31Mar
週間チャートナビ(2018.03.26~2018.03.30)は、ドル円、ユーロドル、ユーロ円の主要三通貨ペアの一週間を振り返ったチャート考察です。
今週の視点
指向性(馬力) × モメンタム(トルク) = ピプス(移動値幅)
指向性を馬力とすると、モメンタムはトルクのようなものだろう。馬力はある決められた時間内に、どれだけの荷物を、どれだけ遠くまで運べるかを、馬何頭分に当たるかを示したもので、トルクとは自転車のペダルをこぐ瞬発力のことだ。チャート分析するには、この2つの概念がとても重要で、指向性は上位足レジサポの位置と、その力関係で決まり、モメンタムは出来事で決まるので、チャートでいえば、指向性はプライス縦軸、モメンタムは時間横軸となる。
結局、指向性とモメンタムの強さが移動値幅(ピプス)を決めるので、指向性もモメンタムも弱いところでトレードするのは愚の骨頂となる。指向性強く、モメンタム強いところはポジションの長期保有ができ、指向性弱く、モメンタム強ければ短期決済になる。他者の損切り・利確・逃げ、その他諸々でモメンタムは強くなるが、そこから”新規ポジション”が乗ってこないと指向性は続かない。
利食いが難しいされるのは、モメンタム発生と違って、指向性は上位足が複合的に絡むからだろう。
指向性 | モメンタム | ピプス |
〇 | 〇 | 長期保有 |
△ | 〇 | 短期決済 |
✖ | ✖ | ノートレード |
モメンタムが強まるのはどこかというと、
- トレンド中の押し目買い・戻り売り
- 注目されていた節目のブレイク
- 経済指標・要人発言のインパクト
反対にモメンタムの弱いところはどこかというと、
- 押し・戻しのプルバック
- 値幅の狭いレンジ内部
- 重要な経済指標の発表前
指向性の強いところは、中・長期足の押し目買い・戻り売りポイントとかだが、要するに、上げ幅・下げ幅がどれくらい確保できるかによる。
ドル円
三角持ち合い+先週高安に注目。先週、三角持ち合いを下にブレイクしたので”戻り売り”狙いだったが、北朝鮮リスクが緩んだことで円売りが継続した。米中貿易摩擦と北朝鮮問題は、アメリカにとって相反する材料になるので、相場は行ったり来たりになる。ピンク高値の行ってこいを除けば三角持ち合い上限の位置が変わる、緑〇にミニ三角持ち合いができた時点で引き直した。
ピンク:三角持ち合いブレイク戻り売りと先週安値からの押し目買いが攻防する戻り高値付近。戻り売りが勝ってもおかしくないが、北朝鮮リスクが緩んだニュースで”円売り”になった。
グリーン:三角持ち合い上限と先週高値が絡んでいる。持合い上限を試すプルバックの動きがでるので注意。
Mar.26 Mon. 戻り売り候補まで
先週安値でのサポート確認後、戻り売り候補まで狙う。戻り売り候補はネックラインとピンクエリア。
オセアニア時間、青1で先週安値を2回目を試した、損切り極小でロングできる位置。ここで入れなければ、短期下降赤トレンドラインを上抜け、黄高値からのショートに耐えた青2ロング。
東京時間、RN105.00から売られた。青3ダマシ安値をサインに”売り失敗”でロング、先週安値サポートを背景にしているので、青4や青5のミニレンジ抜けで押し目買いできるが、ネックラインから売られるので注意!ただ、青4の安値を割るまでは、買い目線でいい。深夜になってネックラインをブレイクアウトした。
Mar.27 Tue. 戻り高値からネックラインへの試し
1時間足戻り高値からネックラインを試す動きを狙う。
前日陽線はネックラインを越えたが、1時間足戻り高値の戻り売り候補エリアに近くなっている。このピンクエリア40ピプスは、戻り売りと押し目買が攻防するところなので、上から売るか、下から買う。
東京時間、RN105.5付近の赤レンジを上にブレイクしたが、上げる余地も少なく戻り売り候補なのでロングできない。オレンジ・ネックラインまでの売りを狙うなら、Wトップを確認してから。黄安値からもう一山築いてからショートを狙いたい。赤矢印のイメージはダメ。
Mar.28 Wed. ブルベア攻防の決着日
欧州時間初動、実は青トレンドライン下抜けでショートも用意していたが、青1ダマシ安値+青トレンドラインでロング。直前に黄高値をダマシているので、ダマシのダマシになっている。ここで入れなければ赤レジ上抜けでもいい。
この時刻、トランプ大統領の発言が流れた「習近平・中国国家主席から中国と北朝鮮の首脳会談が順調に進み、金正恩氏が私との会談を楽しみにしているというメッセージを受け取った」これにより、リスクオンとなり、それまで買われていた円が売られ始めた。
NY時間、ミニ三角持ち合いができた。これでオレンジ三角持ち合い上限の存在を確認できた。持ち合いを抜ければ青2ロング。
Mar.29 Thu. 三角持ち合いブレイクからのプルバック
前日、三角持ち合い+先週高値をブレイク。今日は抜けたところを試す日になる。修正波になるのでモメンタムは弱い、フラフラするので注意!
東京時間、2回目の高値試しに失敗した赤1でショート。
NY時間、緑ダブルボトム失敗からショートしても下げる余地がないので、ここは売れない売れ、素直に、三角持ち合い上限で反発するのを待った方がいい。
Mar.30 Fri. 三角持ち合い上限から買い
欧州時間に数回下ヒゲを出したのでロングしたが週末なのでタイムアウトした。
ユーロドル
緑週足の高値にも注目、この週足に7週間孕まれている。
グリーン:20日21日の日足2本が買い反発の強さを示唆しているが、対して22日足が売り反発したが下がらなかった事実がある。そうなれば、先週高値がベア最終防衛ラインになりそう。
ピンク:7週前の週足ハラミ上限、RN1.245も絡んでいる。
ブルー:Nゾーン、急落しているので押し目形成には時間がかかる。
Mar.26 Mon. 先週高値付近
グリーン・エリアからある程度売られる、23日終値+RN1.235サポート黄安値でのロングは見送り、欧州時間の東京安値試しを待った。青1ダマシでロング、短期上昇トレンドラインとも重合している。NY時間からのトレードなら、青2のレンジブレイクがいい。
Mar.27 Tue. 先週高値ブレイクからのプルバック
RN1.245で潰れた三角持ち合い発生、欧州時間の青1ブレイクでロングだが、7週前の週足ハラミ上限で強くレジされた。このレジスタンスに気づいてなくとも値動きで何かあると気づくレベルの反発だ。持ち合いを下に抜き返した赤1でショート、先週高値をブレイクさせた紫安値を試した。その途中、青トレンドライン+RN1.240のサポート候補があったが、意外にアッサリ抜けてしまった。
Mar.28 Wed. 先週高値ブレイクからの押し目買い失敗
26日ブレイクの陽線、27日プルバックとなれば、押し目買いの日となるか、それが失敗して先週安値ブレイクラインを割るかのいずれかになる日。ハラミと考えれば指向性は弱く、週足ハラミ上限からの急落も気になった。
欧州時間初動、27日安値を試すダマシ安値青1でロング、Wボトムになれば上がっていくが失速したので逃げて、赤1でショート。Wボトム失敗を受けてロングポジションが逃げるところ。
Mar.29 Thu. 押し目セットアップ
前日急落しているので暫く横に動く。まだ、前日急落から戻り売りを狙うトレーダーが残っている。
欧州時間に入って赤1の戻り売り、これが安値更新できなかったことで、緑高値に暫定ネックラインを引く。Nゾーン下限安値1.230付近、暫定ネックライン、戻り高値1.235の3本を、この安値圏トレードの基準とする。この間は、短期スキャルでスキマビジネスするしかない。
Mar.30 Fri.底値圏形成
底値形成中でトレードが難しい、あえてスキャルパー以外はスルーするのがいいだろう。
ユーロ円
先週足ハラミのなか。
グリーン23日コマ足:反転サイン。
ピンクエリア:先週高値+RN132.0、アラウンドなレジスタンスライン。
Mar.26 Mon. 23日コマ足反転サイン
東京時間、赤切り下げライン上抜けから、青1ダマシ安値からのロング、ドル円とシンクロしていて、ユーロドルはレンジでモメンタム弱し。
欧州時間初動、青2ロングは、高値で売る力が弱く、東京時間高値をブレイクするところ。ユーロドルとシンクロしていてドル円は揉み合い中。
青3押し目買いは、ドル円押し目買い、ユーロドル押し目のタイミング。青4のブレイクアウトは、ユーロドルとシンクロ、ドル円は揉んでいた。青5は、ドル円押し目買いとシンクロ。
Mar.27 Tue. 先週高値付近
青1ロングはユーロドルの持ち合いブレイクとシンクロ、このブレイクがフェイクになった赤1ショートもユーロドルとシンクロ、このときドル円は、積極的にトレードできるところではなかった。
黄〇付近、20:00にドル円ロング、21:00にユーロドルショートのチャンスが来ましたが、ドル円とユーロドルの指向性が反対なら、ユーロ円は身動きがとれなくなるので、ドル円上昇、ユーロドル下降が落ち着くまでユーロ円に手が出せません。
Mar.28 Wed. 先週高値反発
前日終値を基準に、Wボトムになればロング、失敗すればショートを用意。
欧州時間、Wボトムになった赤切下げライン上抜けで青1ロング。トランプ大統領の発言からドル円が上昇を始めたことでWボトム確度が高まった。このときユーロドルもWボトムになったが崩れた、仮に、ユーロドルのWボトムが完成、上昇していればユーロ円上昇にさらに拍車がかかったはず。
21:00にドル円が一旦上げ止まるまでポジションを持てるが、このときユーロ円も先週高値をマーク。
21:30ユーロドルが安値ブレイクしたことで強いモメンタムを発生させている、これにシンクロして、ユーロ円も先週高値から急落を始めた、ドル円は持合いに入っていてモメンタムが弱い。
ドル円は1:00前から再び上昇を始め、ユードルは2:00から下降を始めたため、ユーロ円は乱高下している。ドル円とユーロドルが逆相関しているのでユーロ円に手を出してはならない。
Mar.29 Thu. 高値圏形成中
ドル円は三角持ち合いブレイクからのプルバック日でモメンタム弱し、ユーロドルは安値圏形成日、両通貨ペアともに強いモメンタムが発生する日ではないので、ユーロ円は気迷い相場になる。ユーロ円単独でみても高値圏形成中で指向性は弱い。
Mar.30 Fri. 高値圏形成中
前日と同じで気迷い相場のためノートレード。
よく間違える「カタカナ英語」
先日、ボラティリティをボラタリティと言い間違えた。これはボクの頭のなかで、ボラティリティとバイタリティが合体したのではなかろうか。バイタリティというコトバのイメージに引っ張られて、勝手な合成コトバをつくってしまった。
シミュレーション が シュミレーション(趣味+シミュレーション)
ティーバック が ティーパック(ティー+パック包装)
どうしても、イメージの強いコトバに引っ張られる。この間も、シャドウバースというゲームをシャドウバーストと言い間違えて息子に失笑された。
やっかいなのが、一度この合成コトバを記憶してしまうと、なかなか元に戻れないことだ。何かのイメージと合体しているので記憶からなかなか離れない。
だから、ボクはおそらくまた”ボラタリティ”といってしまうと思うのでご了承願います。
イメージやリアリティを残すことで成功している商品名もある。
洗濯洗剤のアリエ-ルなんてすばらしい!ありえないことが起こるから”アリエール”一度覚えたら死ぬまで忘れないだろう。
小林製薬のネーミングも秀逸だ、”トイレそのあとに”これを最初に考えた人は天才だと思う。
それに比べ、しゃれた美容室やケーキ屋の名前は、何回聞いても覚えられない、何のイメージともくっつかないからだと思う。
78才になる妻の母が、テレビ番組のタイトルを言い間違えた。
あんなとところに日本人がいたよ。(タイトルは、こんなところに日本人)
もはや、感想になっている。
母は元気に真っ赤なCX5でいつもドライブに出かけてる。
◆お断り◆
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コメント
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コメント (8)
ドル円28日のヨーロッパタイムに私もショートで構えていました。
105,50を一度下抜いてからもぐって、もう一度下に抜いたら入る予定でした。
だけど、そのままトランプニュースであっさりひっくり返りました。
テクニカルはファンダメンタルで動意づくということを思い知らされました。
それでも、止まるのは過去に意識された値であることをテクニカルが教えてくれます。
本当に面白いですよね。
未来の値動きに備えることは大事ですが、それによって思い込みが強まるのは良くない。心をニュートラルに保つ、そういうところが一番難しいのかもしれませんね。
本当、その通りですよね。ここは4時間と日足の波がぶつかるところで、当然日足が勝つものと
思い込んでいたので、驚きました。思い込みは怖いですよね。もっと勉強しなくては。。
今週もお疲れ様です!
久しぶりにコメントさせていただきます。
雑記の中の、イメージが強い言葉に引っ張られる。で思い出したのですが、
トレードを初めてまもない頃、レジサポの値段からバチンと逆張りで入り、何回か短時間で20~30pips取れることができ、これでイメージを強く持っていた時期がありました。
そんな余計なイメージや先入観のせいで、その後もレジサポ値段でバチンと逆張りした後、含み損方向に進んでも、「どうせ騙しだ!!!」とか思って、10~20pipsの損切りで負けまくるようになりました。
ときどき知り合いで、パチンコで大勝ちしたイメージを忘れられなくて金を突っ込みまくる人がいて、トータル収支は大負けです。ですが、それでも金を突っ込みまくります。
私のやっていたトレードはこれに近いものなのじゃないかと気づき、短命トレーダーにならないよう修正しましたが、イメージとは一度定着すると抜けないものだなと思いました。
ところで、わたしも今のマツダ車が好きで、現行モデルの真っ赤なアクセラに乗っております。一目惚れで買ってしまいました笑 今のマツダの車は外装内装ともにオシャレで、走りも良く、運転していて楽しいです。
お母さん、いいセンスしていらっしゃいますね!
ホントその通りですね。イメージや臨場感をうまく活用できれば無敵なのですが、大抵は、デメリットになることが多いですね。
こんにちは。いつも勉強させていただいております。おかげさまでエリオット波動をもちいた時間足級の予測はほぼ予測できるようになりました。だいぶ前の記事への質問ということでもしお気づきでしたら教示いただけるとうれしいです。
お聞きしたいのは「検証の限界」についてです。
検証をして過去チャートをさかのぼっていきます。するとFxデビューした昨年11月以前の波動をエリオットを用いて上手にとらえることができません。デビュー当時はエリオットをまったく知りませんでしたが以降の波動はしっかりとした納得感に支えられながら理解しなおすことができているのです。
どうしてこういうことが起きるのでしょうか。おそらくそれは28日の出来事が示唆している気がするのです。
この日は損切りにあったのでまだよく覚えています。
>三角持ち合いブレイク戻り売りと先週安値からの押し目買いが攻防する戻り高値付近。戻り売りが勝ってもおかしくないが、北朝鮮リスクが緩んだニュースで”円売り”になった。
ご指摘の通り「戻り売り」を意識していました。エリオット3段下げにおける5波目待ちという状態であったからです。
ところが地政学の要因から一気に逆行してしまいました。
このことからわかることは、エリオット(諸手法)をもちいてもニュース要因が絡むため常々手法が示す通りには成りえない、ということではないでしょうか。(あたりまえのことですが….)
であるならば、過去チャート検証の際、実際にその過去に在籍していなければわからないニュースなどがあるわけで、それらニュースをまったく知らないのにエリオット(諸手法)だけで読解していこうとすることはそもそも限界あるのではと疑問に思っています。自分でこう書いていますと「そりゃそうだろう….」と突っ込みたくもなるのですが、なんだか晴れないのです。
相場はファンダで動いてテクニカルで止まるといいます。テクニカルツールは完璧ではなく、あくまで目安にしかなりません。限界というより、そもそも相場が「不確実性の世界」なのだと考えます。ベストなど存在せず、ベターであることを、どう腹に落とすか、そういうことなのかなと…
こんばんは。お忙しい中ありがとうございます。自分なりに勉強をすすめていきますと結局迷晴れさんが指摘されていたところにいきつきます。「余計なことをしているうちは勝てない」「押し目買い戻り売りの基本が王道」などなどサイトを見始めてからいくどとなく見聞きしたアドバイスですが、最近になって少しづつその真意がわかりかけてきているところです。
>そもそも相場が「不確実性の世界」なのだと考えます。
このご指摘もまだ消化しきれていないみたいです。
まだまだ経験が足りないのだとおもいます。勝手ながらこれからもよろしくお願いいたします。