11Jun
手法やインジケーターを探す前に知っておきたい、デイトレードの黄金律(ゴールデンルール)をご紹介します。
おそらく100年後も変わらない黄金律。
トレードを始めた頃、トレード技術を向上させれば、いつでもどこでもマーケットから利益を抜けるようになる、そう思っていたが、今は、相場が勝ちやすい状況だったから勝てたに過ぎないとわかってる。
今は勝ちやすいか、勝ちにくいかを見極めてるだけで、チャンスそのものを技術で増やせてるわけじゃない。
極論、勝ちやすい状況になるまで待てば誰でも勝てるし、そこまで待ってられない言い訳を手法の類に求めてるからうまくいかないだけなのかもしれない。
そこで今回は、おそらく100年後も通用しそうなデイトレの黄金律(ゴールデンルール)を考えてみました。
今からお伝えする3つのゴールデンルールは、ひとつでも強力ですが、組み合わせることでさらに強化されます。
勝ちづらい状況であがくのは、コロナ禍の今、インバンドに期待するようなもんだ。
そういうご時世だから勝てないのであって、手法でどうにかできるものではない。
相場の助けを借りて楽に勝たせてもらうほうがいいに決まってる。
ボラティリティ(変動値幅)
ロウソク足がピクリともしない日があれば稼ぎは0円です。
ボラティリティは勝ちやすさをつくる第一のゴールデンルールです。
相場のエネルギーは”拡張(エクスパンション)と縮小(スクイーズ)を交互に繰り返して”波動”をつくります。
上図は相場の波動を相対的に視覚化したものです。
中央の破線を”基準線”として、レジスタンスまでロング、レジスタンスからショート、サポートまでショート、サポートからロング。
ぶっちゃけ、トレードはボラの拡張と縮小を利用してるだけです。
上昇・下降トレンドなら基準線に引きつけエネルギーの拡張始めで順張り、押し目・戻り目までの逆張りならエネルギーの縮小始めでイン。
レンジ・ブレイクなら基準線抜けからの押し戻しを待ってイン。
レンジならレジサポに引きつけてイン。
- 青1:上昇トレンド押し目買い・レンジ・ブレイクで次のレジスタンスまで。
- 赤1:下降トレンド戻り売り・レンジ・ブレイクで次のサポートまで。
- 青2:下降トレンド戻り売り候補基準線までのロング。
- 赤2:上昇トレンド押し目候補基準線までのショート。
- 紫1は高値追い・高値抜け期待、紫2は安値追い・安値抜け期待で本来アウトすべきレートでインしてます。
波動エネルギーが高いところでインして低いところでアウトするのがトレードになります。
さて、直近一週間(2020/06/01 – 2020/06/07)のボラティリティを調べてみました。※単位はピプス
東京時間 | 5分足 | 60分足 | 日足 |
USD/JPY | 3.3 | 12.0 | 73.7 |
EUR/USD | 3.8 | 14.0 | 99.3 |
EUR/JPY | 5.8 | 20.4 | 138.6 |
GBP/JPY | 8.1 | 30.6 | 191.1 |
ロンドン時間 | 5分足 | 60分足 | 日足 |
USD/JPY | 4.7 | 17.5 | 73.7 |
EUR/USD | 7.6 | 29.4 | 99.3 |
EUR/JPY | 9.1 | 36.5 | 138.6 |
GBP/JPY | 11.6 | 44.2 | 191.1 |
ニューヨーク時間 | 5分足 | 60分足 | 日足 |
USD/JPY | 3.6 | 11.6 | 73.7 |
EUR/USD | 5.4 | 19.3 | 99.3 |
EUR/JPY | 6.3 | 23.1 | 138.6 |
GBP/JPY | 8.4 | 30.2 | 191.1 |
ロンドン時間ならドル円で5分足4.7ピプス、60分足17.5ピプス、ユロドルは5分足7.6ピプス、60分足29.4ピプスが平均。
5分足始値でテキトーにロングして終値まで持つと、ドル円で±4.7ピプス、ユロドルで±7.6ピプスのボラ。
60分足始値でテキトーロングして終値まで持つば、ドル円で±17.5ピプス、ユロドルで±29.4ピプスのボラ。
5分足だと薄利多売になるが、60分足なら1本で約20ピプスのボラを期待できる、モチロン考えなしだとマイナス20ピプスを連続で喰らうかもですが…
一日20ピプス×20日で400ピプスを目標とするなら、60分足1本でもいいし、4時間足1本ならもっとボラがある。
ポンド円はドル円に比べボラが大きく、内海と外海ぐらいの違いがあるが、ドル円10枚とポンド円1枚では、ドル円の方がハイリスクなので単純比較はできない。
ロンドン時間の大きなロウソク足(平均ロウソク足×150%) | 5分足 | 60分足 |
USD/JPY | 7.0 | 26.2 |
EUR/USD | 11.4 | 44.1 |
EUR/JPY | 13.6 | 54.7 |
仮にトレンドフォローやレンジブレイク後など優位性の高いレートから大陽線・大陰線を狙うならどうだろう?
大陽線・大陰線を平均の1.5倍とするなら、ドル円で26.2ピプス、ユロドルなら44.1ピプス期待できる。
流れに順張り(推進波)
大陽線・大陰線を狙いたいなら、流れに素直に順張りすれば相場に勝たせてもらえる。
いやいや、相場が勝たせてくれる以外の勝ち方なんて、そもそもないのかもしれない。
初心者向きの相場といわれることがあるが、相場に初心者も上級者もなく、同じ土俵でトレードしてる。
上級者も狙ってくるからこそ勝ちやすいといえる。
流れに逆張り(調整波)
たとえば押し目候補までのショートなんかコレ。
調整波なので推進波よりムズかしく、ロウソク足にはヒゲも多い。
推進波狙いの順張りトレーダーが入ってくる前に欲をかかず利確しないといけない。
経済指標
ニューヨーク時間の22時以降、経済指標トレードでの一攫千金狙いもいるがスキルとしてはむつかしい。
薄商い
市場参加者がいない欧米の休日や年末年始はボラが小さくトレードする価値があまりない。年末年始は乱高下することがある。
三大市場
ロンドン市場オープン(夏時間なら日本時間の16時頃)からロンドン・フィックス(夏時間24時)までが、ボラも大きくNY時間の経済指標時を除けば荒れることも少なく勝ちやすい時間帯といえる。
東京時間であっても、昨夜の勢いが継続することもある。
解釈の一致度
第二のゴールデンルールは解釈の一致度。
マーケットの解釈が一致すれば、方向性に偏りや勢いが生じる。
”みんな”という視点が大切で、自分がどうしたいかはどうでもいい。
過去の動画で、分析とは”わけること”とお伝えしたが、チャートを区切って、今何をするのがベターなのかを可視化するのが分析作業になる。
- トレンドフォロー
- レンジブレイク(ボックス・チャネル・三角持ち合い)
- レンジ(継続・反転)
チャート分析したうえで、今すべきことを大きく3つにわけるとこうなる。
誰もがトレンドフォロー。
誰もがレンジブレイク。
誰もがレンジ。
他の解釈が考えられないレベルの秩序をみつければ勝ちやすい。
ここでいう”誰もが”とは、チャートが読めるレベルの人を指すので、トレンドとレンジの区別ができない人は迷子になるだけなのでトレードすべきじゃない。
チャートのわかりやすさとは、解釈の一致度が高いということである。
時間足秩序
1時間足チャート以上に秩序があれば勝ちやすい。
ボラティリティでいえば、分足より時間足のほうがロウソク足も波も大きいので、当然、1回のトレードでの獲得ピプスも大きくなる。
5分足上昇トレンド押し目買いと、4時間足上昇トレンド押し目買いでは、ロウソク足も波のサイズが全く異なる。
時間足を基準にすればチャンスは少なく待ち時間は長いが、その分、下位足に邪魔されることもなく、基準にする時間足より上位足のレジサポにだけ気をつければいい。
分足秩序
相場はフラクタル構造なので、分足にも秩序はある。
時間足に比べチャンスは増えるが利幅は少ない薄利多売方式、だが、枚数をふやせば多利多売にもできる。
時間足秩序より解釈の一致度を低くしたのは時間足の支配下にあるから動ける範囲が限られている。
4時間足のサポートを5分足トレーダーの売りだけでは突破できない、MTF分析のレベルを上げてからでないと時間足レジサポに気づけずに壁打ちになる。
静観
雇用統計待ち、押し目待ち、レンジブレイク待ち等々あるが、相場には〇〇待ちという状況があって、それをわかってるトレーダーは待ってる間は手を出さない。
次に何が起こるのかは推測できるが、それが起こるまで静観するしかなく、そうとも知らず手を出だせば負ける。
待つも相場の感覚が必要なところ。
カオス
次に何が起こるのか見当のつかない状況。
この状況を細かく分析してトレードできたとしても、もはやそれはエンターテイメントであって、お金にはならない、
大衆心理
勝ちやすいさは大衆心理によってもつくられる。
これが第三のゴールデンルール。
ここで大切なのは、あなたの感情ではなく、マーケットの感情が勝ちやすさを決めてることに注目してほしい。
諦め
大衆の”諦め”は、失望、怒り、悲しみといったネガティブな感情を生むが、人の不幸は蜜の味で、これがお金になる。
人の不幸を換金するので、あなた自身が不幸を感じてしまっては元も子もない。
上手い裁量トレーダーなら損切り前に”逃げ”の一手を打てるが、指値・逆指値注文の人はそうはいかず、エントリーの根拠が崩れる高値・安値の下にロスカットを置く。
そうなると、損切り待ちのポジションがワンサカ溜まるレートが存在することになるので、蜜をすするべく、他人の損切りをご馳走になる。
達成
上昇・下降トレンドの終焉、上位足レジサポ、レンジ上下限、N値やE値など、達成感のあるレートでは利益確定がされる。
プロスペクト理論で達成感を感じる前に逆行を恐れチキン利食いする人もいるが、ここでいう達成感とは、チキンな人たちの値動きを除外した達成感のあるレートのこと。
驚き
突然の大陰線にあわてて飛びついたら逆行、レンジブレイクに飛びついたらダマシで逆行。
猫がネズミに飛びつくのは本能だが、突如動き出すロウソクに乗り遅れたくない気持ちがさく裂するのが人情。
釣られる側になるか、釣られた人を釣る側になるか、だましに気づいた人が慌てて逃げ出すところを狙う。
期待
高値や安値のブレイクを期待して、ついつい壁に向かって打ち込んでしまうが、一個人のやる気で相場はどうにかできるものでもなく、高値や安値を掴む。
高値・安値掴みのポジションは待っていれば、いつか損切りされるので、そこを狙えばいい。
今回のまとめ
今回のテーマをまとめるとこんな感じになります。
- 推進波を順張り。
- ロンドン時間(16:00頃から24:00頃)
- 1時間足以上でシナリオを立てる。
- 損切りや逃げといった初動の値動きのウオッチ。
- 流れに逆張りになる調整波や、分足基準のトレードは上達してからでいい。
手法の話題がでてこないのは、裁量トレードの勝ちやすさは手法に左右されないと思ってるから。
正直、ボクは節目候補でWボトムとWトップをみてるだけです。
今すべきことがわかっていればラインを使おうが、移動平均線を使おうが、オシレーターを使おうが、相場の状況そのものは何も変わらない。
カナヅチを持つとすべてがクギに見える。
手法はチャンスを掴むただのアームであって、チャンスを作り出す魔法の道具ではありません。
そこを勘違いするから、勝ちにくい相場であっても、手法のサイン通りにエントリーしちゃうんです。
チャンスなんて今回挙げたポイントにおいて一定頻度でしか出現しない。
「相場のことは相場に聴け」
もの言わぬチャートに聴くとは、目+心を耳代わりに最適解を読み取るべしということ。
やはり、チャートに勝る教師はいません。
◆お断り◆
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コメント
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コメント (13)
初心者のころは、勝ち組のトレーダーというのはどんな相場でもすごいテクニックで勝つものだと思っていました。
ですが今では、やさしい相場で確実に、そして安定して勝つのが重要と思えるようになってきました。
思い込みというのは怖いものです^^
むずかしいところってリワードよりもリスクが大きいわけで、仕事として効率が悪いですよね(^_-)-☆
いつも素敵な動画をありがとうございます。トレンドフォローができるようになると勝てる時にがっつりと利益が取れるので、多少の負けにビクビクしなくなりますよね。今回、ちょっと考えてみたのですがトレンドフォローをしているつもりでビギナーの方が負けやすいポイントとして、「上位足のトレンドに乗ろうとしているつもりで短期足のダブルをサインにエントリーして突き抜けていってしまう」「上位足の押し目、戻り目候補で底固めを待たないで決め打ちでラインタッチで逆張りしてしまう」こういうことがあるのかなと思います。
例えば直近のドル円相場を見ていて、週初めに雇用統計安値でラインタッチでロング、とかここが半値だから、61.8があるからとか、ちょっと反発があったから・・・などなど、トレンドフォローをしているつもりでロングしてバンドワゴンから振り落とされる側になっているということがあるのではないと思います。
トレンドフォローは満足に練習もしないでラインタッチや天底でダブルの形が出たから即エントリーで勝てる程甘くはないので、要練習&検証が大切です。15分レベルのトレンドフォローを狙う場合でも、高安抜けてから押し戻しを待って、5分や15分レベルのダブルボトムやダブルトップが完成して綺麗な形で切り上げ、切り下げラインが引けるようになる、いわゆる「セットアップ完了」までに意外と時間がかかるのだなということがわかるようになってくるともうゴールは目の前・・・な気がします。ただ、いきなりできるようにはならないのでひたすら反復練習あるのみですね!
追伸:今週のドル円相場も先週同様にすごかったですね笑。どこかでインジの使い方がよくわかりません汗、と書き込んだのですがH1の21SMAが怖いくらい機能していましたね!こういう時にガイド役になるんだというのがよくわかりました。
迷晴れボックスの投稿でも、ラインやWMを過信するパターンをよく見かけます。それでうまくいく時もあるから厄介なんですよね(^_-)-☆
いつも、とても参考になります。今回もなるほどと思ったところがあったので検証してみたいと思いました。これからもナイスなコメント期待してます!
Sさん、コメントありがとうございます。自分はまだまだ下手くそですが、気づいたことなどがあればこれからもちょこちょこと書き込ませていただきたいと思います。
お世話になっております。
Hさんのコメントは常に具体的なので非常にありがたいです。ありがとうございます。
今回も何度も拝見しました。
上級者はテクニックが色々とあるから、
初心者の私は負けるんだ。と
たまに悲壮感がありましたけど、
今回の記事でテクニックでないんだな。と思いました。
すっごくシンプルで、驚きました。
知らず知らずに負けるのが怖くて気を張ってたみたいです。
不安や焦りでチャートを見て
エントリーしてたみたいです。
ありがとうございました。
ナイス気づき!今の視点を忘れずにファイトです(^_-)-☆
迷晴れさん、くるみちゃん、こんばんは!
つい先日見た迷晴れさんの過去動画の雑談で、ボラティリティとボラタリティの話をされていて
あ、私ボラタリティだと思ってた…。
と反省したところに今回の動画だったので、始め話が頭に入ってきませんでした(;^_^A
今回も動画をありがとうございましたm(__)m
シュミレーションとシミュレーション。これもよく間違えますよね(^_-)-☆
ブログ・動画配信、大変ですよね。
週ナビが日曜午後になったとしても全然オッケー、みんな待つことには慣れてるので
問題ないと思います。
コロナでFXの口座数が激増しているそうですが、Youtubeのコメント欄でもそういう方たちが増えましたね。
何人かはいきなり大成功して、何人かは苦労するでしょう。
ところで、FRBやECBが日銀みたいにイールドカーブコントロールを採用するんじゃないか、って話があります。
コロナのせいだと思いますが、もし日銀やオーストラリアの様にFRBもECBもYCCを採用するようになっちゃったりしたら、
為替はほぼ動かなくなりませんか。そうなったら希望はポンドだけかなと。
変動こそが利益の源泉なので、FRB/ECBのYCC採用はちょっとなー、やめて欲しい、笑
というわけで、為替以外に、株・CFD、仮想通貨、ゴールド、原油、色々幅を広げないとな、と思いました。
恐らく多くの投機家は変動こそ利益の源泉と思っているので、彼らが同じ行動に出た結果それら市場がより活性化するはずです。
迷晴れさんから教わったチャートの読み方はどの市場になっても有効なので、新たな市場に向かう不安は特にないですネ笑
イールドカーブコントロールを採用した場合、ドル・ユーロ・円の間に為替の変動要因である金利差がなくなるということですね。