26May
一般的にマーケット分析にはテクニカルとファンダメンタルの2種類があるといわれます。しかし、そもそもマーケットは市場参加者の心理で動いていて、テクニカルもファンダメンタルも心理を動かす材料でしかありません。そう仮説すると、サイコロジカル(心理)分析が最も普遍的で、かつ本質的ともいえます。
市場心理で動く。
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水平線とロウソク足を使ったシンプルトレードでは、シンプルな分「市場心理」を細かく見ています。心理分析を用いてトレードしているので、ロウソク足さえあれば、インジ類など不要です。
レジサポライン、キリ番、チャートパターン、移動平均線、雇用統計、FOMCでさえ、所詮、市場心理を動かす材料であって、実際にレートを動かすのは市場心理の意思決定です。
自分ではなく、他者がどのように意思決定するのか、その成り行きを見てトレードするという「俯瞰目線」を持つことで、ひとつ上の次元に身を置いてトレードすることができます。
歴史は繰り返す
ある事実が起こったときにトレーダーのとる投資行動は買う、売る、何もしないの3つだけ。その中のひとつを一貫性や確信をもって選べるようになるために、トレーダーは日々検証、練習しています。
マーケットの構造や大まかなパターンも知らずに、リアルトレードはできませんので、初心者の方は、いきなりトレードなどせずに、まずは最高の教科書である、過去チャートから学ぶべきです。
ボクはFXを始めた頃、なぜそこで、そういう動きになるのか、そういう視点で、ひたすら過去チャートを解釈していました。それこそ吐きそうになるくらいです。
そうすることで、上位足との関連性、天底のパターン、レンジ化しやすい場面などを知り、チャートがフラクタル構造になっていることも発見しました。
何を勘違いしているのか、未だに、「チャートの後付け解釈に意味がない」とのたまわれる方がいますが、静止している過去チャートに後づけ解釈できないレベルの人が、動いているリアルチャートで未来を推し量ることなんて、できるわけがありません。
上達の順序として、まずは過去チャートでしっかりと検証して、次に動いているデモチャートやFT2などでエントリーの練習をする流れがベターだと思っています。過去チャートを見て、自分なりに考えて「解釈」をつける行為そのものに学びがあるわけで、思惑通りになったかどうかに意味があるのではありません。
もし、すべての値動きがランダムなら、過去チャートを解釈する意味は全くありません。でも、もしそうなら、なぜ毎回のように、ダブルボトムやダブルトップというような同じパターンが繰り返されるのでしょう。値動きがランダムではないから、次に起こることを予測して、シナリオにのっとったトレードができるわけです。
バカと天才、紙一重。
紙一重の差で、マーケットは上に入ったり下に行ったりします。ある事実に対して、次に起こる事実が「売り」だと確信して、実際にそうしたとしても、そうならないこともあります。しかし、確信があるからこそ、そうならなかったときに「逃げるが勝ち」という素早いアクションを起こすことができます。
そうできるのは、確信の正体が「データ」であって、そうならないことも、データに含まれているからです。確信しているからこそ、あきらめも素早いわけです。
データに裏付けされてないエントリーだと、逃げ遅れたり、場合によっては、損切りすらできません。感情をトリガーにしたトレードでは、すべてがおぼろげで平常心を保てません。
急いてはことを仕損じる、あとの祭り。
負けてる人のエントリーは早すぎるか、遅すぎるかです。よくある負けパターンは、押し目買いや戻り売りで、戻ってくるのを待てない、もみ合いの最中にトレード、「出る杭は打たれる」ごとく、レンジブレイクのヒゲで狩られる。ボクも散々やりました。
初心者がどういうところでエントリーするのか熟知している逆張りトレーダーからすれば、これまさに「飛んで火に入る夏の虫」です。しっかり戻ってから入る、もみ合いは手を出さない、レンジブレイクしても飛び乗らない。この3つを厳守するだけで成績はかなり向上します。君子危うきに近寄らず、果報は寝て待ての姿勢が大事ですね。
高見の見物、長いものには巻かれろ。
ある事実の背景にある、もっと大きな事実を利用するためには、上位足の環境認識が肝です。人は熱くなれば近視眼になり「木を見て森を見ず」になります。そうなると目先の動きだけで、売り買いをしてしまうことになりかねません。
熱くなってると感じたら、モニターから2mほど離れたり、チャートを上下で見ずに、地図のように俯瞰、上空からドローンで空撮するようなイメージで見るようにしています。
上位足のパワーは下位足よりも強いというのが相場のセオリーです。上位足の目線やレジサポに逆らわないことを意識するだけで、トレードは改善されます。「木も見て、森も見る」がベストです。
火の無いところに煙は立たない
現在チャートは過去チャートと強い因果関係があります。言い換えれば、チャート左を見れば、チャート右を予測可能だということです。ロウソク足にはヒゲがありますが、その長さや出現頻度を見るだけでも大変なヒントになります。
今起こっているプライスアクションの理由が、過去にあるとすれば、過去を見ることがどれだけ重要かわかるはずです。
太いロウソクを表示している方がいますが、あれでは過去情報が不足します。チャート画面設定では、ヒゲが確認できるレベルで、なるべくロウソク足を細く表示してください。その方がより多くの過去情報を表示できます。インジを増やすくらいならロウソク足の情報をより多く表示すべきです。
チャート右側には全画面の20%程度にスペースを空けて設定して下さい。こうすることで、未来をよりイメージしやすくなります。
火の無いところに煙は立たない、過去チャートにくすぶる焚火の痕跡を見つけることです。
金の切れ目が縁の切れ目
チャートにはいろいろな節目がありますが、お金の入出金という節目もあります。
我々、個人の注文だけではチャートは動きませんが、それが大きな注文の塊となればチャートは動きます。チャートはこのひと塊の注文が動かしていて、シャボン玉のように膨らんで、やがては弾けて消えるというストーリー構成になっています。
シャボン玉のひとつひとつは、市場心理の意思決定で誕生しますが、そのひとつひとつは別々の人間がつくると考えたほうがいいでしょう。チャートにはいろんな人間が出入りを繰り返しているわけです。
あることがきっかけで生まれ、あることがきっかけで弾けて消えてさようならの「シャボン玉、マネー君の大冒険」だと思えばいいです。
個人のトレードに入金(建玉)と出金(利確・損切り)があるように、市場全体の大きなお金の流れにも、同じようなことが起こっています。
マナー君の大冒険に便乗して、一緒に旅をするのが賢いやり方です。マーケットにお金どんどん投入されるタイミングでエントリーして、シャボン玉が弾けるタイミングで利確するのがベターです。
これを知るには、どこで冒険が始まり、どこで終わるのかをわからないといけません。「バンドワゴン」よろしく、冒険の始まる前や、物語の終わりで参加してもおいしくなくリスクにさらされるだけです。
慣れてくれば、マネー君、近所のコンビニに行く、程度の値幅でも狙えるようになります。
トレードにはあなたの個性が出ます。だからこそ強みを活かし、弱みを改善する必要があります。
負けトレードを分析すれば、弱みがわかります。弱みが特定できれば、そのパターンを見送るルールがつくれます。
勝ちトレードを分析すれば、強みがわかります。強みから得意なパターンのルールをつくれます。
弱みを見せず、強みで勝負していれば、確信に満ちたトレードができ、負け続けるほうが難しいです。
「自問自答」
上達に必須なのは、自分の頭で考えること。
自分で問題を考えて、自分で答えを見つけのが検証や練習の目的です。
はっきり言って真剣にやると吐きそうになります。楽ではありません。
「他問他答」
他人に聞いて、他人に答えてもらう、上達しない理由はこれに尽きます。
インジケーターに走る理由は、自分の頭を使わなくてよさそうに見えるからです。
これでは、いつまでたっても、問題を見つける能力が養われません。
ブログ、教材、高額な塾に行っても、勝てるようにはなりません。
トレードが難しいのではなく、今までのモノの見方や考え方を変えるのが難しいだけです。
水平線とロウソク足というシンプルなツールを使い、まずは、ひとつの仮説を立て、自力で考えて、自力で解いてみて下さい。
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コメント
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コメント (12)
こんにちわ、ペンタブの説明はとても自然で「コメダ」でお茶しながらまるでリアルにお話伺ってる様です(笑)それと同様にリアルトレード解説も何度も実施されていてほかの人はどのようなタイミングに取引してるんだという方もありがたいに違いないですし、後から説明といわれる根拠も当然無く十分なくらいだと思われます。私自身初心に戻ってどんな局面だったら取引で成功できるか想像したり動いているチャートを見てサインが出たら「ここで入ったらストップはここで損切りはここ!」って前もってシュミレーションするように心がけています。余談ですが先ほどG7の報道で海女さんが紹介され「危険が伴うけれど海が私を呼んでいるので」って答えてらして、トレードも「危険が伴うけれどこのタイミングこの形の相場が私を呼んでいるので」って思っちゃいました(笑)大きなMは知っていましたがフラクタルな小さなMはこのブログではじめて知り学んでいます。今週のアートな画像はまるで狙った自分のパターンにはまった取引ができた時の喜びを表しているようです。いつも気づきをありがとうございます♪
シミュレーション、いいですね。そういうことができる人かどうかなんですよね(^^♪
拝見させていただきました。
市場参加者の心理につい理解しようとすることで、不可解だった点と点が線で結ばれる。
おぼろけながら実感します。
私にとってはこの実感を深めていって、市場の手触りを確かめることが出来るようになる必要があると考えています。
いつもありがとうございます。
市場心理を使うと腑に落ちるトレードができて、メンタル負荷がかかりません。とてもおすすめです。
はじめまして、いつも分かりやすい解説ありがとうございます!くるみちゃんの大ファンです!
夫婦で飲食店を経営しながら勉強させていただいてます
本日は、アドバイスを頂きたく投稿いたしました。
FXを選択し実践する人(嫁ちゃん)を支える
支援する側がしてあげれる事、してもらって助かる事は何でしょうか?よかったら教えてください
信じること、ですかね。
動画制作お疲れ様です。
「自分の頭で考える」
この言葉はシンプルで当たり前のように聞こえますが、とても響きました。
今の世の中とても直観的で分かりやすいものに溢れ、大げさにいえば思考停止していてもなんとか生きられます。
時代のせいにするのは簡単ですが様々な情報に埋もれない為にも、または上手くそれらを活用していくためにも「自分の頭で考える」というのは必須になりますね。
私は平成生まれですがPCやスマホで文字を打つのが多く日常で漢字が書けないことがよくあり「だめだなあ」と反省することもあります。
FXと聞くと最先端でスマートでいかにもなイメージがありますが、学んでいくと逆に原始的で人間としての成長、生き方に関して真摯に見つめていこうという気持ちになります。特に迷晴れFXを見ているとそう感じます。
「思考停止していても生きていける」
全く同感です。だからこそ、そうでない側と格差ができるのだと思います。
こんにちは、いつもためになる動画をありがとうございます。
こちらの動画で勉強を始めてちょうど1年になります。
1年前はマヨさんが何を言っているのかわからくて困っていたのですが、最近やっとマヨさんの解説の意味がわかるようになってきました。月足日足の波形、ダウ、ラインを意識するようになってから環境認定の理解度が深まったようで、入ってはいけない位置や時間とその理由がおぼろげでもわかるようになったのは大きな収穫です。(ここはしっかり抜けてから・・とか、ここは入ってはいけません、の意味)
今は週間チャート分析を参考にして押し戻りの検証しています。マヨさんの解説の中で自分のテーマ(ラインタッチの押し戻り)だけに絞って過去チャートで検証しながらマヨさんの動画と比較します。本当に自分ならこのように入れるのか?自分だったらもう少しエントリーポイントをずらしたほうがいいのかなあなどと考えています
それにしてもリアルトレードまで結構時間かかるものですね、たまに1枚入って損切とかやっちゃってます。大体が待ちきれなくて早すぎエントリーですね。まだまだ勉強です。先週のトレードジャーナルのフォーマット、とても参考になりました。ぼちぼちリアルトレードも頑張りたいところなので最小単位でこのフォーマットを使って試してみようかと思います。
トレードの勉強は本当に孤独で、自分のような2年生は結果が出ない中暗い道を一人で歩いているような気分になりがちなんですが、このような活動をなさっている方がいてくれると本当に心強いです。
これからもお体に気をつけて活動頑張ってください。
ラインタッチの押し戻りだけに絞って過去チャートで検証しながらマヨさんの動画と比較します。
いいいですね!参考になればうれしいです(^^♪
こんにちは、
「チャートの後付け解釈に意味がない」思わず笑ってしまいました。
どんなインジケーターだろうが、ツールだろうが、自動売買だろうが、過去の値動きや数値の分析を基に作成されているのに、そう言われる方は、ここのブログでの分析方法や分析内容が気に入らないのではないかと思います。納得できるブログやツールを探し続ければ良いと思います。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。
鉄血宰相ビスマルク、当時のヨーロッパで半端ない強さだったそうですが、もともとは「自分の経験だけでなく、他人の経験も聞いて効率よく学ぶようにしている」ということを述べてたようです。
自分の経験も大事ですが、ブログや動画の内容も合わせて学ぶと効率が上がります。
しかし、結局は、他人の言っていることを自分でやってみて腑に落ちないと身につきません。
また、トレンドでちょっこっと利益が出ている時は、決して考えややり方を変えようとは思わない思考停止状態です。しかし、漠然とした不安が残り、それはレンジの時に的中します(笑)
負けて、負けて、これじゃ勝てない、もうダメだ、と思った時に押し目買いが入るように別のやり方や考えが浮かびます。
でもそれは、別に目新しいものではなく、ブログや動画で何度も説明していること。
失敗を繰り返し、トレードパターンやチャートパタンが絞られてくる、そして、やっぱりこのやり方じゃないと勝てないなと悟ります。
別に負ける人間がダメなわけじゃなく、一般的な思考や感覚を持っているだけのこと。高値づかみなんか典型的で本能的に買いたくなります。
では、どうすれば良いのか。
自分の持っている思考や感覚を変えるしかないのですが、それは自分自身でしか変えれません。
馬を水飲み場まで連れて行くことはできても、水を飲ますことはできない。
ここは、水のある場所を教えてもらえますが、その水をどう飲むかはその人次第ですね。
自分の持っている思考や感覚を変えるしかないのですが、それは自分自身でしか変えれません。
やはり、肝心かなめは、そこですね。3つ子の魂、百までといいますが、人間の本能や、過去からの信念がそれを妨げます。
生まれ変わるつもりで、別の世界に生み落とされた感覚で臨まないといけないのかもしれませんね。