9Apr
トレードの最大の敵は、躊躇という感情です。これに勝つには「想定」という武器で戦います。何が起きても「想定内です」と負け惜しみではなく言える自分をつくりあげるしかありません。
photo credit: Make a dash via photopin (license)
入り口はひとつ、出口は複数用意しておく。
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トレードはエントリーして終わりではありません。せっかく良いポイントでエントリー(入り口)できてもイグジット(出口)を非常口も含め複数用意できていないと、チキン損切り、チキン利食い、逃げ遅れを招き、本来とれたはずの利益を逃してしまいます。そんな残念な結果を招く原因は、想定外の事態への躊躇です。
この「躊躇」はトレーダーにとって最大の敵ともいえるやっかいな感情で、間違った反応を引き起こしマウスをクリックさせます。躊躇をいかに捨てられるかが上達のコツでもあります。
躊躇しないために根拠ある複数の未来を想定する。
上図Aは1時間足の押し目買いを狙う場面です。ここからチャート右側がまだ無いとするとエントリー後どのような展開が想定出来るでしょうか。
- そのまま押し目が入り上昇する。
- フラクタルをつくり15分足サイズの波であがる。
- 下に抜けてしまって損切り。
損切りの備えはできているかもしれませんが、本格的な上昇までには意外に時間がかかるかもしれないことも想定できているでしょうか。Aからの上昇は、ひとつ上位波のネックラインまでしか行かないかもしれません。そういう想定があれば一旦利食いして利益を確保するという判断もできるようになります。
Bの場面ではそうでしょうか。Aの場面よりも15分足のネックラインを越えている事実がさらに加わり優位性が増しています。
- い:押し目が入り本格的な上昇が始める。
- ろ:押し目が失敗して急落する。
- は:安値まで下がってから上昇する。
Bの場面でも複数の未来が想定できます。そして、どうなるかは終わってみないとわかりません。僕達トレーダーにできることは、その事実を受け入れ対応することだけです。
タイミングの判断は難しいので、値段にフォーカスする。
頂いたコメントでIFDOCO(イフダンオーシーオー)の話がありました。IFDOCOとはエントリー、利食い、損切りの値段を予め設定しておく注文方法のことで、メリットはチャートを監視する時間のない人でも、自分の好きな値段でエントリーできることです。デメリットとしてはタイミングを目で見てはかることができないので損切り幅に余裕を持たせる必要があることでしょう。
しかし、初心者がピンポイントなタイミングをはかろうとすると、逆に短期足に振られ損を重ねることの方が多いかもしれません。そうなるくらいなら、むしろ値段だけにフォーカスして勝負する方がシンプルでわかりやすいです。
例えば1時間足サイズの波の押し目買いを狙うのなら、自分の決めたサポートラインでローソク足(陰線実体)が止められた事実を確認してから、次の陽線のでき始めでエントリーするというルールでもいいかもしれません。アホみたいに単純なルールですが注目される値段にラインが引けていればこれでもいいわけです。
相場で重要なのは縦軸、注目される値段の認識です。横軸であるタイミングを把握するのには慣れがいりますし、縦軸の判断より難しいです。ぶっちゃけ値段さえ合っていれば、どのタイミングでエントリーしようが、あとは時間の問題であって、一緒ということになります。
備えておけば逃げ方もうまくなる。
上図のAの場面にある場合、レジスタンスの抜け方としてどのような想定ができるでしょう。
もっとチャートの左側からの情報を見ないと判断できないのが正解ですが、とりあえずレジスタンスが目前にあることを考えれば…
- い:そのまま素直にレジスタンスを抜ける。
- ろ:レジスタンスでレンジをつくってから抜ける。
- は:ワンサイズ大きな波となって抜ける。
つまり、Aの場面でエントリーするなら、最低3つの想定に対応できるように備えておくべきだということです。ところが「い」の動きへの期待しかないと、レジスタンス付近で怪しい動きになることで動揺してしまい、自分の「期待」を手放せなくなり、逃げ遅れてしまいます。エントリー後、微益で逃げれるうまい人は、あらかじめ備えてあるから、そうできるのです。
今日のまとめ
相場は準備もなしにスニーカーで登れるような気楽な山ではありません。様々なトラブルへの備えがなければ命を落としますし、場合によっては登頂を断念するのも勇気です。ひとつひとつの判断を何の助言も得られないまま、あなた自身が選ばなくてはなりません。だからこそ「備えあれば憂いなし」何が起こるかわからない相場では、この言葉の意味はたいへん深いものです。
◆お断り◆
この動画は教育目的で制作されたものです。相場についての個人の見解を過去のチャートから解説したものであり未来の利益を保証するものではありません。売買取引についての判断は一切行っておりませんので、投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分に考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (6)
いつもお世話様になります。
また、コメント(質問)に対する早々の返信もありがとうございます。
1時間足レベルのサポート下にストップを入れて、しばらく放置する場合ですが、2度、3度とサポートタッチをしても、なかなか上がっていかない時、サポート付近の買い注文を着々と消化しているのかな・・・?サポート力が弱まっているのかな?と心配になり、建値で撤退する事があります。
ラインに自信が持てないからでしょうか?
いつ上がっていくのか、このような場合に参考になるオススメのオシレーターはありますか?
よろしくお願い致します。
僕の場合はオシレーター系のインジではなくボリンジャーバンドを横軸(タイミング)を見るのに併用していますね。
最高です時間足。少し見えてきた… のような… チャート見るの好きです!良いのかなぁ〜…
いつも勉強させていただいております。
この動画を発見してからいつも1分、5足でしかエントリーでき無かった私ですが、1時間、4時間、日足で入れるようになりました。長くなると幅も大きくなるので恐怖があったのですが、資金管理さえしっかりできていればロット数を調整すればいいだけの話で、むしろ長い足の方がロット数を低く抑えられるので落ち着いてみていられる事がわかりました。動画の内容もさることながら、迷晴れさんの声の周波数、BGMも私に合っているらしく、とても気持ちよく動画を拝見でき、内容もすんなり入っていくので、私のトレード内容も改善され、いい方向へと向かって行っている気がします。ただ、損切の位置ははっきり見えるのですが、エントリーに対してはまだ躊躇があり、利確も下手だなあと思ってしまうので、今後の課題としては、そこらへんだと思っています。
これからも勉強させていただきます。よろしくお願い致します。
1時間足ぐらいでトレードする方が、気持ちに余裕を持ってトレードできますよね。手法的には同じなので、それができれば今度は短期足にも挑戦してみてください。僕の声はラジオ向きなのかなぁ。
拝見させていただきました。
今回のお話しは本当に凄い内容だと感じました。
以前に迷晴れ様からいただいたアドバイスと私自身がずっと考えてきたこと、そして今回のお話しをうかがったことで大きな気付きをいただきました。
この気付きは今までの中で間違いなく一番のものでした。
解ったとしてもとても難しいものだったのですが、今後の人生を賭け求める続けるに値するものでした。
もしそれが出来るのなら、FXに限らず何でも成功出来ると感じました。
困難ではありますが、求め続けるものをいただきました。
大切な気付きをいただきまして、感謝申し上げます。
ありがとうございました。