずっぽうなエントリーになってしまいます。
質問者様は、この黄高値ラインを上抜けた後、1時間足が陰線で下がっている途中でロングしているかと思います(5分足がライン上で反発、次の足とか…)1時間足以上で引いたラインで、1時間足のサポートを確認するなら、1時間足がラインより上で、陰線確定してみないとサポートされたか否か判断できません。
今回、1時間足の下ヒゲが長すぎて、安値1の下に損切りを置くと、損失が大きくなってしまいますが、もし、1時間足だけ見てエントリーするなら、1時間足がラインより上で陰線確定後、次の1時間足が、安値を試し、陰線から下ヒゲになったタイミングでロングします。114.50レンジを抜け、高値ブレイク、さらに1時間足クラスでサポートされたなら、多少の誤差はあっても上昇を始めるはずです。
安値1周辺で買ったトレーダーは、伸びきったところで一旦利確する人もいますので、そこを狙って、高値3から逆張りショートが入ります。ブレイク後にバイーンと伸びることを期待して、安値2周辺で買ったトレーダーは、安値2のネック割れで「損切り」します。安値1周辺で買ったトレーダーも、ここで「逃げないと」さらに下がってしまい、ブレイクがフェイクになるかもしれないので「利確」することで、さらに下がります。
質問者様が買ったのは、おそらく、その下落途中ということになります。安値1(強者の値)まで下落すれば、高値3からの逆張りショートの利確、さらには、ブレイク後の新規押し目買いが入ってきます。また、ここを下抜ければ、ブレイクそのものがフェイクとなる可能性が出てきますので、それに備えることも必要です。
今回、少し難しかったのは、押し目候補となる強者の値でV字反転してしまい、そのまま安値1と高値3の中間地点である「波の衝突地帯」に突入してしまったことです。こういうところは、どっちに行くかわかりませんので、高値ブレイクという結果を観て、下限から買うか、この小競り合いを上抜けてから買うかですが、これだと、次の目標となる高値まで値幅がありません。押し目買いは、あまり上昇してしまってからでは、リスクも高くなり、値幅的にもおいしくないので、なるべく下から買いたいところです。
ボクは、5分や1分足などの短期足を使い、ブルベアの最終的な心理合戦を観てエントリ-タイミングをはかります。もしかすると、質問者様は黄丸の辺りで買ってしまったかもしれませんが、一番小さな1分足をみても、まだまだ売られている途中です。黄高値ラインで止まったとしても、せめて1分足が高値Aを上抜くまでは、下げ止まったとは言えません。
安値1(強者の値)での反発が強くてV字になりましたが、もし高値Bがネックラインとなって、安値1付近でダブルボトムをつくれば、安値の切上げや、ネックライン抜けて安値を試す動きが出てから買います。
今回なら、高値Bを上に抜いた青丸1で、次の高値Aまで買うことができます(安値Aショート逃げ+安値Bショート損切り)その後、オレンジのような動きになったかもしれません。そうなったら、緑丸からの安値切上げで買えます。しかし、波の衝突地帯(黄枠)に入ってしまうと、この黄枠下限から買うしかないです。
「結果はウソをつくときがあるが、プロセスはウソをつかない」
これはイチロー選手の言葉です。彼の言う、結果というのは成績という意味でしょうが、チャート上でも、結果としてダマシが起こっています。このダマシも、個人投資家を罠にかけるために、誰かが意図的にしていることもあるかもしれませんが、結果的にいえば、その動きが大衆にフォローされなかっただけのことです。多くのトレーダーにフォローされていれば、ダマシにはなりません。
ボクはチャートを右側を20%空けていますが、20%の未来を想定するのは、過去80%のプロセスです。デイトレなので分足チャートの右側20%が想定できれば問題なくトレードできますし、何日も先の未来なんてわかりません。
質問者様はFXを始めて3ケ月目ということですが、ボクの3ケ月目よりは遥かに観るべきポイントを観ています。ボクはこの時期、インジをこねくりまわしていましたので…
今回のケースの目線はわかりやすいですが、中にはわかりにくい局面もあるので、自分でわかるところだけやって、上か下かわからないところはころは手を出さなければいいです。
今回の負けトレードは、仮説の素となる多くのヒントを残してくれています。数日間離れた反発は、本当に有効なのか否か、ラインブレイク手前で、レンジブレイクがあるとどうなるか、などなど…負けただけで終わってしまってはダメです。ぜひ、サンプルを集めて検証してみて下さい。
値動きは上、下、横の3つしかありません。
注文は新規と決済(利確、損切り、逃げ)の4つしかありません。注目するのは、自分の建玉ではなく、市場参加者の決済注文です。自分が建てるポジションの反対ポジションの「決済注文」が出るポイントを想定してください。
買うときは、売ってる人がポジションを手放す動きにタイミングを合わせて、売るときは、買ってる人がポジションを手放す動きにタイミングを合わせて。
トレードの技術は、自転車に乗る技術と同じで、数稽古によって、意識しなくても乗れるようになります。始めに、正しい知識を学ぶことは重要ですが、それだけでは上達しません。
転ぶことで、転ばなくなります。
感情トレードで負けても、お金をドブに捨てるようなもので「授業料」にはなりませんが、正しい負けトレードからは、仮説が生まれ、そこから多くを学べます。1回の負けから10コ学ぶつもりなら「授業料」といえます。そうやって負けトレードを潰していけば、必然的に勝ちが残るようになります。
悪い勝ち方をするなら、良い負け方をする方が100倍価値がある。
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コメント
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コメント (14)
世界の全ての人が買いだとわかっていたとしても、どこから上がっていくかは誰もわからない。
だから最後の最後まで値動きを見ないと自分が求めているエントリーポイントは見えてこない。
これが体で理解できるまで1年以上かかったような気がします。
もうわかった。もうわかった。となんだかんだ2年目に突入しようとしていますが、まだ勝てるようになったと言えないので、焦らずコツコツ頑張ってほしいです。なんだか懐かしいエントリーポイントでした!w
早すぎて、遅すぎる。
これって、誰しも、経験あるかなと思います。最後の最後でひっくり返されることもありますが、そういうときが、損切りを巻き込み、逆にサクっと抜けるチャンスなんてことも、だいぶ経ってから、カラダで理解しました。
絶対はないので、ここで負けたら仕方ないと思えるポイントでリスクをとるしかないですね。
迷い晴れ様、こんばんわ
デモトレードを始めてからそろそろ1年を過ぎ、実弾トレード初めて半年になろうとしてますが、ついに私のチャート画面もボリンジャーバンドと移動平均線が消えました。そして2週間が過ぎました。
環境認識とはつまるところ水平線の強弱を測ることに尽きるのなら、その精度を上げるのに移動平均線もボリバンも大して役にな立たないと悟ったからです。役立てている人もいるでしょうが、少なくとも今の私には邪魔でしか無かった・・
1時間足以上の画面で水平線を引いて、サポートかブレイクしたら、5分足に移動し、ネックライン等を抜けたらエントリー
というシンプルすぎる手法にしまた。
抜けたら短期足でエントリーという手法には、ダマシ回避にもつながりますね。それで負けたら納得です。
この考えに至るまで、ボコボコに負けたことは告白します^^;;
シンプルでいいですねぇ(^^♪
まさに「枯山水」の世界。
その方が、余計なことに惑わされず、視るべきことに集中できます。
動画制作お疲れ様です。
自分の過去の負けトレードを見ているようでした。
自分の3か月目と違うところはチャートの綺麗さでしょうか。
とても環境認識しやすく整然としたチャートで見るだけで上達の早い人なんだなあと思いました。
最近は迷晴れ先生にご助言いただいた波のスイングを重視してみています。
今回の負けトレのように長期足で引いたラインに対して短期足数本で結論を出す自分の悪い癖もかなり改善しつつあります。
たまにラインチャートに切り替えてスイング感覚を見ているとポチポチしそうになった指もおとなしくなりますしね。笑
私の場合はほとんどが早すぎるトレードが負ける原因なので短期足が波を作ってわかりやすくなるまでチャートを閉じています。
V字で行っちゃうこともありますがそういった波は後でややこしく(今回のように)なりますし「いってらっしゃい~」と切り替えてしまってます。
ボクもそうでしたが、早すぎて負けるパターンの方は、かなりいると思います。
波のスイングの中途半端なところで入ってしまうパターンも、よくやりました。
「まだはもうなり、もうはまだなり」といいますが、早すぎず、遅すぎない、良い加減は、体験して掴むしかないですね。
こんばんは、
学校や資格試験は、模範解答を記憶すればそれを正確に迅速にアウトプットすればよいのですが、トレードは模範解答を覚えてからの応用力が試されますね。
「自分はここから入ろう」と強く意識すると他者の事情は眼に入りません。
一般的な商売も相手が買ってくれる、買いたくなる動機を考えるのが基本のはずなので、トレードも同じ発想が必要ですね。
相手を見ずに自分本位の商いは、いずれ廃業に追い込まれます。
その意味でこの言葉は至言ですね。
「買うときは、売ってる人がポジションを手放す動きにタイミングを合わせて、売るときは、買ってる人がポジションを手放す動きにタイミングを合わせて」
ありがとうございます。
確かにその通りですね。近江商人の言葉に「売り手よし、買い手よし、世間よし」三方よしという言葉がありますが、売り手と買い手、そして世間(相場環境)を意識するのは、同じだなと思いました。
こんばんは!動画での回答ありがとうございました!
久しぶりに、学校の先生に直接指導を受けているような緊張感を感じながら動画を見させていただきました(笑
この質問をするまでにも迷晴れさんの動画をかなり見させていただいていたのですが、今回指摘された事すべて、過去に見た動画の中に答えがありました。結局は私の頭と体に染み込んでいなかったという情けない話です。そんな質問に対し動画を作って頂き本当にありがとうございます。
今まで散々負けトレードを繰り返していましたが、この負けはかなり大きいものになったと思います。動画も作っていただいたし、同じような負け方を、もうするわけにはいきません!
先輩方のコメントも拝見して、恥ずかしい気持ちにもなりましたが(笑)、早く皆さんの足元に手を掛けれるよう頑張っていきたいです!
最後に、「迷晴れさんの3ヶ月目よりも見るべきポイントを〜」と仰っていますが、いろんなインチキ臭い有料情報がはびこる中、先輩方が惜しむことなく、知識やテクニックをブログや動画などで教えていただいた結果だと思っています。本当に感謝しています。いつもありがとうございます。
今の所、私には「いいねボタン」を押すことしかできませんが、何らかの形で恩返しできたらな〜と思っています!
ご質問拝借しました。ありがとうございます。今回の動画が、気づきや、きっかけになれれば幸いです。
迷晴れ先生へ。
数か月前にコメントさせていただきましたnayutaというものです。私もFX初めて3か月を迎えました。今回のお話も含めてたくさんの「気づき」を教えていただき改めてお礼を述べたいと思い投稿しました。
12月から私なりのルールが定まりトレードをしてきましたが、12月14日のポンド円20:11分からの4時間平均線からの急落からショートで入りその後の上昇につかまり大敗しました。
原因はただ一つ、ルールを破ったこと、下げるだろうというチャートに期待(感情)を載せたことでした。
その後の検証でルール通りなら微損で終わっていました。
その後でこのブログと動画を読ませていただいた後、私の中にルールの大切さが身に染みるような感覚を覚えました。
チャートにはすべてが記されていてただその地図の読み方がわからないだけ。
迷晴れ先生のチャートの2割の空白を残した意味が8割のスナイプ(環境認識)で狙い、2割空白にショット(エントリー)する。その本当の凄さを実感しました。
そうなると今回の大敗はこの記事の良さを教えるために用意されたような気持になり、負けたのに感謝の気持ちしかわいてこないのです。
今の私のルールを期待値計算するとプラスになっていたのでこれを愚直に信じてFT3で数千数万回と素振りをするように検証し、チャートに感情を載せないで練習と同じトレードができるまで頑張ってみようと思います。
改めて感謝の言葉を述べさせてください。
本当にありがとうございます。
これからもブログと動画楽しみにさせていただきます。
重大な状況において、ほんのちょっとしたことが、最も大きな出来事をつねに決定する。
- ナポレオン・ボナパルト -
今回の大敗を、今回の記事と結びつけたnayutaさんの感受性が素晴らしいと思います。
初めまして。
いつも子守唄代わりに視聴させていただいて、
楽しみながら自分のトレードに照らし合わせています。
いくつかお聞きしたいことがあるのですが、直接メール等で質問を
出来るのでしょうか?
トレードに関するご質問はブログ右サイド「迷晴れボックス」から受けつけています。後日になりますが、動画でお応えするようにしています。個人的なコンサル等はやっておりませんので、ご了承ください。