17Mar
週間チャートナビ(2018.03.12~2018.03.16)は、ドル円、ユーロドル、ユーロ円の主要三通貨ペアの一週間を振り返ったチャート考察です。
今週の視点
トレンドが出ているときの”半値押し戻し”は絶好のエントリーポイントになり得るが、これがレンジだと、逆にエントリーを避けるべきところになる。
指向性の強さと長さ
指向性が強いとはエネルギーがレーザービームのように一直線に向かうことで、弱いとはエネルギーが拡散している状態、波動砲と拡散波動砲のようなものだ(ちょっと違うか…)
結局、この指向性が、相場を簡単にも、難しくもしていて、指向性が強いほど簡単で、長い方がピプスが稼げる。
レンジ相場での指向性は、短期的に強まるところもあるが、基本的には、指向性が弱く短い。
今週は、指向性の弱いレンジ相場だが、これに気づかず、それまで通りのレーザービームを狙うと負けるし、気が付くのが遅れるほどに損失を重ねる。
値幅のないレンジ相場は、売り圧力と買い圧力の力関係が拮抗していて、壁が近く、短期的なレーザービームが出てもすぐに遮断されてしまうが、、十分に値幅のあるレンジなら、レジサポが離れているので、短期的なトレンドフォローができるし、レンジ端からなら指向性も高い。
マッキンゼーの社員も使っている問題解決のフレームワークに空・雨・傘がある。
- 空=事実:雲が低くたれこめている
- 雨=洞察:いまにも雨が振りそう
- 傘=対応:傘を持っていこう
どうなりそうかを事実から洞察する。
トレードもこれと全く同じで、どうなりそうか、これが皆目見当のつかないレベルだとうまくいかない。ましてや5分足や15分足だけで、上位足を見ずにどうなりそうかを洞察するのはムリがある。
指向性の強いトレンド相場で逆張りしたり、指向性の弱いレンジ相場でトレンドフォローしていては、基本戦略がまるで違うので、勝てるわけがない。
簡単と思えた翌週に負けまくるのは、指向性の強弱が把握できてないから、心覚えの在る方はエントリーポイントを探すことに一生懸命になるだけでなく、”どうなりそうか”という視点をもつといいと思う。
ドル円
- 二週前足のハラミになっているので、その高安は意識される。
- オレンジネックライン106.5を挟んで天底がくっついていて綱引きになりそう。
- 二週前足の始値・終値にできた黄〇コマ足・ネックラインは機能することがよくある。
- ア:Wトップからの戻り売り
- イ:Wボトムからの押し目買い
- ウ:Wトップとボトムに挟まれ揉み合う
Mar.12 Mon.
先週高値でWトップ(赤1)になれば、107.0は越えれないと諦め、ロングポジションが決済され下がり始める、ただし、ここからショートを狙えるのは106.5まで、すぐに「ウ」のエリアなので揉み合いそう。
107.0からの下落の勢いはあったが、緑安値からのV字回復が強く、売り買いの力関係もわからない。「ウ」がどういうところなのか意味付けしてあれば、せめて、黄ハラミ37ピプスを抜けないことには手が出せない。
Mar.13 Tue.
東京時間、9日足大陽線起点(H1-2)まで引き付けてからロングするつもりで届かなかったので、青切下げ+黄戻り高値ブレイク(青1)でロング、目標は先週高値107.0、抜ければH1-1。
NY時間初動、”ティラーソン国務長官解任”のニュースで上昇の勢いが止まった。この急落にロングポジションを利食い損ねたトレーダーは、なるべく良い条件で決済することを考える。ネックラインを裏から試した赤2は唯一の脱出口、ここを逃すと逃げ場がなくなる。
赤1ショートは、大きな上ヒゲ(強い売り)を出したあと、ネックラインを下から試してダメだったポイント、ここを逃すと赤3になる。
Mar.14 Wed.
揉み合い(青1)抜けのロングは、戻り売りの失敗(Wトップ崩れ)を狙ったものだが、「ウ」中央部からの新規ロングは期待薄なので、直近高値までしか狙えない。
緑矢印の動きに注目して欲しい、9日足大陽線起点(H1-2)までしか狙えないが、ダマシ安値で強く買われたにも関わらず高値を更新できない(青2)、そうなると下がるしかない。
Mar.15 Thu.
「イ」エリアは押し目買い候補なのでWトップ紫〇からは売れなかったが、揉み合い赤1を利用してH1-3(確信は弱い)まで30ピプスは狙える。ただ、正直、どこで下げ止まるのかわからないので、ラインを信用せずに値動きを重視したいところ。
H1-3への安値ためし(赤2)のあと、緑ダマシ安値緑が出現、買い圧力の強い証拠。
「イ」で反転するにしても、押し目買いセットアップができるまで暫くかかるので、黄高値ができた時点で暫定ネックライン(H1-2)を仮定する。この暫定ネックラインから安値までは”底値レンジ”になる。
暫定ネックライン(H1-2)を上抜けるのを待っていると夜中(青1)になってしまう、そういうときは、リスクをとって”底値レンジ”の下限からロングしてしまうことがあるが、今回はスルーした。理由は、この「イ」のエリアの強さに確信が持てなかったからだ。
Mar.16 Fri.
15日終値は戻り高値になっていて、上抜けば15日の値動きを底値からの転換成功とみることができる。失敗すれば、それまでのロングポジション決済で下がる。
東京時間に天井部を試してダメだった赤1は、買い転換を期待したロングポジションが逃げ出すポイント。
欧州時間初動、H1-3を赤2でブレイク、105.5まで狙う、結局、105.5まで下がらず手前で反転してしまった。
ユーロドル
- 先週足高安180ピプスを基準に考える。
- オレンジ・ネックライン1.220を50ピプス下抜けたが、これを行き過ぎと観る人が多ければ現在地は高値圏レンジど真ん中で指向性は弱い。
- ア:Wトップからの戻り売り
- イ:Wボトムからの押し目買い
- ウ:Wトップとボトムに挟まれ揉み合う
Mar.12 Mon.
9日コマ足高値をネックラインとする底値圏として観て、底から買うシナリオ。
欧州時間初動、緑ダマシ高値になったが、これをサインに売ってもどこまで下がるかわからないのでスルー。
NY時間初動に先週安値を試す動き、Wボトム(青1)を確認してから買えばいい、このロングは9日高値までが目標。
Mar.13 Tue.
本日はWボトムからの押し目買いを「ア」のエリアまで狙える日。ロンドン初動、H1-4へタッチ(青1)したがWボトムにはならず、逆三尊で上昇を始めたので、高値ブレイクアウト(青2)でのエントリーになった。ネックラインH1-3の抜け方が浅かったのが気になり、黄〇でのロングを見送った。
Mar.14 Wed.
本日は「ア」から売れる日、東京時間、ダマシ高値赤1をサインにショート、もし、失敗しても、先週高値までロングすればチャラにしてお釣りがくる。ここを逃すと欧州時間初動に、Wトップを下から試した赤2がエントリーポイントになる。「ウ」のエリアまで下がってしまうと揉み合ってしまうので早めに決着をつける必要がある。
Mar.15 Thu.
前日の赤2からの売りが「ウ」エリアで力尽きてしまい、ロウソク足がミリミリした動きになっていて、指向性も弱い。東京時間高値を試した黄〇でショートしても、「ウ」のようなエリアでは、どうなるかわからないのでスルー。その後もミリミリした値動きが続いた。
Mar.16 Fri.
「イ」エリアを下抜け、先週安値付近まで落ちてきた。黄ハラミでみて、赤1三角持ち合い抜けなど、わかりやすいチャートになるまで待たないと何もできない。
ユーロ円
ドル円・ユーロドルともにレンジ相場なので、ユーロ円はフラフラと乱高下する可能性もあったが、ドル円とのシンクロ率は高かった。
- ア:オレンジ150ピプスレンジで観る
- イ:ドル円とのシンクロ率が高い
Mar.12 Mon.
「ア」150ピプスレンジの中で指向性が弱い、短期ダウは上下にフラフラするので、そこに注目すると勝てない。ドル円とシンクロしていたので、東京時間、ドル円と同じタイミング(赤1)ショートして、「ア」の真ん中はノートレード。
Mar.13 Tue.
東京時間、円売りはドル円とシンクロしていたので、青切り下げライン+直近高値ブレイク(青1)でロング。
Mar.14 Wed.
前日、先週高値132.0を更新したので、青1の揉み合い+赤切下げ抜けでロング、高値試しを狙える。
先週高値更新からの押し目を拾うも、目立ったサポートがないが、それでもロングする人もいるので、その失敗を、赤1・2のブレイクアウトで狙う。
Mar.15 Thu.
シンクロしているドル円が押し目買い候補まで下がってきている、そうなるとユーロ円も下げ止まる。オレンジ・ネックラインも近いのでドル円の動きが固まるまでノートレード。
Mar.16 Fri.
赤1はWボトムの失敗で、天井を試したところ、赤2ショートも、ドル円とシンクロしている。ドル円が動き出すところでユーロ円も動きているということだ。
弱いロボットが話題になっている。
ゴミを拾いたくても拾えないゴミ箱型ロボットが健気に動いているのを見ると、思わずゴミを拾ってあげたくなる。人よりも速く正確に仕事をこなすロボットのイメージと真逆な発想が面白い。
ボクたちは、誰しも、がんばっても、なかなか成果があがらない体験をしているので、そこに”共感”が生まれているのかもしれない。今の時代、共感できるものや、反感をかうものは、あっという間にSNSで拡散する。
弱いロボットといえば、昔見たAIという映画で、用済みになったロボットが廃棄される世界を思い出した。子供型ロボットがお母さんを探して旅をする、あの映画は泣けた。旧型アイボ君も、なかなか、治せるところがないらしく、飼い主が絶対死なないと思っていたと悲しそうに話していた。
人間だって有機物でできたロボットかもしれない。
弱いロボットも強いロボットもいるが、みな、幸せになるために生きている。無機物でできたロボットが、有機物でできてるロボットに近づくほど、人権みたいなものが必要な世の中になるかもしれないと思った。
◆お断り◆
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コメント
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コメント (6)
今週もお疲れ様です^^
今週はほとんど仕事に時間を取られ、やっとブログを拝見することができました!
トレードもほとんどできずに相場から遠のいてしまった一週間でした^^;
それにしても、マッキンゼーにこのような言葉があるのですね。
トレードを始めた当初、期待や思い込みで売ったり買ったりして短期足に翻弄させられていた自分に
聞かせてやりたいです。
まさに、トレードのすべてを集約したように思えます。
ところで、
ドル円
Mar.13 Tue.
9日足大陽線起点(H1-1)とありますが(H1-2)のことかなと思いました。
これから楽しみにしていた
サンクスメール後編も拝見させていただきます!
それでは、失礼いたしました。
ご指摘有難うございます(^_-)-☆流石、マッキンゼー、シンプルにして核心ついてますね!
ロボットといえば、人造人間キカイダーを思い出しました。
キカイダーといえば、仮面ライダーのような特撮ヒーローものを思い浮かべるかと思いますが、同時並行で少年サンデーに連載されており、私はたまたま散髪屋さんの待合に置いてあった少年サンデーで読んでました。
2000年にほぼ原作に近い形でキッズステーションでアニメ放映されたようですが、今Amazonプライムで見ています。
なかなか良くできた作品だなぁと思いますし、四十数年以上も前にこの作品を描いた石ノ森章太郎氏はやはり天才だったんだなぁと思います。
主人公のジローは不完全なロボットとして生まれ、人間のようになりたいと苦悩しますが、人間の心もジローの心も大差ないんで何か哀愁めいたものを感じます。
人として完全な心を持つことは至難の技かもしれませんが、それを追い求めるのが人間の行うべき業なのかもしれません。
その先にもっと豊かな人生があると信じたいですね。
ゲゲゲの鬼太郎、キカイダー、仮面ライダー、ウルトラマンもそうですが、昭和のアニメや特撮は切ないストーリーが結構ありましたね。
ボクは電人ザボーガーが好きでした。
今回の動画も勉強になりました。ありがとうございます。
大きい足で、大きく俯瞰しているはずだったのに、まだレンジ相場の中を小さくみていたんだなぁと思いました…。
チャートナビの解説を聞いて、私はまだまだ見るべき場所と考え方が足りないんだなと、非常に浅い考えをしてるんだなあと改めて気付かされました。
今、以前とは違い、チャートを見るのがとても楽しいです。
ここのラインが重要そうかな、ここに売りが集まるのかな、などなど。まだまだ浅いですが、少しでも迷晴れさんの思考に近づけるように頑張ります。
これからもためになる動画の配信よろしくお願いします。
チャートを見るのが楽しくなった、こういってもらえるのが嬉しいです(^_-)-☆