2Apr
出来上がったチャートを見て「あ~やっぱりここで入っておけば、とほほ…」となることはないですか?今回の記事は、損切りを連発してしまい、この後チャンスが来ても、恐くてトレードできないという悩みを解決する方法です。
ワンセット思考が恐怖を緩和する。
トレードは技術だけで勝ち続けることができません。心技一体、つまり心のありかたは技を覚えること以上に重要です。相場が動く原理原則がわかっていても、心が恐怖や欲望にとらわれブレブレの状態では、まともなトレードすらできず、機会損失の原因にもなります。
そこで、今回の記事では、1回のトレードに一喜一憂しなくなる、ワンセット思考というアイデアを提案します。これを学べば、損切りを連続したあとでも、さほど恐怖を感じずにトレードすることができるでしょう。これは機会損失を防ぐだけではなく、資金管理の方法を習得することにもつながります。
資金管理と聞くと、何か地味なイメージですが、実は建玉の戦術というのは心のあり方と同様にトレードの根っこの部分です。トレードの悩みの多くは、手法やテクニックといった枝葉はなく、もっと根っこの部分に病巣があることが多いものです。
チャンスを逃す原因は、直前の損切りにある。
1時間足(中長期)の押し目買いを狙ってロングしてみたものの2回とも損切り、心が折れてしまって、本命のポイントに来た時には「また損切りになるかも…」とビビって入れない、またはチャートを閉じてしまい、次の日に見て、とほほ…となる状態を図にしました。
こうなるのは、直前の損切りが影響して、本命のチャンスを目前に平常心ではいられなくなっているためです。1回1回のトレードを意識しすぎるとこういう現象がよく起こります。こういった心理面の問題を解決するには、今までの生き方や性格から出来ている「心」を変えなくてはなりません。これはとても時間がかかるし難しいので、脳をだましてしまうほうが簡単です。要するに、抱いた感情を無理やり抑えたりするとかえってうまくいかなくなるので、マイナスの感情が芽生えなくなるように工夫してしまえばいいのです。
損切りをワンセットで考える。
相場を見る目が養われ、ラインの精度が向上するまでは、押し目買いを2回くらい失敗して損切りすることがよくあります。ここで必要になってくるのが資金管理の知恵です。
- 証拠金100万円。
- 1セットで許容する最大損失額を証拠金の1%とする。
- 平均損失ピプス=10ピプス。
- 損切り許容回数2回
100万円×1%=1万円なので、ワンセットで許容できる最大損失額は1万円になります。つまり1万円までは、何回でも損切りできるというわけです。平均損失ピプスが10ピプスなので1トレードに10枚入れることができますが、逆に1枚なら10回連続で損切りしても大丈夫ともいえます。
損切りは2回までOKなので1万円÷2=5000円。つまり5枚でトレードすれば5000円の損切りを2回できることになります。大事なのは2回の損切りまでは当たり前という意識でトレードに臨むということです。この考え方が心にユトリを与えます。
押し目買いをプロジェクト化してワンセットで考える。
同様に押し目買いをワンセットで考えます。ポイントは1回のトレードではなく、「押し目買い」というプロジェクトが成功するか、失敗するまではトレードが完結してないことに意識を向けるのです。自分の証拠金や平均損失ピプスなどのデータを利用して建玉をコントロールするという資金管理の考え方を組み合わせます。この方法はプロジェクト毎に勝敗を決めるので、押し目買いだけではなく、様々な動きを狙ったトレード全てに応用させることができます。
トレードを仕訳て見える化する。
簿記や会計の知識がある人なら、このようなものを見たことがあるかもしれません。これは仕訳というもので、勘定科目を左右に分けることで財務状態を把握するツールです。この仕訳をトレードに当てはめると借り方が損失、貸し方が利益となり、相場に借りをつくるか、貸しをつくるかという感じで、ワンセットで自分のトレードを見える化できます。
トレードで一番大変なのは負けた分、つまり相場への借りを返すことです。借りを返して初めて仕訳金額が0円になるので、なるべく借りをつくらないようにしなければなりません。僕のトレードは1回の負けは1回の勝ちでチャラにできるように資金管理していますが、同様に1日の負けは、1日の勝ちでチャラ、1週間の負けは、1週間の勝ちでチャラ、1ケ月の負けは、1ケ月の勝ちでチャラ、という考え方をしています。
僕がいつも「まずは1ケ月の成績をトントンにしましょう」というのは、1ケ月をワンセットと考えて収支バランスがとれれば、稼ぐ段階へ進みやすくなるからです。このワンセツト期間が1年単位とかになると、稼ぎ始めるのがとてつもなく遅くなってしまいモチベーションも持続できなくなります。
1ケ月の収支がプラスになり始めたら、次は1週間の仕訳を左右でトントンにすることを目指せばいいわけです。そうやっていけば、最終的には1日の収支がプラスで収まるようになっていきます。
ある動きを狙ったプロジェクトを実行、5000円の損切りが2回、5000円の利確が2回なら収支はトントンです。利益は出てませんが、初心者の内はこれでも成功と考えるべきです。
優位性の高い押し目買いなどのプロジェクトなら、リスク・リワードは1:2程度のポイントでトレードできます。5000円の損切りが2回、1万円の利確が2回なら収支は1万円のプラスです。トレードをプロジェト化してワンセットで考えることで2回の損切りの直後でも、大した恐れもなくエントリーできるはずです。
ホームランは敗者のためにある。
絶対にやってはいけないのは、今までの借りを1回のトレードでチャラにしようとすることです。こういう無茶をすると上図のように、かえって相場に借りを増やすことになります。借りを返すのが大変なことを絶対に忘れてはいけません。
こうなるタイプの人は、金額に目がいきすぎて、大事なことが見えなくなっています。トレードでは損失はコントロールできても、利益はコトロールできません。利益は相場次第であって、狙って狙えるものではないからです。
勝ち金額よりも、勝ち回数に注目して、ホームラン狙いではなく、シングルヒットでとにかく塁に出ることを徹底します。勝ち金額をコントロールできなくても、勝ち回数なら成績という統計から把握できるしコントロールもできます。4回負けたら、4回勝たなくてはチャラにできませんが、トレードとはもともとそういうものです。だからこそワンセット思考をして、プロジクト毎に気持ちをリセットすべきです。
心目線の固定と切り替えが大事。
相場の波を把握して目線の固定と切り替えができるのは技術として必須ですが、エントリーという引き金を引くのは人の心です。つまりは心技一体とならねば、学んだ技も使えないのです。心目線が泳いでしまうと、固定すべきところで集中力が切れてしまったり、切り替えるべきところで、いつまでも固執してしまいます。トレードをプロジェクト化してワンセットで考えれば心目線がブレることを防げるはずです。
今日のまとめ
根っこがしっかりしてないと、植物は育たず実をつけることもありません。今抱えている問題の原因は枝葉ではなく、根っこにあるかもしれません。
■投資のリスクについて■この動画、ブログは、相場について個人の見解を解説したものであり、利益を保証するものではありません。投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分ご考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (7)
こんばんは!
そうなんです…『とほほ』が多いんです。損切りが続くと右も左も無くなり、周りが見えなくなりギャンブルトレード…
今週は振り回されました!待てばいいのに待てない。今日、やっと動きましたね!只今、にらめっこ中です。
しかし素晴らしいです…毎度思いますが、解説と言うより『説法』ですよ!悟りを開いたお坊さんの言葉を聞いてるようで…
ありがたい限りです。
いつもコメント感謝です!ありがたや~(合掌)です。
とてもためになりました。
一つの作戦にかかわるトレードを「ワンセット」にするという考え方は、
確率的思考の実行方法としてわかりやすいですね。
LCになっても折れずに淡々と続ける気持ちと、
冷静に公平に相場環境を再確認すること、
うまくバランスを取ってトータルの勝ちを増やしていきたいと思います。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
同じことを学んでいても結果に個人差があるのは、心理面が深く影響しているせいもあるかなと考えてます(練習不足もありますが)これを精神論ではなく方法論で解決できないかと提案させてもらいました。コメント有難うございます。
今回もためになる動画どうもありがとうございます。
私も1回損ぎられただけであきらめるケースが多かったので「目線が変わるまでは同じ根拠でチャンスを待つ」
この考え方が勉強になりました。
同じ相場状況なら、こっちが損切りしていようが損切りしていまいが、関係はありませんからね。
この動画のおかげで私の心理面の問題点がわかりました。
どうもありがとうございました。
僕もそうでしたよ。ものは考えようですよね。
拝見させていただきました。
トレードをプロジェクトとして考える。
今まで全く無い発想でした。
でも良く考えて見ると、そう考えない方がおかしいと思いました。
トレードをビジネスなどの長期的な取り組みとして考えれば当たり前のことです。
私はまだトレードという行為を勘違いしていたようです。
長期的な発想、長期的な見方、で取り組んで行かなければと感じました。
素晴らしい学びをありがとうございました。