15Jun
エントリータイミングのとり方は千差万別で正解はないですが、ボクが重視しているのは、自分がどうしたいかではなく他者がどうしたいかです。短期ロウソク足を検証すれば、他者の投資行動がそのまま痕跡として残されています。
新規注文より決済注文にフォーカスする。
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為替相場は注文でのみ動きます。テクニカルやファンンダメンタルは動意づくきっかけになりますが、実際に動くかどうかは注文の量で決まります。注文が少なければ、高値や安値の更新は叶わず、重要なラインもブレイクできません。そうなると、今度は反対注文が入りやすくなって値段は逆に動きます。
為替相場には順張り派と逆張り派が常にいます。あなたがもし、上位足の流れに逆らわずに目線を決めているとしても、それを逆手にとっている側も常に存在します。ぶっちゃけた話、誰がどこで、どれくらいの注文を入れるか、これさえわかれば、そこに自分の注文をぶつけてやるのが理にかなっています。
特別な人を除き、自分の建てた新規注文で相場が動意づくことはありません。ひとりの個人投資家の新規注文など、そもそも蚊に刺されたほどしかなく、何の影響力も持たないのです。自分の注文についてくる人が皆無なら、どこで注文を入れようかと悩むことすらナンセンスに思えてきます。
他者の注文タイミングに合わせて、自分も注文するなら、クジラといわれる大口の注文が入りそうな値段、そして他者の決済注文の値段になります。決済注文には目標達成(利確)、損切り、建値付近撤退(逃げ)の3種類あって、特に損切りや逃げのタイミングでは、慌てや焦りを誘発するため、注文が一点集中しやすいです。そこにタイミングを合わせて自分のエントリーをぶつければ、デイトレードやスキャルピングなどの短期トレードが成功しやすいという寸法です。
これを練習するには、短期ロウソク足の振る舞いを検証するしかありません。インジケーターは新規注文を建てる目安にはなりますが、他者の決済注文という生データを見ることはできません。
チャートの源泉(ソーズ)は値段(レート)です。そのレートを無加工で表示しているのがロウソク足です。インジケーターのような加工データと違い、生データなので鮮度が違います。生魚のように自分で捌く腕が必要ですが、ロウソク足から他者の思惑を感じ取る手法は、シンプルかつ奥深いもので、慣れてくればインジケーターの挙動に惑わされないトレードが可能になります。
天井圏からの売り転換。
安値1で買いポジションを持ったった人の決済レート
1xa 30分足でネックラインを割っていて急落の戻る売りが入ってくることを考慮すれば、ここで利食うのが無難と考え人がいることで、ロウソク足が上ヒゲを出しています。いいポイントですが、週をまたぐのでやめておくべきでしょう。
1xb 安値2での買いが天井でブロックされたレートです。安値1、2と安値を切り上げたにも関わらず高値更新に失敗したことで、安値1の買いポジが、逃げだしそうなレート。
1,2x 手前に小競り合いを起こしました。安値2で買った人の損切りと安値1の買いポジがダブルで逃げ出すレート。
1,3x 安値1の買いポジが解放されるレートですが、このサポートは、買いも入ってくる可能性があるので、106.500を下抜けてすぐに損切りというよりも、暫く上昇後失速したレートあるいは下降フラッグが完成したレートで逃げ出すでしょう。
安値3で買いポジションを持った人の決済レート
1,3x 106.500での買いがレジスタンス未達で失速、下降フラッグの体になってしまいました。このレートは安値1からの買いポジが最終的に消化されるレートでもあり、下降の勢いを強める可能性が高いです。
3x 安値3の買いポジが損切りされるレート。
安値4で買いポジションを持った人の決済レート
4xa 106円キリ番を背中に買ったものの、三角持ち合いの体となり下抜けました。プルバックしたところが一番早い逃げ場でしょう。
4xb 逃げ遅れた場合の損切りレート。
安値7で買いポジションを持った人の決済レート
7x 安値5、6、7で買いポジをもった人は、ダブルボトムの可能性を考えているはずなので、ネックラインとなりそうな高値1辺りから目標達成の利食いを入れてくるはず。安値7を下抜くと、短期的に下目線のなるので決済しておくにはよいレートです。
高値2で売りポジションを持った人の決済レート
2x 高値1、2からの売りが失敗したことを示唆するレート。安値5-8と切上げていることを考慮すれば、イレギュラーな動きが収まってからなら買いエントリー可能です。
下降トレンド戻り売り。
安値3で買いポジションを持った人の決済レート
3x 30分足で下降トレンド中という背景からして、いつプルバックが完了して戻り売りが入るかわからない状況といえます。安値1,2で買いポジを持った人も、高値1、2で決済しますが損切り覚悟でホールドしている人は、このレートで決済することになります。
高値1、2で売りポジションを持った人の決済レート
1,2xa 安値1、2を下抜けずに戻り売りの失敗を示唆するレートで、ピンバー気味なロウソク足も出ています。
1,2xb 安値4からの買いと高値1、2からの売りが小競り合いを起こしました。売り負ければ安値4からの買いが高値を更新してしまう瀬戸際の逃げ場です。
1,2xc 高値1、2からの売りポジが損切りされますが、ここまで持っていなくても逃げ場はあります。
安値4で買いポジションを持った人の決済レート
4x 戻り売り候補までの買いを狙うので、小さなダブルトップをつくったことが利食いの根拠となります。
クイズ解答:天井圏からの売り転換
安値1で買いポジションを持った人の決済レート
1xa ネックラインまで戻りませんでしたが、急落の戻り売りが入ってくることを考慮すれば、ここで利食うのが無難と考え人がいることでロウソク足が上ヒゲを出しています。いいポイントですが、週をまたぐのでやめておくべきでしょう。
1,2x 安値2からの買いで安値切り上げましたが続かず失速、ここで逃げないと建値まで戻ってしまいます。
1xb 安値1を下抜ければ損切りとなりますが、プルバックを待って建値で逃げたい人もいるレート。
安値2で買いポジションを持った人の決済レート
1,2x 安値2からの買いが失敗したレート。ここで逃げれば微益が残ります。
2x 安値1の買いポジと安値2の買いポジがダブル決済されるレート。
安値3で買いポジションを持った人の決済レート
3xa 安値1でレジスタンスされ小さなダブルトップをサインに利食いされるレート。
3xb 安値3での買いポジが逃げ出すレート。
安値4で買いポジションを持った人の決済レート
4xa 119.500でレジスタンスされレンジ化、下にブレイクしてしまえば逃げざるを得ません。
4xb 逃げ遅れた場合の損切りレート。
安値5、6、7で買いポジションを持った人の決済レート
5,6,7x 30分足ネックライン付近、戻り売り候補、かつ小さな天井圏をつくった利食いレート。
高値2、3で売りポジションを持った人の決済レート
2,3x 安値6を安値7と更新できないことを考慮して利食いするレート。
3x 高値3からの売り失敗が確定するレート。イレギュラーな値動きを除けば三角持ち合い抜けで買いエントリー可能です。
2x 安値2からの売り失敗が確定するレート。
トレードする上で「平常心」のキープは絶対ですが、これがなかなか難しい。自分の大切なお金がみるみる減っていくのを見て、平然としていられる精神をもともと持っていたら異常だと思います。僕も負けると散々、錯乱しましたが、あるときふと気が付くと、これが収まってました。
「負けたときの、この怒りや悲しみはどこからくるのだろう」
そう考えた僕は、その原因を探りました。そしてわかったのは、負け方に納得できないから怒りがこみ上げてくるという事実でした。勝つ方法ばかり試行錯誤してましたが、負けても悔しくない負け方ができないものかと考えました。納得できる負け方なら、負けても然程、感情が乱れません。そういうこともあると割り切れます。
僕がインジケーターに頼らないのは、インジケーターという二次的で加工された情報を信頼していないからです。完全に信頼していないものを無理やり信じ込んで負けるから腹が立つのだと気づきました。自分がつくったわけでもないインジケーターを信頼して、それにお金を預けるということが、どうしても腑に落ちなかったわけです。それを信じてもいい理屈がわかりませんでした。
僕は子供の頃、方程式がとても苦手でした。そのまま信じて式に当てはめれば答えがでる便利ツールですが、なぜ成り立つのかが理解できなかったからです。数学という学問の源泉(ソース)に触れずに、答えだけ合っていれば良しとすることに違和感がありました。悩んでも仕方ないことに悩んでいると先生にも言われ、テスト勉強のために方程式を渋々覚えましたが、大人になっても、その純粋な悩みを捨てきれなかった人が数学者となって新しい方程式を生み出すのでしょう。
トレードに関しても手法やインジケーターなどの加工された情報がネットに散乱しています。学生がどの方程式を当てはめれば正解が出せるかのように誰もがその情報をまさぐっています。しかし、それは相場の源泉(ソース)に直接触れているようには思えません。
事故でもう亡くなってしまいましたが星野道夫さんという写真家がいます。写真集を見て泣けてきたのは、この人が初めてでした。
「浅き川も深く渡れ」
小学校の卒業文集の言葉です。星野さんは、高校2年のときにアルバイトしたお金でアメリカを横断、その後アラスカに移り住むことになります。数々の素晴らしい動物写真や言葉を残してくれましたが、僕が一番好きなのはこの言葉です。
この言葉は、「複雑なことを単純に、単純なことを深く考える」というトヨタ自動車の経営哲学にも似て、上っ面ではなく、本質に触れろという解釈をしています。
相場の本質は、投資家の心理であって、それを純粋無加工で表現したものがロウソク足の振る舞いなら、それを学ぶのが王道ではないかと僕は考えています。
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コメント
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コメント (18)
拝見させていただきました。
他者の想いを考えてトレードする。
今回お話しいだいたこのことは私が最も身につけたい手法です。
もし聖杯というものがあるとすれば唯一これだけではないでしょうか。
私は頭が良くないせいもありますが、性格的にも突き詰められない複雑なことが嫌いです。
これだけが自分のよって立つモノと呼べる人生の相棒のような手法を一つ手にしたいです。
でも多分これはトレードのことだけではない気がしています。
どうやら自分はトレードと人生に共通する手法を求めているようです。
欲張りすぎのようにも感じています。
そんなものあるのか、あっても自分が手に入れられるのかともl考えます。
でも、求めることを止められないのもわかっています。
最近わかって来ましたが、自分は諦められないのではなく諦めるという能力が無いようです。
難儀なことでもありますが、迷晴れ様の教えから手がかりをいただき前に進もうと毎日努力している次第です。
これからも何卒よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
相場を知ることは、市場の心理を知ることだと考えています。それを知るのに一番良い方法を択べば、自ずと道が開けてくると信じています。100%勝てる手法など存在しませんが、これなら100%信用できるというものを見つけて磨いていく。僕の場合はそうしてきました。手軽で簡単そうに見える手法も、理屈が腑に落ちなければ信じて使い続けることができません。
自分が(売りたい/買いたい)と思ったとき、逆の立場になって考えろ、という内容は以前にも説かれていたと思いますが、ようやくそれが腑に落ちるような動画が出てきたと思います。
それでいいと思います。
nonさんから見れば、同じことを違う形で何度も言っているように思われるかも知れませんが、見る側からすれば、どんな切り口が心に刺さるかはその人次第で分かりません。
自分には、この動画が刺さりました。
これからも、nonさんの信条をいろんな切り口で紹介して下さい。
よろしくお願い致します。
今日から見始める人もいるので、意図して同じことを切り口を変えて何回も伝えるようにしています。ブログなので、どうしても過去記事が埋もれがちになりますね。
こんばんは、
仮に負けなかったとしても、ミスったエントリーは腹が立ちます。最近は、だいぶマシになってきましたがまだまだです。
技術が高まれば心は安定し、心が安定すれば技術が高まるのだという関係だと思います。
スポーツや武道は、心・技・体ですが、相場も心が安定しないといい結果につながりませんね。
そのためには技術の向上であり、実践検証の繰り返しであり、それを支えるのはメンタルで結局表裏一体なんですね。
その困難さを知っているので、一流のスポーツ選手やその道の達人はその技術もさることながら人格までも賞賛されるのでしょう。
その通りだと思います。トップアスリートは、一本、筋の通った感じがしますね。
はじめまして shimizuと申します
いつも毎回欠かさず 拝見させていただいております
今日実際にトレードできて嬉しくなり 今回思い切って投稿させてもらいました
早速ですが
ドル円 1分足 レンジブレイクした 14:15 ロング Aさん
14:27 押し目の Bさん の気持ちになって
14:40の天から 14:50 の安値割で「おや!」 逃げの準備
14:55 左肩を超えないので A.B 利確 自分は ショート
15時すぎネック割れで A.B 微益 その後 自分は利確
こんな 冷静なトレードは初めてでした
ありがとうございます
暑くなってきますが お体に気をつけてください
ナイス、トレード(^^♪
マヨさん、こんにちは。
今日もすばらしい解説をありがとうございます。
今日は反対玉の3つの決済ポイントについて詳しく解説されていてとても参考になりました
自分のエントリーに深い意味ガないのなら、反対玉の人たちがどこでなぜ決済するのか、その感情に沿うというか賛同する感じで自分もエントリーするイメージでよいのでしょうか?私の場合はこのように考えるとしっくりくる感じです。
今日のお話でこのところのモヤモヤしていたものが晴れた気がして嬉しいです。
それにしてもマヨさんの市場参加者に対する細かい心理分析はさすがです。
私はこんなに細かく反対玉の決済にエントリーをぶつけることはできないと思うけど、自分が決めた値の位置にレートがきた時に今日の解説は役に立つと思います。
まずは過去チャートで練習したいと思います。例題と同じく静止画像で反対玉の方の感情がどう動いているのか高安の更新を中心に確認して、ろうそくの所作に注目しながら観察してみます。
そんな感じでいいと思います。動意づくには、反対玉の決済注文による【圧】が必要だと感じています。バラバラ入る細かい注文より、一点集中で一気に入る注文に自分の新規注文をぶつける感じですね。
はい、ありがとうございます。
一点集中で一気に入る注文とは、3つの決済の中では損切りということですね。
マヨさんが繰り返し動画で話しておられる反対玉の損切に自分の注文をぶつける理由は、3つの決済の中で一番多く注文が入るからなのですね。
利確ではまだ伸びるかもしれないから全員が確定しないかもしれないと考えて、
逃げではもしかしたらまだチャンスがあるかもしれないと考える。
けれども損切だけはどうにもならない、そういえば自分が損切するときもこんな気持ちになっています。
このように3つの決済を比較して初めて納得しました。
それからちょっと我侭で申し訳ないんですが、ろうそく足の所作についてなんですが、ろうそくの配置についてのお話をできれば今一度特集していただきたいです。負担にならない範囲で結構ですのでいつかお時間ができたらお願いいたします。
今回も本当によい勉強をさせていただきましてありがとうございました。
最近こちらのサイトを知り拝見させて頂いております。
私も小さな会社を経営していましたが
会社を閉鎖して、夜間のアルバイトと知人の会社で再起を図るべく頑張っております。
迷晴れさんの動画は、FXのみならず経営再建や人生を生きるための指針になることが
多く勇気づけられています。今回の動画は、FXでもとても参考になりましたが
「浅き川も深く渡れ」という話は、とても心に響きました。
ありがとうございます!
FXもこの動画を見てから少しずつ勝てるようになっています!
はじめまして!動画も300本近くありますので、ゆっくりご覧ください。
お世話になります。迷晴さんの動画、ブログを拝見・検証するたびに新たな発見があります。
まだ大波には乗れませんが、小波には乗れるようになりました。
昨日は16トレード全勝でした(獲得PIPは少ないですが、金額で約5万円の利益です)
迷晴さんの、丁寧な解説のおかげであるとしか思えない結果です。
これからも勉強させていただきます。
今後の目標は、トレード数を減らし大波をつかめるようになろうと思います。
ありがとうございます!
16トレード全戦全勝は凄いですね!一日5万なら月100万円コースですね、素晴らしい(^^♪
ご返信ありがとうございます!
迷晴さんに心から感謝です!
いつも拝見させて頂き、ありがとうございます。
昨年の5月頃、マエストロの佐野先生のメルマガに紹介されて以来、相場の本質を解説されている多くの動画を拝見し、勉強させて頂いております。この動画はとりわけ、相場参加者の心理をより個別具体的に解説されていらっしゃり参考となりました。
今までエントリーポイントに苦戦しておりましたが、正に迷いが晴れた次第です。
ありがとうございました。
コメント有難うございます。参考になって幸いでした。佐野先生という方のメルマガで、ボクの動画が紹介されたのですね。