1Jul
ニュートンの万有引力の法則は有名だが、相場の世界もこれと似た法則が働いている。難しい知識を求めるより、まずはこれを知るほうが実践で役に立つと思ったので紹介します。
相場には引力がある。
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相場には「値」という引力が存在します。強い値段には、強い引力があり、その値段を試しに行く動きが波になります。こういう相場の一番肝心要なセオリーを知らずにトレードするのは、ヒマラヤにビーチサンダルで登るくらい無謀な行為です。
相場は階層(レイヤー)をつくりながら上がったり下がったりする。
相場の波はサポートを試しに進み、抜けないと反転して、今度はレジスタンスを試しに進みます。そして、レジスタンスが抜けないと、またサポートを目指して進みレンジ相場となる階層(レイヤー)をつくります。
まるで引力があるかのように売り注文がサポートに買い注文がレジスタンスにと引きつけられるのですが、これが相場引力の鉄板法則です。上手なトレーダーは「引きつけてエントリー」という表現をしますが、これまさに感覚として引力の存在を知っているということです。サポートやレジスタンスに達すると時間の経過とともに引力が弱まり、今度はサポートであれば反対側のレジスタンス、レジスタンスであれば反対側のサポートに引きつけられていきます。
この階層(レイヤー)をつくらず素直に上昇トレンドや下降トレンドをつくるときもありますが、上位足レジサポに阻まれると、まずそうなりません。相場の7割がレンジ相場になる所以はここにあります。
エントリーポイントはサポートを背にするなら、売りの引力が弱まったところ、つまり「もうこれ以上売られないポイント」で入るのが理想的なロング・エントリーになります。逆にレジスタンスを背にするなら、買いの引力が弱まったところ、つまり「もうこれ以上買われないポイント」で入るのが理想的なショート・エントリーになります。
このようなエントリーポイントは「もう売られない、もう買われない」というテーマで検証を重ねることで身につけることができます。
安値試し、高値試しの値動きがチャートパターンや波をつくる。
高値Cは高値bを更新できず高値を切り下げ始めました。さて、このときどう考えるかが非常に重要です。
買い注文を引きつけていた橙ラインでは、時間とともに買いの引力が弱まります。具体的には買い注文の利確(売り)と逆張りトレーダーの売りが入ります。そうなると、今度は反対側の安値aにある売りの引力に引きつけられていきます。
安値dまで到達すると、時間とともに売りの引力が弱まります。再度、安値eで安値更新できないと、ダブルボトムなどのチャートパターンとなり上昇、今度は高値bの買いの引力に引きつけられていきます。
これが繰り返されると、青のサポートラインと橙のレジスタンスラインの間はレンジとなりますが、こういう階層(レイヤー)のようなレンジはホントによく出現します。
ここで大事なのは、上か下かどちらに抜ける可能性がより強いのかということです。橙が青の上位足だとすると橙のレジスタンスラインは橙の戻り売り候補となり、下に抜ける可能性が高くなります。そうなれば、橙レジスタンスラインは戻り売りポイントです。あるいは、青橙共に上目線であれば、上に抜ける可能性が高いです。この場合は安値eでの青波押し目買いが有効です。
実際のチャートで検証。
例えば安値b地点からトレードしたとします。安値bは押し目買いポイントですが高値L2に届きませんでした。
ここで考えるのは安値aまでの下落です。高値を更新できなかったので、サポートL3に引きつけられるわけです。安値cでトリプルボトムを作ったので押し目買いをします。ちなみに青波の最後の押し安値はL3なので、ここを下抜かないなら目線は上のままです。
今度は高値L2をブレイクしました。ただし、このレジスタンスL0は上位足である橙波の戻り売り候補なので、追随の買いは控えます。いや、むしろ売る場所です。その後は高値、安値を切り下げて青波の上昇を崩し、橙波の戻り売りが完成していきました。
今日のまとめ
兼業の方なら夜の数時間しかトレードできないというのが本音だと思います。大きなチャンスに恵まれなければ、分足を使ったスキャルピング気味のトレードになるのは物理的に仕方のないことです。
僕が解説している方法ならタイムフレーム関係なく同じ見方ができるので、上位足の状態を鳥の眼でよく見てトレードすれば、20ピプスや30ピプスはとれるはずです。
短い時間足のトレードほど細かい判断が必要なうえに、取れる値幅も少ないです。それは5分足ローソクと1時間足ローソク、1本の長さを比べてみれば一目瞭然だと思います。だからこそなるべく安く買い、なるべく高く売るというエントリーの精度が求められます。
これはあくまで僕の考えなので参考程度にとらえていただきたいのですが、僕のトレードは波の反転ポイントを狙っています。もちろんバチンと逆張りをしているわけじゃありませんが、安いところから買い、高いところから売るを心がけています。
この要望にインジケーターは応えてくれません。なぜなら、そのほとんどが遅効性で、値段(水平線)に反応してからしかサインがでないからです。分足トレードなど、ただでさえ値幅が少ないのにサインが遅れるということは、それだけ取れる値幅も少なく、すぐに反転のリスクにさらされることになります。インジのサインに従う方が圧倒的に有利という証拠があれば別ですが、それが証明できない以上、わざわざ反応の遅いものをエントリーの基準にする意味がわからないのです。
ちなみに、僕のエントリーポイントは移動平均線のはるか下だったりします(笑)よくある手法では移動平均に乗り上げてからエントリーだと思うのですが、初動も取りたい僕の性格ではそこまで待てません。今回の話じゃないですが地層(レイヤー)の値幅が狭い場合、すぐにレジスタンスに阻まれるリスクが高いです。
僕もインジケーターを適材適所で見ることがあります。それはブレイクの一波目を取る、あるいは利食いを伸ばすなど使い方が限定されていて、エントリーのトリガーとしての使い時も限定的です。そうなると、やはり動かない基準である水平線=値段にかなうものはないような気がします。値段こそシンプルかつ最強のテクニカルツールだと個人的には思っています。
◆お断り◆
この動画は教育目的で制作されたものです。相場についての個人の見解を過去のチャートから解説したものであり未来の利益を保証するものではありません。売買取引についての判断は一切行っておりませんので、投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分に考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (20)
いつもありがとうございます。
この考え方を過去チャートで検証してみようと思います。
ちょうど、リアルの相場でどうにもうまく波に乗れず、もがいている最中でした。
一旦港に戻ってチャートの海図を確認します。
ぜひ、やってみてください。
ありがとうございます。
毎回、更新を楽しみにしています。
移動平均線やボリンジャーバンドなどに頼りすぎてしまうと、
値動きが見えにくくなるというのは考えさせられます。
実際、それらはタイムラグがあり、のっかろうとすると
方向が変わっていたりします。
もっと、価格を中心にしたチャート分析に力を入れていきたいと思いました。
ボリンジャバンドも後から見るとエントリーできそうに見えますけど、値が動いたあとでローソク足にピッとくっつきますよね(笑)
おはようございます!
今のユロ円がまさにマグネット相場ですね。散々な目にあってます…ボラがデカイ!上抜けしたと思えば帰ってきて、そしてなかなか下に抜けない…磁力が強すぎます。怖くて手が出ない状態です!週刊チャート分析の解説が待ちどうしいです。
マグネットラインに引きつけることを意識してみてください。
迷晴れさん、お疲れ様です。
私の勝手な夢想ですが、もしも迷晴れさんがトレードスクールを作られたら日本一のトレードスクールになると思っています。
トレードはゼロサムの世界なので、どうしても狩猟型の人間に利があるように思いがちですが、最終的にはその人の抽象度が永続的な勝利に結びつきます。よって農耕型でかつ世界に冠たる職人文化を構築してきた日本人には、適切な教育がなされれば、日本は世界をダントツに牽引する金融技術立国が可能だと私は考えています。
しかし残念ながら日本の金融教育は極めて遅れています。
トレードとは優位性の確率的結果の取得です。日本人にあっている所以です。
確かに、勤勉さが日本人の良いところですね。日計り職人養成スクールでもやりますかぁ(笑)
環境認識が大切なのはわかってても、エントリーの段階になると近視眼炸裂するんですよね〜*\(ToT)/*
MT4もFT2くらいローソクガンガン早送れたらいいんですけどねー*\(^o^)/*
チャンスを待てるというのもスキルのひとつですよね。こればかりはFT2でも身につきません。
とてもためになりました。
ガッツリフルコースで、相場のことが全てわかってしまいそうな気にさせる講義でした。(笑)
サポートとレジスタンスの間を浮遊しているローソクに磁力が作用して
引き付けられるという説明は、現場で非常に役に立ちそうです。
わかりやすい一方通行のトレンド局面はそうそうあるものではなく、
遠くからみてトレンド相場のようなチャートも、
近づいてみると、レンジの積み重ねだったりするので、
レンジの中でのローソクの動きに対応できれば、
結果的にトレンドにも対応できることになり、
レンジとトレンドに両方対応できれば相場を制覇できるという、
虫のいい話にたどりつけると最高ですね!
その、虫のいい話に一番近いのが、最強の水平線ということで
精進を続けていきたいと思います。
大変素晴らしい講義をありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
オッカムの剃刀ではないですが、余分なものを削ぎ落とすと真実が見えてきますよね。レンジもトレンドの一部だし、トレンドもまたレンジの一部という、なんとも虫のいい解釈でした(笑)
そもそもレンジとかトレンドとか人が勝手に名づけたもので、地面に線を引っ張ってアメリカとか中国とか言っているのと同じ感じがします。地球はひとつ、相場はひとつ♪
はじめまして。FXはじめて半月くらいのひよっこです。
はじめる前の段階で迷晴れ様の動画を一通り見させていただき、感銘を受け、
自分もと、水平線だけで頑張っています。
多分、正確にはひけていないので、太いペンで線を引いたりしつつ、
スキャル気味のデイトレのスタイルで、なんとか離脱せずに生き残っています;
今回は少し疑問があってコメントさせてもらいました。
今週頭のギリシャ問題や、昨日の雇用統計時、チャートに大きく空白が開く場合ですが、
水平線引くとき、その前の情報を参考にしていいものでしょうか?
理屈で考えると、一旦仕切り直す方が大多数かと思うので、
水平線の参考にしてはならないような気がするのですが・・・
もし、すでに動画にて言及していましたら本当に申し訳ありません。
見始めの時、本当に知らない状態だったので頭に入ってない恐れが・・・
最後になりましたが、いつも高クオリティで参考になる動画をありがとうございます。
毎回楽しみにしています。
個人的には、雑談での精神論の話が、昔麻雀プロしてたり、カジノで働いたりで、
ギャンブルに食われていく人を多数見てきた自分には、
ああ、なるほどと納得したり、自戒しようと心に響いたり・・・で非常に面白く見させてもらっていますw
長文・乱文失礼しました。
迷晴れ様の今後さらなるご活躍を期待しつつ、
今後とも素晴らしい講義をよろしくお願い致します。
窓を明けた場合でも、僕の場合は左のチャートの流れを見ています。ただし分足などのチャートは崩壊しているので、大きな時間足を見るといいと思います。
拝見させていただきました。
相場の引力という発想は、今まで無かった見方を与えていただきました。
私は、売り買いの圧力は押す力のイメージでとらえていました。
それが引く力だと仮定すると全く違った感覚で見ることが出来そうです。
素晴らしい気付きをありがとうございました。
いつも更新ありがとうございます。
今回のお話には関係ないんで恐縮なのですが
FT2の導入を考えてまして、迷晴れさんの経験からわかる範囲で結構ですので教えていただければ幸いです
まず ポン円やポンドルの検証をしてみたいのですが、やはりドル円やユーロドルから始めたほうが良いと思われますか?
次に 5分足スキャルの検証もしたいのですが VIPを購入をしたほうが良いのでしょうか 一分足はデモ口座がおすすめと書かれてますが。五分足はいかがなものですか?
私はFX歴は長いのですが 大損をしてしばらく休んでました。 本格的に再開したのは6月からです・
迷晴れさんのブログを見させていただいて 基本的なことはわかりますが 足がかりを作る や 引き寄せられる フラクタル構造 など 知らないこともたくさんある程度のレベルです
どうぞご教授お願いいたします
検証する通貨ペアは、実際に取引しているものでされたらどうでしょう。通貨ペアごとのクセもあるので、その方がよろしいかと思います。特になければ、ユーロドルやドル円でいいと思います。あと、スキャルの検証をするならVIPは必要と思います。
早速のお返事ありがとうございます。
実際に取引している通貨というのは限定していなくて、動いている通貨を取引していた という状態です。
ただ、ポンドルやポン円がやはりよく動きますので やり始めようかなと・・・
少し安易な考え方かな とも思いまして、迷ってます。
スキャル初心者はドル円から始めたほうがいいですよ みたいな感じですかね?
それとも、ドル円のスキャルも検証せずにポンドルやポン円に手を出すのは無理があるもんでしょうか?
あと、スキャルの検証はVIPがおすすめなのは教えていただけて助かります。
ありがとうございました!
ポンドについては、実際にやってみて判断されるのがいいと思います。相性もあると思いますよ。
ありがとうございます。
FT2導入の参考にさせていただきます。
これからも、更新 よろしくお願いいたします。
暑い日が続いてますのでお体ご自愛くださいませ。