2Sep
週刊チャートナビ449回(2023.08.28~2023.09.01)は、今週のドル円・ユーロドル・ポンドドルの環境認識と攻略ポイントの解説。「今週の深掘り」ではトレードに役立つケース・スタディをします。
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ドル円
今週の見通し
概要
- 11.10大陰線高値で調整が入り高値更新寸前に見えるが、11.10大陰線高値にMmトップをつくる疑いもある。
- 8月最終週なので、8月陽線終値が11/10大陰線高値を更新するか否かを注視!
- 重要経済指標:月末リバランス・米雇用統計
売り手の注目
11.10大陰線高値のレジストによる8月足の上髭形成。
買い手の注目
大局は150.00を目指し上昇相場。
トレーディング・レンジ
TR上段㊤ | 140.00+4時間チャネル高値 |
TR中段 | 先週高安(高値側は11.10大陰線高値) |
TR下段㊦ | 8月CPI安値 |
今週のシナリオ
4時間足ベアの視点
11.10大陰線高値のMmトップ形成を逆張りで狙う。
4時間足ブルの視点
①11.10大陰線高値の更新についていく。②145.00付近まで売られれば、11.10大陰線高値へロング。
今週の値動き
水曜日の11.10高値抜けが『ダマシ』になり、11.10高値にMMトップを形成後、金曜日の雇用統計で4時間上昇チャネル安値付近から買われました。
今週の攻略ポイント
11.10高値に二番天井待ち。
今週は8月最終週となり、金曜日に雇用統計の発表がありました。そこで、先週高値を偽のピークと見なし、11.10の高値に二番天井を固める展開を待ちました。
大局的には上昇相場が続いているので、もし買われる場合は、4時間チャネル安値や日足のMA21が機能するだろうと考えたからです。
結果として、この二番天井を基準にして、金曜日の雇用統計をきっかけに、4時間チャネル安値と先週安値から買われました。
毎日の攻略ポイント
フェーズ1.11.10高値に二番天井待ち。
フェーズ2.上昇相場の押し目買い。
08/28月曜
11.10大陰線高値に再び到達、Mmトップの疑いアリ。
ベアの視点:11.10高値レジストで8.25金曜安値へショート。
ブルの視点:8.25金曜安値のサポートで11.10高値へ押し目買い。
東京・ロンドン時間、11.10高値の値動きを観察、NY時間の11.10高値チョビ抜けはスルー。
08/29火曜
11.10高値で持ち合い中、先週安値上昇波の押し戻しによる高値掴みに注意。
ベアの視点:11.10高値持ち合い安値(8.28月曜安値)ブレイクで8.25金曜安値へショート。
ブルの視点:①8.25金曜安値のサポートで11.10高値へ押し目買い。②11.10高値持ち合い高値ブレイクで、先週安値上昇波の続きをフォロー。
- ロンドン時間、11.10高値の4時間陽線ブレイクを確認。
- NY時間、米JOLTS求人件数の悪化で急落、8.28月曜安値の押し目を下回りノーポジ。
08/30水曜 ADP雇用統計・米GDP
米JOLTS求人件数の悪化で、11.10高値のブレイクは失敗して金曜安値まで下落。
ベアの視点:8.25金曜安値押し目崩れで145.00へショート。
ブルの視点:8.25金曜安値のサポートで11.10高値へ押し目買い。
- 東京時間、8.25金曜安値サポートから10時足の黄1押し目買いは、前日の急落波の戻り売り警戒から見送り。
- NY時間、11.10高値でレジストされ戻り売られた。
08/31木曜 米PCEデフレーター
11.10高値付近、8.25金曜陽線のハラミ足が続いている。
ベアの視点:11.10高値のレジストで145.00へショート。
ブルの視点:①11.10高値ブレイクからの押し目買い。②11/10高値の足場崩れでロング。
- 東京・ロンドン時間、8.25金曜ハラミ足のなかをちゃぶつき。
- NY時間、米経済指標で8.25金曜ハラミ足安値を下抜いた。
09/01金曜 米雇用統計
- 前日陰線終値が8.25金曜ハラミ足安値をブレイク。
- 8月足の終値は11.10高値でレジストされた。
- 米経済指標が芳しくないので、逆に「米雇用統計」が改善されれば急騰しそう。
ベアの視点:①金曜ハラミ足ブレイクから145.00へ戻り売り。②雇用統計で11.10高値を試せばショート。
ブルの視点:雇用統計で145.00から先週安値を試せばロング。
- 東京・ロンドン時間、雇用統計待ちと見て、黄1戻り売りは見送り。
- 雇用統計は、先週安値+4時間チャネル安値への下値試しから、青1逆張りロング、5本目の4時間大陽線のクローズでアウト。
ユーロドル
今週の見通し
概要
7月高値(=週足レジスト)から下降トレンドが続き、先週陰線終値が7月安値(=日足ラス押し安値)を下抜いた。
- 先週陰線終値が7月安値を割り込むも、200日MAのサポートで「ダマシ」になる疑いもある。
- 今週は8月最終週なので、8月陰線終値が7月安値を更新するか否かを注視!
- 重要経済指標:月末リバランス・米雇用統計
売り手の注目
- 7月高値下降トレンドが7月安値(=日足ラス押し安値)を更新。
- 日足MA21のレジスト。
買い手の注目
200日MAのサポートによる8月足の下髭形成。
トレーディング・レンジ
TR上段㊤ | 8月高値 |
TR中段 | 先週高安(※安値側に200日MAのサポート) |
TR下段㊦ | 6月安値 |
今週のシナリオ
4時間足ベアの視点
①先週安値+200日MAの底値崩れで6月安値へショート。②日足MA21+4時間足キリサゲライン付近まで戻せば戻り売り検討。
4時間足ブルの視点
先週安値+200日MAの底値固めから、先週高値へロング。
今週の値動き
先週金曜日から火曜日にかけてのダブルトップが注目され、先週の高値まで急騰し、その後7月の安値に向けた底値試しが行われました。この段階で、3波押し目買いが入る可能性がありましたが、金曜日の雇用統計の結果を受けて、7月安値が破られました。
雇用統計の発表により、7月安値(=日足ラス押し安値)を下回りましたが、8月終値は7月安値でサポートされています。
今週の攻略ポイント
先週陰線の7月安値(=日足ラス押し安値)ブレイクを疑う。
今週は8月の最終週です。先週の陰線終値が7月安値を下回りましたが、これが『ダマシ』になる想定で、先週安値を底値として固める展開を待ちました。
この底値を基準に、底値のネックラインを突破する1波と、底値を試す2波をトレードしました。その後、7月安値での上昇を期待していましたが、雇用統計の結果で7月安値の押し目が割れました。
毎日の攻略ポイント
フェーズ1.底値固めからネック抜きの1波。
フェーズ2.底値試しの2波。
フェーズ3.上昇3波の押し目崩れ。
08/28月曜
先週の陰線終値が7月安値(=日足ラス押し安値)を割っているが、200日MAのサポートでアンダーシュートの疑いアリ。
ベアの視点:8.25金曜高値付近に戻り目をつくれば先週安値へショート検討。
ブルの視点:200日MAアンダーシュート狙い、先週安値への下値試しから8.25金曜高値へロング。
1時間MA21のサポートを確認できたが、7月安値からの戻り売りを警戒してノーポジ。
08/29火曜
- 8.25金曜ハラミ足が確定。
- 先週陰線終値が7月安値(=日足ラス押し安値)を割っているが、200日MAのサポートでアンダーシュートの疑いアリ。
ベアの視点:7月安値付近から先週安値へ戻り売り検討。
ブルの視点:7月安値付近の売りを受けて、金曜ハラミ高値抜きロング。
- 東京・ロンドン時間、7月安値から先週安値への戻り売りを確認。
- NY時間、『ネック抜きの1波』狙い。200日MA割れをアンダーシュートみて、15分同時線高値抜け+5本目の4時間陽転で青1逆張りロング、米JOLTS求人件数の悪化によるドル売りで急騰。
- 翌日の東京時間、8.24木曜高値のレジストで1/2決済、NY時間の先週高値到達でアウト。
08/30水曜 ADP雇用統計・米GDP
先週安値にWボトムが完成。200日MAのサポートで、先週陰線の7月安値割れが『ダマシ』になる確度が上がった。
ベアの視点:8.24木曜戻り高値+4時間切下げラインのレジストで、ダブルボトムへの下値試しショート。
ブルの視点:①8.24木曜戻り高値+4時間切下げラインの戻り目崩れで先週高値へロング。②W二番底への下値試しから押し目買い。
- 東京・ロンドン時間、4時間切下げライン付近の値動きを観察。
- NY時間、『ネック抜きの1波』の継続狙い。米経済指標は昨日の米JOLTS求人件数の悪化からドル売りを想定、前日高値+4時間切下げラインの戻り目崩れで青1ロング、先週高値でアウト。
08/31木曜 米PCEデフレーター
昨夜の上昇で、先週の7月安値割れが「ダマシ」になる確度がさらに上がった。
ベアの視点:先週高値のレジストで、8.24木曜高値へのショート検討。
ブルの視点:①8.24木曜高値付近のサポートで押し目買い。②先週高値の足場崩れでロング。③先週高値ブレイクからの押し目買い。
- 東京時間は先週高値のレジスト待ち。
- ロンドン時間、『底値試しの2波』を狙う。先週高値Mトップネック割れ、15時足の陰転で赤1ショート、4時間切下げラインと8.24木曜高値の押し目を崩したので、15分MA21をガイドにポジションをホールド。
- NY時間、5本目の4時間陰線クローズ、7月安値ほぼ到達でアウト。
09/01金曜 米雇用統計
- ダブルボトムへの下押しで7月安値まで売られた。
- 8月足の終値は7月安値(日足ラス押し安値)でサポートされた。
ベアの視点:雇用統計で先週高値を試せばショート。
ブルの視点:雇用統計で8.29安値を試せばロング。
- 東京・ロンドン時間は雇用統計待ち。
- 雇用統計は、4時間切下げラインへの上値試しから、22時足の陰転で赤1ショート、5本目の4時間陰線クローズでアウト。
ポンドドル
今週の見通し
概要
GBPUSD 日足に月足ロウソク
日足ラス押し安値(=1.2600)を下回るまで上昇相場が継続。
GBPUSD 4時間足に月足+週足ロウソク
- 先週の陰線終値が1.2600を割ったが、8月最終週で『ダマシ』が疑える局面。
- 重要経済指標:月末リバランス・米雇用統計
売り手の注目
- 先週陰線終値の1.2600ブレイク。
- 7月高値下降トレンドの継続。
買い手の注目
- 1.2600日足ラス押し安値のサポート。
- 8月最終週。
トレーディング・レンジ
TR上段㊤ | 先週高値 |
TR中段 | 先週安値と8.24戻り高値 |
TR下段㊦ | 1.2500付近の押し安値 |
今週のシナリオ
4時間足ベアの視点
先週陰線終値の1.2600ブレイクを重視。①先週陰線を戻り(8.24高値と8.25戻り高値)売り。②先週安値のサポート崩れで1.2500へショート。
4時間足ブルの視点
1.2600ブレイクのダマシ狙い。①先週安値への下値試しで逆張りロング。②先週陰線の戻り目(8.24高値と8.25戻り高値)崩れでロング。
今週の値動き
GBPUSD 1時間足に月足+週足+日足ロウソク
先週金曜日から火曜日にかけてのダブルトップが注目され、8.24木曜戻り高値まで急騰し、その後ネックラインに向けた底値試しが行われました。この段階で、3波押し目買いが入る可能性がありましたが、金曜日の雇用統計の結果を受けて、8.25高値の押し目が割れました。
雇用統計の発表により、1.2600(=日足ラス押し安値)を下回りましたが、8月陰線終値は1.2600の上でクローズ。
今週の攻略ポイント
GBPUSD 4時間足に月足+週足ロウソク
先週陰線の1.2600(=日足ラス押し安値)ブレイクを疑う。
今週は8月最終週となります。先週の陰線終値の1.2600ブレイクが『ダマシ』になる想定で、先週安値を底値として固める展開を待ちました。
この底値を基準にして、底値のネックラインを抜ける1波、底値を試す2波をトレードしました。その後、8.25高値での上昇を期待していましたが、雇用統計の結果でこの押し目が割れました。
毎日の攻略ポイント
GBPUSD 15分足に週足+日足+4時間足ロウソク
フェーズ1.底値固めからネック抜きの1波。
- 火曜のロンドン時間、先週安値への下値試しを確認後、NY時間の安値切上げで、青1逆張りロング。翌日の東京時間、8.25金曜高値のレジストで1/2決済、NY時間、8.24木曜高値到達でアウト。
- 水曜のロンドン時間、8.25金曜高値の戻り目崩れで青1ロング、NY時間、8.24木曜高値到達でアウト。
フェーズ2.底値試しの2波。
木曜の東京時間、8.24木曜高値に戻り目待ち。ロンドン時間、17時足の陰転で赤1ショート、NY時間、8.25金曜高値の到達でアウト。
フェーズ3.上昇3波の押し目崩れ。
金曜の雇用統計は、8.24高値ネックへの上値試しから、22時足陰転(ユーロドルのタイミング)で赤1ショート、5本目の4時間大陰線クローズでアウト。
今週の深堀り
今週はブレイク・アウト手法の弱点である『ダマシ』の回避法についてです。
もはや、ブレイク・アウトと『ダマシ』は切れない関係ですが、それでも、未然に防げるなら防ぎたいものです。
そこで、今回はブレイクアウトの『ダマシ』回避方法とエントリーポイントについて解説します。
1.ダマシの起きる仕組み。
2.ダマシを回避するコツ。
3.ブレイクアウトのエントリーポイント。
4.ケース・スタディ。
1.ダマシの起きる仕組み。
ブレイクアウトの『ダマシ』については、大口トレーダーが関与していると言われていますが、真偽の程は定かではありません。しかし、ボク自身の経験からも、個人トレーダーの損切り注文を狙った「スキーム」が存在するのではないかと考えています。
私たち個人トレーダーは、大口トレーダーに対しては無力かもしれませんが、無知ではありません。大口トレーダーの操作に気をつけるために、そのようなスキームを理解することは極めて重要です。
左上図のように、具体的には、ブレイクアウトが期待されるタイミングで大口トレーダーが市場に大量の資金を投入し、一時的に相場をブレイクアウトさせるケースがあるとされています。
この際、個人トレーダーは価格の急騰に惑わされ、青○のレンジの高値抜けでロング注文を入れることがあります。しかしこの段階で、大口トレーダーは高値ラインを上抜けた後に「売り」を仕掛け、価格を再びレンジ内に戻す動きを行います。
その後、慌てた買い持ちトレーダーたちが損切り注文を始めることで、相場が急落するというシナリオです。
最終的に、ブレイクアウト後に売りを仕掛けた大口トレーダーが、損切りによる利益を得るというのが「個人トレーダー・チューチュー・スキーム」です。
また、右側の図に示されているのは、「ヘッドフェイク」と呼ばれる値動きです。
上位足の戻り売りポイントで下位足がレンジになるケースでよく見受けられます。
このように上位足のトレンドを読み取る能力があれば、このようなブレイクアウトに乗らないようにすることが可能です。しかし、気づかないトレーダーは操作の餌食となる可能性があります。
要するに、こうしたスキームの存在を前提にして、ポジションを持つ際には慎重なアプローチが求められます。
2.ダマシを回避するコツ。
ダマシを回避するコツは4つあります。
1.上位足の流れに逆らわない。
これは基本中の基本です。上位足の流れに逆らわずに取引するだけで、『ダマシ』を回避する能力が飛躍的に向上します。
なぜなら、大口トレーダーは上位足の流れに逆らったブレイクアウトのポジションを狙ってくることがあるからです。
上位足が上昇相場であれば、上方ブレイクアウトだけを狙い、下方ブレイクアウトは様子見するのが良いでしょう。
この原則を徹底するだけで、『ダマシ』を回避する精度が劇的に向上するでしょう。
例えば、上位足の押し目局面で一段下の押し目候補に付けて、それからV字底になって反転する場面はよく見られますが、このような状況でショートすると、すぐに担がれて予想外の損失を被る可能性があります。
2.東京時間や大きなイベント前はブレイクアウトが難しい。
東京時間は、ロンドンやニューヨーク時間に比べて市場参加者が少なく、取引量も少ないです。
東京時間のレンジブレイクアウトは信頼性が低いので、ロンドン時間を待つ方が安全です。
この特徴を活かして、高値や安値でカウンタートレードを試みるトレーダーも存在します。
そのため、一時的にブレイクアウトしても、『ダマシ』のような動きになることがあります。
さらに、米国の雇用統計やFOMCなどの重要なイベントが控えている場合、市場はそれらのイベントを待つ状態となり、ブレイクアウトしてもなかなか伸びないことがあります。
3.レンジの高安ではなく「波」で考える。
レンジの高値や安値は単なる目安に過ぎないことであり、本質的に重要なのは「波」を適切に分析することです。
左下の紫○でロングするトレーダーは、単にレンジの高値に焦点を当てているだけで、実際には緑の安値からの上昇波が終了の兆候を示していることに気付かず、高い水準でポジションを取ってしまう可能性があります。
4.ブレイクアウト後の値動きを確認する。
相場で早すぎるエントリーはうまくいかないことが多いです。
なぜなら、ブレイクアウト後にもブルとベアの攻防があるからで、この攻防の決着を見てからポジションを持つ方が賢明といえます。
それには、左下図のようにブレイクアウトする1波は無視し、押し戻しの下げ止まりを短期足のダブルボトムなどで確認した後に、3波を押し目買いすることが重要です。
レンジ高値ショート組の買い戻しもあって、買いが優勢となる状況が生まれます。
市場参加者が3波を認識すれば、方向性も安定し、十分な利幅を狙えます。
3.ブレイクアウトのエントリーポイント
エントリー・ポイントを決定する際、ボクが最も重要視するのは『損切り幅』です。
基本的には、ブルとベアの攻防の決着を見極めてから、3波を狙うことがお勧めですが、ボク自身はブレイクアウト直後のエントリーや、場合によってはブレイクアウト前にポジションを持つことすらあります。
その理由は、ブレイクアウト時に大規模なストップロス注文が発生することで、押し戻しが発生せず一方的な相場になることがあるからです。
ブレイクアウトの1波目を狙うことを否定する意見もありますが、特に短期足では高値や安値でのレジサポ転換は稀だと感じます。
ブレイクアウトが本物かどうかは最終的に結果を待たなければ分からないので、自分の仮説が適切と考え、それに加えて損失を最小限に抑えることができるなら、どんなエントリーでも構わないと考えます。
ブレイクアウトのエントリー・ポイントは大きく「抜きの1波」と「3波」に分けられますが、ボクはどちらも狙います。
パターン1
左側の図のように、レンジ高値の上下に「足場」を形成する場合、ボクは通常「足場の高値抜け」で買いポジションを取ります。
この方法を選ぶことで、価格が逆転しても、「足場の安値割れ」で損切りして、損失を最小限に抑えることができ、ドテンの売りポジションで損失を回復する機会も考えられます。
レンジ抜けの1波がトレンドを確立する場合は、そのままポジションを保持し、価格がさらに上昇する可能性を追求します。
下値試しの2波が現れる兆候がある場合は、一部のポジションを利益確定し、3波の押し目買いを狙ってポジションを増やすことも検討できます。
パターン2
右側図のブレイクアウト後の3波のトレードにおいて、ボクはブレイクアウトが起こった「強力なサポートライン(=強者の安値)」に特に注意を払います。
上図の損切りは通常、この「強力なサポートライン」の下に設定されますが、下図の場合、損切りが遠くなるので、代わりにレジサポ転換を基準としています。
パターン3
電車道相場とは、一方的な上昇や下降相場を指し、通常は押し戻しの機会が限られています。
ボクはこのような相場状況で、5分足や1分足の小さな押し目を探し、高値を抜いた時点で買いポジションを持ちます。
損切りを小さな押し目の下に置き、損失を最小限に抑えます。
この相場では、誰もが上昇の最初の波を利確しないため、逆張りのショートポジションが出現しづらくなります。
その結果、押し戻しを待っても、市場は既に相当上昇しており、買いの条件が不利になる可能性が高まります。
パターン4
レンジ相場において、適切な持ち合い時間と判断した場合、上位足の方向への安値切り上げでエントリーすることがあります。
この戦略は、レンジの高値ブレイクが予測されているかのように見え、トレンドをフォローする際の押し目買い戦略と本質的には変わりません。
4.ケース・スタディ
火曜日の11.10の高値抜けは、『ダマシ』になりました。
8月最終週という背景から、市場は8月足の確定を待つため、このブレイクに飛びついて買うトレーダーは少ないと考えました。
しかし、中には脊髄反射的に飛びつき買いするトレーダーもいるでしょう。
大口トレーダーはこのようなトレーダーを狙い、買い注文を入れて偽のブレイクを引き起こし、その直後に売り注文を入れ、彼らの買いポジションを損切りさせます。
実際にブレイクが成立すれば、大口トレーダーは損失を被りますが、彼らは買い手がつきにくい局面を選んでいます。
そもそも、8月足がまだ確定していない状況で、『ダマシ』が疑わしい状況でしたが、さらに、8.28の高値には『足場』が形成されていないため、もし高値抜けで買いエントリーし、逆行した場合、8.28の安値の損切りまで遠くなります。
もし買いを検討するのであれば、8.28の安値近辺で3波の押し目を待ってからエントリーします。
7月の安値は日足チャートにおけるラストの押し安値で、相場において重要な転換点です。この価格レベルを下回ると、日足レベルでの弱気傾向が強まり、相場の方向性が大きく変化する可能性が高まります。そのため、この価格は高い注目度を持っています。
先週の陰線の終値が7月の安値を下回ったことから、今週の相場は一見すると売り手が有利な状況に見えます。ただし、8月の足が確定寸前であり、大局的には上昇相場が続いていることから、『ダマシ』の可能性も考慮されます。
7月の安値を下回る動きが『ダマシ』になる兆候がある場合、売りポジションを持つトレーダーが急いで利益確定や損切りを行い、急激な上昇が発生しやすくなります。したがって、火曜日以降の急騰がこのような状況によるものである可能性が高いです。
1時間足のチャートでは7月の安値を下回っているかもしれませんが、7月の安値は日足や週足チャートを参照してトレードするスイングトレーダーにとっても重要なレベルです。この価格がラインでピタリと反応しなくても、トレーダーたちは意識しています。したがって、『ダマシ』を判断する際には、こうした要因も考慮すべきです。
来週の相場観
ドル円
概要
- 大局は日足クラスの上昇3波が150.00を目指す上昇相場。
- 11.10高値の分水嶺で攻防。
- 重要経済指標:米ISM非製造業景況指数
売り手の注目
- 11.10高値で3週間レジストされてMMトップを形成。
- 8月陽線終値は11.10高値を越えられずにクローズ。
買い手の注目
- 大局は150.00を目指す上昇相場。
- 4時間上昇チャネル安値でのサポート。
トレーディング・レンジ
上段㊤ | 149.00 |
中段 | 先週高安(11.10高値を含む) |
下段㊦ | 8月CPI安値 |
来週のシナリオ
4時間足ベアの視点
11.10高値のレジスト背景、11.10高値に3トップ狙い。11.10高値に3つ目の山をつくれば、先週安値抜きのショート。
4時間足ブルの視点
大局上昇相場背景、11.10高値Mトップ崩れ狙い。①4時間上昇チャネル安値を基準に下値試しから安値切上げでロング。②11.10高値のレジスト崩れでロング。
ユーロドル
概要
- 日足ラス押し安値(=7月安値)を明確に下回るまでは上昇相場。
- 7月安値(=日足ラス押し安値)の分水嶺で攻防。
- 重要経済指標:米ISM非製造業景況指数・欧GDP
売り手の注目
週足終値が2週連続で7月安値をブレイク(先週は雇用統計要因)
買い手の注目
- 8月陰線終値の7月安値サポート。
- 7月安値(=日足ラス押し安値)+200日MAのサポート。
トレーディング・レンジ
上段㊤ | 8月高値 |
中段 | 先週高安(安値側≒8月安値) |
下段㊦ | 6月安値 |
来週のシナリオ
4時間足ベアの視点
7月安値の2週連続更新が背景。先週安値サポート崩れで6月安値へショート。
4時間足ブルの視点
7月安値+200日MAサポートが背景。先週安値にWボトム二番底を待ってロング。
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コメント
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コメント (15)
今週もお疲れ様です!
初めてブログの方にコメントさせていただきます。
来週のユーロドルの環境認識についてご質問させてください!
先ほど来週のシナリオを考えていたのですが、
7月安値(日足ラス押安値)及び日足200MAについて、
自分はどちらも週足で完全に下抜けしてることから、日足トレンドは下ダウ転換、200MAも機能終了と見て売りに強くバイアスをかけて考えていました。
ただ迷晴さんの来週のシナリオでは、7月安値(日足ラス押安値)及び日足200MAを明確に破るまでは上昇相場との見方とのことで、一つ疑問が生まれました。
自分はやはりダウ理論やローソク足ブレイクを過信、厳密に考えすぎているかと言うことです。
確かに魚の目で2mくらい画面から離れて日足チャートを見れば、7月安値の下抜け部分は浅くOSとなる可能性も見え、また7週連続で週足が陰線なのでそろそろ買われそうな気配もあり、買い手の根拠について考えが少し足りなかったなと気づきました。
一方で、ダウ理論とローソク足のブレイクを一つの判断基準として使ってるものとしては、原則に背いていることになり、また買い手側の根拠は感覚的で原則に照らし合わせて評価しづらく若干の気持ち悪さも残ります。
原則に厳密に従えば自分の考えも間違ってはいないが、過去の迷晴さんの動画で全体をざっくり見て、部分をきっちり見ることが大事とおっしゃっていたのを思い出し、
迷晴さんがどういう塩梅で原則と感覚を取り入れているのか、ざっくりとした質問になってしまい大変恐縮なのですが、ここの環境認識の根本解釈がずれてしまうと以降の分析が全てずれてしまうので、思考を修正していきたく、お手数ですが何かご教示いただけますと幸いですmm
お疲れ様です!
7月の安値に関する分析ですが、勿論、あっけなく下降する可能性もあります。
① 8月の陰線終値が7月安値でサポートされた。
② 7月安値を下回った原因は、雇用統計によるもので一時的かもしれない。
これらの2点に基づいて、買いのシナリオも検討してみましたが、これもあくまで仮説です。
しかしながら、買いのシナリオが崩れれば売る、売りのシナリオが崩れれば買う腹積もりがあれば、問題なく対応できるかと思います。
ご回答いただきありがとうございます!
双方向のシナリオを立てておいて、崩れればそれについていく、確かにその通りですね!
どちらの可能性も残ってる状態の中で、自分の原則に当てはめ白黒つけようとしすぎる癖がよくないなと感じているので、あくまでシナリオは目安、事実を受けて柔軟に対応できるよう意識していきます!
引き続き何卒よろしくお願いいたしますmm
いつもご教授頂き有難うございます。大口の騙しにあわない為にはどうするかという深掘りでしたが、そうなりそうなところは大体決まってると思います。今週はドル円、ユーロドル共に伸び切った状態で終わましたが、まさに大口が騙しを仕掛けてきそうなチャートに自分は見えます。動画にもありましたようにドル円は騙しの高値をつけた後暫く売られたものの、最後の週末に大きく買い戻されて引けました。ユーロドルも騙しの安値かのように見えましたが最後は4時間、日足レベルでの大きな陰線引けでした。こうしたチャートではドル円はとても売っていける状況ではなく買い場を探していきたいですし、反対にユーロドルは全く買っていける状況ではなく売り場を探したいです。但しだからこそ大口が罠を仕掛ける絶好のタイミングだと思います。ブレイクしたと見せかけてしっかり引かせてから本来自分達が持って行きたい方向に持っていくというのはあるあるだと思います。そうした大口の餌食にならない為にもしっかり狙いを定めてチャンスを待つことが大事だと思います。ロングしたければしっかり売られ切った所、ショートしたければしっかり買われ切ったところで自分が動くことです。そして動画内で東京時間のお話がありましたが、やはり相場参加者が多いのと少ないのではチャートの信頼度が全然違うと思います。今週のチャートを振り返っても週明けのジョルツ求人から始まり最後の米雇用統計に至るまで数多くの指標があり値動きは結構ありましたが、殆どがそれぞれの指標に反応したV字ばっかりの印象です。そうなると方向感も掴みにくくどっちに飛ぶかわかりません。やはり相場参加者が少ないと値が軽い動きになるのかなと感じました。しかし来週レーバーデイ明けの火曜日からは大口達も休みから返ってきて本格的な相場に戻るでしょうし、相場参加者の時間帯を見計らってトレードこともしっかり頭に入れておきたいです。そして相場は必ずチャンスをくれることを忘れずに、大きな第一波を逃しても慌てることなくじっくり次のチャンスを待ちたいです。間違っても伸び切ったところに飛びついて大口達のカモにされないよう注意したいです。
お疲れさまです。素晴らしいコメント、ありがとうございます。
『ロングしたければしっかり売られ切ったところ、ショートしたければしっかり買われ切ったところで動くこと』を意識するだけで、キモいトレードが激減します。負ける時は、きちんと負けることが肝心ですね。来週はすでに伸びきった状況からスタートですが、どんな展開がが待っているのか、楽しみです。
マヨ晴れさん、今週も動画更新ありがとうございます!
レンジブレイクの騙し、、以前は何でもかんでもレンジブレイクを狙って本当に苦しめられました(^^;;
適切な時間と、波の方向に沿ったレンジブレイクを徹底してからはほとんど無くなりましたが、
過去のトレードノートを見ると恥ずかしくなります。やっちゃいけない事しかやってません笑
話は変わりますが、またマヨ晴れ雑談なんかも聞きたいです。
僕はようやく利益を出していけるなという状態なのですが、枚数を上げると上手くいかなくなります。
その度に枚数を戻して自信を取り戻しの繰り返しです。
お金の器が小さ過ぎるのか。。
枚数を上げていく為の動画や、雑談なんかを聞いてみたいです。
もし機会があればよろしくお願いします!
来週も頑張ります!
コメントありがとうございます。
最近、雑談やってないですね~
ポッドキャスト的なことをやってみたいのですが、二の足を踏んでます。
枚数耐性をつけるコツは、自分の脳をダマしダマシし、1枚づつアップですかね。
急ぐと脳に拒否られるので。
いつも返信ありがとうございます。
脳を騙し騙し1枚ずつですか。ほぼ変わらないと思い込んで頑張ってみます!
雑談ぜひぜひ♪
マヨ晴れさんは声も良いので、雑談も聴き心地がいいんですよね^_^
楽しみにしてます!
ブログの方にコメントするのは初めてになります。
FXを知ったのが2016年、まよはれ先生の動画を見つけてスキマ時間で拝見するようになって初めてリアルトレードしたのが2019年、1度初めての資金10万があっけなく消え去りました。
暫くまた資金稼ぎに一生懸命になり、その間は動画も見ず、2021年頃から少しづつリアルトレードしだして、2022年から必死になりだしましたが30万ほど溶かし、ロットが大きいと思い細々とやりだし、まよはれ先生の動画にコメントを書いて勉強も深くなりだしたけど仕事と兼業でいまいち没頭できず、3月末で退職して病気治療もあったので並行して今に至ります。
手応えは感じてます。が、コツコツドカンでマイナスになってます。とにかく先生の動画を見まくりました。今は時間はあるので。私のダメなところを潰していこうと思いました。
トレードの回数が多すぎる。トレード日誌をつけないといけないのはわかってるけど、トレード回数多いからつけるのがしんどいので挫折。
ということに最近気づいて、、、それも先生の動画を見ててきづいたのですけど。
他の人の動画も見ました。が、やはりまよはれ先生の動画が私は1番目指したいです。先生のようにトレード出来るようになりたいです。
フォレックステスターもおかげさまで復活できました。FT3ですが。
私のパソコンは無いのですが、娘のパソコンを娘が使わない時に借りてフォレックステスターで検証しています。
課題はたくさんあるので、1つ1つ潰していきたいと思ってます。トレード日誌を書きます。先生のトレードノートの項目を使わせて頂きます。四時間足が好きなので、1日トレードは6回出来たらなと思います。
今の私の状況を、お話させて頂きましたすみません。
おつかれさまです!
トレード回数が多すぎると、感情的になり判断が鈍ります。トレードの質を向上させるために、トレード回数を制限することを考えてみてください。
1日で6回のトレードは多すぎます。一日のなかで大きく伸びそうな4時間足を予測してポジションを持つ『4時間足1本釣り』を意識してみてはどうでしょう。
はじめまして。毎週楽しく拝聴しております。
ユーロドルのトレーディングレンジ下段は6月安値の間違いでしょうか?
ご指摘ありがとうございます、6月安値の誤りです。訂正しておきます。
迷晴れ様
いつも大変ためになる動画ありがとうございます。
初めて投稿させていただきます。
初心者なので的外れな質問になると思いますが、お許しください。
今回の動画の21分7秒位にポンドドルをショートされてます。私であれば、9月1日金曜日22時45分のインセン、1.267でロングをしていたと思います(上昇3波と1時間足、4時間足21 MAサポート。7月からの下降の上昇転換狙い)。
なぜ迷晴れ様はショートだと分かったのか教えていただければ幸いです。
大変お忙しいと思いますので、お時間ある時にでも確認いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
おつかれさまです。
大前提として、市場は「雇用統計」を注視するので、ポンドやユーロではなく、米ドルの挙動を監視します。
雇用統計などのイベントでは、テクニカルの節目を試して反転するケースはよくあります。
ドル円とユーロドルは、まさに、そのタイミングでポジションを持ちました。
ポンドドルは、ユーロドルの動きに準じただけです。
お世話になります。
ご回答いただきとてもうれしいです。ありがとうございます。
テクニカルの節目での反転が取れれば、かなり大きく取れますね。大変参考になりました。ありがとうございます。