16Sep
メジャーインジケーターの移動平均線。その種類や期間パラメーターに迷い始めたら迷宮入りします。移動平均線の使い方で大切なのはソコではありません。今回は移動平均線の正しい見方と使い方についてです。
photo credit: haydnseek via photopin cc
期間パラメーターをいじっても時間のムダです。
[youtube id=”w_lznnP0k24″]
移動平均線を使えば次の3つのことがわかります。
- 上目線、下目線、横ばい、相場の勢いなどがわかる。
- 押し目買い、戻り売りの基準になる。
- 並び方を見て利を伸ばすことができる。
ただし、移動平均線には種類やパラメーターがあって、いったい何を信用すればいいのかよくわからないのが問題です。
期間パラメーターをひとつ決めたら、それが効いている時間足を探す。
移動平均線の種類、パラメーターを研究しだすとキリがありませし、そこに大した意味もありません。なぜなら絶対的な答えなどないからです。相場や時間足によって機能している移動平均線が異なるということは、言い換えれば移動平均線の種類やパラメーターには正解がないということになります。正解が無いことを研究しても時間のムダです。
そこで逆転の発想をします。まず移動平均線を1種類、1パラメーターに決めます。例えばSMA(単純移動平均線)25期間として、それが機能している時間足を長期・中期・短期の時間足からそれぞれ探すのです。見つかれば、それをMA基準足として使っていきます。
上図の1時間足においてはSMA25で反発後に上昇トレンドを作っていることからMA基準足として機能しているのがわかります。これならSMA25上にレートが位置している限り上目線として押し目買いを狙えます。レートが転換する際もSMA25に裏タッチして落ちていくことが多いです。SMA25の角度も、急過ぎず、緩過ぎず丁度いい傾斜なので安定した上昇トレンドと見ることができます。
同じ時間帯でも15分足のSAM25は全く機能していませんので無視して構いません。
別の時間帯の15分足ではSMA25が機能しています。このように移動平均線が機能する時間足は、時間帯によって違います。短期足でも5分、10分、15分でどの時間足が機能しているのか把握する必要があります。しかし、一度機能してしまえばトレンド継続中は使い続けることができます。
移動平均線はレンジ相場では機能しない。
移動平均線はトレンド相場で使うもので、レンジ相場では機能しません。移動平均線を使う前提として、最低限、相場がトレンドか?レンジか?を判断できなければなりません。上図の4時間足はレンジ相場です。SMA25は波打っていますが機能していないのがわかると思います。こういうところで移動平均線を基準にエントリーすると負けまくります。
定番手法のゴールデンクロスでは遅すぎる。
ゴールデンクロスとは短期移動平均線が中期(長期)移動平均線を下から上に抜いたらエントリーする手法です。ただ、反応が遅すぎるので僕は全く使いません。上図で言うと緑ラインがSMA25/SMA50のゴールデンクロス、青ラインがSMA25/SMA75のゴールデンクロスになります。見てわかると通り、すでにトレンドは真ん中辺まで来てしまっていてトレンドの初動を完全に逃しています。特に短期足のトレンドは途中で崩れることも多々あるので、下手をすると天井を掴まされる可能性もあります。
デッドクロスはゴールデンクロスの反対で短期移動平均線が中期(長期)移動平均線を上から下に抜いたらエントリーする手法です。こちらも同様に反応が遅いです。クロスだけ見てエントリーすると上図のように一旦逆行を食らったり、モミ合いにつかまったりします。
上図はレンジ相場でクロス手法を使った場合どうなるかです。緑ラインの高いところからロングして大きく損切られるトレードになってしまいます。やはり相場観なしでは使えない手法です。
移動平均線は並び方が大切。
安定したトレンドは大きな利益をもたらします。上図の1時間足はMA基準足であると同時にパーフェクトオーダーになっています。パーフェクトオーダーとは上昇トレンドなら移動平均線が右肩上がりで短期、中期、長期の順番で上から並びます(下降トレンドは逆)。この並び方になると、長期間トレンドが続きやすくなりパーフェクトオーダーが崩れそうになるまで利益を伸ばせます。
今日のまとめ
インジケーター全般に言えることですが相場環境を知るにはいいですが、エントリーで使うには反応が遅いです。慣れないうちは、移動平均線を相場環境を知る補助として使うのは賛成ですが、自転車の補助輪も乗れてしまえば邪魔になるだけです。インジケーターの使い方を極めるよりも、やはり水平線とローソク足を極める方がおすすめです。これらは余計なパラメーターもなくシンプルで、相場の変化をいち早く知ることができる最強のテクニカルです。
■投資のリスクについて■この動画、ブログは、相場について個人の見解を解説したものであり、利益を保証するものではありません。投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分ご考慮の上、ご自身でご判断ください。
関連記事
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (5)
こんばんわ
いつも分かりやすい動画ありがとうございます
昨日は一撃取り損ねました(笑)
5分足Lvで短い陰線が上昇中に一本出ただけでチキン利食いをしてしまいました
なので次のWボトムは5分足Lvで揉んでたのですが、見ないようにして放置しておりました
その結果一時間で軽く揉んで指標でもないのに一気に下落しました
利確は経験が必要ですね!
来月あたり給料入ったらフォレックステスター等の購入を考えてみようと思います
MT5のバックテストは何だかよくわかりませんでした(笑)
いつか一撃取れるようなトレーダーになりたいと思います
何か月?何年かかるかわからないですが、諦めずに勝つ努力をしていきます
今日もさっそく寝るまでmayohareさん動画をみて癒されてきます
利食いは僕も難しいです。とりあえず何かルールを決めるとチキン利食いの予防になるかもしれません。
拝見させていただきました。
移動平均線をエントリーに使おうとしばらく試してみました。
平均線同士のクロスはあまり気にせず、平均線とロウソク足の絡みでやってみました。
曲線を描くので判断の基準が曖昧で主観が入りやすく結局殆ど勝てませんでした。
都合良く考えてしまいがちな自分の性格にも合わないようです。
今回の動画を参考に別の使い方をしていきます。
ありがとうございました。
移動平均足に対するアンチを提唱される動画は、初めてでございます。
あたくしの周りの専業トレーダー達は、流派こそ違えど、皆が皆、ほとんどの方が、エントリー根拠のひとつにDやらGのクロスをいうのです。
「ホントか?」
時には、各クロスから水平線まで引っ張ってきちゃったりして。
「ほんと、ですか?」
また、トレンド相場のPO(パーフェクトオーダー)時など、チャートの左側をみて、効いてる移動平均足、時にはボリンジャーの各σ(シグマ)をみて、それを次のエントリーの根拠にしたりしちゃったりして。
「OH,リアリィ?」
「イヤイヤイヤ。だからって次のセッションも効くとは限らないじゃん!」
あたくしが長年思っていることを、すでに動画でまとめてくださっていて、ありがとうございます!!
はい。
トレード手法って、ボクも含め、あくまで”経験則”であって、そもそも理論的な根拠に乏しいものなのかもしれません。「信じる者は救われる」じゃないですが、心の中に”納得解”を持つことで”平常心”を保とうとするプラセボ効果のほうが大きいかもしれませんね。