21Jun
原因は結果よりも時間的に先行します。今、目の前で起きた「結果」の「原因」は過去の中でつくられた因果律です。現場を見なければエントリーはできませんが、なぜ、その結果が起きたのかを過去から読み取ることで、売りと買い、どちらが有利なのか、あるいは、どちらでもないのかという洞察ができます。
相場観=鳥の眼x虫の眼x魚の眼
相場感(直感:瞬間的に感じとること)という人もいますが、ボクは相場観(直観:本質を読み取ること)が手法より遥かに大事だと思っています。相場観さえあれば、Wボトム・トップ、高値切下げ、安値切上げなど、シンプルなサインでエントリーすればいいので手法要らずです。
チャートのヒストリカルデータを、優先順位や、強弱関係から理路整然と整理されていれば、そのままトレードで利用でき、雑多なノイズに振り回されることもありません。そうなると「直感」もはたらきやすくなります。
鳥の眼×虫の眼×魚の眼、この3つの眼を同時に持つのが相場観です。
「鳥の眼」とは「俯瞰」です。上空から全体を見渡すことで、節目となりそうなプライスを把握します。
チャートを上空から視るには、より大きな時間足をみる必要があります。5分足が10mなら、日足は1000m、上空に昇れば、どこに雲や雨の存在、あるいは昼と夜の境がみえてきます。
一目均衡表という和製インジケーターがありますが、この雲という概念は、おそらく移りゆくチャートを天気図のように見立てたのでしょう。なので、5分足に一目を出しても意味がありません。
今、自分がどこで何をしているのかわからなくなったら、もっと上空から俯瞰するようにすると、意外にあっさりと状況がわかることがあります。
「虫の眼」はミクロの眼です。エントリー・タイミングの段階で必要になります。事件は現場で起こりますので、上空から地表に降りてこないとわからないことがあります。最後の最後、紙一重で相場の成り行きが変ってしまうこともあるので、詳細な部分の分析もテキトーにはできません。
最後に、トレンドをつかむ「魚の眼」、「鳥の眼」と「虫の眼」を複合的に組み合わせたのが「魚の眼」です。常にチャートは変化しているので、その変化のいち早く流れをつかむことで、臨機応変な投資判断を可能にします。
全体・細部・流れ、この3つを同時に把握できる能力、これが相場観です。仕事やビジネスでも必要とされる「3つの眼」ですが、ビギナーはなぜか「虫の眼」だけに頼ろうとします。「鳥の眼」なしに「虫の眼」だけでつくったルールや手法では、うまく機能しないのではないでしょうか、その原因は過去にあるのに、ルールや手法のせいだけにしても、かえって混乱を招くだけです。
エントリー後、予想通りの方向に動いたが、その後反転して戻ってきてしまったときはどう対応すればよいのか。投稿者:ふくろうさん
FXを始めてから1年経ちます。途中海外に行っていましたが、1月に帰国し再開しました。
早速ですが、ここ数カ月悩んでいることがあり、自分なりに考えましたが、どうしても答えが見つからないことがあり、意見をお聞きしたいと思い投稿させていただきました。
質問は「エントリー後、予想通りの方向に動いたが、その後反転して戻ってきてしまったときはどう対応すればよいのか。」というものです。
例として、添付ファイルをご覧ください。これは3/29(水)のドル円の5分足のチャートです。
チャート上で紫色の111.000のラインに届かず、下落をはじめ陰線を2本つけたので青丸の部分で売りで入りました。その後下落を続けましたが、黄色線の部分から反転し、急上昇して111.000にまで戻って行ってしまっています。エントリー後は8pipsぐらいの余裕があったのに、利益がなくなってしまいました。
こういう状況はよくあり、私の場合は「抜ける。」と思ったら添付ファイルのように戻ってきてしまい、逆に戻られて利益がなくなるのが嫌でよく跳ね返されるキリ番やラインで決済すると戻らずに抜けて行ってしまうことばかりで、もうどうしたらいいかわからないという状況です。
今回の例は8pipsと比較的幅が小さいですが、10pips以上でもこういうことが多々あります。
自分なりに抜けたときと抜けなかったときの比較をするなど分析しましたが、結局共通点は見つけられずじまいです。
私は基本的に同値撤退にしていますが、当然損切もしています。もちろん勝つこともありますが、このように+-0になることも少なくないため、結果的に損切りが重なり、多損小少利大のような状況になっています。
同値撤退をせずに放置しておこうと思いましたが、チャートを見ていない間に大きく動くことが怖くてできず、ある程度の損は許容しようとストップラインを同値撤退ではなく-10~20pipsにおいたりすることもしましたが、多損小少利大が多損大少利大になって逆にマイナスが加速するだけになりました。
迷晴れ様はこのような状況ではどう対処されていますでしょうか。ご意見いただけたら幸いです。
ふくろうさんがショートした赤ライン周辺は、上昇波フィボナッチ50%、110円押し目買い候補です。8時間足チャートでエントリータイミングをとることはないですが、「俯瞰」することで、この半値の押し目候補で上がるか、あるいは、崩れて61.8%まで押すか…といった分析を、その週レベルでざっくりとできます。
もし、110円での押し目買いが成功していれば、矢印のような動きになったかもしれません。日足チャートのような大きな時間足を視ていれば、気づけたはずです。
さらに、110円は押し目買い候補ですが、緑〇のダブルボトムは、緑●からの下降波に対するもので、オレンジ●波に対するものとしては、釣り合いがとれません。なので、再び、上昇すれば、もう一度、売られることが想定できます。
5分足でトレードするにしても、日足チャート(図は8時間足)から、これだけの情報を得ることができます。
110円の押し目買い候補で、2日間かけてダブルボトムをつくっています。8時間足でみれば小さなWですが、1時間足では大きくみえます。直前に黄色のレンジブレイクの流れはありますが、ここは、もっと大きな流れの押し目買い候補です。
ボクならここでショートはせず、むしろ、戻り売り候補までのロング(このまま転換するとは考えません)を考えます。
半日かけて高値をつくりネックラインを下抜きましたが、全体を視て、110円のダブルボトムは見逃せません。もし、この110円に然程意味を感じなければ、黄色のレンジブレイクを優先して売るかもしれませんが、初回で抜けない可能性も考え、もっと上から売るか、あるいは赤□辺りでブルベアの決着がついてから売ります。
「虫の眼」だけでつくられたルールや手法は、実戦ではなかなか通用しません。大事なのは、今は、売りと買いのどちらが優勢か、あるいは拮抗しているのか、などを見極める力です。
ふくろうさんのショートした赤〇は、すでに上昇波の押し目買い候補のエリアで、売るにしても遅すぎます。
今回のご質問は、逆行の際どう対応するかということですが、本質的な問題は、「鳥の眼」を鍛えれば解決します。
どこで逃げるかというのも「虫の眼」的な発想なので、そこを注視してみても根本的な問題解決にはなりません。いくら逃げるのが上手くなっても、順行する確率が低いところでトレードしていては勝てません。
根本的な解決にはならないことを前提に、その上でお応えします。ショート直後に安値の切上げが起こっていますが、これは高値Aを上抜くまで未確定で、矢印のような動きになる可能性もあるので、緑〇では逃げません。
高値越え(オレンジ〇)で5分足ないしは1分足が確定したら逃げるのはオーソドックスな損切りですが、ボクなら、一度売りを受けて、青□レンジを上に抜けた瞬間に逃げます。今回は下抜けましたので、その下の陰線下ヒゲで逃げます。
「虫の眼」でみていても、負ける共通点は見つかりません。
キリ番についても、過去に何もなけらば、止まらないことだってあります。また、ラインの抜けやすさも、一回目のトライと2回目のトライでは違います。そういったことは「魚の眼」的な発想です。
人は視たいものしか見えません。チャートは心境を反映したメッセージを返してくるので、エントリーしたい人には、安値を抜けそうに見える映像を表示します。誰が見ても同じチャートのようですが、実は十人十色なんです。
最後にWAMUさんのコメントです。これに対する答えも、今回の動画でお伝えしたつもりです。WAMUさんも、あと少しのところで「鳥の眼」という壁に当たってしまっているのかもしれません。
家の犬(くるみ)は「膠原病」という免疫系疾患です。症状としては、関節が痛む、口の部分が腫れる、下痢をします。
最初に行ったの病院では、原因がわからずに、関節と下痢を別問題と考えていました。病院を変えて、見立ての良い医者に出会って根本的な原因がわかり対処できました。
チャーチスト(罫線トレーダー)になるなら、これを避ける迂回路はありませんので、受け入れて、乗り越えるしかありません。
意味も知らず機械的な手法で勝てる人もいるかもしれませんが、いつまでも、チャートが読めないことに変わりありません。
ボクはそれが嫌で、塾で教わった手法を早々に捨てました。本質を理解してない自分や方法で、コンスタントにお金を稼げるほど甘くないと思ったからです。
将棋の世界では「棋理(将棋のことわり)」という言葉があって、目の前の一局に勝つことより、将棋のメカニズムを追求していく姿勢が大切と言われるそうです。
トレードもある意味、投資心理のメカニズムを追及することなので、同じことかもしれないと思いました。
壁に当たるのは、壁まで来た証拠です。
大丈夫、混乱(カオス)のあとには、必ずブレイクスルーがやってきます。
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コメント
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コメント (14)
最近、損切りを分析していて気づきました。いつも5分と1時間で反転を狙っていましたが、どの波のサイズの反転を5分と1時間で狙っているかということが大事なんだと。波の反転はいつも同じようではないんですね。今はまだ頭の中がごちゃごちゃしていますがFT3で詰めていこうと思います。
チャートは二次元ではなく三次元、そこらへんの感覚を身に付ければ、視界が開けますね。
いつもありがとうございます。悩んでいました・・・少しは良くなってきましたが・・・。
同じことで悩んでいた方々もありがとうございます。質問をしてくれたので動画になりました~
長い足を見ていても上手に見れていなかったですよね。さっそく検証してみます。
通る道は皆同じで、結局、そこから脇道へ進むか、それでも真っすぐ進もうとするかの違いだけかもしれません。
いつもありがとうございます
最近 壁にあたっていて 悩んでいました
ブレイクスルーが近いと言われ
モヤモヤが晴れました
本当にスルーできよう 頑張ります
これからも 楽しみに拝見させてもらいます
人生は、自分に越えられない壁はこない。そう思うようにしています。
週2回、楽しみにして拝見させて頂いております。
いつもいつも、ありがとうございます。
毎回思う事ですが、見識が広く、話が奥深く、
トレード以外の部分でも非常に勉強になります。
この御恩に報いるべく、老体に鞭打って日々精進しています。
前々回、「うまくいかないことを時間やお金のせいにしてしまってはタダの人です。寝る時間、食事の時間、土日の休み、テレビを見る時間があるのに、時間がないわけありません。物理的に時間がない人なんてホントはいません。」とブログに書かれていましたが、どんなにお金持ちでも買えないのが時間だと言う事に5カ月前に気づき、全動画を見て勉強させて頂きました。
ですが、もうも見終わってから4カ月!
早く、ブレイクスルーし、成果報告出来る様さらに頑張ります。
よいご報告をお待ちしております(^^♪
NoNさんこんばんわ。いつも勉強になる動画をありがとうございます。
ここしばらくは「鳥の目」のことは忘れがちになっていた感じがします。というのも
負けが込みすぎて自分の相場観に信頼が持てず、たまにあるどんぴしゃな読みの小さなエントリーポイントでは騙しではないか、もう一段落ちる(上がる)てから動くのではないかという疑いがとれなくて入れず、その後の順行は指を銜えて見てるだけになってることがしばしばありました。深い押し戻りからの大きな伸びは浅い押し戻りかまったく押し戻りが発生しないことが多いのもあり、あせって飛び込もうとするタイミングに限って押し戻りが発生して損切りを受けたり、あるいはブレイクそのものが騙しで直ぐ逆行したりで最初の小さなエントリーポイントを逃すともうノーチャンスというパターンの繰り返しでした。
つい先も、ほぼほぼ想定どおりの値動きだったにも係わらず、エントリーできないタジタジ病になって予定通りエントリーできてれば40~60pipsは取れたであろうチャンスを見す見す逃してしまいました…
こういう相場観への自己信頼は成功体験でしか得られないんでしょうけども失敗体験のほうがはるかに多すぎて常時上書きされてる感じがします。
待ちくたびれるくらい待った挙句、わずかのチャンスを逃すことを繰り返してるとチャンスに見えるだけの場面でひっかかりやすくなり、また損切りを重ねてしまう、というパターンの繰り返しですね。
そういうこともあって、少しの+でもいいから成功体験を積み重ねようと、深いトレンドを取るのを諦めて20pipsくらいの小さなトレンドを取ろうとしていたところがあります。
残念ながら、実際にはそれすらとれずに負けまくっていたわけですが。今月この時点ですでに-400pips近い負けなので、前よりひどくなってますね…
自分の相場観が信頼できないので、短い利幅限定なら曖昧さを排除してなんとか確率的に勝てる手法やルールでやれないかと試行錯誤してみましたが、FT3の検証ではいけても、実際のトレードでは相場環境の変化でおっしゃるとうりまったく機能しませんでした。
相場観にしてもトレードの技術にしてももう少し上達の実感があればいいのですが。なかなか上手くはいきませんね。
全部のことがうっすら理解できていても難しいので、迷ったときは、情報を絞って選択肢をひとつに絞るようにしています。そこで成功体験を積むようにしています。ボクは最初、5分足チャートのレンジブレイクばかりを狙っていましたが、これはこれで勝てる自信がついたので、よかったと思っています。
お久しぶりです。
最近相場に戻ってきました。時間をリストラしまくればなんとかなるもんですね。何かを得るためには何かを捨てなければならない。楽しいゲームの始まりです。
ようやくというか今頃というか、直近の日足のローソクを意識したトレードをするようになりました。
今日で言えば、上ヒゲピンバーが2日続いたから(=ダブルトップ)、買いはないな・・売り目線で行こう・・・とか。
エントリーしたとたん逆行してヒゲで狩られるというのはそんなところに原因があったのかなあ、なんて思ってます。
復帰した頃はカンが全く錆びていて連敗続きでしたが、最近プラテンしました。
またよろしくお願いします。
まさに相場観ですね。シンプルなことなんですよね。
活舌最高です
滑舌最高ですね