27Aug
迷晴れボックス第103回、視聴者さんのトレードをテクニカルとメンタルの両面から深~く考察する代理学習シリーズ。
pankoさんのトレード投稿
下位足でのタイミングの取り方、トリガーについて。
いつも週間チャートナビや、その他多くの動画を参考にデモトレードに励んでいるpankoと申します。普段は仕事終わりの夜にチャートを監視し4hr、1hrの押し目買い・戻り売りを狙うトレードをしております。上位足の環境認識については毎週、週間チャートナビと自身の認識を擦り合せたりすることで、ある程度上達したようには思うのですが、下位足に落とし込むことができていないのではと感じております。今回は初めてにはなるのですが、迷晴れさんに今の状況を改善するために必要なことを教えていただきたいと思い投稿させていただきました。
ドル円の2020年8月5日のチャートになります。
日足チャートにおいては、7月は大きな下降波を形成するも、月足、日足は2019年安値を下抜けずサポートされていると判断。ですが、流れは下降のため、下降波の戻り売りとサポートからの押し目買いがぶつかりそうであることを想定しておりました。
19年安値サポートからの押し目買いをシナリオとして想定できたのは素晴らしい!
4hr足では上ダウになっているため、そのレベルでの押し目買いを狙いたいと考え、4hrMAに引きつけて下位足を見て買いを考えていました。
4時間足はオレンジ高値を抜けないとアゲダウにならない、1時間足レベルは青高値を越えてアゲダウ。
1hr足も上ダウになっているものの、7/31上昇波のハラミの中。4hr押し目形成までの調整であると考え、フィボナッチ38.2付近からの押し目買いを考えていました。さらに、その時点で15分足で上昇の流れに転じたら買いを考えていました。
押し目形成までの調整、この判断いいですね!
15分足にて、Wボトム形成してネック上抜け後、形成されたハラミ足を上抜けラス戻り高値も上抜いたところで買いエントリー。利確の第一目標は106円、次が106.5円。損切りはハラミ足下限に設定。しかし、少し上昇するもその後急落し損切りとなってしまいました。
反省点
・抜けた瞬間に入っていて早すぎる、押しを待ってから入ったほうが良かったのでは?(その場合、今回はエントリー見送り)
・下降波からの戻り売りの勢力を考えることができなかった。
・4hrレベルの押し目買いとして、15分足のWボトムではサイズが合っていなかった?
・利確の第一目標までのリスクリワードは1:1であまり良くないポイントでのエントリー。
今回のトレードについての投稿で迷晴れさんにお聞きしたいことが3点あります。
・迷晴れさんであればどのように環境認識されていたか?
・今回のエントリーは迷晴れさんであればどのように対応していたか?
・ハラミ足の上抜けをトリガーとしたが、そのトリガーは適切であったか?
特にトリガーについて、チャートパターンではなく値動きでのトリガーとすることが上手くできていないと感じております。また、値動きでのトリガーだと、その時々で根拠が変わってくるためどのように検証していけば良いのかがわからず詰まってしまっている感覚です。
曖昧で伝わりにくく申し訳ありませんが、迷晴れさんが値動きによるトリガー成立の成果を得るまでに、どのようなことをしてきたのか、上記に加えてご教示いただけますと幸いです。同じような悩みをお持ちの方にも良い例となれば、参考になれば嬉しいです。
迷晴れ的考察
まず、結論。
波の軌道が読めないのに、トリガーなんて考えなくていい。
ロジカルなシナリオが、かつ、波の軌道イメージが実際の値動きと合致するレベルなら、シビアすぎるロスカット設定にしない限り(シナリオの根拠崩れで損切り)、勝ち負けはトリガーに左右されません。勝てばシナリオ通りだし、負ければシナリオ崩れ。どちらもロジカルにトレードできたことになります。
トリガーは適切な波の軌道イメージと併せて使用することで機能します。
pankoさんのトリガー「はらみ足ブレイク」を起こった現在値が、狙った押し目買いの2番底としてふさわしくなければ機能しません。
現在値の意味付けこそ肝心で、そこが適切でないと、Mトップだから売り、Wボトムだから買いといってトレードと同じことになります。
「4hrレベルの押し目買いとして、15分足のWボトムではサイズが合っていなかった?」
ここで原因に薄々気づかれてますが、今回の負けトレードの原因は、pankoさんの頭のなかの波の軌道イメージと、実際の波の軌道が大きく異なることにあります。
トリガー云々の前に、波の軌道イメージを読めるようになるのが先です。
そこで、波の軌道を読みやすくするため3つのマインドセットをご紹介します。
1.波は線ではなく面である。
波のジグザグはチャネルと呼ばれますが、これが波の道を示してると考えます。今回のチャートも1時間の青下降チャネルに沿って売られてました。
仮にこのチャネルを引けなくても、波には道があると意識しておくだけでもトレードが変わります。
波が反転するためには買い手側がこの道をバリケードでくい受け止めなければいけません。
pankoさんはまだ下り坂の道が続いてる途中でロングしています。
このサイズの道を通行止めにするには、このサイズに適したWボトム・バリケードが必要です。
さらに、下り坂の道を通行止めにしてから、下降チャネルを上抜けないと本格的には買われません。
波の軌道を読めない状態で短期足をみるとイキナリ目の前にボールが現れた感覚に陥り、慌ててラケットを出してしまいます。
そうなると、お好み焼きをコテでひっくり返するような奇怪なコテ返しエントリーをしてしまいます。
押し目買いとは、売られたボールを打ち返す技です。
- 高値で売られた時点からの流れをよく観察して波の幅を把握する。
- 売りエネルギーを受け止める。
- 反発力で打ち返す。
このようなチャー・シュー・メーンのリズムで挑んでください。
2.相場のすべては相似形(フラクタル)である。
一方の形・性質が他方のそれと互いに似ていることを「相似」といいます。
いつもお話してる複数時間足のフラクタルは相似形という意味でもあります。
ボクは相場のすべては「相似形」なのではないかという仮説に基づき、いろいろな推測をしてます。
今回なら天井側2つの高値に1時間足25本分、底値側2つの安値に1時間25本分が「相似」していて、サイズでいっても相似形になってます。
イベントや重要な節目が絡む場合、必ずしもそうなるとは限りませんが、その後に調整され中期的には相似形になることが多いと感じています。
3.トリガー魔法のタネはセットアップにある。
どういう状況になればトレードできるのか?
このトレードに最適な状況想定を「セットアップ」といいます。
ロジカルにトレードしたいなら、「背景の整理」を含んだこのセットアップを丁寧に考えるべきです。
トリガーとはさらに下位足を使ってエントリーのタイミングすらロジカルにしようというものです。
セットアップとトリガーの関係も実は本質的に相似形(フラクタル)なんです。
セットアップWボトム2番底+wボトム2番底トリガー(W+ww)なんかはまるっきり相似してます。
ただ、波の軌道が読めない状態だとセットアップのイメージが不完全なので、トリガーだけ決めてもうまくいきません。
「4時間クラスの波の反転にどれくらいのMボトムやMトップが適当か?」
この疑問がわく現状で下位足に落とし込むのはムリなので、極小の損切りは一旦諦めてください。
おそらく、下位足の印象にひっぱられるアンカリング効果や、自分に都合のいい情報だけを集める認証バイアスにやられるのがオチでしょう。
下位足に落とし込んで大丈夫な人は、波の軌道イメージが下位足をみてもブレない人だけです。
それに、下位足に落とし込めなくてもエントリーなんてできます。
ネット上の「エントリー・ポイント」というワードに惑わされてはいけません。
トリガーが魔法のように決まるのは、トリガーではなくセットアップの正確さによるもので、トリガーだけ真似しても同じようにはなりません。
ロジカルなシナリオ+セットアップができれば必然的に適切なポジションを持てるし、そのトレードはロジカルです。
トレード総括
さて、確かに38.2%押し目候補×4時間sam21に反応していますが、前述したように、この時点では下り坂の途中であって通行止めになってません。
天井側にある1時間足25本城を攻め落とすのに、底値側にも1時間足25本分の砦(十分に売り尽くされた)というマーケットの同意が求められると考えます。
仮に38.2%押し目を成功させた未来があったなら、105.5サポートでの逆三尊が必要になったでしょう。
このチャートでボクが押し目買いするならポイントは2か所。
半値押し目への2回目の試しで青1イン、または、1時間CH高値を1時間足以上が抜けて105.5へ下押しした青2ロング。その後はpankoシナリオの通りちゃんと106円まで買われました。
ぶっちゃけ青1以降なら、ロスカットを半値押しの下に置けば、どこでロングしてもロジカルなトレードができます。
はじめはこれくらいのざっくりさでOK。ポイントに拘らなくてもエントリーのゾーンとして範囲でみるほうが簡単ではないでしょうか。
pankoさんはシナリオは描けているので、次は波の軌道が読めるようになってセットアップを極めて下さい。
そこで「トリガー」を使えば、そのトリガーは魔法がかってみえます(笑)
まとめ
チャートをデザインとして観察する。今回はこのお話でまとめます。
シンメトリーとは左右や上下、斜めが対称なことを指します。
西洋の庭園や建築物にシンメトリーなデザインが多く、日本の庭園や生け花はアシンメトリー(非対称)です。
日本の非対称も粋ですが、チャートの造形はシンメトリーではないかと感じます。
天と底のデザインは時間軸や値幅軸に対するシンメトリー。
チャネルラインが引けるのはトレンドに対してのシンメトリー。
なぜこうなるのか?
これは心理学的でいう「シンメトリー効果」に起因してるかもしれません。
シンメトリー効果とは、人が対称に対し誠実感、安定感、安心感、美しさを感じ、好感を持つというものです。
なるほど…マクドナルド、スターバックス、シャネルのロゴ・デザインもシンメトリーです。
相場の値動きには信頼や安定、美しさを求めるシンメトリー効果が影響を及ぼしてチャートを形造るのかもしれません。
普段からチャートのシンメトリーなデザインを目に焼き付けていると「ここで反転するにはまだ早すぎる」といった違和感を感じることがよくあります。
美術商が眼を肥やすべく美術品を鑑賞するような感覚で「安定した美しさ」という基準を以て意図的に毎日チャートを観察することで、目利きになっていくものなのかもしれません。
生まれ持ってデザインセンスや造形センスのある人はトレーダーに向いているかもしれませんね。
相場に限らず、この社会でも、出来事は異なっても本質的に同じが結構あります。
夢をかなえるために代償を支払う。
夢と代償という出来事から受ける印象は真逆ですが、夢をかなえるための代償なので本質的に相似してます。
もしかすると、世の中のすべての出来事がフラクタルになっているのかもしれません。
◆お断り◆
この動画は「学習」を目的に制作されたものです。個人の見解を過去のチャートから解説したものであり、未来を予想したり、利益を保証するものではありません。
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コメント
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コメント (6)
毎週動画ブログ更新ありがとうございます。
さっきの「ジャクソンホール会合」は面白かったですね。私は+100pipsで止めましたけど、迷晴れさんの指標トレードの教えの通りにしていたらもっと取れたはず。。
さて、MTFの陥穽の件ですが、
週ナビを中途半端に見てるとハマるやつです。
大事な部分はどこなのか。
なので、みなさんブログ読みましょう!動画は時間で終わりますけどブログは納得が行くまで好きなだけ読めますから。笑
パウエル発言でドル円を下から買えた人は結構いそうですね、止まるべきところで止まったので(^_-)-☆
いつもご教授頂きありがとうございます。シンメトリーの解説がありましたが、実際チャートの中ではいたるところに出てくると思います。N字波動やレンジブレイク後の幅、三尊逆三尊の値幅等あらゆる場面で応用できると思いますので注意してチャートを見ていきたいです。それと時間の計測も短期足と中期足、長期足でそれぞれ違うことも頭に入れておきたいです。1時間以上の足ではその場ではV字に見えても、時間が経てばまた同じところに来そうだとということが頭に入ってるかどうか、そうした時間の感覚も相場観として見につけていきたいです。
おつかれさまです!普段からシンメトリーを意識しておけば、違和感に気づきやすくなりますね。
いつも素敵な動画をありがとうございます。ものすごくシンプルなマイルールですが、「波が美しく見えないならばエントリーしない」というのがあります。これ実は効果てき面です。チャートをある種の造形物として捉えると、それぞれの時間足で山と谷の形成時間を推測して美しくなった所でエントリーを考える、これだけでもトレードが変化してくると思います。
ちなみに、自分が利を伸ばせるようになったのは、「今の波は1時間足(4時間足)のリズムで動いているので、次の1時間足(4時間足)までは持てるな」と考えるようになったからだと記憶しています。現在の波がどの時間足のリズムで形成され、動いているのかという波動のイメージさへつかめたのであれば、5分や15分での逆行に動揺することも少なくなるはずです。狙っている波のセットアップが整う前にフライングゲットしてしまい負けてしまうという壁を突破することがビギナーの方々がすべきことで、魔法のようなトリガーを探すことではないですよね。今回の動画も見ていて頷きながら拝見させていただきました。
美しくないチャートではトレードしない。いいですね~感覚的ではありますが、値動きってリズミカルですよね、リズムが崩れても、しばらくするとリズムを取り戻す。交互に繰り返すリズムとノンリズム、身体で覚えるのがいいいですね。