9Jan
投資家の心理をこれ程わかりやすく表現した格言はないだろう。相場の波の誕生から死までを4段階で見事に表している。脳裏に焼き付けておいて損のない言葉だと思う。
テクニカル分析は突き詰めれば心理分析。
相場は生き物といわれるのは、投資家の欲望と恐怖で値段の変動が決まるからです。単純な話、欲望(エントリー)と恐怖(損切り)が重なった値段が大きく動き出すポイントになるので、そこをチャートから見抜ければスイングトレードから超短期のスキャルピングまで、様々なトレードスタイルに対応できます。
テクニカル分析という名前から機械的なイメージを受けますが、通貨を取引しているのではなく、人の心を取引しているという意識を持つことが上達のコツです。
相場の波を揺りかごから墓場まで4つのゾーンで考える。
悲観ゾーン
相対取引のFXでは底値が「悲観」とはなりませんが、株取引で考えれば株価が下がり投資家が悲観している状態といえます。このゾーンで相場の波は産声を上げますが、投資家の心理的には、まだまだ売られるのではないかと考える人が多いです。こういう局面ではリスクテーカーの逆張りトレーダーが果敢に買っていきます。
懐疑ゾーン
トレンド継続あるいはトレンド転換?半信半疑の状態から波の成長が始まります。懐疑の中ですが戻り高値を上抜き、ダブルボトムのネックライン抜けなど、上昇トレンド発生を示唆する証拠が集まってくることで、次々に買われいくゾーンです。
楽観ゾーン
誰もが上昇トレンドを疑わなくなった段階では、すでに天井圏近くまで到達していて、ここから買い始めても遅いことが多いです。
幸福感ゾーン
目標達成を皆が感じている段階です。この達成感を肌で感じ取れない初心者は、こういう局面で、さらに買いを入れて振り落とされます。
エリオット波動論と合わせて考えるとわかりやすい。
今回の相場格言はエリオット波動論と相性が良いです。転換を促す抜けの1波、スクスクと伸びる3波、勢いはあるが短命に終わりやすい5波。ここで是非、狙いたいのは第3波で、この波に乗れれば大きな利益をもたらします。
今回の格言では懐疑の中で伸び始めるとありますが、チャートパターンやダウ理論で考えれば上昇トレンド誕生を示唆する条件が揃っています。第5派が始まる段階では高値、安値ともに切り上げて誰が見ても完全な上昇トレンドを確認できますが、この波は意外に伸びずに短命で力尽きることがあります。その後、天井圏のチャートパターンをつくり、上昇トレンドで利益の出た投資家の利食いや、逆張りトレーダーの売りによって相場の波は転換していきます。
大雑把に見れば、投資家心理の移ろい方はワン・パターン。
実際のチャートを見ても、今回の相場格言のような動きをしています。もちろん、その時の状況によっては全く当てはまらないこともありますが、大切なのは波のイメージです。だいたい、このような波形を描く=投資家の心理はいつも同じように移ろうことを意識してチャートを見ることが大切です。
今日のまとめ
チャートを見て投資家の顔色が見えるのが、目指すべき裁量トレーダーの理想型です。
■投資のリスクについて■この動画、ブログは、相場について個人の見解を解説したものであり、利益を保証するものではありません。投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分ご考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (3)
さすがです!
エリオット波動…今まで、『何で3波が一番のびるのか?』
思ってました。
FX関連の本、ブログ…など、皆、同じなんですよね解説が!
因みに週末のユロ円のモミモミ合い…日足の強いサポートがあると自分は思い、目線は上で見てきましたが…
週間チャート分析、楽しみにしています。
いつもコメント有難うございます。そうなる理由を言葉で深く理解すれば記憶に定着しやすいと思います。相場格言はそういうところがいいですよね。
拝見させていただきました。
私もこの言葉のように相場を見れるようになりたいと思います。
波の誕生と終焉が見れるようになれば、もっと相場の手触りと息づかいが伝わってくると感じています。
チャートに一貫性を見出したいとの想いから、物語りのようにとらえることが出来ないか試しています。
ありがとうございました。