25Jan
裁量トレードの精度を高めるには”チャンスもどき”に手を出さないことが重要。今回は本物のチャンスとチャンスもどきの見分け方について解説します。
裁量トレードの精度を高める3つのポイント。
1.大きく動き出すところを狙う。
2.個別具体的な敗因追求はホドホドにする。
3.期待利益よりも、信頼利益を重視する。
視聴者のご質問:エントリーのトリガーについて。
今年の私の重点イシュー(課題)は「チャンスもどき」に手を出さないことです。
年末年始まとまった時間で過去トレの再反省や深掘りを進めており発見がありました。今までは高安更新やレンジブレイクでの仕掛けなど、今まではそのレートを15分足が抜け確定した瞬間などを見つけては、反射的・機械的に捉え仕掛けてしまいやられていました。
ただ本当にそのレートを反対勢力が諦めて崩れたのか、この程度のサイズ感、一度目の抜けでは騙しを疑うトレーダーが多くフォロースルーが入りにくいので伸びないのでは?という上位足背景や各ポジションをもつトレーダーの気持ちをしっかり考慮・言語化することの重要性を理解、意識できるようになり、より視点の次元を一つ上げた高次元的視点を持てるようになったことでトリガーのミスに関して少し向上できました。ただ勿論実践においてまだまだ完璧ではないので、どんどん無意識下レベルに定着できるよう意識して取り組みたいと思います。
そしてトリガーに関して今週の実例で一点ご質問させてください。
ドル円01/10火曜東京時間について、9時15分の上昇で前日安値とのWボトム2番底形成かつ先週安値からの安値切り上げと見てロングしましたが、すごい勢いで切り返され損切となりました。(ゴトー日の中値が影響?)迷晴さんはここのロングをされていませんでしたが、どのように考えておられましたでしょうか。やはり、22年押し目候補エリアの中段付近の位置ということでWボトムというよりはレンジを意識してレンジ下限引きつけを意識されたのでしょうか?
細かい部分でのご質問で大変恐縮ですが、トリガーの精度を高めていきたく、何卒よろしくお願いいたします!
たくてぃむ さん
1.大きく動き出すところを狙う。
1月10日(黄陽線)現在、日足下降トレンド発生中の下目線だが、12月安値(=22年陽線の押し目候補)に警戒。
12月安値が意識されているのは、先週安値から黄〇高値への”深戻し”をみたらわかる。10日現在は12日の”米12月消費者物価指数CPI待ちの相場でした。
10日当日、たくてぃむ氏は9日安値のWボトム2番底から青1でロングしました。ボクは131.5ロング(青2)を狙って見送りましたが、これらロングは12日CPI前の”戻り”を狙ったものなので本質的に同類です。
さて、10日のロングと12日のショートが本質的に異なることにお気づきでしょうか。
10日のロングは修正波(Corrective Move)で、12日ショートは推進波(Impulse Move)になります。
推進波と修正波については、この記事で紹介しましたが、動きが素直で勝ちやすいのは”推進波”です。
推進波は、初動に”注文の集中”が起こりやすく、また、一旦動き出せば一方向へのモメンタムが暫く続くのが特徴です。
つまり、絶好のエントリーポイントが見つけやすく、少々出遅れても、一方向へのモメンタムの強さに助けられます。
反対に、修正波の初動は曖昧なため注文が分散しやすく”チャンスもどき”となるリスクが高いわけです。
注文の集中度がチャンスをチャンスたらしめるのだから、チャンスとチャンスもどきを見極めるのではなく、推進波と修正波を見極めればいいんです。
推進波の特徴 | 修正波(押し・戻しの波)の特徴 |
初動に注文の集中が起こりやすく、エントリーポイントが集結する。 | 初動に注文の集中が起こりにくく、エントリーポイントが分散する。 |
下落なら大陰線・上昇なら大陽線と一方向へのモメンタムが続く。 | 押し目・戻り目に達するまで小さな陰陽線が混在して上下にヒゲも長い。 |
12日赤1では”注文の集中”が起きています。
- 買い注文の利確(短期上昇トレンド押し目買いの利確)
- 高値掴みの損切り(11日高値付近の買い注文の損切り)
- 新規戻り売り(上位足戻り売り+高値切下げによる下位足トレンド反転)
ロング利確+ロング損切り+新規ショートとスリーカードが揃っているので、赤1安値を下に割れば、下がりやすくなるは明白です。
2.個別具体的な敗因追求はホドホドにする。
負けトレードから学ぶべきは個別具体的な敗因ではなく”負けパターン”という共通点の発見です。
人は知れば知るほど”アホ”になります。
アホになるとは、物事を複雑化させ思考停止に陥るということです。
ボクは何度もアホになりかけました。
個別具体的な敗因を追求してスッキリさせたい気持ちはわかりますが、そもそも、仮説や推論の立て方を誤ると検証になりません。
仮説や推論を立てるとき、一般的に演繹(えんえき)法か帰納(きのう)法のいづれかを使います。
演繹法は三段論法ともいわ、前提となるルールに事実を当てはめ結果を推論します。
帰納法は事実をたくさん並べて、その共通点から結果を推論します。
演繹法 | 帰納法 |
三段論法。前提となるルール(周知の大事実)に事実を当てはめ結果を推論する。 | 事実をたくさん並べて、その共通点から結果を推論する。 |
環境認識の推論に向く。 | エントリーポイントの推論に向く。 |
「日足下降トレンド継続中だが、上位足は下位足に勝るので、22年陽線の押し目候補となる12月安値のサポートに注意!」
相場の環境認識の推論は「上位足は下位足に勝る」という演繹法的な前提ルールに基づきます。
「12日の赤1付近では、3つの注文(事実)が集中するため売られやすくなる。」
こんなふうに、エントリーポイントの見極めは帰納法的推論になるので、方向性を示す事実が多いほうが有利です。
ボクは環境認識には演繹法、エントリーには帰納法をよく用いています。
たとえば”ゴトー日の仲値”というのは、帰納法的にひとつの事実とはなりえます、演繹法の前提ルールとして弱く、「ゴトー日の仲値だから…」云々というのは、仮説や推論として成立しずらいわけです。
「薔薇を花びらまで分解したら薔薇ではない」
ボクは仮説や推論を立てる時、なるべく、複数の事実が共通項として持つ本質から離れないよう、単純化(=抽象化)しています。
今回のケースを演繹法で推論するなら、
修正波の性質上、エントリー・ポイントが特定しずらい。
エントリーポイントは特定しづらいが、、エントリーゾーンは特定できる。
修正波のエントリーはゾーンで捉えたほうがいい。
これは、いわゆる三段論法ですが、押し目買い・戻り売りの”Nゾ-ン”も、この考え方で編み出しました。
たくてぃむ氏の青1ロングは、急落で損切りしてしまいましたが、エントリー・ゾーンでみたら、9日安値を割るまでトレードの根拠は崩れません。
では、なぜ切ったか?おそらく、ドル円のボラが大きく金額的に許容できなかったからでしょう。
15分足1本で50ピプス動いているので、これが10ピプスなら損切りしなかったでしょう。
ボラが大きければ、損失許容レベルへ枚数を減らせばいいのです。枚数を1/5(5枚→1枚)に減らせば勝てたトレードです。
3.期待利益よりも、信頼利益を重視する。
FXを始めた頃、人は”得”より”損”を重視する生きものなことを知りました。
そこで、生存本能ともいえる”損失回避性”を逆に利用できないものかと考え、”信頼利益”という概念をつくりました。
信頼利益とは、エントリー後、最初の関門までの最低利益のことで、そこを越えれなければ潔くあきらめる利益のことです。
これは1分足と5分足で数ピプス~10ピプスを抜くスキャルピングをしていた経験から着想しました。
信頼利益とは主にスキャルピングにおける利益確定のタイミングになります。
期待の対義語は信頼。
期待とは相手を当てにして待つことで、相手をコントロールできる状況なら”期待”は強化されます。
親が子供に期待するのは、子供をある程度コントロールできるからですが、相場の利益はコントロールできません。
子供や部下に期待し過ぎてイライラするならまだわかりますが、相場に期待してイライラするのはナンセンスなのです。
信頼とは自分の思い通りにならなくても、相手の出した結果を受け入れること。
期待 | 信頼 |
相手の当てにして待つこと。 | 相手の出した結果を全て受け入れること。 |
相手をコントロールにしたくなる。 | 相手のコントロールを手放す。 |
一般的なリスクリワード(RR)は、期待利益÷期待損失で求められ、よく、RR=1以上ならトレードに適すると言われます。
ところがこの”期待利益”という概念が厄介で、これって、結局のところタラレバですよね。
期待損失(=損切り)は自分で決められても、期待利益はコントロールできないのに、期待利益と期待損失が同列に扱われていることに違和感を覚えました。
一般的なリスクリワードとは”名目リスクリワード”であると思いました。
これだと、期待利益に達するか、あるいは、期待損失に達するか、生きるか死ぬかの二択しかなく、いくらRR=1以上でも、期待損失に達する確率のほうが高く思えたからです。
あらかじめ設定したルールに従って機械的に売買を行うシステム・トレードなら、この方法で評価すべきだし、年トータルで利益が残せるのなら、そのシステムは優秀といえるでしょう。
ただ、裁量トレードは”勝つ、負ける、のほかに”逃げる”一手が打てます、そこが、システムトレードにはないメリットです。
そこで、名目ではなく実質リスクリワードを定義しました。
実質リスクリワード=信頼利益÷期待損失、実質RR=1以上で信頼利益という逃げ場を確保しておくわけです。
名目リスクリワード(一般的) | 実質リスクリワード |
期待利益÷期待損失 | 信頼利益÷期待損失 |
名目RR>=1 | 実質RR>=1 |
期待利益はタラレバ | 信頼利益は逃げ場の確保。 |
例えば、期待利益30ピプス÷期待損失15ピプスなら、名目RR=2なので、エントリーポイントとして健全です。
しかし、そのトレードの信頼利益が10ピプスしかなければ、信頼利益10ピプス÷期待損失15ピプスで実質RR=0.6で1を下回ってしまいます。
このトレードは信頼利益に達しなければ期待損失に達して損するので、見送ることで結果的に”チャンスもどき”を避けられます。
たくてぃむ氏の青1ロングと、ボクの青2ロングですが、ボクは6日Nボックス×日足SMA21附近を期待利益に狙ってましたがタラレバです。
青1ロングと青2ロングだは、信頼利益と実質RRが異なります。
青1ロングの信頼利益は9日高値のネックラインまで、期待損失は9日安値の下になるので、実質RRは1を切り、逃げ場もありません。名目RR=1以上でも、実質RRが悪いケースになります
青2ロングの実質RRは信頼利益132.0、期待損失は9日安値下なので1以上あるし、132.0で反転しても逃げ場が確保されます。
コペルニクス的な発想ですが、一般的にいわれる名目RRに期待し過ぎることでポジポジ病を発症するので、信頼ベースで損しない”間合い”をとればいいわけです。
まとめ
1.大きく動き出すところを狙う。
推進波で勝っても、修正波で細かく負けてたらトータルで勝てません。トレードの精度を高めるには”推進波”の動き出しを狙うこと。なぜなら、推進波の動き出しは”注文の集中”が起こりやすく、エントリーのタイミングもとりやすいからです。
2.個別具体的な敗因追求はホドホドにする。
負けトレードは宝の山だが敗因の共通点から法則性を見つけないと宝の持ち腐れになる。そもそも、相場は複数の解釈が入り混じって動くもので、本当の敗因は誰にもわかりません。仮説や推論を立てる手法に演繹法と帰納法があるが、エントリーポイントの判断は主に帰納法を用いる。
3.期待利益よりも、信頼利益を重視する。
名目ではない実質リスクリワード(信頼利益÷期待損失)=1以上でポジションを持つことで、逃げやすい”間合い”を保てて負けにくくなる。推進波で大きくとって、修正波で細かく負けなくなればトータルで利益を残せるトレーダーになれる。
最後に素敵なコメントを紹介いたします。
何故かトレードだけでなく日常生活全般が上手くいくように感じるようになったのは、トレードの環境認識の中で複数シナリオを想定し、「期待値を下げる練習」を行っていたからだと気付かされました。
この「期待値を下げる」ということは、高齢の両親と接する中で大いに役立っています。認知機能や歩行機能が衰えていく両親の姿を見るのがとても辛かったのは、私が幼かったころの両親の姿を基準にして勝手に期待値を高めていたからでした。
トレードで複数シナリオを立てて値動きを観測する練習をすることで、想定内の範囲が拡大し、両親の加齢の進行も想定し、それに先んじたシナリオ(接し方)を立てることができるようになりました。
期待値を下げると、面白いことに「足るを知る」ことができつつあるようにも思います。足るを知れば、今の自分のリソースをフル活用できればそれでいいと思えるので、より戦略的にもなれるのだと思います。親孝行もトレードも期待値を下げれば上手く行く、という点で本質的には同じだと実感する今日この頃です。
ohagi imakoko さん
義理の母が83歳になって、いよいよ、期待支援(=自分でやらせる作戦)が困難になり、やらせてできないと周りもイライラしてしまうので、期待値を下げ「やってあげる」作戦へ変更しました。
すると不思議なことに、イライラが軽減して、親を思いやる気持ちに変わりました。
コントロールしたくなる気持ちを手放し、相手の出した結果をそのまま受け入れると「楽」になりますね。
◆お断り◆
この動画は「学習」を目的に制作されたものです。個人の見解を過去のチャートから解説したものであり、未来を予想したり、利益を保証するものではありません。
記事へのレビューやご意見はコメント欄をご利用ください。コメントを「読者さまの声」としてブログや動画に掲載させていただくことがございます。
◆著作権について◆
当サイトは無料でご覧頂けますが、著作権は放棄しておりません。動画等のコンテンツを営利目的でお使い頂くことはできません。
詳細はご利用についてをご覧ください。
関連記事
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (14)
いつもご教授頂き有難うございます。チャンスとチャンス擬きの見極めですが、大きく値が動く所を狙いたいと常に思ってますが、残念ながらそのきっかけとなるのが重要指標とか、動き出す時間帯に仕事等でその場に居合わせることができなかったというように、なかなかこちらに都合よくいかないようです。であればそうではない時でも工夫して取っていく必要が出てくる訳ですが、今は推進波なのか調整波なのかを把握しておくのは非常に重要だと思います。解説にもありましたように調整波は動きがわかりづらいので、期待マックストレードは厳禁で伸びたらすぐもらう、逆行したらすぐ逃げるを徹底したいです。また個別の要因に関しては自分も頭には入れておきますけど、それを根拠にしてのトレードはあまりしたくないです。なぜなら一過性で終わることが多いからです。自分も最近ファンダの情報収集もある程度行ってますが、ファンダの大局はFRBの動向で決まると思いますので、それ以外のことにいちいち反応する必要はないと思ってます。そして最後の信頼利益を重視するという点ですが、前回もコメントさせて頂きましたが、デモで勝ててリアルで結果を残せない要因の一つに、リアルになるとどうしても期待が大きくなってしまう点があると思います。その為に利益の幅を大きく見て損失を小さく見てしまい、その結果損切りが多くなりトータルで利益を残せないのではないかと思います。推進波ならそれでもいいのですが、そう都合よくいかず相場は常にレンジは調整だと思いますので、そういう時でもトレードする場合は今の場面で伸びていきそうな最低ラインをある程度目星をつけて、それに合わせた損切りをするようにしたいです。今のところ仮説ですが早速実践してみたいと思います。
おつかれさまです。
デモで勝ててリアルで勝てない原因に”期待”が絡んでいるのは確かです。
期待から信頼へ、マインドシフトすることで、その差分が埋まるかもしれません。
いつもありがとうございます。
今回の動画の3つのポイントが非常にわかりやすく、心のもやもやが晴れた感じがしました。
修正波と推進波、どの時間足のどの部分での波か、自分はどこにいて何を狙っているのかを自分の中で明確に出来ていれば、小さな波の所は期待値を小さく、大きな波の所は大きく、分からないところは参加しないを自分の中で使い分けられるのではないかと思いました。
青①と青②の違いが良く分かりました。エントリーポイントの分散と方向性がハッキリしない中で極力リスクを減らして修正波の中を取るという意思が大前提にあり、そこから青②のポイントが生まれ、条件に合わなかったのでエントリーを見送り注文が集中する推進派の到来に準備するといった様に感じました。
「逃げやすい間合い」 間合い 非常に大事だとワードだと感じました。
今回もありがとうございました。
おつかれさまです。
間合いを取るって大事ですよね。
適切な間合いを取ることで、相手との攻防を有利に進められます。
いつも素晴らしい動画をありがとうございます。
推進波を狙うことも信頼利益でリスクリワードを考えることも、リスクを減らして安全にトレードする為に大切なことだと思いました。
信頼利益の考え方は、引き付けてエントリーすることができないのは無意識に期待利益にフォーカスし過ぎていたことが原因だと気付かされました。
リスクを減らして安全なトレードをすることが利益に繋がるということは、それをしないことは損でしかないと肝に銘じたいと思います。
ohagi imakokoさんのコメント凄く気付きをいただけました。
僕自身職場で後輩に仕事を教える時に、教えた分だけ理解してもらえ育つものだととう前提と期待があり、こんなに伝え続けているのになんでわかってもらえないんだろうとイライラしたり悲しくなることがあります。
伝えればわかってもらえるというシナリオしかなく、シナリオ以外の状態に感情が乱されてしまっていました。
自分の教え方に問題はないかという視点は必要だと思いますが、今の自分に出来ることをやれば、あとは本人次第で期待ではなく信頼の気持ちと受け入れる気持ちが大切だと感じました。
おつかれさまです。
ohagiimakokoさんはユーチューブによくコメントを頂きます。
文章が優雅で、只者ではない感じがします(^_-)-☆
動画アップありがとうございます。
相場を続けていると狙いは正しかったが上手くいかない、損切り。
こういった経験をするものなのだと思います。
マヨハレ様のご指摘通り個別具体的な追求は阿呆への道へ。
自己嫌悪、結果迷宮入りして破裂してしまうでしょう。
精度を高めるとはチャートから読み解き判断する要素が今までのそれより増えると考えられます。
信頼利益÷期待損失=1以上
個人的には、信頼利益は「最低ここまでは行くであろうレート」と自分なりの言葉で置き換え
逃げ場確保が考えられた、より負けにくいトレードを目指す所存です。
おつかれさまです。
誰でもアホになりますね(^_-)-☆
ボクはインジケーターの組み合わせに正解を探しまくってアホになりました。
そして、一旦全部捨てたら靄が晴れました。
今回も楽しく拝見させて頂きました。
期待がコントロール出来ていると、マーケットって楽勝ですね。
過去の自分の成績を見直していて、最も私が勝率と資産効率が良かったのが失業保険の受給をしていた時期でした。
まあ、そうなるわなw
直近の生活に余裕があって、仕事に意識を割くことがなく、専業の初っ端なんだから気楽にやろうと思って臨むメンタル状況が、私を世界最高のトレーダーにした訳です。
「毎日利益で終わらなければならない」という馬鹿馬鹿しいことから解放されていれば、トレードとは何と楽なことかと痛感しました。
当時の3〜4ヶ月の成績は今となっては遠く及ばない、最高のYuMasukiでした。
今では、私は常に彼をモデル化し追いつこうと試みています。大抵は遠く及ばないのですが、目指すところを見れていることは今の私にとっての強みです。
先にこういう経験をしてしまうとラクですね。
2023年1月後半現在、世界中の中銀の利上げラッシュが一旦落ち着き気味になり、急変動が据え置き気味になる気配が見えてきました。
ある意味で通貨の価格変動が停滞気味になりそうですが、こういう局面に於いて“20pipsの期待値、10pipsのリスク”が優位性を持つと思います。
2022年は100の期待に対し50のリスクという大変動の時期でしたから、所謂スキャルピング気味のデイトレードでは大きな成果を出せない局面も多かったかも知れません。
この手の短期トレードはそういう局面で弱点がハッキリと出るんですよ。
1時間足以上のSMA20がハッキリとトレンド状態を形成しているのに、短期足のエントリーポイントにこだわるあまりエントリーを見送ってしまう。
リスクリワードやタイミングにこだわる余り、波に乗れないんですよね。マヨ晴れさんが、「電車道は短期トレーダーにとっての鬼門」と表現してしまう理由はよくわかります。把握する波のサイズが合ってないんですよね。
でも、簡単ですよ。
毎朝起きて適当にドル円のロングをしてりゃあ良かったんだから。
分析もタイミングは重要ではない。ただただ、波に乗れば良いだけだった。
問題はそれを好機と捉えているかどうかだけですね。
短期トレーダー達が、その手法によってそういった期間に資金を何倍にもしたという話をあまり聞かない。
これは明らかな短期トレーダーの、特に帰納法的推移をするトレーダー達の弱点だ。普段のレバレッジならそれは可能なはずなのにそうなっていない。
その手法が確かならば、もっと多くのラリー・ウィリアムズが生まれるはずなのにそうなっていないのだ。
本来、ファンダメンタルズは大声で「ここは簡単だよ。」と示してくれている筈なのに、テクニカルを持ち出す事で躊躇してしまう。
そこでは演繹的なマーケットへの見方を重視すれば波に乗り続けられる、という本来のマーケットが持つ意味を見落としているのだ。
花弁は本来、双子葉植物が持つ生殖器官だ。
それが咲いている時点で昆虫達は甘い匂いに引き寄せられるという遺伝的性質に逆えない。昆虫達は花弁に美しさを見ているのではなく、パルス状に咲いた花々(ある時期に一気に開花した)の放つ匂いの背後に”蜜“を期待して行動している。
そして双子葉植物は寄ってきた昆虫に花粉を媒介してもらい、種の情報を遠くに運ぶ。
そもそも花弁は”他者の力を借りて種を繁栄させる“という生殖システムの単なる一部分に過ぎないのだ。
為替マーケットもまた、トレーダーの蜜の採集の為だけや、ましてや花や花弁の観察からその形状や生態を知る為にあるのではない。
その出来高によって通貨の価値を一時的に定義することにより、貨幣によるモノやサービスの交換を可能にする為にあるのだ。
要は短期トレーダー達が必死こいで売買することにより通貨に流動性が生まれ、交換することによって富の不均衡が生み出す経済の単なる一部分に過ぎないということ。
その様に考えるのならば、通貨を自身の資産の単なる一部と考え、発行量量を増やしている通貨と量を減らしている通貨のスプレッドを取り続けるだけで、片方の通貨の不均衡を利益に出来る。
そして2022年はドルと多くの通貨でそれが示されていた。
特に、ドル/円はそれが明瞭だった。故に弱い通貨売り強い通貨を買うというマクロを選択すれば、小さな選択は重要ではなかったということだ。
不均衡すぎて中銀介入がアナウンスされた事もまた、反転を捉える絶好の機会だった。
要するに、我々は“立派な花が咲いている”なら疑うことなく引き寄せられれば良い訳だ。
それは花が蜜を沢山蓄えていることを意味している。
つまり、そのマーケットはどの様な者にも、どの様なやり方でも取引されることを欲しているのだ。
それの時期は花が枯れるときに終わるのだが、その終焉はわかり易い形で植物達が教えてくれる。
花が枯れた事など誰が見てもわかる筈だ。
細かな観察によるテクニカルで花の開花時期や一枚一枚の花弁にフォーカスしていると、本来簡単にわかるはずの花々の放つ香りやパルス状に咲いた花畑を見失ってしまう。
この様に考え、トレンドに乗り続ける演繹的な手法を固めた者にとっては2022年後半のドル円は簡単だった。
毎日、ドル買いという甘い匂いが放たれていたのだから、気にせず乗れば良かっただけだ。
しかしながら、マーケットが停滞しがちになり、日足レンジ相場に移行した時は状況が変わります。
短期トレーダーにとっての好機、特にユーロドルの20pipsを狙いに行き易い様な状況は、この手のスタイルでやる者にとってはやりやすく感じるでしょう。
2010年以降のドル円やユーロドルからスタートしたFXトレーダーにとって、今年の通貨市場はやりやすいのではないかと見ています。
やり易いというより、”リスクを定義し易い“と言った方が適切かも知れません。短期足にハッキリとした高安の定義を見出し易いので。
季節は巡っているなあ、と感じます。
ドル円も100円下の停滞を突破するかしないかという長期ボックスレンジにある時は、とてつもなくスキャルピングが簡単だったと記憶しています。
その期間はETF利益もなかなか上がらず、経済も停滞しているな、と感じていました。今なら私もFX短期トレードで利益を上げることも出来るでしょうが、当時は資産を停滞させがちでした。
こういう時にFX短期トレードは武器になると思います。
そういう局面が来ると見て、準備しておくってことは大事ですね。
勿論、現在の世界情勢は不安定でこの後もこの変動が継続した時は、そういう取り組みも取り越し苦労に終わる可能性もあります。
でも、そうなったら戦略を転換すれば良いだけです。そんなことは日足を見てりゃあわかることなので、選択肢を除外しない方がチャンスに対応する柔軟性を持ち対応することが出来ますからね。
おつかれさまです。
週末に、今週はひたすらロングで良かった、と感じる。
年末に、今年はひたすらロングで良かった、と感じる。
だれもが認知してる「大事実」があるのだから、ただ利用すればいいのに、それが活かしきれない自分がいる。
カンタンなことをピタゴラスイッチのように解こうとする自分が、まだまだもどかしいです。
私は、貴方やそのやり方をされる方々をされる方々を批判したとしても、敵視しているわけではないことを重ねて述べておきます。
私のコメントは自身に向けた攻撃的批判でもあります。
今月、ボブ・ボルマン氏の著者を2冊読み、短期トレーダーの長所と短所をより深く探っています。
著書を読むと、短期トレーダーとは如何に職業トレーダー、即ち”トレードに従事する労働者”であると意識させられます。
過去のデータと経験からマーケットを推察し、その中から利益を取り出すという事を行い続ける労働行為を繰り返しているのだなと。
そこで私は思うのです。「投資」とは労働行為なのか?と。
氏の著書を読んでいて非常に強く感じるのは、
“ルールを定義し確実なところを待って仕掛ける”
ということにあまりにもフォーカスし過ぎているし、その行為の繰り返しにプライドを持っているということです。
それ自体は素晴らしいことかも知れませんし、その様に人生を生きることは魅力的です。
その反面、あまりにも自分のルールに従い過ぎてかなりの機会を見送っているな、とも感じます。
なんかね。マーケットと彼自身の見立ての間に、彼なりの他者とのバランスをとっている様な気がするんですよ。
物凄く悪意のある言い方をすれば、マーケットの値動きに対し言い訳がましい見送りをしている、という感覚を受けます。
勿論、氏は出来上がったチャートで自分の売買結果を後から解説しています。
「後から見ればわかる」ということを認識出来る読者は岡目八目でその様を見ることが出来るので、実際のトレードでは結果的に見送ってよかった、となることが多いでしょう。
それでも、最も重要な指標とするEMA25に対して従っていない、或いはその反転を捉えるトレードが多い。
ここに、余りにも勝率を重視しているさまを読み取ります。
勝率重視は結果的に資産を増やすことは出来ますが、最も効率良い利殖方法ではないこともある。
ここは注意すべきだと思います。
明らかにEMA25がトレンド状態にあるのに仕掛けない理由や、ファンダメンタルズを考慮しない(或いは最初から諦めている)結果に効率の悪さも感じました。
私は「トレーダー」は職業であっても、「投資家」は職業ではないと考えています。
投資行為が職業になったとき、それを続けなければならないという強迫観念が生じる。
そしてそれは自分のアイデンティティにも深く食い込む。
投資はマーケットの停滞により、明らかに休まねばならない時があるのにそれを見送ったとき、
「自分はトレーダーなのに今日はトレードしていない」=「今日は仕事をしていない」
となり、自分が無力感に苛まれる時が生じる。
その時「マーケットの状況が○○だったから今日はエントリーを見送った」と弁明してしたとすれば、それは自分の行為の釈明にマーケットの値動きを利用していることとなる。
これはトレードを生業とする者が注意しなくてはならないことだと心得ます。(どちらかというと専業の悩みですね)
もし投資が職業でなければ、こういう状態に陥いることはなくて済むと思います。
「好きなゲームをして勝ち易いところで勝ったらカネが貰える」と考えれば楽ですから。
ゲームならやらなくても怠惰ではないでしょ。
単なる趣味であって、愛好家なんだから。
じゃあ、働きもせずゲームばっかりやって暮らしていて恥ずかしくないのか?と言われたら…
言われたところで気にしませんね。
投資家ですから。
このコンテンツを始めたのは、人に伝えることで頭の中を整理するという目的もありました。
自分の理解したことを、実は自分に語っる。
ボクもYUさんと同じことをしてます。
この本質は変わっておらず、自分に飽きないよう、このコンテンツで一番学べてる視聴者は自分自身であるべきだと思ってます。
動画 作成お疲れ様です。 本日出勤前に拝見しまして動画途中と見終わったあとで2回も拍手してしまいました。笑
名目と実質、、 しっくりくる言葉で言語化されており 油断するとついていけなくなるような 大学の講義を思い出しました。
今年の目標はチャンスモドキに反応しない見方、あり方を会得することです。 今回の回にはその目標に対してのヒントをたくさん落として頂きました。
今後ともトレード大学 まよはれ論を楽しく受講させていただきます。
ご清聴ありがとうございました。
トレード大学!アカデミックな評価を貰えて嬉しいです。
こういう雰囲気も悪くありませんね。