29Apr
短期切上げ・切下げラインを使えば勝率が高く、エントリー後、すぐに伸びるポイントで入ることができるので、特に相場観にまだ自信のない初心者にはおすすめです。
トレードは証拠が揃うほど勝ちやすくなる。
短期の切上げ、切下げラインを使えば、上位足の優位性1つ+短期足の優位性2つ=合計3つの優位性を確保してエントリーできます。たとえば、いつ上昇を始めるかわからない、押し目の候補がわからないときなど、この切上げ、切下げラインを基準にすれば、勝率も高く、エントリー後すぐに動き出すことが多いのでストレスのないトレードができます。
トレードは裁判と同じで、証拠の数が多く、重要度が高いほうが勝つので、エントリーの証拠を揃えるという意味でも短期の切上げ、切下げラインは役に立ちます。
ただし、この魔法のようなラインにも弱点があり、そもそも水平線に比べて斜めのラインは信頼性が薄いし、機能している時間も短いです。うまく使えば優れたテクニックですが、これを使いこなすには相場を俯瞰できるという前提があることを忘れてはいけません。
短期切上げ、切下げラインを使うメリットとデメリット。
メリット
- エントリー・タイミングがわかりやすい。
- 相場の動き出しを捉えやすい。
- 長期足の優位性+短期足の優位性が確保できる。
デメリツト
- 100%の確証はない。
- 損切りが少し遠くなる。
- プルバックがあると含み損をかかえる。
デメリットをコントロールするには、やはり上位足を見て、その優位性を味方につけるべきです。これをせずに、短期足に切上げ・切下げラインを引きまくっても盛大に負けまくります。
トレンド途中で使う短期切上げ、切下げライン。
上図は上位足が上昇中、短期足押し目買いの場面です。
青ラインが押し目買い候補ですが、ポイントAに自信がないなら、赤の切下げラインを抜けたポイントBでエントリーしてもいいと思います。
ポイントAよりもポイントBは損切り(青サポート下)が少し遠くなりますが、その分、勝率は高くなり、含み損を抱えることも少ないでしょう。
ポイントAでは上位足の優位性(上昇中)+短期足青ラインサポートという2つの証拠が揃っていますが、ポイントBはさらに短期足のレジスタンス(切下げライン)抜けという証拠が加わります。
上図は上位足が下降中、短期足がレンジ・ブレイクから下降し始めた場面です。
ポイントAで戻り売りできればベストですが、この位置だと上位足下降中+短期足赤レジスタンス=2つの証拠のみですが、ポイントBでは、さらに短期足青切上げサポートを抜けているので証拠が3つになります。
ポイントCは安値ブレイクになりますが、損切りラインが遠くなるので、あまりおすすめできません。
トレンド中につくられる小さなフラッグやペナントも考え方は同じです。上図では下降中に、さらに短期足が逆トレンド(上昇)をつくっていますが、青切上げサポートを抜けることで下がりやすくなります。慣れてくれば赤レジスタンスからショートするのがベストですが、かなり難易度が上がります。
トレンド転換ではプルバックに注意!
上図は下降してきた短期トレンドが崩れて上昇に転じる場面です。ここでも切上げ、切下げラインが使えます。
ポイントAは一番安いところで買えますが、証拠としては上位足サポート(図にはありません)+短期足青サポートの2つだけです。
ポイントBはポイントAの証拠にプラス、短期赤切下げレジスタンス抜けという証拠が加わり勝率が高くなります。
ただし、このようなトレンド転換場面では、売りも入ってきます。深いプルバック(押し戻し)がはいりやすいので、切下げライン抜けで飛び乗るのは得策ではありません。
ポイントBのように、切下げラインに裏タッチするのを待ってエントリーするのがよいと思います。
鳥の眼、虫の眼、魚の眼、3つの眼が揃うことでチャートが読めるようになる。
切上げ、切下げラインは所詮はテクニックのひとつです。戦術としては優れていますが、それだけでは勝てません。
テクニックである「虫の眼」よりも、相場全体の空間把握ができる「鳥の眼」や流れをとらえる「魚の眼」を体得することの方が100倍大事です。ぶっちゃけ、これさえ身につけてポイントさえ選べば、テキトーにエントリーしても、そうそう負けません。
上図は上位足のサポートS1とレジスタンスR1との間で相場が動いているという場面ですが、大事なことは短期でトレンドフォローするにしても、トレンド転換を狙うにしても、この上下のオレンジラインを味方につけてトレードするということです。
実際のチャートでの短期切上げ、切下げライン。
上位足が下降中の、短期足戻り売り場面です。結果的にはポイントAから売りが入りましたが、もっと上まで行った可能性もあります。
ポイントBは上位足下降中+短期足レジスタンス(M5-L1)+短期足切上げサポート(M5-L2)抜けという3つの証拠が集まったので下降していきました。
上図には、もうひとつ重要な証拠が隠されていて、それは緑ブロック(M5-Z1)の部分になります。短期足の下降の流れを一旦切り返したが、買いが続かず再び下降を始めたことが読み取れます。こういうブロックは波が戻ってきたときにレジスタンスとして機能することが多いので証拠のひとつとして使えます。
上図は上位足上昇中、短期足押し目買いの場面です。ポイントAで入れればベストですが、さらに一段下のサポート(M5-L1)まで押す可能性もあります。
短期切下げラインを使いポイントBで入るほうが、ポイントAよりも易しいのがわかると思います。
切上げ、切下げラインは、モチロン長期足でも機能する。
4時間足下降中、1時間足の上昇と攻防して、長期間レンジになった場面です。
1時間足ではレンジになりましたが、短期足のように切上げ、切下げラインを使うこともできます。ただし指向性のない相場なので、トレードしないというのも正しい判断です。
トレードする場合は、なるべくレンジの上限・下限から狙うことがコツになります。売り買い両方の圧力がかかるので、ポイントBのように切下げラインで止まらずに、さらに深くプルバックすることもあり、注意が必要です。
今日のまとめ
やはりテクニックというものは、基本や原理がわかった上で使うものだと思います。記事を書いている本人がいうのもなんですが、こういうテクニックの紹介は、わかった気にさせてしまう副作用があるので気を使います。
一番大事なことは、そこで波が反転する理由を「鳥の眼」「魚の眼」で判断することであり、テクニックである「虫の眼」は単なるトリガー(引き金)にすぎず、狙いの定め方もわからずトリガーを引いても弾は当たりません。
◆お断り◆
この動画は教育目的で制作されたものです。相場についての個人の見解を過去のチャートから解説したものであり未来の利益を保証するものではありません。売買取引についての判断は一切行っておりませんので、投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分に考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (19)
これだけで、その辺の有料商材や自称コンサルタントの指導を超えてしまっていますね。
新開発のサイツールですとか、事あるごとにマインドですなんて言うコンサルなんて、まったく信用できませんからね。
レンジ内は初心者は手を出さない方がいいと思いますが、逃げ方がわかってきたらトライするのもいいと思います。
私はもっぱら天才バカボン「これでいいのだ」方式なので、レンジ内は気が向いた時にやる事があります。
迷晴れさんをコーチにすれば、理解力のある人であれば大抵の人はできるようになると思いまよ。
迷晴れさんのコーチ就任を願っている人はたくさんいると思います。
「これでいいのだ」これ大事ですよね!僕も激しく同感です。
水平ラインを根拠にトレードをしていますが、押し目、戻りのエントリー場所が、あ~早かったな~ということがよくあります。
サラリーマンですので、限られた時間内で無理矢理トレードしてしまう悪いところがありました。
今回の動画は、そんな限られた時間内でも優位性を見出だすために有効に使える切り上げ、切り下げラインの使い方で、非常に有益なものです。
ありがとうございます。
切上げ、切下げラインは僕もよく使うテクニックなので、よければ使ってみてください。
いつもありがとうございます。
今回の切上げ、切下げラインですが、大前提として、上位足の優位性とご説明がありました。
上位足(4時間足・1時間足)が、アップトレンド(安値切り上げ、高値更新)という事までは理解できるのですが、
上位足アップトレンド中でも上下の波を繰り返すし、陰線も、もちろん出ます。
上位足アップトレンド中で、上位足陽線の中で、短期足でタイミングをとりたいのですが、コツが掴めません。
何かアドバイスがありましたら、どうぞ宜しくお願い致します。
短期足で上位足押し目までのショートを取るという意味でしたら、上位足の買い圧力を警戒する必要があります。押し目付近になればレンジにもなりやすいです。そのへんを意識してトレードするのがコツといえますが、どちらかというとコツというより、数稽古で体得する部分だと思います。
こんばんは!毎回、噛み砕いた動画解説ありがとうございます。
新作が出るたびに、それをノートにとってます…やはり書くことで頭の入りかたが違いますね!マイナスが続いても最終的には、プラマイ0に持っていけるようになり、明らかに変化していると実感してます。アナログ人間の逆襲といった所でしょうか!
たった一度でいいです…セミナーをお願いします。『迷晴れ』生徒一同、お待ちしております…(^^)
それは朗報ですね!凄い進歩だと思います。セミナーとなると一気に大変さが増すので、いろいろ思案中です。
迷晴れさん、こんにちは。
いよいよセミナー要望論が出てきましたね。迷晴れさんのコンテンツレベルなら必然的にそういう要望が出てくると思います。
もし私が迷晴れさんなら。。。。を考えてみました。
あくまでも精神的・物理的に負荷の少ない移行という観点からです。
その前に優良なコンテンツには代価を支払うべきだというのが基本です。本来ならば、対価を払って有能なメンターにつくのが一番の早道なのですが、いつでもそうはいかないので、その次に取りうる方法として優良なコンテンツを有料で手に入れることになります。ただし、いわゆる情報商材と言われるものには、上記に該当するも尾は1割位しかないので、十分注意が必要です。何でもかんでも無料コンテンツがいいという人は一番遠回りする結果になります。
・動画コンテンツを無料版と有料版に分ける
・無料版は基本的に概論止まり
・有料版は手法シリーズとその検証動画(随時制作)
・ユーストリームなどを使った単発有料セミナー
・単発会場セミナー
・今までの無料動画・ブログコンテンツを整理体系化した有料商材+有料動画
セミナー開催はあくまでもその主催に抵抗がないということが前提になります。
(わたしは絶対にやりませんが。。。)
迷晴れさんならば、一つずつゆっくりステップアップしてゆけば、簡単にできると思います。
少しでも参考になれば幸いです。
色々思案中なので、参考にさせて頂きます。
時間をお金で買うという価値観に対して理解のある人なら、喜んでもらえるはずなので。
情報商材を完全に否定するわけではありませんが、アフィリエイターと組んで凄そうに見せて売る手法というイメージに抵抗があるので、そのへんは慎重に運びたいと思います。
とてもためになりました。
相場の王道、押し目買いと戻り売りの極意をご教授頂きまして、本当にありがとうございます。
これで、私も常勝トレーダーです(笑)
というわけにはいかないでしょうが、非常に画期的でした。
「切下げライン」「切上げライン」については、
「サブトレンドライン」「カウンタートレンド」などの呼び名もあり、
「知って」いましたし、「使ったこともある」のですが、
ルールー化して、必ずチェックして、条件の一つにする、
というレベルの「使いこなし」には至っていませんでした。
「知っている」「道具は持っている」けど、
「使っていない」「使いこなしていない」「自分のものになりきっていない」ために、
結果的には大きな差が出てしまうパターンというのが多いと思います。
押し目買い、戻り売り、転換の時の、3つの条件をそろえる!
ということをルール化して、しっかり「使いこなして」行きます。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
そんな呼び名もあるんですね。切上げや切下げラインについては既出のテクニックだとは思いますが、あらためて解説をしてみました。参考になれば幸いです。
こんにちは。
私も、迷晴れ先生のセミナーやオンラインスクールを希望している一人です。
FXの情報が多過ぎて、影響を受けやすい性格の私は、数々の商材や情報に振り回されて、遠回りをしてしまったな・・・と思っています。
時間は貴重ですよね。「時間をお金で買うという価値観」に気が付きました。
最近になって、いい情報と、そうではない情報を見分ける事が出来るようになりました。
最終的に、そして圧倒的に、いい情報として残るのは、迷晴れ先生のブログ、動画だけです!!!
とても有り難いコメントありがとうございます。期待を裏切らないような運営をこれからもやっていきたいと思います。
いつも動画で解説していただき、ありがとうございます。
今年に入ってから、偶然このhpを知り、それ以降勉強をさせていただいております。
5月1日(金)に、ユーロドルは4時間足でサポートを割り、
ドル円は日足トレンドラインを超えてきましたので、あわててエントリーして
しまったのですが、案の定戻りがあり、ちょうど悩ましいところで止まっているように
思います。
トレンドが元に戻ってしまえば損切りするだけですが、トレンド転換点での
エントリーはとても難しく感じます。
また、fxについてはfx会社が発信するニュースをはじめとして、アナリストの解説や
ブログなどさまざまな情報にあふれています。
参考までに見ているつもりが、どうしてもそれらの情報に振り回されてしまいます。
nonさんはどのくらいまで情報を確認されていらっしゃるのでしょうか。
それともファンダメンタルはあまり重要視されていないのでしょうか。
もしかしたら以前にお答えかもしれませんが、お教えいただけましたら、
幸いに存じます。
今後とも、よろしくお願い致します。
私も有料講座ができましたら、受講させていただきます。
ファンダメンタルやニュースなどの情報は全く見てません。さすがに重要指標の時間はチェックしてますが、それであっても4時間足や日足のレジサポでは支持されることが多いです。つまりチャートから得られる情報のみでトレードしてますが、短期売買では困ることはありません。情報に振り回されないためには情報を限定することだと思います。
こんにちは、実戦使用をさせて頂きましたが本当にバイーンと伸びて驚いています。トレンド転換の逆張りの場合はプルバックによってがダブル・ボトムのような形になるので、ダブル・ボトム手法を組み合わせて対応しています。*先日のドル円下落の大底反転を取ることが出来ました。
良かったです。飲み込みが早いですね、凄いです!
拝見させていただきました。
私が現在やっているのがチャネルラインの中に斜めラインを引いてエントリーの判断とするという方法でした。
もともと何となく線を引いていたら「これ良いかも」と思いついた方法だったので何でそうなるのか解っていませんでした。
短期と長期の優位性を内包しているんですね。
理解して使うのとただ漫然と使うのではその意味が全く違ってくると感じました。
目下の悩みは、確かに勝率が良いさそうなのですが仕事しながらなのでタイミングを待つことが出来ないということです。
確認したらポイントを少し過ぎていて慌ててエントリーということの方が多くて、そういう形で入るとほとんど負けます。
素晴らしい学びをありがとうございました。