8Nov
このコトバは『孫子の兵法』からの引用ですが、これぞトレードの極意で、これだけ体得できれば、他には何もいらないのではないでしょうか。
敵が守らないところを攻め、攻めてこないところを守る。
攻めて必ず取る者は、其の守らざる所を攻むればなり。
守りて必ず固き者は、其の攻めざる所を守ればなり。
孫子の兵法
訳すと、敵を攻略できるのは、敵の守りが薄いところを攻めるからである。陣地を守り切れるのは、敵が攻めてこないところを守るからである。
これをトレードに当てはめると…
ブレイクアウト手法が有効なときは、そもそも、敵の守りが薄くなっているところである。
逆張りが有効なときは、注目の節目にあって、敵があきらめて攻めてこないところである。
こんな感じでしょうか。
負けるときって、必ずこれの逆、敵の守りが固いところを攻め、敵の攻撃が強いところを守っています。
敵がガチガチに守っているキリ番に、小石(1ロット)を投げこんだところで、何の作用も起こりません。
値ごろ感での逆張りもしかり、英国の一個小隊が、東京時間高安のブレイクアウトを狙っているのに気づかず、ボリン2σで逆張りしてしまう。
ボクらはソロで闘う傭兵みたいなもの。
どこかのパーティに属して戦わざるを得ません。
攻めか守りか、どちらのパーティで闘うかに命運がかかっています。
逆張りで攻めざるを守る。
何度もレジスタンスされているキリ番などでの反応をみて、逆張りするパターンがこれです。
この考え方で大事なのは逆説敵に考えることで、一度、敵の攻めを受け、守りの固さを確かめること。
先週のドル円は114.00から1114.50にかけてレジスタンス帯になっていました。
買われても上がらなければ、買い手はあきらめて利食いする。
黄〇高値で114.50を一時的にブレイクしたが、重要な節目なので慎重に対処したい。急騰直後に急落してブレイクを打ち消している。
そもそも、114.50赤水平線は日足の高値、日足ロウソクが実体で抜けるまだ答えは出ない、それまではあくまで推測の範囲でしかない。
緑〇安値まで下がってくればロングできそうだが、リスクが大きい。
114.50日足高値は注目されているのがわかるし、月曜日の東京時間にブレイクできるかわからない。
守らざるを攻めるとして”攻めのトレード”はしずらい。
むしろ、青〇安値でWボトムになったにも関わらず、赤〇で上ヒゲを出したので、青矢印の動きに警戒しながら、逆張りで攻めざるを守るほうにリスクをとるほうが価値があるかもしれない。
押し目買い・戻り売りで、攻めざるを守る。
もともと、トレンド発生中という優位性があるので、適当な押し目の守りは固いことが想像できる。
短期逆トレンドのパワーでは、中期上昇トレンドを崩すことができないという前提があるだからだ。
予め、Nゾーンやフィボナッチ・リトレースメントの50%~61.8%の辺りを押し目候補とみて構える。
短期足逆トレンドが崩れたところを、”守られた”として買えばいい。
これで、トレンド発生中で守られやすいという優位性を活かしたトレードができる。
押し目買い候補の目星を、短期足でつける。
赤〇を”ラス戻り高値”とみると、黄〇ですでに5分足レベルのダウが転換しているようにもみえるが微妙。
110%ルールでは抜けてない。
守りのトレードは、敵の攻撃(売り手)を受けてからでないと発動できない。
黄〇高値からの売りを一回受けてWトップの谷(緑〇)からロングしてもいいが、112.50のキリ番の強さは、5分足安値切上げだけでは、まだよくわからない。
青〇でのロングは、どうだろう。
こっちなら、5分足のラス戻り高値を150%越え、誰の目からみても買い目線になっている。
さらに、上から強めに売られた(この動きがトリガー)にも関わらず、すぐに長い下ヒゲで反発した。
これまさに、攻めざるを守るポイント、この時間に起きていれば買いたいところだ。
ラインブレイクで、守らざるを攻める。
欧州時間に入れば、欧州トレーダーが市場参加してくる。
彼らは東京時間にできた高安を意識して、意図的にラインブレイクさせようとする。
レンジの高安は時間経過とともに脆くなり、攻めやすくなる。
こういった、ブレイクに追随する値動きを狙うのがブレイクアウト手法。
ブレイクアウトは攻めのトレードといえる。
市場の切り替わり、時間足の切り替わり、レンジの時間経過、指標や要人発言など、様々な要因で敵の守りが薄くなったところを攻める。
114.00から114.50にかけてのレジスタンス帯での値動き。
大きくは狙えないが、こういうところも、5分足を使えば10ピプスは抜ける。
赤ブロックを上抜けば、赤点線まで、売り手に守られることはない。
Wボトム(青矢印)が失敗すれば、青点線まで、買い手に守られることはない。
このふたつは、守らざるを攻める、攻めのトレードで、ボラがあれば10ピプスは抜ける。
『孫子の兵法』英訳は”The Art of War”
Artの語源はArm(腕)で、”芸術”以外に、”技・術”という意味があるそうです。
そう考えると、トレードは『闘争芸術』とよべるかもしれない。
表現者(トレーダー)がつくる表現物(ポジション)と鑑賞者(ノーポジションのトレーダー)が相互に作用しあってチャートを形成している。
表現者と鑑賞者が相互に作用しているなら、これは、芸術の定義にあてまはる。
今回のテーマは、その鑑賞方法のひとつだと思う。
ポジショニングには、攻めと守りの二種類しかないとシンプルに考えれば、レートの上がり下がりを、すべてこれで解釈できる。
鑑賞者として、どことどこが戦っているのかを見極め、次に、表現者になって、守りの弱いところを攻め、攻めの弱いところを守る。
守りの弱さをトリガーに攻める。
攻めの弱さをトリガーに守る。
枝葉末節にこだわるより、こういうエッセンシャルなコトバを深く理解して、”芸”を磨くほうが、陳腐化しない普遍的な力を手に入れられるのではないでしょうか。
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コメント
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コメント (11)
素晴らしいです!
孫氏の兵法が好きで、トレードに生かせないものかと考えていました。
敵の守りが薄くなる合図、敵が攻め疲れた合図、これを見極めるのが課題です。
ぜひ、シリーズ化してほしいです。
シリーズ化、需要あればやってみますか。
トレンドフォローの反転押し戻しをターゲットに、トリガーは短足の3か所で待機します。
A逆ハリ気味の位置 B15分ネック抜け押し戻し C1Hネック抜け押し戻し
上位足からの流れとボリンを確認して最終判断をします。
軍形というのでしょうか?毎回違うので悩ましいです。
仮に整っても、指標が今ひとつで閉じてしまうこともあります。
こういうところで完璧を目指したくなってしまうのは悪い癖なのでしょうか?
こんばんは、孫子はあまり詳しくありませんが、守りを固めて負けない戦い方をせよという考え方があるようです。
相場にエネルギーのあるときは、支持線や足場を確認してトレンド方向に乗るということでしょうか。
また、その形になるのを待つということでしょうか。
基本はトレンド転換とトレンドフォローを狙って、逆張りは最後の手段でしょうか。
逆張りは反撃がないような場所から入って欲張らずに決済すべきということでしょうか。
強い値動きに逆でも取れるのでは!と勇んでエントリーして利が乗ったと思ったらすぐ巻き返されたり、またトレンドラインから外れたら欲張ってすぐに逆張りを狙って、含み損を抱えて苦しんだり、何をやっているんだということをよくやります。
チャートが読めるようになることが前提ですが、勝ちに行くというより勝たせてもらえる場所を見つけたり形になるのを待つというのが良いと思います。
トレンド方向にすっと乗れるのは数回に一回程度で、ほとんどはすったもんだした挙句に結局力のある方向に進むことが多いと思いますが、それが整うのには時間がかかります。
勝機をじっくり待つ方が勝率もよく利幅も取れるように思います。
機会損失をしても金額的にはマイナスではないので、まずは負けないことが大事ですね。
早すぎるし、遅すぎる。
最初は皆、タイミングがわからずに苦しみます。
自分が思ってるよりも遥かに待つ時間が長い。
“待つ”時間感覚も、慣れとともにだいぶ変わりました。
今回の動画では、ブレイクアウトを”攻め”、トレンドフォローやレジサポでの逆張りを”守り”としました。ただタイミングでいえば、”守破離”のように、これを組み合わすこともあります。
ここ数ヶ月の間月単位ではかろうじて+だったのですが、先月とうとう-に転落してしまいました。
1度負け始めると駄目ですね次々連敗して利益全部吹き飛んでしまいます。メンタル面の問題が大きいのかと考えて、2連敗で1日トレード中止とルールを決めてみたりしたのですが連敗の波は止らずで、自分にはあまり有効なルールではなかったみたいです。今月も早々に2連敗、3連敗、8連敗、連勝なしで
先月を合わせてあっというまに-170pips分の損失になってしまいました。
かろうじて月間+成績が続いてただけにきついすね…勝率以前に負け率が高すぎて手に負えないです。
前回の米で環境認識がライン際の値動きを見定めることだと聞いてたので、4本値やラウンドナンバー、1時間以上のネックなどのライン際の値動きを注視してやっていたのですがエントリーして伸びるところと伸びないところ、トレンドが転換するところ転換せずに伸びるところの区別がまるでつかないですね。
同じような動きで入っても伸びたり伸びなかったり、反転したりしなかったりで見分けが付かない…
負けの数を減らそうと建値で逃げるルールや目標到達前に利食いするルールなどやってみたりしたのですが逃げれば伸び、逃げなければ逆行して損切りを繰り返してしまいます。
負けが込んでくるとエントリーチャンスとエントリーチャンスでないところの区別が段々付かなくなって
入れば負け、入らなければ(入るべきかと迷った方向へ)伸びるなんてことも起り始めて余計に訳が分からなくなります。
実例入りで丁寧に解説されて1年かけて勉強してもこれかと自分にがっかりしますね…
嫌なループに入ってますね。知識は十分にあるはずなので、一度整理して、リセットしてみてはいかがでしょう。最近の相場はは難しいので、そのせいもあると思いますよ。
ちょ~~っ深い!!!!!
あざ~す(^_-)-☆
いつも気付きの多い動画をありがとうございます。
FX = 芸術とはこういった捉え方だったのですね。
表現者と鑑賞者が相互に作用しているなら、これは、芸術の定義にあてはまる、と言う部分は成る程と思います。
私は、相場はテンションで動いてると考えてます。
買いチーム、売りチームが一日を終えて飲み会をした時
どっちの飲み会が盛り上がるか。
高値を越えれば、半値下がっても買いチームは盛り上がるし、
安値を切らなくても、押目が崩されれば盛り下がる。
盛り上がりそうな方についてくのが、相場かなと思ってます。
それに、ただ高値を越えただけで永久に盛り上がれないのと同じで、ファンダメンタルやローソク、傾きなど色々な要素で盛り上がりかたが違うあたりが似てます。
そう考えると、聖杯的なひとつの要素でかてるというのは矛盾します。
飲み会を必ず盛り上げるただひとつの方法なんて胡散臭いですよね。
以前テレビで笑いの研究者が大衆の前にでて、必ずウケル話をすると言う番組がありましたが、結果はハゲたおじさんが下ネタをいって駄々滑りしていました。
導入があって、笑ってもいい雰囲気が作られて、緊張があって
、緩和で笑う。いろいろな要素で笑いが起こるのは感覚的にもわかります。
今のマイブームは足型です。
笑いで言えば、ボケですかね。
目標値で安値を二個抜くローソク足最強説。たぶんあると思います!
長々失礼しました。
ありがとうございました。
なるほど「テンション」で盛り上がりそうな方についていくというのは面白い発想ですね。いよいよ盛り上がるかという場面で、期待を外して一気に盛り下がるなんてこともよくあります。移動平均とレートの関係性もテンションと言えるかもしれません、ゴムが延び切ってテンション一杯になれば戻り、くっつけば反発で離れる。相場は機械的に捉えようとすると難しく感じますが、テンションで考えれば単純にみえてきますね。