3Mar
週間チャートナビ(2018.02.26~2018.03.02)は、ドル円、ユーロドル、ユーロ円の主要三通貨ペアの一週間を振り返ったチャート考察です。
今週の視点
相場では必ず、レジスタンスAの”売り”と、サポートBの”買い”が戦っている。
このレジとサポの値幅が見た感じ小さくなれば”レンジ”と呼ばれているが、実は、チャートは”史上最高値A”と”史上最安値B”のレンジ相場である。
テニスコートのベースラインAとベースラインBのラリーならトレンドが生まれ、ネット際の競り合いならトレンドは生まれなさそうだが、実は、1分足より小さなティックデータをみればトレンドになっている。
相場に絶対的な基準はなく、トレーダー各自が相対的な目線でチャートを観ている。
自分が決めた基準に対して、大きい、小さいがあるだけで、その決め方にも正解はないが、ただ、”基準”決めないと、他者の意見に翻弄されるのは間違いない。
初心者が負けやすいのは、これからレンジになるところ、つまり”レンジの入口”ではないだろうか。すでにレンジの動きになっていることに気づかずにトレンドを追っかけてしまうところに連続してミスが生じる。
チャートに”ここからレンジの入り口”と書かれた看板は立ってないので、自分で立てるしまない。
これには、どのレジとどのサポが戦っているのかがわかれば見当がつく。イマイチよくわからない人は、過去チャートをしっかりみてほしい、相場は”収縮”と”膨張”を繰り返しているのがわかるはずだ。
レンジの入り口がわからないと、ムダなトレードで必ず利益を吐き出すので、レンジができるまで待った方がいい。
”レンジの出口”は誰でも簡単に見つけられるので、そこから押し目買いなり、戻り売りをすればいい。
いづれにしても、チャートを3つのゾーンに分けて、その日のプランが立てることが肝心だ。
一日のチャートを3分割するには2本ラインがあればいい。このラインで売り優先・買い優先・どっちでもないという3つのゾーンに分けられる。
どっちでもないゾーンを捨てれば、売り場と買い場が見えてくる。
分かるとは分けること。
ドル円
下降トレンド中、先週高値108.0から青サポ105.5まで240ピプスのハラミ。
106.5からの押し目買い(青〇)が高値を更新できずオレンジ・トレンドラインでレジスタス+高値切下げ時点で、売り選好になったが、106.5での最後の買い支えも忘れてはならない。
108.0ピンクレジと106.5サポの勝敗がついてからは安値+日足水平線105.5まで売り。
- Check1 : 押し戻し攻防( ピンク矢印)ゾーンの出現を予期できていたか。
- Check2 : 押し戻しゾーンを上抜けても、Wトップの可能性を疑えていたか。
- Check3 : 106.5でのロング組の抵抗を予期できていたか。
Feb.26 Mon.
チャートを”押し戻し攻防ゾーン(ピンク矢印)”で観れていればOK!
23日高値H1-2は、相場の頭と尻尾を分けるネックラインになっています。東京時間、ここを試してダメ(赤1)ならショート、106.5まで狙えます。
欧州時間初動、”ダマシ安値(青1)”の出現、これ以上、下がれないとみてロング、緑〇高値でWトップになったので利確。
Wトップの失敗を受け、緑〇高値の反発も弱く(青2)、上抜けたところでロング、107.0でOCO利確。
Feb.27 Tue.
レートは1時間足”押し戻しゾーン”の上限付近に張り付いた状態。流れは安値を切り上げているので、買い選好。
黄矢印のミニ・ハラミになっているので、これを基準に組み立てる。
東京時間、”ダマシの高値(赤1)”の出現でショート。強いモメンタムが得られない東京時間ならではのゾーン逆張り。
安値が切り上がっていて”押し戻しゾーン”を上にブレイクしやすいと思い、レンジ上限から10ピプス上に逆指値を仕込み(青1)H1-1まで狙った。
Feb.28 Wed.
1時間足でみると27日高値H1-1でWトップになる可能性があり、オレンジ・トレンドラインも降りてきている。
売り選好だったが、皆がそうではないので下がるにしても上下する。
売りの気配があるが、H1-2を底値のネックラインと観ている買いの気配もあるので揉む。この見立てができないと、この日の相場は負けまくる。
東京時間、前日高値を試し、右山下がりのWトップ(赤1)になったのでショート。このショートはH1-2をネックラインとみるロング組の抵抗に遭うので延ばせない。
短期足しかみてないロング組は、ネックラインを抜けた事実を重視していて、1時間足レベルでの高値切下げを見落としている可能性があり、”強者の値”の107.0からロングしてくる。
いかにも”ケンカ祭り”が始まりそうなところ。ここでエントリーすると祭りに掴まる可能性があるので、黄〇の戻り売りには注意したい。
欧州時間、107.5を試すも抜けずに反転。売り選好だし、黄レンジ想定中なのでロングはできない。
欧州時間、”ダマシの高値(緑〇)”でショート、ここは脇差を抜く。
黄レンジの想定は東京時間からしているが、緑〇高値が決まった時点で確定。値幅20ピプスしかなく、ヒラヒラと木の葉舞うカオス、超短期スキャルなら可能だが20ピプス未満は流石にスルー。
NY時間、黄レンジをブレイクしたがダマシになった。紫〇の5分足小競り合いを下抜けてないので、よくみていればショートはできない。
三角持ち合いをブレイク(赤2)したのは深夜1時頃、ここまで待てば容易に利益になる。
Mar.01 Thu.
106.5押し目買い組が完全に死んでるわけではない。
1時間足では高値を切下げているので強気では買えないし、かといって、106.5からの押し目買いが気になって売りにくい。故に、ピンク矢印の真ん中はカオスになる。
H1-2に引き付けてから売るか、106.5のブレイクで売るか、青チャネルを下抜けたところで売るか、選択肢は3つ。
深夜まで起きてないと、赤2では入れないので、赤1下で指値、赤3下で逆指値しておいてもいい。
FRBパウエル議長の発言(24:00)が気になるが、H1-2周辺が反転ポイントになり下がれば指値が通り、逆に、H1-2を上抜けてしまえば損切りになるがリスクは限定的だ。
Mar.02 Fri.
先週安値サポートの強さを確認して下抜けたので戻り売り(赤1)105.5で今週の目標達成。
ユーロドル
Wトップ・ネックラインまで降りてきて、紫安値に反応したのか、50ピプス抜けて(緑〇)反発した。抜けるならもっと明確にブレイクしてほしかった。
Check1 : 三角持ち合いに気づけていたか。
Feb.26 Mon.
4時間足オレンジトレンドラインに絡んで揉み合っている様子。22日足のハラミになっていて、安値切上げの三角持ち合い。
値幅50ピプスあるが、先細りになるので時間経過とともにトレードしずらくなる。
東京時間、赤切下げラインを上抜けて以降、押し目買いや売りのポイントはいくつかあったが、ポイントは”三角持ち合い”のなかをトレードしているという意識。
Feb.27 Tue.
東京時間高値(黄〇)を欧州時間に試した”ダマシ高値(赤1)”をサインにショート、先週安値でOCO利確。NY時間からなら赤2や赤3になる。
Feb.28 Wed.
1.220を今週の目標と考えていた。ここは4時間足レベルのWトップのネックラインにもなる。
東京時間、黄〇安値で、前日安値を4ピプス下抜けたが、誰もフォローせずに失速。
欧州時間、東京高値を試した”ダマシの高値(赤1)”のをサインにショート。
1.220は重要な節目、分足レベルのブレイクに焦ってショートすると負けやすい。
ここを完全にブレイクすれば売るが、日足ロウソクの実体ブレイクを確認したい。
Mar.01 Thu.
黄レンジ40ピプスはノートレード。
欧州時間に上昇を試みるも黄〇高値で押し返され、黄レンジ下限を抜けたので赤1で戻り売り。
ブレイクすれば1.215まで延びると思ったが、4時間足チャートの安値の存在からか失速してしまった。
起きれていれば青1の5分足同時線をみてロングしたかったが、夜中に大きく動いてしまった。
Mar.02 Fri.
夜中に急騰してしまったので、暫くは手が出せない。
このまま上昇を続けるにもH1-1で一旦レジされて天井圏をつくる動きが出るはず。
1.225ネックラインを割れば売り、Wトップが失敗した青1から買えばいい。
ユーロ円
先週安値を下抜けると次の日足水平線まで壁なしだが、ユーロ円は合成通貨なので単純にはいかない。
ユーロドルやドル円が重要なレジサポで動けなくなると、ユーロ円も動けなくなる。
Feb.26 Mon.
131.0付近は先週安値に加え、日足水平線も近く、強いサポートが想定できるので、底値での逆張りを考えた。
欧州時間初動、ドル円と同タイミングで出現した”ダマシ安値(青1)”でロング、緑〇高値の少し下に利食いを設定。
Feb.27 Tue.
前日足の下ヒゲをみれば、先週安値+日足水平線のサポートが強さがわかる。
下降トレンドが継続中なので、H1-1水平線132.0まで買ってから、戻り売りを考える。5分足上昇フラッグ抜け(青1)でH1-1までロング。
続いて、欧州時間、東京高値を試した”ダマシ高値(赤〇)”をサインに先週安値狙いのショート。
Feb.28 Wed.
5分足比較
本日のテーマは先週安値を更新するかどうかということだが、ドル円は攻防エリアに入っているし、ユーロドルも1.220で下げ止まりそうな気配。
そうなると、ユーロ円は、なかなか動かなくなる。ユーロ円チャートには、こういった、見えないレジサポが存在する。
Mar.01 Thu.
先週安値131.0を抜けてきた波の戻り売りをフラッグ下抜けの赤1から狙うも、安値更新には至らなかった。
NY時間に入り、東京時間安値を試すもダメだったところ、切下げライン上抜け青1でロングできるが、緑〇ネックラインに届かなければ逃げるべき。
緑〇ネックラインを上抜いたあとの青2ロング、これも、赤2の小競り合いで上がらなければすぐに逃げないと大きく引かされる。
左のWボトムが打ち消され灰矢印のハラミになってしまった。
Mar.02 Fri.
ドル円下げ止まり、ユーロドル上げどまり、こうなるとユーロ円は身動き取れなくなる。
3通貨ペア比較M30
庭をつくるにもゾーニングをする。小路をつくり、その左右に花や木を植える。花壇や土を盛り上げて高低差をつけたり、小路をわざと曲げて先を見えなくして想像させたり、フォーカルポイントに目線を飛ばさせたりする。
海外ではシンメトリといって、左右対称にするのがスタンダードだが、日本庭園はアシンメトリー(左右非対称)独特の美しさがある。枯山水の庭をみても、これ以上引くものがないほどシンプルだが、それでいて、絶妙な庭石の配置になっている。
日本の美は余白の活かし方にある。
字がビッシリ書かれたパワポのプレゼンは見るに堪えない。それに比べて、ジョブスのプレゼンの見せ方は素晴らしかったが、彼も、日本の禅の文化に影響されたようだ。
何も足さない、何も引かない。
こう、昔のCMにあったが、ボクもそういうものが好きだし、理想でもある。
チャートの動きは”シンメトリ”なので、意外に単純なのかもしれない。
値動きに目が行きがちだが、チャートの”余白”を意識すると何か新たな気づきを得れるかもしれない。
◆お断り◆
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コメント
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コメント (10)
こんにちは、
ファンダメンタルズでいうと、トランプ大統領が鉄鋼やアルミの関税率を上げ輸入制限もかけるとか言い出しました。
これに対してEUや中国は報復の構えを取るようです。
理論的に自由貿易がグローバル的な経済発展につながるとなってますので、これはドル売りの要因になります。
つまり円高の要因です。
なんかあれば円高です。
とりあえず円買いです。
震災の日も近づいてますが、日本で大きな地震があっても円買いです。
安全資産の円です。
小4の子供が日本ってすごい借金なんでしょう?と聞いてきました。
そんなのウソだと教えましたが、納得していないようでした。
マスコミの影響力は恐るべしです。
小学生まで洗脳しています。
日本が本当に借金まみれだったら、こんなに円が強いわけないだろう!
日本の国債の長期金利はほとんど0だぞ、これがどういう意味かわかるか!
と小学生に説明しても、意味わからんでしょうね(笑)
何と言ってやれば良いのでしょう。
まぁ、どう転ぶかはまだわかりませんが、何れにしてもトランプさんはお騒がせな人です。
トレーダーにとって相場は変動があってなんぼの世界なので、その大きな要因を作り出しているトランプさんは、相場の世界では功労者かもしれません。
テクニカルを磨いていけば、特に短期売買ではファンダメンタルズはさほど影響はありませんが、このニュースはちょっと注視した方が良さそうですね。
トランプさん。自分でトレードしたら凄いことになりますよね。
関税率引き上げショート!なんて…
そう言えば、金 正恩 氏も
ミサイル撃ってショートポジションを持つ、とまことしやかに語られています。
こんなこと言い出したら、キリがないですね(笑)
こんにちわ、毎回欠かさず見させていただいています。
最近は以前見た古い動画と並行しながら見ています。そうすると新たに気づくことが多々あります。
今回のゾーン、とても参考になりました。
変な話ですがチャートってある種のアートのようですね?
確かに、チャートはアートという方も多くいますね。
今日も動画をありがとうございます。
おっしゃる通り、自分の基準を決めることが大事なのですよね。
初心者はエントリーポイントに拘りがちというのも耳が痛いところです。
私も散々、ピンポイントで反転の際を狙って、コツコツ損切を積んできました。
私の中では環境認定が8割位の気持ちです。作戦段階でしっかり優位性を確認します。
戦略では待つことがテーマです。ここでしっかり待てなくてチキン損切りに悩まされてきました。
そんな前のめりだった私も、最近はやっと待てるようになりました。
エントリーはリスクリワード。ゾーンのどこかで入ればいいという考えになりました。
作戦と戦略がしっかりしていれば利確もパズルみたいに揃うのです。この不思議な感じは快感です。
1つの基準に沿ったトレードの繰り返しの中で発生するこの不思議なパズルを研究したいです。
ザックリなんだけど、ザックリでない感覚ですよね。
細かすぎると、観るべきところが霞んでしまいます。
そう、そうなのよ。ザックリなんだけど、ザックリでない。
そうならないときもあるけど、最後がピタリとくると 凄く不思議なのです。
いつも ありがとうございます
今回の動画の最後の方 「余白」
いよいよ核心ですね
素人負ける原因の1つは チャートを見る(振り回される)
プロは 余白 を見る(攻める)
僕も次の課題です
確かに!余地・余白のないところは攻められませんね(^_-)-☆