16May
今週のユロ円は8時間足レベルの押し目買いが成功し、週足の戻り高値まで再び上昇しました。大きな波の転換期は売り買いの心理戦が発生するので自分本位な期待や思い込みは厳禁です。
自分本位なトレーダーに明日はない。
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これはトレードに限ったことではありませんが、自分のことしか考えない人は負けます。仕事で評価されるには「こうあるべき、こうすべき」的な主観は役に立ちますが、相場では邪魔なだけです。
主観を持ってしまうと、そうならなかったときにストレスを感じます。相場を動かしているのは市場参加者の総意であってアナタの主観ではありません。いかに自分を捨てて、相場を客観的に捉えられるかが勝負の分かれ道です。
今週のユロ円は週明けから波の転換期となりましたが、特にこういう場所でロングするときは、常に反対のショート側の気持ちを考えるべきです。
先週は休憩、今週は始動。
先週はコマ足でしたが、今週は押しが入り上昇しました。週足だけを後から見ると月曜に買って、金曜に売れば丸儲けじゃないかとおもいますが、この週足1本のなかに上がったり下がったりがあるわけで、そういうわけにもいきませんね。
フィボナッチ・リトレースメントの引き方にルールはありませんが、ひとつは白ラインのように大きな波の先端から引く、もうひとつは緑ラインのように意味のある波の起点から引く引き方です。
もちろんフィボナッチはラインではないので、水平線と併用すべきですが、今週の場合は週足の戻り高値と合致する日足ライン(D1-L1)まで上昇しました。
先週は8時間足のRSIが高値でダイバージェンスしていて波の転換シグナルという話をしましたが、結局、上昇トレンドが継続しました。ダイバージェンスが起こったからといっても、8時間足より上位足の影響も受けるので、必ずしもそうなるとは限りません。
8時間足の安値(H8-L1)まで下落してから、再び上昇を始めました。ここは高値を更新した押し安値で、これを割ると目線が下目線になってしまう最終ラインです。押し目買いをするなら、この安値からになりますが、8時間足レベルの波のターンなので、大型タンカーみたいに時間がかかりました。
早くにネックラインのイメージを持つ。
「1時間足ゆったりトレード手法」の記事は1時間足トレンドを5分足転換をトリガーにエントリーするという内容でしたが、今回はポイントBのように8時間足上昇トレンドを1時間足転換をトリガーにエントリーするパターンでした。
記事では長期足のトレンドを短期足転換をトリガーにエントリーするルールでしたが、長期足に何時間足を使うかで、タイミングをとる短期足の組み合わせも変わってきます。1時間足トレンドの押し目を拾うのには5分足くらいで丁度いい感じですが、8時間足トレンドの押し目となると5分足ではサイズ小さすぎます。もちろん5分足の転換でエントリーすれば、かなり安い所から買えて、そのまま伸びれば大きな利益になりますが、そうならない可能性も考えてトレードしないといけません。
ポイントBでは1時間足の戻り高値(H1-L2)をブレイクすることで上昇を始めています。短期の5分足や15分足の戻り高値(H1-L1)をブレイクでロングしても1時間足の戻り高値(H1-L2)でレジスタンスされて、安値を試しに打ち落とされています。
波の転換箇所をトレードするときに意識しなければいけないのは、このようにダブルボトムなどの天底チャートパターンを作る可能性もあるということです。先週はポイントAでV字反転していきましたが、ポイントBでは、ほぼ丸一日かかってダブルボトムをつくっています。
なるべく安く買うのは正解ですが、そこが安いかどうかは後からしかわかりません。v字、ダブルボトム、逆三尊、レンジなどいろんな可能性が考えられるので、予めネックラインをイメージしておくことをオススメします。
ネックラインのイメージがあれば、安いところから買ってネックラインで利食い、下落、再び安いところから買ってネックライン抜けを狙うという贅沢なトレードもできます。天底は売り買いの心理戦が繰り広げられるところなので、自分のポジションのことしか考えられないトレーダーは負けまくります。自分本位ではなく、相場本位に考えられる人が、相場に好かれる人です。
まだ、天底のトレードに自信がないなら、ポイントBでダブルボトムをつくったあと、1時間足の戻り高値(H1-L2)をブレイクしたポイントⅰでエントリーするのがおすすめです。ここは大多数が買いに傾くところなので、スーと上昇し始めています。1時間足2本で90ピプス、充分ではないでしょうか。
押し目買いの根拠が崩れるまで押し目買い。
ポイントBが8時間足上昇トレンドの押し目です。このダブルボトム部分をスルーしてポイントⅰからロングすれば、ストレスフリーなトレードができたと思います。
ポイントⅱはレジスタンス抜けを狙ったロングですが押しが浅すぎて失敗しました。深く押したポイントⅲからのロングもレジスタンスを抜けませんでしたが、ここは逃げれるので利益は出ます。ポイントⅳの押しで高値を抜いていきました。
このように2回程度安値を試してから上昇を始めることは多くて、その際、ダブルボトムのような形をつくります。押し目買いは一発では入らないこともあるので、まだ上がらないかなと思ったら利食って逃げます。
高値と安値を切り上げている限りトレンドは継続しています。このトレンドが崩れない限りは素直に押し目買いをするだけです。
今日のまとめ
昔、遊びでテニスしたとき、手の長さとラケットの感覚がわからずに、ボールに寄りすぎて卓球打ちみたいになったことがあります。そのとき感じたのが、自分のコートにボールが入ってから反応するんでは遅すぎるということです。錦織選手のようなプロは、間違いなく相手の選手の弾道を読んでプレーするはずですが、そういう感覚がトレードにも必要なのだと思います。相場の波が打ち返されるときにも、ある程度は弾道パターンがあるので、その辺の感覚が身につくとボールの捌き方がうまくなるはずです。
◆お断り◆
この動画は教育目的で制作されたものです。相場についての個人の見解を過去のチャートから解説したものであり未来の利益を保証するものではありません。売買取引についての判断は一切行っておりませんので、投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分に考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (8)
とてもためになりました。
週刊チャート分析動画を再生する前に、
あらかじめ、自分なりのレジサポを引いてからと思い、
月足から順にこれは、と思われるところを順にチェックしていったのですが、
ほとんど神秘的というくらい、過去から、陽線陰線、ローソクの切り替わり、上ヒゲ下ひげで
サンドイッチされた線が、ジグソーパズルのピースみたいにはまっていきますね。
去年の11月頃の動画で解説されていた月足レジスタンスも
現在形で直近のトップに君臨しているのですね。
こんなに明快なレジサポが存在するなら、未来右端のトレードも、もっとうまくいきそうですが、
出来上がったチャートにラインがはまるのと、これから動くローソクの動きを追うのとは
だいぶわけが違うようで、現在進行形で各所のラインでいろいろな攻防や決着が繰り返される渦中においては、
よかれと思って手を出したのが逆に行かれたりして、後から見ればわかりやすいチャートだったはずのに、
トータルの結果がたいしたこともない、といった結末だったりします。
とはいえ、五里霧中だった状態から、少なくとも過去チャートにおいてはビシバシはまるレジサポがある、
という事実に確信が持てただけでも希望の光になります。
いつもためになる講義をありがとうございます。
今後とも、レジサポの極意についてのご指南をよろしくお願い致します。
数多あるテクニカルツールの中で水平線はシンプルかつ最強だと思っています。何よりも「動かない」ことがトレード基準として抜群の安心感と自信につながります。ライン=エントリーポイントというより、ライン=目安といった感じで、僕の場合はライン付近の短期足の振る舞いを見て、その事実に対してエントリーするようにしています。損切り、利確、逃げのシナリオを持っておくと後悔のないトレードができると思います。
fx始めて1年の初心者です。
いつも勉強させて頂いてます。
相場師の方に素朴な質問があり、コメントします。
教えて頂ければ幸いです。
相場師のノンさんの捉え方で相場というのはギャンブルだと思いますか?
fxをやっていてギャンブルに思ってしまうことが感覚として出てきてしまってどう捉えればいいの心が落ち着きません。
宜しくお願い致します。
変な質問でしたら申し訳ありません。
FXがギャンブルなら、お金そのものが商品となる金融業はギャンブル業界ということになります。問題は「ギャンブルまがい」なやり方をする人間です。それに例えギャンブルであっても、本物のギャンブラーは凄い人たちです。こちらの記事も参考にしてみてください。http://fxcocoro.com/gambling-magai/
いつも動画で解説いただき、ありがとうございます。
私はいままで、1時間足、4時間足といった比較的大きい足がサポートやレジスタンスラインをブレイクしたらエントリーしてもいいのだと思っていました。
また、ライン付近で攻防しているときも持ち続けて、じっと結果がでるまで耐えていました。
そして自分の予想と逆に動いてしまって、プラスであったものがマイナスポジションになってしまうことが多かったです。
ライン付近ではとりあえず利確して、攻防の結果が出たらそこですぐにエントリーするのではなく、戻りを待ってエントリーすればいいのですね。
思い込みが激しくて、逆のシナリオができていませんでした。
のんさんの解説をみてきて、複数足の相関も少しづつわかってきたような気がします。
大変ためになるだけでなく、同郷・同世代で親近感もありますので、しばらくはこのブログを中心に勉強させていただきたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。
ライン抜けで即エントリーは勝率が低いので、戻りや押しを待つほうが無難だと思います。慣れてくれば飛び乗りもありですが、飛び乗った意識をもって逃げることも考えておかないとやられます。
記事の中段「ポイントBでは1時間足の戻り高値(H1-L2)をブレイクすることで上昇を始めています。短期の5分足や15分足の戻り高値(H1-L1)をブレイクでロングしても1時間足の戻り高値(H1-L2)でレジスタンスされて、安値を試しに打ち落とされています。」というコメントを読んだとき、以前の動画にあった「相場を奥行で見る(同じ場面を時間軸を変えて見る)」に通じることかな、と感じました。
拝見させていただきました。
今回のお話では押し目買いと時間感覚についてとても勉強になりました。
押し目買いとは何かまだまだ解っていなかったようです。
解説をうかがっていると少しずつ理解が進んできます。
理解することと出来ることには大きな溝がありますが、まずは一歩ずつということだと思っています。
ここ数日の間に勉強させていただいた内容の中から、チャートパターンと優位性について「なるほど」という思いつきがありました。
動画を聞いた後に買物に行き急に思いつき、ダブルボトムと確率思考にどんな関係があるのか自分なりに腑に落ちました。
迷晴れ様がおっしゃっていた【裁判のようなもので証拠が多い方が勝つ】ということの意味が少しわかりました。
証拠を集めるということは、要素を積み重ねることによって確率を高まる高まるということだったのですね。
当たり前のことのようですが、その当たり前がより深く理解できたと思います。
あるラインでサポートされたのが一回だけな場合と同じところで二回あった場合と、それがどんな意味を持つのかが解りました。
難しいお話しだとは思わなかったので、最初に聞いた時点でわかっていたつもりでしたが上べだけだったようです。
素晴らしい気づきをありがとうございました。