3Dec
上位足から環境認識してシナリオ構築、これすなわち段取りが8割、実際のトレード執行は2割。トレードというお仕事の8割は、環境認識で決まると言っても過言ではありません。
今週の視点
日足レベルの押し目完成には、ほぼ1日という時間を要することが多く、今週のドル円がなどがケーススタディになります。
このスケール感を事前に把握しておくには、やはり上位足からの「環境認識」が必要不可欠です。
段取り八分、仕事二分。段取り通りにトレード執行さえしていれば、いつの間にかズームインして5分足スケールの「近視眼」にならずに済むということでもあります。
ドル円は高値更新
OPEC8年ぶりの減産合意で原油価格が急上昇したこともあって、日足レベルの押し目買いが完成、さらに高値を更新しました。
相変わらず、強い上昇トレンドが続いています。日足レベルの押し目買いなら、高値を更新する可能性があります。
日足レベルの押し目なので、然るべきプライスで陰線サポートされたとして、次の日足が陽線になって上昇開始するまでには、ほぼ1日かかりことになります。
しかし、一旦、押し目が入れば、上位足ブル派の力を借りて有利にトレードできます。
シナリオとしては、日足レベルの押し目完成までの流れをトレードしていくことですが、もちろん未完に終わることも想定しておかないといけません。
日足押し目(陰線と陽線)個所が4時間足ではダブルボトムになっています。
【押し目の失敗】
「高値0」から下降した波に対して、ブル派押し目買いとベア派戻り売りが攻防して3ボトムをつくりました。その後、失速、「1.押し目失敗」となり、ブル派の損切りを巻き込み下落。
ブル派の勢いが強ければ、そのまま押し目を成功させたかもしれませんが、浅めの押し目なので逃げる準備がしつつ買うのなら間違ってないと思います。
【日足の押し目候補でサポート】
日足の「押し目候補1」で日足陰線サポート、大きく反発しました。ここから押し目買いが始まりそうな予感ですが、日足レベルの押し目候補でサポートされたからといって、すぐにV字で上昇開始することは稀なので、全く焦る必要はありません。
デイトレではないですが、大きな上昇トレンドが出ているので、このサポート付近から買って、スイング気味にポジション保有するのもアリだと思います。
【安値試し+安値切上げ】
正確にいえば、高値を更新するまでは、完全には、安値切上げとは言えませんが、日足押し目候補への試しから「2.安値切上げ」と判断して買うのはできます。ただし、短期足での安値切上げなどで確度を上げてからほうがいいかもしれません。
【短期上昇トレンド発生+日足押し目候補】
日足押し目候補でサポート後、高値と安値を切上げたので「3.押し目買い」できます。ここは「レジスタンスa」も近いですが、日足の押し目ブル派との共同戦線なので、壁を破れる可能性はあります。
兼業の方だと、この時刻にチャートを観れないかもしれません。この押し目を見逃したなら、要所でのブルベア攻防で「4.ブレイク」「5.ブレイク」の決着を確認してから、ついていくことになります。
【強レジスタンス】
高値更新したものの「6.強い反発」に逢いました。「D1押し目候補2」を下抜くまでは、ブル派もまだまだ元気なので、難しい相場になりそうです。さらに金曜日には雇用統計が控えています。ロウソク足の並びもヒゲが多く陰線陽線が入り乱れカオスです。
「7.高値切下げ」辺りから、短期足のタイミングで売ることもできますが、あくまでもネックラインまでの限定トレードになります。
【ネックライン付近の攻防】
金曜日には、米国の雇用統計が控えていたせいか、方向感が定まりません。ネックラインを抜けての戻り売りは鉄板ですが、勢い弱く、逆に安値を切上げてしまいました。だからといって、上昇するわけでもなくといった感じのまま週末となりました。「D1押し目候補2」を下抜くまでは、ブル派も元気なので、ネックラインを抜けたからといって目線を下にはできません。
ユーロ円も高値更新
ドル円同じく日足レベルの押し目買いが、高値を更新しました。これも「環境認識」できていれば、日足陰線確定後の流れに乗れたのではないでしょうか。週末は、週足の節目でレジスタンスされました。
【押し目の失敗】
日足が陰線をつくっている最中にブル派が買ってきましたがパワー不足、「2.押し目失敗」しました。結果的に、もう一段下がったプライスから押し目を完成させました。日足レベルのブル派からすれば、日足ロウソク足が陰線の最中にロングするよりも、陰線確定して、次の足が陽線になってから買おうと決めているトレーダーもいるはずなので、それだけでも、フォローへの期待値が違います。
【日足レベルの押し目買い】
然るべきプライスでサポート、日足陰線が確定しました。買うタイミングは安値の切上げ、あるいは、小さなダブルボトムのネックライン抜け辺りでしょうか。いずれにしても、ベア派が利食い→逃げ(微益微損)→損切りの順番でポジションを閉じるところから伸び始めます。
【高値更新付近のブルベア攻防】
ここを上抜けば高値更新となるので、当然ながらベア派とブル派が攻防してレンジ化しやすいプライスです。この付近でエントリーを繰り返すと「ミイラ捕りがミイラになる」パターンになります。
始めからミイラはいませんし、誰もミイラになりたくて、なるわけじゃありません。それでも、ミイラになる人がいます。仕事は、この、ミイラ捕りがミイラになった、そのミイラを捕るのが効率的です。何故ならミイラが昇天する(損切り)パワーが最も強いからです。
【週足レジスタンス付近のブルベア攻防】
週足レジスタンス付近まで上昇してきました。オレンジラインを下抜けば、一旦は、ベア派優勢となりそうですが、それまではブル派も健在です。ブルベアの綱引きでカオスになりやすいポイントです。
ユーロドルはレンジ
上位足の目線は下ですが、先週に引き続き汚いチャートで、レジスタンス・ラインに引きつけてショートしても安値更新せず、そのままレンジ化しました。今週はドル円とユーロ円で、円を売るほうが簡単だったと思います。ボクはノートレードでした。
全体的に方向感はありませんが、赤丸1のようなポイントは左に壁がないので簡単です。
テクニカルもファンダメンタルも、プライスを動かす燃料にはなりますが、実際に動かしているのは、投資家の心理です。
そう考えると「心理分析」こそが、相場を読み解く唯一無二のカギであって「テクニカル分析」でも「ファンダメンタル分析」でもありません。
それらの分析は「判断材料」として役に立ちますが、絶対的なものでもありません。
トレーダーという職業の本質が「心理分析」なら、ある意味、心理カウンセラーともいえますので、そこに自己の感情を介入するのはナンセンスです。
心理カウンセラーが、患者と一緒になって恐れたり、喜んだりしていたら仕事になりません。
心理カウンセラーの仕事は「聴く」ことです。耳+目+心で、相手の話を「聴く」ことです。
インジケーターを使って、どうエントリーしようか考えてる人は、「相場をどうやって打ち負かすか」「相場をどうすれば攻略できるか」そんな自分本位な知識ばかり詰め込んでいるのではないでしょうか。
自我を捨て、相場と戦うのを辞め、チャートを織りなす投資家の心の声を、ただ「傾聴」する方が、いろいろな気づきを得られます。
PS.
最近、BOSEのテレビサウンドシステムを購入しました。大掛かりなサラウンドシステムを処分して、これに買い替えたんですが、おかげで配線周りがスッキリしました。
技術の進歩は凄いですね。映画も音楽も、こんな小さなボディーで素晴らしい音がします。
2016年に購入したアイテムの中では一番感動したので、もし、探している方がいればおすすめします。お家がちょっとしたカフェになりますよ。
あとは、スマホの映像をテレビに出力したいのですが、方法がわかりません。amazonのFire TVとか買うとできるのでしょうか。
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コメント
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コメント (14)
動画アップありがとうございます。
環境認識、正に今自分の課題だと思います。
今週は久しぶりにまともに勝てて、自信になりました。
水曜日の上昇に乗れなかったのがとても悔やまれます。
直前までチャートをみていて、注文を入れようかどうしようか考えていたのですが‥
木曜、金曜のチャートを見ると、私ならボロクソに負けてもおかしくない感じなのですが、今週の私は違いました。
少しずつ上達しているように思います。
日足でトレードしている人のサポートというのは全く考えていなかったので、とても勉強になりました。
ただ、今覚える事が多過ぎてトレードの時にちゃんと思い出せるかは不安です。
本当に少しずつですが、確実に成長しています。
先生のおかげです。
ありがとうございます。
凄いじゃないですか(^^♪その調子ですね。
そうなんです!金曜日にいい感じのダブルトップからの売りポジを持っていたのですが、雇用統計前だから動かないかなと、微益で逃げられたのがうれしかったです。
うまく逃げるって大事ですね。
逃げる=シナリオ通り
確かに、これが大事ですね!
「市場参加者の心理分析をするためのネタとして、テクニカル分析がある。」まさに、これではないかと考えました。
5分足ブルは、テクニカル分析の結果こんな考えになっているだろう。5分足ベアは、テクニカル分析の結果こんな考えになっているだろう。・・・・1時間足ブルは、・・・日足ベアは、・・・。
という感じで、心理分析をするんでしょうね。
この思考のループが早くなるほど、時間足を短くしても勝てるんでしょうね。
市場参加者の思考もフラクタル構造になっている。
単純で奥深い世界ですが、うわべの複雑さに目が行ってしまうと迷宮入りしてしまいます。
奥深さにフォーカスする方が、道が開けると思っています。
こんにちは、
人の心や行動をコントロールすることはできない。
そう認識できれば、正しい対策が見えてきて怒りやイライラという負の感情も抑えられます。
これは原理原則でどのような場面でも活用できます。
例えば労務管理においても基本的な考え方になります。
従業員のモチベーションを上げるには、不良社員にどう対応すべきか。
負の感情をもって対処すると、全く効果のないどころか逆効果に働きます。
ここら辺は、私の専門分野ですが、これくらいにしておいて、
相場を集団心理と考えれば、全く同じことが言えると気付きました。
目的に沿って適切なルールを作り、適正に運用していく。そこに基本的に感情の入る余地はありません。どうしても上手く運用できなければ、ルールを変えていきますが、正しく運用もできてないのにルール変更は混乱の元です。
私たちができることは、ここまで、後は神の采配ですね。
ある分野ではプロとしてのスキルがあるのに、他の分野ではわかっているようで分かっていなかった。
相場もそうですが、色々なこの世の現象に奥深さを感じます。
同じようなことを、ボクも感じます。
全ての物事には、表層と深層があって、多くの場合、深層に届くことなく「酸っぱい葡萄」と決めつけてしまいます。
深層は意外にも単純で普遍、どの分野にも通用する真理や原理原則に近いニュアンスですが、この事実に気付くのに訓練が必要で、知識量では到達しない「層」です。
表層的な知識は、物事を複雑にするだけであることに気付き、一段深いところに潜れれば、それが「変化の始まり」だと思います。、
ブログ・動画のアップ、心より感謝いたします。
FXもですが、生き方についても学ばせていただいております。
【今日のまとめ】内の
「あとは、スマホの映像をテレビに出力したいのですが、方法がわかりません。amazonのFire TVとか買うとできるのでしょうか。」ですが、
iphoneをお使いのようでしたら『Apple TV』という選択もアリかもしれないですね。
iphoneだとApple TVが相性がいいのですね。コメント有難うございます。
たびたび失礼いたします
iphone、『Fire TV』でも問題ないようです。
http://touchlab.jp/2015/11/fire_stick_tv_iphone_mirroring_how_to/
『Apple TV』ですと余計な機能が付きすぎかもしれないですね。
http://iphone-news.hatenablog.jp/entry/apple-tv-tsukaikata-dekirukoto
ご参考まで。
ご丁寧に、有難うございます(^^♪
迷晴れ先生、
いつも素敵なブログ&動画を情報提供いただき、ありがとうございます。
今回は、「ミイラ取りがミイラになる。」「そこを見計らって、ミイラがたくさんになったところで、本当のミイラ取りが来て、ミイラたちが天に召されるときがくる」
この表現が、少し残酷なんですが、思わず笑ってしまいました!ユニークすぎますし、本当にそのとおりだと思いました。
やはり、近視眼になってしまい、鳥の眼が眠ってしまっているときがまだまだありますので、ミイラにならないように気をつけたいと思います。
確かに…残酷ですね(^^♪でも、この視点が短期トレードの肝な気がします。