20Sep
この記事は、ブログの迷晴れボックスより投稿された、敗け・失敗・納得できないトレードをテクニカルと心理の両面から検証するコーナーです。
目線切り替えに失敗したトレード : ご投稿者 WAMUさん
下記は2017年9月13日のトレード記録です。通貨ペアはユーロドル。上位足のトレンド方向へ、レンジの上限下限、もしくは、押し戻り候補のラインでのエントリーしています。その日の4時間足、1時間足の目線はロングでした。
環境認識
4時間足は週足レベルのレンジを越えて上昇傾向だったが、急落を受けてwトップを形成しようとして失敗している。
1時間足は長ヒゲで作ったラインのブレイクに失敗し、トレンド変換ならず。ロング目線の押し目ラインから反発し、売り目線の戻り候補ラインでレンジになっている。
執行足(5分)は1時間足レンジの上部で分足レベルのレンジを形成中。
トレードプラン
レンジ内上部に固まってるので、レンジブレイクから上に伸びる、もしくは、もう一度下のラインを試しに急落し、そこから上のパターンかも知れないと予測。
5分足レンジ上限を一度破ったのを受けて、レンジ下限付近のピンバーでロングしましたが、下落がレンジ下限を破って戻り、高値更新に失敗しそうなのを受けて建値で逃げました。
その後高値更新失敗を受けて、小さなwトップ気味になったので、下落もありえると考えてショートするかどうかで迷いが生じました。
このとき自分の環境認識からショートはリスクが大きいのではという考えでした。(イメージ図参照)
売るなら最適なのはイメージ画像の青矢印からですが、上目線のレンジ内なので、緑線でレジスタンスされる可能性があるかなと。安全策ならレンジを突き破ってから入ればいいのですが、このパターンだと安値ラインで跳ね返されて上に行く奴でやられたことが多数あり、幅は20~30pipsありますが、動きが速かったら判断が間に合わず逃げ切れないかもなと…
迷ってるうちに、さくさく下落していき、レンジブレイク。戻りもほぼつけずに落ちていき、図の通り安値更新に失敗して強い陽線がでればロングしようと構えていましたが、あっさり突破してほぼ戻りなく落ちていってしまいました。
これがもっとも最近の目線の変化についていけなかった事例です。
上位足の目線に執着しすぎてロングの期待が強すぎたんですかね?
週間チャートナビで、この部分の解説があり、このユーロドルは高値圏で難しい期間ですとありました。この時点で自分の環境認識がだめすぎるなと。難しくなる認識がまったくありませんでした。
週足のレンジを上抜いてるし、上目線で大体OKなはずと思い込んでました。
これが週足レンジ内の高値圏であれば、下目線に変わる可能性も高いと警戒することもできるのですが、高値圏、安値圏の区別がつかないのも相変わらずで相場観が身に付かない部分です…どーやったら環境認識の技術って身に付くのでしょうか…?
このトレードの場合は、そもそもの最初の環境認識からしてズレてるのであれですが、上位足トレンドと逆行するトレードをしたい場合に、躊躇い無くエントリーできる方法が思いつかない。
このトレード例だとイメージ図青矢印でエントリーした後、レンジ下限ライン付近(5分足画像青点線ライン)で陽線が確定した時点で建値に損切りを置く?ただし、ブレイク後のちょっと深めの戻りが発生するとあっさり引っかかるかもしれないし、悩ましいです。
自分の場合、含み損は出来るかぎり抱えたくないので最初から逆指値を挿していますが、時々あるトレード動画を見る限りだと、初めからは逆指値入れてないですよね?
※逆指値は20ピプスで設定していますが、これは事故防止のためで、そこまで達する前に切っています。
目線を外したとき押し戻りを待ってからエントリーに近い位置で切る(場合によってはドテン)ことをされているように見受けられます。
逆トレンドで入るときは別かもしれませんが、目線と逆に一方的なトレンドが発生して押し戻りが無かった場合はどうされてますか?
または強い押し戻りが発生しそう、しそうにないと予測する方法はありますでしょうか?
目線決め
WAMUさんの言われる通り、ここは売りと買いが綱引きするエリアなので、売り目線と買い目線の人が、真逆の期待をしています。
売り目線なら、高値更新の弱さから、Wトップの可能性を意識して、戻り売りポイントを探っているでしょうし、買い目線なら、高値更新からの、押し目買いポイントを探しているでしょう。
WAMUさんは「買い」を選んだわけで、ならば、この急落をとれなくても仕方がありません。
むしろ、急落に反応してマウスをクリックしなかった自分を、褒めてあげるべきだと思います。
ここからはボクの解釈ですが、今回のエリアは天井になってもおかしくないかな…と分析しました。
WAMUさんは、週足水平線(レジサポ転換候補)をブレイクしたといわれてますが、週足はまだ実体で抜けていません。つまり、レジスタンスされる可能性も大いにあることを示唆しています。
ひとつの波の寿命は、エリオット波動論などでいわれているように、およそ5波です。上昇なら3段登れば寿命が尽きます。
今回の箇所は、5波目の上昇クライマックスなので、短命かつ乱高下しやすい性質があります。
ひとつの波の寿命が尽きると、白破線のように、一度、大きく押してから、一回り大きなサイズの波に成長します。
4時間足をみれば、先週、高値更新してはいますが、週足レベルではブレイクできてない事実があり、高値未更新とも観れます。そうなると、早々と売り始める人や、ロングの利食い組もでてきます。
高値(オレンジ〇)更新率は10%未満で、上昇トレンド継続になるか、天井になるか、正直、どっちもあり得ます。
補助的にRSIを表示しました。RSIは、市場参加者の心理を描画するインジといわれますが、見ての通りダイバージェンスしていて、レートは高値更新していますが、心理的な高値は切り下げています。
RSIでみると、赤〇は絶好のショートポイントです。このように、RSIに水平線を引く使い方もできますが、高値更新率や、上昇波の回数、上位足レジスタンスでも分析できます。
インジに頼ると、自分の頭で、環境認識する力が育たないので注意です。5分足などの短期足でRSIを使っても、上位足レジサポが絡むと機能しません。結局、地道に相場観を身につけるしかなく遠回りするだけ、経験済です。
WAMUさんは、青矢印のような押し目買いによる上昇をイメージしていたのかもしれませんが、グレーゾーンは戻り売り候補でもあるので、グレーゾーン上限では売られやすくなります。
エントリータイミング
ボクが買い目線だったら、前日足終値サポートと4時間足オレンジ水平線に挟まれた、このグレーゾーンで観て、買えるところはありません。
- WAMUさんはオレンジ〇を高値更新と観てますが、わずかに、1.8ピプスで、更新率10%未満&ヒゲです。
- 青〇ピンバーでロングとありますが、見る限り、まだ下がっている途中にみえます。おそらく1分足でみても、転換する仕草すらないと思われます。
- レンジ下限を破ったとありますが、緑〇部分の更新率は10%ほどで、もみ合った形跡のある日足終値が直下にあるのでブレイクとみなせません。
おそらく、早くロングしたい焦りと期待が、判断を狂わせてしまったのかもしれません。
昔、ボクが自宅の小さな庭のレイアウト図面を引いていたとき、横幅2mしかないのに、4mぐらいなイメージでとらえてしまったことがありますが、大きく見えるのが「期待」の怖いところです。
今回のような、どっちつかずエリアで、売り買い両方の動きに対応するには、予め、自分の正面と背面の両方に、銃座を構えておく必要があります。
それでも、完全に50:50なニュートラルでいることは難しく、買い目線が正面なら、それが完全に失敗したところからしか、背面に回れません。
たとえば、戻り売りを正面として構えていれば、緑の高値更新失敗のあと、白〇で上に行く力がないと観てショートできますが、バイアスが少しでも買いに傾いていれば、おそらく躊躇してしまうでしょう。
なぜなら、グレーゾーンを下抜けても、1.1950サポートから、プルバックする可能性を拭えないからです。
押し目買いの失敗が、ある程度確信認できるのは、このプルバックによる上昇が、赤破線辺りで止まるか、売りの勢いが強すぎて、プルバックさえできなかったところ、つまりピンク〇です。
もともと、このグレーゾーンは戻り売り候補でもあるので、戻り売りが入り始めるとドンドン売りが入ってきますし、それに合わせて買いポジは逃げ出します。
NY市場がオープンしたことも手伝って、ほぼ、戻りをつけずに下がっていきました。下げの勢いが強く、レートも-2σの外側にあります。
昔のランドセルは赤と黒しかありませんでしたが、今や、ピンクやブルーもあります。ひとつの正解を良しとした昭和と違って、今は、人それぞれに違う答えあって良しの時代です。
トレードも、ひとつの正解などありません。
それぞれの状況で、仮説をたて検証し「納得解」を得ることが求められます。
今回の投稿を拝見すると、エントリータイミングに関しては、目先の動きに翻弄されている感がありますが、大枠の、相場観としては、WAMUさんのような解釈もできます。
なので、WAMUさんが、押し目買いを狙ったことに納得できていれば何の問題もありません。
買い目線なら、下がってきたら買おうと決めているので、急落に対応できなくて当たり前。
売り目線なら、上がってきたら売ろうと決めているので、急騰に対応できなくて当たり前です。
突然、背後から獲物が現れても、すぐに対応はできません。
なので、予期せぬ急落に手を出さなかったことは、正しい判断だと思います。
このひとつのトレードだけみれば、大きなチャンスを逃した後悔があるかもしれませんが、入らなくてよかった未来もあったはずです。
トレードに正解はない、あるのは納得解だけ。
このマインドセットが大事です。
もし、自分の判断に納得できないのなら、そこを、深堀りすべきだとます。
環境認識に自信がなければ、この記事をヒントに、天底の値動きを検証してください。WトップやWボトムは、必ずしも教科書通りに、左右の高さがそろうわけではありません。
今回のチャートなら、5分足の高値更新が未遂になったところ辺りから、どうする?どうする?という心境に陥いっていることが気になります。
せっかく、直前まで冷静な判断をしていたのに、勿体ないです。
如何なるときも、こうする!と決めておくこと、決められなければ何もしないことです。
買いシナリオが完全に崩れたところで、目線を切り替え、売りシナリオを発動させることができますが、これはこれで、こうする!と決めておかねばなりません。
そうしないと、トレード中に目線が宙ぶらりんになって、結局、虻蜂取らずになってしまうからです。
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コメント
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コメント (6)
こんにちは。素早い質問の回答ありがとうございました。
環境認識に関しては自分のMT4は一度インストールし直してて過去のデータがあまり入ってなかったので週足をみててもサンドイッチラインには気づきませんでした…それとwボトム(UPして見るとレンジに見える)になってる最高値を抜いたので上がる一方的なイメージが強すぎたようです。
日足の5波は確かに意識してませんでした。波をイメージするのが下手なのでzigzagを入れたのですが、
普段、エリオット波動は意識してなかったので見落としたようです。
>WAMUさんはオレンジ〇を高値更新と観てますが、わずかに、1.8ピプスで、更新率10%未満&ヒゲです。
これはその通りです。書いた後に気づいたのですが、5分足ですら実体を超えていたのは安値更新の方だけでした。実体越えをラインチャートで確認するべきでした。
>青〇ピンバーでロングとありますが、見る限り、まだ下がっている途中にみえます。おそらく1分足でみても、転換する仕草すらないと思われます。
改善しない点にエントリータイミングとエグジット(損切りを除く)もありまして。細かいエントリータイミングをつかむのがどうも苦手です。あせりすぎですよね…あとレンジの範囲が曖昧すぎたので下ならざっくりとでいいやと入ってしまったようです。エントリーの条件ももっと絞る必要があるなと思いました。
>レンジ下限を破ったとありますが、緑〇部分の更新率は10%ほどで、もみ合った形跡のある日足終値が直下にあるのでブレイクとみなせません。
レンジの範囲が5分レベルだと曖昧になってしまいますね。レンジの範囲を設けるのも明快なルールが必要ですね。
>トレードに正解はない、あるのは納得解だけ。
正直、自分の環境認識に対しては不満しか沸きませんでしたが、それほど的外れというわけでもないんですか…その割には十分な利食いにつながるトレードが少ないように思えるんですが、原因は別のところにありそうですね。
今回指摘されてたエントリータイミングと個人的に思ったエグジット(利食い限定)にあるのかも知れません。利食いは出来るだけ伸ばす、という一般的に言われてるセオリーに則って出来る限り伸ばそうとして50~30pipsの含み益が微益撤退に化ける回数が結構あるので、個別の利食いパターンのルール化が
必要なのかな。これも環境認識の一環かも知れないですが、伸びが期待できるところと期待できないところの区別がちょっと付かないのが利食いの上手くいかない部分ですね。
利食いは一番難しいので、波のサイズを固定して、利食いも、そのサイズに合わせてみたらいかがでしょう。
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昨日(9/23)の夕方に投稿したつもりが投稿できていなかったようです。
二重投稿になってしまっていたらお許し下さい。
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毎週、動画を楽しみにしております。
エリオット波動に関しては、テクニカルの本で何度か説明は見たのですが、
実際にチャートに臨んでいるときには、頭の片隅にも残っていませんでした。
「エリオット波動」でサイト内検索してでてきた記事のうちで、
・エリオット波動とは波のリズム、優位性の高い3波目を狙う。
・相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。
・コメント雑談#003】更新する波と更新しない波の見分け方
などの記事を読んで、今週末中に理解しておこうと思います。
また、高値更新が結果的にダマシとなり、大きく下げてきた局面の説明で
オシレーター系を見ている人には絶好の売り場であるという指摘は、
(オシレーター系を全く使っていないので)今まで自分にはなかった見方で、
勉強になりました。
このようにちょっと抜けて戻す動きはロンドン市場の初めや、NY市場の初めで
何度か目にした覚えがあります。
いままでの自分だったら、わずかといえども高値を更新したのだから買い目線に決めて、
短期上昇波の50%か61.8%あたりで押し目を待っていたら、
予想外にレンジの下端まで下げて何もできなかったというのがパターンでした。
今回の動画を見て、上から売ってくる売り手の存在がわかったことで
新しいシナリオを1つ加えて、相場をみることができます。
ありがとうございました。
YOUTUBEでは、後から細かく検索できないので、ブログも同時に進めて、動画で言い忘れたことなんかも書いています。
手間がかかりますが、後々、こうやって利用して頂けるなら、続ける甲斐があります。ご利用いただき有難うございます。
NoN様
こんばんは。KaZです(^^)
今週も『【BOX24】トレードに正解はない、あるのは納得解だけ。』の文字起こしが完了しましたのでご確認をお願い致しますm(_ _)m
PS
先日は逃げのテクニック動画のご対応ありがとうございました。動画の懇願はお忙しいそうなNoNさんには気が引けるところがありましたが、自分の掘り下げたいテーマを机に広げてNoNさんとディスカッションさせて頂いているような貴重な経験をさせて頂いたと思っております。
話は変わりますが、もう10月ということで、今から年末恒例のNoNさんの「聖夜に語るシリーズ」が楽しみです(少々気が早いですが(笑))。
それでは、時間も遅くなりましたので、この辺でそろそろ今週の相場の荒波を乗り切るべく睡眠補給に入ります(-.-ZZZ
いつもご協力有難うございます。「聖夜」シリーズは今年で3回目、何を語るか、まだ決めていませんが、トレードのテクニックではないことは間違いなさそうです(^_-)-☆