14May
初心者がレンジ相場で負けやすいのは、レンジが難しいというよりも、レンジかどうかが後からしか判断できないことにあります。
レンジ相場の前触れ、原因、シンプルなトレード法。
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チャートには簡単なチャートと難しいチャートがあって、簡単なチャートの時だけトレードしていれば初心者でも利益を出しやすいです。しかし、チャートが動いている最中に、簡単なのか、難しいのかの判断をするのは初心者には難しいものです。レンジ相場も、それまでのトレンドが崩れて、完全にレンジであることが判断できるのは、ある程度チャートが形成されてからになります。
しかし、レンジの起こりやすい局面を前もって想定することは可能です。「そろそろレンジになるかも」という意識でトレードするのと、全く見当もつかずノープランでトレードするのとでは成績に雲泥の差がでます。
今回の記事では、レンジが始まる前触れとして相場がどういう動きをするのか、何が原因でレンジが起こるのか、レンジ内ではどう考えてトレードすればいいのかについて解説します。
レンジ相場の定義と前触れ。
レンジは「範囲」という意味で、上限と下限が決まっている状態を示します。そう考えると為替相場そのものが、史上最高値と史上最安値の範囲の中のレンジ相場と見ることもできます。
相場は大きく分けて、レンジ相場とトレンド相場の2つがありますが、レンジ相場とはトレンド相場ではない相場のことを指します。
上昇トレンドが出ている状態では、高値と安値を切り上げていきます。この状態が続いている限りトレンド相場と判断します。下降トレンドはこの逆で高値と安値を切り下げます。
上昇トレンドがレンジに移行する最も早い前触れとして、ポイントCのように高値を切上げなくなります。このとき「レンジになるかも」という可能性を疑う必要があります。あくまで可能性なので、 少し押してから高値Aを更新することもありますが、早くからレンジを意識し始めることが大切です。
ポイントCで高値を更新できず、今度は安値Bの位置まで落ちてきて安値更新せずにポイントDで反転しました。高値Aを更新できず、安値Bを更新できないと、さらにAB間のレンジの可能性が濃厚になります。
CDの波を形成したあとは、安値Bと高値Aとの間でカチカチすることになるので、安値Bからロング、高値Aからショートできますが、特に遮るものがなければ、相場の流れに沿った方向へのエントリーが無難です。
上昇トレンド中であれば、安値Bや安値Dからロングをしておけば、仮にBとDのダブルボトムになって高値Aを抜けていくケースや、高値Aでのレジスタンスが強くてレンジをつくるケース、両方に対応できます。
AB間のレンジに移行した場合、高値Aをブレイクすれば上昇トレンド継続、安値Bをブレイクすれば上昇トレンドが崩れたことになります。
上図は安値を切り上げているレンジです。考え方としてはAB間の親レンジの中に、CD間の子レンジが入れ子になった状態です。レンジ内でエネルギーが溜まっているので、下降トレンド中なら切上げライン抜けでエントリーできますが、理屈でいえば安値Dで子レンジをブレイク後、安値Bで親レンジをブレイクをしないと下落しません。逆に上昇トレンド中なら、切上げラインをブレイクしたとしても、安値Bを崩すまでは様子見するのがいいでしょう。切上げライン抜けでショートするなら「まだAB間のレンジの中」という意識でエントリーするべきです。そういう警戒心があれば、おかしな動きを始めたときに、いち早く察知して逃げきることができます。
CDの波を形成したあとは、切上げラインと高値Aとの間でカチカチすることになるので、切上げラインからロング、高値Aからショートできますが、特に遮るものがなければ、相場の流れに沿った方向へのエントリーが無難です。
上図は安値を切り下げているレンジです。考え方としてはAB間の親レンジの中に、CD間の子レンジが入れ子になった状態です。レンジ内でエネルギー が溜まっているので、上昇トレンド中なら切下げライン抜けでエントリーできますが、理屈でいえば高値Cで子レンジをブレイク後、高値Aで親レンジをブレ イクをしないと上昇しません。逆に下降トレンド中なら、切下げラインをブレイクしたとしても高値Aを崩すまでは様子見するのがいいでしょう。これも、切下げライン抜けでショートするなら「まだAB間のレンジの中」という意識でエントリーするべきです。
CDの波を形成したあとは、切下げラインと安値Bとの間でカチカチすることになるので、切下げラインからショート、安値Bからロングできますが、特に遮るものがなければ、相場の流れに沿った方向へのエントリーが無難です。
上図は高値と安値を更新せずに、値幅が徐々に狭くなるパターンです。AB間の親レンジの中にCD間の子レンジが入れ子になり、さらに孫レンジが…というパターンです。上昇中なら切下げライン、下降中なら切上げライン抜けでエントリーできますが、「まだAB間のレンジの中」という意識は必要です。
CDの波を形成したあとは、切上げラインと切下げラインとの間でカチカチすることになるので、切下げラインからショート、切上げラインからロングできますが、特に遮るものがなければ、相場の流れに沿った方向へのエントリーが無難です。
なぜレンジ相場になるのか 。
異なった時間足の売りと買いが攻防するゾーンはレンジになります。短期足がレンジになるということは、それより上位足の押し目買い、戻り売りポイントであることが多いです。
そこで事前に上位足の押し目買い、戻り売り候補にラインを引いておけば、そのレートになったときに慌てずに対応できます。上位足の反転には、ある程度の時間が必要なので、その部分が短期足ではダブルボトム(トップ)やヘッドアンドショルダーのような天底チャートパターンを含んだレンジつくります。
短期足だけ見て、上位足の分析ができてないと、いつレンジになるのか、さっぱりわかりません。レンジだったことに後からしか気付けないでムダなトレードを重ねる原因は、こういった基本的な分析不足にあります。
基本的に相場は値段という縦軸で反発して動きますが、動き出しのタイミングは時間という横軸の要素が関わっています。なので、今のトレンドの主役となっている時間足が切り替わる時刻にならないと本格的には動き出さず、その間はレンジ相場になることがよくあります。
この動き出しのタイミングを測るのによく使われるのが、機能していると判断できる移動平均線やトレンドラインですが、そういったものを使ってレンジ・ブレイクしそうな時刻を推測することができます。
レンジとは波のサイズが一時的に小さくなった相場。
レンジ相場のトレード方法としてよく紹介されているのが「上限からショート、下限からロング」です。これはレンジ・トレードの基本ですし、レンジの上限、下限がはっきりしているなら僕もそうしますが、実際には上限、下限でラインが引けない、あやふやなレンジも多いわけです。
ぼくは、レンジ相場になるということは波のサイズが今までよりも小さくなっただけで、また、もとの大きさに戻るまで(レンジ・ブレイク)は、小さい波なりにトレードするという考え方をしています。どんなに小さな波になろうが、それぞれの波には高値と安値ができるので、そこを意識してトレードしています。たとえ1分足といえども、その中にはティックという波が存在してますので、やろうと思えばトレンドフォローできるわけです。
とくに値幅が徐々に狭くなるレンジは、親レンジから子レンジさらには孫レンジへと、波が縮小していきます。上限、下限のラインが運良く引ければ、それを使ってトレードできますが、そうでなくても、考え方はいたってシンプルです。
それはトレンドフォローと高値安値ブレイクという誰でも知っている、当たり前の手法をレンジ内限定で使うだけです。もちろん、ある程度の値幅が期待できなければトレードする価値がないのでやりませんが、波のサイズの切り替えさえ臨機応変にできれば、トレードしている世界観が小人の世界のようなミニマムになるだけで、普段と何も変わりません。
たとえば、あなたが、国道を車で走っていたとしましょう。国道なので信号や交差点も少なく、運転にも余裕があります。ところが県道に入るとどうでしょう?道幅も片側一車線になり、信号も増え、渋滞もします。運転にも神経を使いますし、なかなか前に進まないかもしれません。市道や住宅街に入れば、さらに子供の飛び出しにも注意しないといけません。道路は狭くなればなるほどリスクが増え、時間のわりに距離が稼げません。
相場もこれと全く同じです。波のサイズが小さくなるほどトレードのリスク、つまり行きづまって反転する可能性が高くなるわけです。それを知らずに国道のつもりで住宅街をトレードしているので事故るのです。
初心者の内は無理して住宅街などトレードしなくても、国道に入ってから、つまり、波のサイズがもとに戻ってから、また始めてもいいと思います。慣れてくれば、相場の行きたい方向へ、下からロング、上からショートできるようになります。トレードはエンターテイメントではないので、住宅街を縦横無尽に走りまわる曲芸トレードをやってみても、自己満足の割にたいして稼げません。
今日のまとめ
レンジ相場の対応方法は人それぞれあると思いますのが、ぼくの考え方はトレードはA地点からB地点までの値幅というスキマを頂くものだと思っているので、短期足レンジとなるとそのスキマが小さくなります。その小さなスキマを狙うならスキャルピング、中くらいならデイトレ、大きなスキマならスイングとなるだけで考え方は全く同じです。
相場はフラクタル構造で、たとえばリンゴを蟻の目線で見れば巨大な構造物ですが、人の目線で見れば手のひらに乗る小さな果物であるように、ぼくらがトレードフォローしている相場は、相場の創造主からしたら、史上最高値と史上最安値という手のひらの上にすぎないかもしれません。
◆お断り◆
この動画は教育目的で制作されたものです。相場についての個人の見解を過去のチャートから解説したものであり未来の利益を保証するものではありません。売買取引についての判断は一切行っておりませんので、投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分に考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (13)
とてもためになりました。
あまりに感動して、帰りの通勤電車の中で2回続けて見入ってしまいました。
史上最安値と史上最高値の究極のレンジをお釈迦様の手に例えた説明を聞いている時、
迷晴れ様が、私たち迷えるトレーダー衆生を救うために相場の真理を説法されるお釈迦様であることに気が付き、
おもわず涙ぐんでしまいました。
なぜ、これほどわかりやすくためになる説法を私たちに届けてくださるのか、これこそ、お釈迦様の恵みです。
実は、今回の前の、「超絶シンプル、聖杯探しに疲れた人へ~」の動画を見た後、
これまで当然のように表示していたMA(移動平均線、上位足含め3本)とBB(ボリンジャーバンド)を消したのです。
今までにも、欧米系の本を読んだ後などに、ちょと気取って裸チャートを試したことはあるのですが、
レジサポという、偉大なる水平線の考え方を知らず、せいぜい、トレドラインを引くくらいしかできなかったので、
結局MAがないと手がかりがない、ということでもとに戻っていました。
今回は、迷晴れ動画の学びにより、レジサポの水平線を主たる手がかりにできるようになり、
裸チャートと水平線のコンビネーションこそが最高!ということが心底理解できそうな気がしています。
ローソクがあまりに水平線に反応するのでびっくりしています。
MAやBBは、でこぼこしたローソクをスムージングして全体の流れを流線形に見せる意味では有効ですが、
見えなくなるものも非常に多い気がします。
トレンド発生時のMAとBBの美しさは格別ですが、少しでも乱れると、ほとんど攪乱装置のようですし、
レンジ系の相場で、うねり、からみあうMAやBBは、トレードの手助けにはなりません。
そんな、革命的な変化を受け入れている時に今回の講義はまた格別でした。
国道~県道~市道~住宅街の道 の例えも抜群でした。
高速道路が渋滞すると(主要トレンドがお休みの時に)、
無駄に下道をチャレンジして余計時間がかかってしまう失敗(短期足の低迷レンジで無駄なトレードを繰り返す)
をよくしましたが、今後はこの例えを思い出して注意したいと思います。
主要なレジサポを利根川や江戸川にたとえるもの画期的でした!
長いコメントで恐れ入ります。
大変ためになる講義を誠にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
そこまで深く理解していただけると、僕のほうが感動です。これからも、イメージを伝え記憶に残る解説を心がけたいと思います。
レンジ、とりわけトライアングルやペナントの扱い方がスッキリ分かったと感じました。
ハラミの上限下限を抜けなければレンジを抜けたことにならないが、切り上げ切り下げラインを超えた時点でエントリーは可能だということは、すぐに自分のトレードに展開できると思い、さっそく試してみています。
今回も参考になる記事をありがとうございました。
裁量トレードの良いところですが、こういう意識をすることでトレードの精度が向上すると思っています。
こんにちは!最近、少しずつですが迷いが晴れてきました。
でもまだ振り回される局面もあります。苦手なのが天底ですね…
長期足のこの価格をブレイクしたら次の階層に行くといった目線で見ていても、15銭位ズ〰ンと一気に陰線が出ると浮気心が出てしまいます!目線の固定はルールを決めていても難しいです。自分は千葉県の人間なので、今回の動画はニヤついてしまいました!でも詳しいですね…R6とか松戸市とか。週刊チャート分析楽しみにしています。でわ…
何を隠そう千葉県出身です(笑)
いつも、ハイクオリティな動画、ありがとうございます。
相場の環境認識が、
・水平線
・波のサイズ
・トレンドライン
などで、レベルアップしたように感じています。
相場を始めて2年ぐらいですが、
こちらの動画を見てから、チャートの見え方が変わりました。
水平線に関しても、
・サンドイッチライン
・ネックライン
・強者の値
・ゾーン
・ロールリバーサル
といろいろあり、シンプルであっても簡単ではなく、
奥が深いことが分かったことが、自分が成長できたかなと。
あと、相場の環境認識力をセルフチェックできるような
問題を作成して頂けると、嬉しかったりします。
いつもご覧いただきありがとうございます。クイズなんかもその内つくってみたいと思います。
いつもmayohareさんの動画やサイトで学ばせていただいています。
まだ結果がでるところまで到達できていないのですが、この動画の中に、今わたしが暮らしている五香が出てきて驚きました。転居してきたので知人がいない孤独感と、トレードの勉強の孤独感で弱気になっていたところですが、一人じゃない気がして元気が出てきました。
おかげさまで、また前向きな気持ちで取り組めそうです。
いつも貴重な学びを本当にありがとうございます!!
青年期を五香の隣町の常盤平で過ごしました。最近まで両親が住んでましたが、昨年末、母が他界して訪れる理由もなくなってしまいました。コメントを頂いて、なんか不思議な気持ちになりました。
本当に素晴らしいサイトです。いつも勉強させていただいてます。
ありがとうございます。
コメント有難うございます。参考になれば幸いです。
拝見させていただきました。
初心者は後からレンジに気がつく。
まさに自分のことだと思いました。
何故か上手くいかない失敗が続いた時、後から見てみればレンジでトレードしていた。
後から考えると、ただやらなければ良かっただけのこと。
そして何故かそんな時ほど余計にトレードしてしまう自分の無益な性分があります。
今回のお話しを聞いてレンジが何なのか違った感覚で捉えることが出来そうです。
レンジを前もって判断するヒントもいただきました。
素晴らしい学びをありがとうございました。