24Mar
週間チャートナビ(2018.03.19~2018.03.23)は、ドル円、ユーロドル、ユーロ円の主要三通貨ペアの一週間を振り返ったチャート考察です。
今週の視点
欲張らずに利確しておけば、15ピプスとれたのに、粘ったばかりに微損になってしまった…こんな経験は誰しもあります。指向性の弱いレンジ相場では、トレンド相場とは真逆の考え方をしています。
欲深くねばらない
レンジ相場で、欲を出してスイングを狙うと”行って来い”の憂き目に遭います。レンジはトレンドと違い不確実な度合いが高く、売り買いの圧力に偏りができても、それが長続きしません。
波の反転箇所も、そのとき次第で、直近高安に達することもあれば、その手前の小さなネックラインで行き止まることもあり、また、押し戻しが深く3歩進んで2.5歩戻るようなこともよくあります。つまり、指向性の強いトレンド相場と同じように考えていてはボコボコにされるということです。
腹六分で満足して、推進波だけ貰えればよし、修正波を耐えて利を延ばすのは、あまり得策ではありません。
ドル円
170ピプス幅の三角持ち合いのなか、指向性は弱く短期トレンドの継続すらあまり期待できない。
- ピンク①エリア:先週安値を下抜ければ持ち合い下限まで下落、反転すれば高値試し。
- 緑エリア:RN106.5は持ち合いのなかにあるが天底を分けているレート、上抜ければ一旦、持ち合い上限までロング。
- 黄エリア:RN107.0は持ち合い上限、オレンジ切り下げラインを抜けても、このレートは確認したい。
- ピンク②エリア:先週安値を下抜ければ持ち合い下限まで下落、反転すれば三角持ち合い上限を試す。
- 紫エリア:持ち合い下限で強いサポート力がある。
Mar.19 Mon.
欧州時間始め、先週安値(ピンク①エリア)を試してからの青1押し目買い、高値を更新したが、持ち合いのなかで指向性が弱いのでスイングを狙うと黄安値で建値を割ることになる、青1短期トレンドラインインを割れば利確。
Mar.20 Tue.
東京時間はレジサポが近い中途半端な位置なのでノートレード。欧州時間に入って、青1のダマシ安値をサインに106.5オレンジ水平線までロング、注目の緑エリアに入ったのでしばらく高みの見物。
Mar.21 Wed.
106.5オレンジ水平線でレジされるかどうかに注目、本日は深夜にFOMCがあるせいかミリミリした値動きで結果待ちとなった。
Mar.22 Thu.
前日のFOMCにより天井圏ができたので戻り売りの日。東京時間、前日安値にて赤1揉み合い発生、このブレイクで先週安値までショート。欧州時間に入り、赤2戻り売りで先週安値までのショート。
赤2ショートが先週安値での2回目のサポートになったので青1ロング、これは失速したので建値撤退。その後、先週安値の揉み合いを下抜けた赤3でショート、先週安値でロングポジションが溜まっていれば損切りを巻き込む。青1のロングをいつまでも持ってしまうと、この急落に巻き込まれてしまうので注意!
Mar.23 Fri.
早朝からの急落、戻りが弱い(売りが強い)ことを確認して赤1ショート。
三角持ち合い下限をブレイクしたが、今日一日かけてダマシになる可能性もある。急落後は暫く揉みあうことが多いので東京時間はスルー。欧州時間に入って、2回目の黄安値試しがあったので、赤切下げライン・ブレイクでロング。
急落戻り売り候補は、持合い下限でのレジサポ転換、深夜まで起きていれば赤2でショート。
現状、米中貿易摩擦への懸念から円買い方向へ進みやすい傾向にある。
ユーロドル
緑安値の更新が弱く、ここ2週間揉んでいる。今週は親子Wトップになり下がり始めるかとも思ったが再びそうはならなかった。
- 緑エリア:Wトップ2番天井からネックラインを抜いたⅰ波目の下げ止まり候補で修正ⅱ波の起点、その後の戻り売りが成功すれば下抜けていく。
- 黄①エリア:RN1.235はWトップ戻り売り候補、推進ⅲ波として、このショートは延びることが多い。
- ピンクエリア:20日の安値更新が弱く戻ってしないRN1.235戻り売り失敗の懸念があり、そうなると、このピンクエリアからの売りも弱い(参加者が少ない)かもしれない。
- 黄②エリア:先週安値の更新が弱かったことに加えFOMCでの買いが強くRN1.235をブレイクした、RN1.240や、その手前にH1-1があって、どこまで上昇するかわからない。
- 紫エリア:売りと買いが攻防する。
Mar.19 Mon.
欧州時間初動に先週安値を2回目に試して下抜けなかったので青1ロング、ここで入れなければ、赤ネックラインを抜けた青2になる。
Mar.20 Tue.
Wトップからの推進ⅲ波目狙いの日。緑高値反発を確認できているので、東京時間の赤1でショート、ここで売れなければネックラインを下抜けた赤2からがいい、修正ⅱ波の波に乗れたロングポジションの利食い+高値掴みの損切りが入って下がり始める。
Mar.21 Wed.
前日、推進ⅲ波が安値を更新したが弱い感じがした。同じ感想を持つトレーダーが多いと、ピンクエリアからの戻り売りに躊躇する可能性がある。加えて、この日はFOMCがあるので、結果待ちするトレーダーもいるだろう、積極的なトレードはできない日だ。欧州時間に入って、黄安値でネックラインを下抜けたようにみえるが、これは下ヒゲなので黄〇からは売れない。
Mar.22 Thu.
ⅲ波の失速でRN1.235の壁が脆くなっていることを考えれば、青1ダマシ安値を使ってロングできる、ただし、すぐにブレイクラインを試しに下がるのでスグに利確。
レンジ内で指向性はさほど強くないので、このブレイクアウトがダマシになるストーリーもあり、青2でショートとロングが衝突、この決着をみからロングすればいい。
判断が難しいのは、このロングの利確、正直どこまで上昇するのかわからない。一応RN1.240を考えたが、手前のH1-1で強く反発した。レンジ内なのでスイング幅を狙って耐えていると建値撤退や最悪損切りになる。
1.235ブレイクアウト失敗からの赤1ショート、利確目標は、先週安値からの上昇波半値押しが入る位置まで。
Mar.23 Fri.
22日ハラミ足になって指向性が全くないのでノートレード。
ユーロ円
3週前の週足に孕まれた状態が続いている。
先週下降波ハラミのなかにあることが意識できたか。
Mar.19 Mon.
ハラミ下限付近到達、少し届いてないがユーロドルとタイミングを合わせて青1でロング、ここで入れなければ青2ロング。黄〇でのロングには注意!赤ネックラインを上抜けたが、青トレンドライン目前で赤矢印の可能性もある。
Mar.20 Tue.
先週下降波戻り売りFR61.8%に警戒しつつ、ユーロドルの戻り売りポイントも近い。
欧州時間初動、FR61.8%にできたボックスレンジ下限の青1ダマシ安値はロングのサイン、このロングは東京時間のショートポジションの損切りを頂くだけのトレード。
緑安値で少し買われて反発しているが弱い、レンジブレイクからの押し目買い+東京時間ボックスレンジ・ショート組の建値撤退だろうか。いずれにしても、新規ロングが参加してこないので赤1でショート、RN131.0サポートは気になるが、ユーロドルの戻り売りと連動すれば、そのまま下落の流れに乗れるのではと思った。
Mar.21 Wed.
129.5週足ハラミ下限付近からの上昇押し目買いと、戻り売りで揉み合うところでレンジ化しやすい、本日はFOMCということであってノートレードとした。
Mar.22 Thu.
東京時間、緑水平線で上下に分かれているのがわかる。欧州時間に入って高値を試すも失敗(3回目)、赤1のミニWボトム失敗でショート。その後すぐにユーロドルの高値ブレイクアウトが失敗、安値割れでユーロ円下落に勢いがついた。
Mar.23 Fri.
東京時間の急落、ドル円に合わせて、円買いの赤ショート。週末で、129.5のブレイクがオーバーシュートになる可能性もあるので、その後はノートレード。
深イイコメントを頂いたのでご紹介します。
迷晴れさんは、色々なお話の中で、”ここにポジションが溜まっている””ここで諦めた”といった話がありますが、それって本当?どうやって確認したの?などと世の中には懐疑的に思う人もいると思います。また、一方でなるほど!と思う人がいるのも事実だと思います。
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私は聖杯探しに始まり、今は相場の原理原則探しに勤しんでます。今回の(サンクスメール動画)Yさんのお話を聞いて感じたことは、重要なのは、値動きに対して自分の言葉で解説でき、自分の信じることに沿って行動できるかどうかって事だと感じました。そして、ポジションが溜まってようが溜まってなかろうが、トレードで勝つという事と関係ないのではないかと感じたことです。
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私は相場の原理原則とは、勝っているトレーダーが持つ共通認識と思ってましたが、それは間違いで、自分が信じる理解・信念こそ相場の原理原則すなわち”自分だけの相場の原理原則こそ、勝つトレーダーが持っている相場の原理原則ではないかと。
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もう一つYさんのお話を聞いて、素晴らしいと思ったのは、エリオット波動論を軸として、他の考えに飛びつくことなく、エリオット波動と他の考えを照らし合わせながら、自分の相場論を確立されたことです。人は多くの考えに触れますが、Yさんの考えに賛同・否定、迷晴れさんの考えに賛同・否定するだけは成長はなく、そこから自分の相場論を構築することに本当の意味があるんではないかと。よく、迷晴れさんが「一つのことをトコトンやる」と言われるのはそういうことでもあるのかと、今更ながら気づいた次第です。そう考えると、色々なトレーダーの方が言われていること、今まで迷晴れさんが言葉を変え形を変えて言われていることが、ぼんやりとですがつながってきている感覚があります。相場の世界は、広大な海原だけど、羅針盤を持っていないと遭難する。相場の世界は自由な世界だが、自由だから苦しむ。などの言葉もぼんやりとつながっている感覚が今はあります。今は”自分の相場の原理原則”を確立したいと思っております。 ふみみさん
よく”猿でもわかる〇〇”といいますが、猿と人間の一生では、脳の進化に雲泥の差があると思います。たとえば、小学生の頃よりも、出来ることが格段に増えているのは、脳が環境に適応して進化したからです。人類も進化してますが100年の生涯で、個人もそれぞれに進化しているわけです。
人には、それぞれに”当たり前”がありますが、それは、過去に起きた出来事に適応するたびにつくられています。トレードスキルの習得も、そういった類のものです。常に脳は上書きされているので、一度、上手になれば、もう、下手に戻ることはありません。
学習・発達・進化
脳はこのプロセスでバージョンアップしますが、その鍵になるのは、出来事へどう適応していくかにかかっています。適応とは”解釈”や”意味付け”による行動とでもいいましょうか。ようするに、解釈次第で、脳は発達せず進化もしないことになります。
知識として”知る”段階で止まっていては、次の発達段階に進むことができず、いわゆる”思考停止”のままです。情報過多の時代にハマって、大人になるとあまりにも、この状態の人が増えてしまっている気がします。赤ちゃんは、自然に進化します。ヨチヨチ歩きで転んでも”もー嫌だ!俺、二足歩行の才能ないわ”とはなりません。
では、ラクして素早く脳の進化を起こしたいならそうすればいいか。
子供の勉強はインプット重視(これからはアウトプットも重視される)ですが、このせいで、自分の頭で考えれない思考停止の大人が増えてしまったのかもしれません。できないことができるようになるためには進化しないとダメです。そのために大人の学習はアウトプット重視です。アウトプットとは、出来事に解釈や意味付けをして、脳を適応させることではないでしょうか。
出来事という”経験”が前提にないと進化しないことになります。
ふみみさんの云われるように、誰もチャートの値動きの裏付けはとれません、そこには個人の解釈があるだけです。それどころか、チャートをありのままに観ることすら誰にもできません、そこには必ず”解釈”が入ります、なぜなら、解釈がなければ適応して行動できないからです。あなたが見ているものを見てる人は、実はあなただけということになります。
でも、解釈の完全一致はないまでも、意識の集中があるため値動きにはパターンがあります。勿論、そのパターンすら覆すほどの強いエネルギー(資金)を持っている人は別ですが、基本的には、その意識集中のパターンを自分なりに解釈できればいいだけです。
脳が進化すれば、できないことができるようになり人生に良い変化をもたらします。そのためには、やはり、正しい経験を積む方法しかありません。
なぜなら人間は出来事に適応することで進化する生き物だからです。
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ちょうど日経新聞に山下大輔さんの記事が載ってました。
NoNさんはご存知だと思いますが、横浜ベイスターズ(現DeNA)の監督もされた名遊撃手です。
とにかくエラーをしない選手でした。
過去にあるメジャーリーガーの選手を指導していた話でした。
私はゴロをさばくのに形では教えない。
なぜなら同じようなゴロはあっても同じゴロはない。
一回限りの機会である。
そして、受ける人も体格や感覚も違うので、形を教えても上手くいかない。
ゴロは柔らかく、グラブと衝突させないようにゆっくりというような感覚的、精神的なことを教える。
そのセンスを正確に伝えるのは不可能であり、選手なりの感覚で会得するしかない。
というようなことを書かれていました。
まさしく相場の感覚や見方と同じですね。
エントリーは、そっと置くに近いものがあるように思います。
まさに一流の人はそういうことが解っています。
凡人ほど形にこだわります。
そういうことをもっと学んでいきたいものです。
カタチを覚えると、わかったつもりにはなりますが、実践ではうまくいかないってことよくあります。でも、わかったつもりにならないとやる気がでないので、学び始める”きっかけ”としての役目はあると思ってます。
Wトップと一括りにしても、実際には、どこにできたかで意味が変わりますし、少しづつカタチが異なります。そういったことに臨機応変に対応するには、蓄えた知識をセンスや感覚に昇華させる必要がありますね。
動画を見ていていつも思うのですが、こちらで紹介している値動きのとらえ方は素晴らしいと思います。
ただ、エントリーの回数がかなり少なくなってしまう様にも思います。このことについて、どの様に
お考えでしょうか?
話は変わりますが、私は複数時間足のストキャスティクスの動き捉えた方法を検討しています。
例えば、相場の流れを確認してから、4時間足と1時間足や1時間足と15分足などのストキャスティクスの
動きが一致した時にエントリーする方法です。これはよく知られた方法であると思いますが、
考え方としては合理敵なように思えます。少し初歩的な方法とも思いますが、この方法についてご意見をお願いします。
方法論として、しっかり検証して使うなら良いものと思います。ボクは初期の頃、ボリバン+ストキャス+RSI+MACDも絡めて手法にしてました。
わかったつもりから、腹落ち納得に至った瞬間って脳みそのギアが一段シフトした感じになりますね。
深いこと難しいことを自分の言葉簡単な言葉で言い表しておられる、迷腫れさんの動画を見ていてそんなことを思いました。
これからも頑張ってください。
コメント有難うございます!いつも新鮮な気持ちで頑張ります(^_-)-☆
金曜のドル円は早朝から105,50を強く下抜けました。
トランプさんが中国に関税をかける書類にサインしたというニュースがきっかけのようでした。
私もこの流れに乗りましたが、東京タイム直前だったので、一旦手仕舞いました。
NYでは、105、30で戻り売りを考えましたが、50に引きつけたかったので見送りました。。
私も自分のトレード基準を作ることができましたが、これは一定の値動きを想定した型なのです。
私の型は1個しかありません。バリエーションは2つです。型に合う値動きを探すイメージです。
過去の事実をもとに予測するのですが、相場の動きは不確実で、皆さんの解釈も様々です。
結局、多数決ですよね。だから新しい事実についていくしかないと、私も思っています。
だからと言って予測は無意味ではなく、想定外の動きに凍り付いてしまうのが問題だと思います。
避難訓練のイメージでしょうか?もしも、そうなったら、どうするの?ということです。
今回は、そのまま上昇した時の自分の行動がイメージできなかったのです。だから見送りました。
私の型は1コと言い切れる”子羊さん”は、もはや子羊ではなく、上空から獲物を狙う猛禽類のようですね。
猛禽類ですか、凄いですね。これしかないのに、波のリズムとリスクリワードが合わないとダメなのです。
いつも気付きの多い動画をありがとうございます。
ふみみさんの言われていることは、よくわかります。
根拠がないことが信じられないということですが、
この指摘はいろいろな人がぶつかる問題だと思います。
例えば、昔、田舎村で、干ばつは神様が怒っているからだと考えていたとします。
天気というわからないことに対して、自分だったらどう考えるか、
自分だったら怒っているときに誰かにひどい仕打ちをしてしまう。
そう考え、神様に対し、お供えをしたり、お祈りをする、など仮の改善案を実行します。
結果は干ばつが続いたり、雨が降ったりと安定しません。
しかし、時がたつにつれ、季節の観測や技術の進歩で
神様の存在に疑問を持った人たちが新たな予測システムをつくり、
精度の向上した提案をするようになります。
システムを開発した人は、神様の存在を根拠がないと主張し
みんなもそう信じるようになりました。
この例えで言いたいことは、
それでは、自分のことに置き換えて考えることを
省くことができたかということです。
根拠がないことは意味がないか
祈り、雨が降らなかったことを経験しないで、
神様の存在を疑えたか。
お供えが意味をなさないことを経験しないで
科学の力を本当に信じれたか。
私は無理だと思います。
自分に置き換えることは学習プロセスに必須な段階であり、
全てのスタートです。
相場においても、誰かの仮説を検証する前に
自分だったらどう感じるかを検証することが
大事ではないかと、私は思います。
さもなければ、自分の考えで進んでいけなくなるからです。
長々と失礼しました。
いつも、ありがとうございます。