29Jan
波の高安がどのようにつくられるのかがわかれば、押し目買いや戻り売りをするのに大変有利になります。慌てず待てるようになりムダ打ちを減らすことにも役立つはずです。
photo credit: PhylB via photopin cc
売り買いの決着がついた処に高安ができる。
過去チャートを見れば、高値と安値は誰でもわかるが、リアルタイムで、今まさに、この場所が高安になるかどうかの判断を下すにはどうすればいいのだろうか。それにはまず、どうして高安ができるのかを知らなければならない。高安は大体において偶然にできるものではなく、原因があって必然的にできるものだと思っているし、そう考えることで余計な迷いが消え、押し目買いや戻り売りに自信が持てるようになります。
高安ができる場所では、どんなプライスアクションが起こるのか。
ABCEはそれぞれ高値、安値が更新されて、上昇トレンドになっているが、それぞれのポイントを見ると同じようなプライスアクションが見られる。 目を向けたいのは、それまでの上昇あるいは下降のエネルギーが弱くなり、逆のエネルギーが発生、今までのエネルギーが新しいエネルギーに負けて波の向きが変わっているという事実です。
成功する押し目と失敗する押し目の違い。
さらに5分足で細かく見ると…
高値Aのプライス・アクション
- 買いポジションの利食い=決済売り
- 押し目まで狙いの逆張り=新規売り
- 高値(M15-R3)ブレイク後の追随買いの逃げやら損切り=決済売り
- 買う人がいなくなったことで高値Aができた。
安値Bのプライス・アクション
- 売りポジションの利食い=決済買い
- 押し目買い=新規買い
- ド短期波、追随戻り売りの逃げやら損切り=決済買い
- 売る人がいなくなったことで安値Bができた。
高値Cのプライス・アクション
- 買いポジションの利食い=決済売り
- 押し目まで狙いの逆張り=新規売り
- 高値(M15-R2)ブレイク後の追随買いの逃げやら損切り=決済売り
- 買う人がいなくなったことで高値Aができた。
安値Eのプライス・アクション
- 売りポジションの利食い=決済買い
- 押し目買い=新規買い
- ド短期波、追随戻り売りの逃げやら損切り=決済買い
- 売る人がいなくなったことで安値Bができた。
安値失敗Dのプライス・アクション
- 売りポジションが利食いされていない=未決済
- 押し目買い=新規買い
- 浅い位置から押し目買いが入ったが、直近高値が抜けずに、追随売りによって撃ち落とされた。
高安ABCEと安値失敗Dの大きな違いは、はっきり決着がついたかどうかという点です。安値失敗Dでは小競り合いこそ起こっていますが、他のポイントに比べると小規模であり、まだまだ下がるだろうと考えて売りポジションをホールドしている人も多くいて、売られきった感がありません。
高安は兵どもが夢のあと。
photo credit: Christiaan Triebert via photopin cc
買われきった感、売られきった感は、ある程度の規模の攻防が引き起こすもみ合いの中でつくられます。それを見極めるには、狙っている波のサイズよりもひとつ小さい時間足をみればダブル・ボトム(トップ)などの天底チャート・パターンとして気づけるはずです。売り買いが交錯する戦火の中に身を晒すより、松尾芭蕉よろしく、決着がつき欲望や恐怖が消えた「夢の跡」を確認してからエントリーするのは良いトレード戦略です。
今日のまとめ
相場が動く原動力は人間の欲望と恐怖です。それは短期売買であるほど顕著だし、ファンダメンタル要素も結局は欲望と恐怖の中に織り込まれています。だとしたら、勝つためにすべきことは、そういった人間の心理分析なのだと僕は思います。僕たちは通貨を売買しているのではなく、欲望と恐怖にまみれた人間を売買しているのだという自覚を持ち、自分自身は売買される側にならないことを肝に命じておかなければなりません。
おすすめ書籍 プロトレーダーの心理を学べる良書
■投資のリスクについて■この動画、ブログは、相場について個人の見解を解説したものであり、利益を保証するものではありません。投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分ご考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (18)
こんばんは!
恐ろしくわかりやすい動画解説ありがとうございます…!
なんか一皮剥けたきがします。
『迷晴れFX』…最高ですよ〰(^^)
週刊チャート分析楽しみにしています。でわ…
いつもコメント有難うございます。これからも、わかりやすい動画を頑張ってつくりますね。
チャートの裏にある集団心理がよくわかりましたし、綺麗なチャートの形という視点は意識して取り組みたいと思いました。早く集団心理を逆手にとれるようになりたいです。
集団心理を読み解くスキルは裁量トレーダーにとって最強の武器になると思います。そこがシステム・トレードとの違いかもしれませんね。
有り難うございます。トレード経験を積んで修得していきます。
はじめまして。
去年の夏くらいに初めて迷晴れさんの動画とブログに出会い
具体的でわかりやすく、定期的に更新されているのでとても参考にさせて頂いています。
いつも貴重な教材をありがとうございます。
私はFXの勉強を始めてからそろそろ1年、リアルマネーで始めて約半年くらいになります。
まだ、結果を出せていないので昼間はサラリーマンをしていて相場を見れるのは午後7時から午後11時くらいまでです。
先日のユーロ円の急下落の波に運よく乗れて100ピプスくらいとれたりとか、逆に逆行されてついつい損切りを
ずらしてしまったりとか…… いろいろあって現時点ではジャスト、トントンです。
迷晴れさんの動画やブログを拝見させて頂いて、なるほどなあと思い、わかったような気になって、
長期足からしっかりラインを引いて相場に入るのですが、
いざ相場に入ると感情的になってしまい、短期足しか見れなくなってやられまくってしまいます。
昨日もユーロ円のレンジの中でトレードしてしまい上、下で損切りの山でした。
チャート分析も難しいですが、感情コントロールもホント難しいですね。
「知るとできるでは大違い」迷晴れさんの名言だと思います。
これからも参考にさせて頂きたいと思いますのでよろしくお願いします。
週刊チャート分析楽しみにしています。
コメント有難うございます。成績トントンなら素晴らしい結果ですよ。たった1年で常勝にリーチできているということです。感情に振り回されるのは人間だから仕方のないので、手を出さない相場のルールをつくり、そのルールを守れたことを勝ち点とするといいかもしれません。勝ち点はお金ではありませんが、余分な経費(損切り)を減らすので利益につながっています。僕はトレード日誌にそのときのトレードを書き込み、ルール通り損切りや様子見ができたら、文房具屋で買ってきた「よくできました」という子供ハンコを押してました(笑)
お返事、ありがとうございます。
「ルールを守れたことを勝ち点とする。勝ち点はお金ではないが、利益につながる。」
直接、頂いたメッセージなので私の一生の財産になりそうです。
昨日はもうダメかと思いましたが、もう少し頑張ってみます。
それとトレードルールといえばやはり、損切りと様子見が重要なようですね。
そのことが確認できたことも貴重です。
ありがとうございました。
とてもためになりました。
相場が上がったり下がったりしながら、上がったり下がったりするのはなぜなのか、
現象としてではなく、原因がよくわかりました。
利食いする人、損切りする人、新規参入する人、これら三種類のグループが何をしようとするかを
常に考えることが重要ですね。
特に、高値は売り方が勝ったポイント、安値は買い方が勝ったポイント、というのが逆説的で印象的です。
これまでは、高値は買い方の、安値は売り方の勲章だと考えていましたが、
売りが勝ったから天井ができる、買いが勝ったから底ができるのですね。
今後は、天井圏では売り方を、底値圏では買い方を意識していきたいと思います。
決着がつく前の攻防に参戦しで無駄に戦死するトレードを減らすためにも、
決着の証である高値・安値にしっかり注目していきたいと思います。
素晴らしいご指導をありがとうございました。
こんにちは!素晴らしコメント、いつもながら感心します。理解が深くてすぐに実戦で使えそうですね。お役に立てて嬉しいです。
迷晴れ様
初めまして。
チェリーニと申します。
いつもブログを拝見させていただいてます。
無料とは思えないとても洗練されたデザインの、そして奥の深い記事ばかりで
非常に勉強になります。
今回の記事と、先日の「勝率に悩むトレーダーに贈るエントリーの鉄則」記事
を読んで、価格が変動する原動力が人間の欲望と恐怖であるという事がよく理解でき、
自分が普段から疑問に思っていたことが氷解しました。
人の欲望と恐怖の結果が形となったものが、高値・安値であり、
チャートパターンであり、ダウ理論なのですね。
今後は、ただ単にチャートパターンが出たからといって画一的に
ポジるような事はせず、パターンが出た背景(参加者の心理)を
読み取りながら参戦できるように勉強していきたいと思ってます。
別件になりますが、2件質問させてください。
①今回の記事の最後の方に「人間の欲望と恐怖は短期売買であるほど顕著である」
とありますが、それはなぜでしょうか?
②一般的に言われている「トレンドやサポレジは長期足の方が短期足に比べて強い」
理由はなぜでしょうか?
②についてはよく、「長期足の方が短期足に比べてみている人が多く、
資金投入量が多いからだ」と言われていますが、本当にそれだけなのかな~
と常々思っています。
今回記事のように参加者の心理的見地から説明は可能なのでしょうか?
迷晴れ様の見解をお聞かせ願えれば幸いです。
今後もブログ記事の更新を楽しみにお待ちしています。
以上よろしくお願い致します。
こんにちは!
質問の答えですが、これはあくまで僕個人の見解なので実際に資金の流れなどを実測したものではありません。チェリーニさんの言われるように明確な根拠を指し示す指標はなく、あくまでも経験法則からくるものとして解釈してください。
①長期売買なら投資的、短期売買なら投機的と考えています。スキャルピングなどのように投機的なものほど人の心理が反映されやすいという前提に立っています。短期売買になればなるほど人の心理を逆手に取ったトレード手法が有効になると考えています。
②長期足>短期足の力関係は経験法則として成り立つ気がします(もちろん、力関係が逆転してパニックが起こり逆方向へ走ることもあります)トレードは確率で勝つゲームで、強い側に付くことが鉄則だと考えていますので、より高確率な側を選択している感じです。長期が短期に勝る、なぜそうなるのか?については相場の世界における風土や慣習みたいなものと受け取っています。投機マネーではなく実需マネー的なものも反映されていますが割合的には小さいかもしれません。
コメント有難うございました。
早速のお返事、ありがとうございます。
>あくまでも経験法則からくるものとして解釈してください。
…了解致しました。
相場とは、人間という不確実なものが作っている世界ですから
不確実な部分が多々あるのも当然ですね。
根が理系人間なものでなんにでも根拠・理由を求めるのが自分の
悪い所であります。 (だからなかなか勝てない?!)
ご回答ありがとうございました。
私はこれまで、15人の人のブログを見て勉強してきました。だから、今回の動画がいかにすごいかを感じることができます。これだけ基礎的なことを解説してくれる人は他にはいません。これからもこういった基礎的なことを解説することもやっていってください。感動しました。ありがとうございました。
15人は凄いですね。お役に立てたら幸いです。
拝見させていただきました。
攻防と決着という視点でチャートを見ること、学ばせていただきました。
なかなか自分にとっては苦手な視点だと思いますが頑張ります。
判断には値動きだけではなくロウソク足や波形など色々な見方がありそうですが、自分なりに出来るようになりたいです。
ものすごく大きな武器になるポイントだと思いました。
ありがとうございました。
マヨハレ様いつもためになる動画をありがとうございます!
こちら貼られている動画、最新動画だったので、
添付間違いかな。と思いまして、念のためのご連絡です。
たまたま、検索したところ、気づきました。
YouTubeで「なぜ高値安値ができるのか」で検索した所、該当動画は見つかりました。
よろしくお願いいたします。
ご連絡ありがとうございます。ユーチューブの仕様変更で、過去動画の多くがこのような事態になってしまいスイマセン。今後、随時修正していきます。