22Oct
トレードは波をとらえることで利益を得ることができます。難しいのはその波が複数あって、お互い干渉しあっているということです。今回の記事は、N字波形について紐解いてみたいと思います。
相場の波形は「N」か「N崩れ」のどちらかである。
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相場の波形は「N」一種類しかないとするなら、それ以外の波形はすべて「N」の異形として認識できます。トレンディーな相場なら「N」、レンジなら天井圏のダブルトップ、底値圏のダブルボトム、中間圏のトライアングルなどチャートパターンとしては、それぞれ名前が付けられていますが、すべて「N崩れ」としることができます。
相場には常に売りと買いの二重引力が働いていて、引力の距離間隔や強弱の影響で波が変化します。トレンディーな相場では、その引力に偏りがでるのでわかりやすいのですが、引力が反転する場所や、拮抗する場所では、パワーバランスを捉えにくくなります。
現実的な話、1時間足以下をメインにデイトレやスキャルしていると、すぐに引力パワーバランスの崩れに出くわします。良いポジションが取れても利食いで失敗するのは、そこがイマイチ見えてなかったりするせいです。
押し目買い、戻り売りのNゾーンの本当の意味。
以前、動画で「Nゾーン」を紹介しましたが、あれは上昇トレンドなら、その波形は必ずN字になるという理屈から考えたものです。当時は初心者の方にざっくりとした押し目買い候補のエリアを囲ってもらうことで、目線を固定してもらうのが目的でした。
誰もが上昇トレンドと判断する局面でも必ず逆張り派はいます。彼らが順張り派のロング利食いのタイミングに合わせて、押し目候補までの下落をショートするので一時的な下降波ができジグザグとした波形ができます。このNゾーン内にも高値と安値という売りと買いの二重引力が働いています。ただし、引力に偏りがある状態なのでN字波形を描いて高値をブレイクしていくのです。
僕が強者の値と呼んでいるのは、重要な値段(上図なら高値更新)をブレイクさせる起点となった値段のことです。相場には「試し」という値動きがあって、安値や高値を必ずといっていいほど複数回アタックします。その試しが失敗したあとから、本格的に動き出すことが多々あるので、そこがエントリーポイントになり、また波が返ってきた際にはサポートやレジスタンスとなります。
天底で起こる引力の反転。
天井圏ではN波形で上昇してきた波が崩れ、「N」になれず「M」などのチャートパターンを形成します。ネックラインを境にして引力の逆転が起こるので、ある意味、このポイントで目線を切り替えることもできます。ダウ理論では目線の切り替えを、最後の押し安値、戻り高値に置きますが、それよりも一段階早いわけです。このことが、ちょっと混乱を招きます。
世界中のトレーダーがネックラインとダウ理論のどちらを重要視しているかなど知るすべもありませんが、仮にフィフティーフィフティーとするなら、やはり上位足レジサポの強弱関係を条件に加えるしかありません。例えば、4時間足サポートから上昇してきて1時間足レジスタンスに当たっているならブレイクする可能性を考慮して、ネックラインをブレイクしたからといって押し安値を下抜くまでは上目線固定としたり、日足のレジスタンスに当たり目標達成と見るなら、ネックラインを境に早々と目線を切り替えてもいいかもしれません。
上図はダブルトップを形成していますが、この波形は「N」が崩れて「M」になったとも見えますし、「N」から「逆N」に引力が逆転した瞬間でもあります。
底値圏は天井圏と真逆なだけで見方は同じです。「逆N」が崩れて「W」になった、「逆N」が「N」に引力逆転した瞬間です。ここでも大事なのは、上位足レジサポの強弱関係ですね。
ダウ理論やネックラインなど、バラバラの知識を得ても、それらを臨機応変に組み合わせて使えなければ知恵とは呼べません。
ヘッドアンドショルダー(三尊)も、上図でいえば「逆N」が崩れ「N」になり、ネックラインを境に引力の逆転が起こった現象です。V字反転の時にも、これと似たような波形になることが多いです。
この場合、強者の値となるのは「肩」の部分で、波が戻ってきたときには、このラインでサポートされることが多いです。
事象の水平線の正体はブラックホール。
星が寿命を迎えると超新星爆発を起こして、新しい星を誕生させるそうですが、相場もそれとよく似ています。
相場の波動もレンジになることで終焉を迎え、レンジをブレイクすることで新たな波動として生まれ変わります。レンジ内部は混沌としたエネルギーを蓄積している状態で、超新星爆発の最終段階のようにブラックホール化します。そうなった相場へ飛び込んでいっても、数時間に渡り抜け出せなくなるなどロクな目に遭いません。
レンジをブレイクして、新たな波動が生まれてから、その方向へポジションを取る、あるいは、慣れてくればブレイク手前でエントリーすることも可能です。
今日のまとめ
最近見たSF映画、インターステラとアップサイドダウンの中で語られていた「二重引力」と「事象の地平線」というキーワードで動画をつくりました。いつも思うんですが、何かひとつ「道」を選んで邁進していると、ある事象が多くの出来事に共通している真理であるかのように感じることがあります。スポーツ、仕事、トレード、道はそれぞれ違えど、事象から得られる感覚的なものは同じなのかもしれません。
◆お断り◆
この動画は教育目的で制作されたものです。相場についての個人の見解を過去のチャートから解説したものであり未来の利益を保証するものではありません。売買取引についての判断は一切行っておりませんので、投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分に考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (16)
こんにちは。
いつもありがとうございます。
今回の動画は、スーっと入ってきて、頭の中がきれいに整理された感覚です。
ブログトップの「必要なのは手法ではなく思考回路」のメッセージも、最近になり理解できつつあるようです。
以前の「そろそろ本当の力を身につけませんか?」のメッセージも大好きで、拝見する度に、
「はい。よろしくお願いします!」と独り言を言っていました(笑)
トレードする通貨ペアについて質問があります。今日は、この通貨ペアが比較的トレードしやすい等は、日足などから判断できますか?なるべく簡単な動きをしそうな通貨ペアを見つけられればなぁ・・・と思います。
僕の場合、ユーロ円、ユーロドル、ドル円の3通貨しか見てないので参考にならないかもしれませんが、日足がハラミ足(値幅にもよりますが)になっていて、その中の真ん中辺を行ったり来たりしているような相場はトレードが難しいかもしれません。
ありがとうございます。
ハラミ足、苦手です。
参考にさせていただきます m(__)m
先日初めてここを発見しました。とても素晴らしい内容と気合が張ったHP、脱帽です。古いのから順にみています。一番古いのは14/5月ですけれども、いつからやっていたのですか? 古いのはあるのですか まだ全部見終えていないけれど とても興味があります。内容ともども一番ですが クリックする処が下で小さすぎます。動画の前にするとか、左に大きく出すとかしないのですか?これから全部拝見させていただきます。このような素晴らしい動画を作ってくれてありがとうございます!!
2014年5月末にスタートしましたので、おかげさまで約1年半です。「クリックする処が下で小さすぎる」とは、ランキングボタンのことでしょうか?それであれば、ランキングボタンは読者の方にとって1ミリのメリットもないので一番小さく目立たなくしました(^^♪
目立つ位置にボタンを貼らないと上位に行けないのかもしれませんが、サイトがダサく品がなくなる方がもっと嫌なので…どんなカラクリで上位に行くかみたいなものも見えてきたので、気が変わるかもしれませんが、今のところ、ランキング参加のメリットがあまりなければむしろ撤退も考えています。
今回もためになる動画ありがとうございます。
二重引力でいつも悩みます、買いと売りの引力のあるラインは分かるようになってきましたが、どちらの引力が強いのか分からなくて困ります。
早く力関係が分かるようになりたいものです。
やはり、上位足レジサポの位置関係が影響しているので、そこを見るといいと思いますよ。特に上位足の目標に到達しているのか否かということが大事です。
今回の動画も色々な工夫がされていて、とても見やすかったです。
今回の動画ではWトップ、Wボトムと三尊、逆三尊の違いについて新たな気付きがありました。
Wトップ、Wボトムではネックラインとダウ理論による目線の切り替えのポイントの位置がずれているのを
解説されていましたが、三尊、逆三尊ではネックラインの解説にとどまっていましたが、もしかすると三尊、
逆三尊のネックラインとダウ理論による目線の切り替えポイントが同じになるのではと、思った次第です。
ここら辺も検証して突き詰めると新たに優位性を発見できるのかもしれません。
どうもありがとうございます。
ご推察通りのことが多いですが、真ん中の山が単なるオーバーシュートの時もあるので相場によりけりですね。
初めましてm(__)m
たまたま拝見させてもらって
自分の目線の低さに
アゴが外れてしまいそうでした。(ー ー;)
ダウ理論からまた
しっかり勉強しようと思いました。
応援してます。
大事な基本を押さえて、あとはシンプルに考える方が、安物買いの銭失いになりにくいかと思います。
とてもためになりました。
相場の波形はNと逆Nが基本。
転換期にMやWが現れる。
そう思ってみると、
チャートにはNと逆NとMとWと首線がたくさん散らばっていますね。
お宝探しのパズルのようです。
「こんなにたくさんあったのか!」
「簡単に取れそうじゃないか?」
あとからみるとそんな風に見えます。
もう一つ逆の考え方もあります。
相場の価格が安定している時は
MやWのレンジが基本。
何か、それでは済まされない不均衡が生じると、
水平な定常波形にもう一つ上下の力が加わって、
「本来水平を維持するつもりの波形」が、
上や下に傾いて上昇ダウ、下落ダウになる。
トレーダーはトレンドを追い求め、
トレンド相場こそが正と思っていますが、
為替の交換レートであれ、
株式や商品の価格であれ、
安定した価格で落ち着いていてはならない、
というものではないはずです。
しかし、トレードで何らかの差益を欲していると、
トレンドがないことは残念なことであり、
価格が安定していることは、
相場師を殺す、刀より簡単な方法と言われています。(笑)
トレンドなんて、そうそう、ないものだ、と思って
パラパラといろんなペアや時間軸のチャートを見てみると、
あら不思議、どのチャートもえらく傾いて
トレンドだらけに見えます。
自分がトレードしているときは、
延々動かなかったり、逆に動いたり、
なかなか思惑通りにならないのに不思議ですね。
ところで、
くるみさんがのっけからまた、
大変なことをおっしゃっていましたね。
最初に動画を見たのは帰りの通勤電車の中ですが、
動画の後に、「真っ赤なスカーフ」を
しみじみと聴く羽目になりました。
「必ず帰るから、真っ赤なスカーフ きっとその日をむかえておくれ」
迷える宇宙を旅する身にはしみわたる歌ですね。
イスカンダルの迷晴れ星にたどり着き、
至る所に真理の書が輝いていて、
これらを全部マスターして地球に帰れば、、、、
きっと真っ赤なスカーフで、、、、、
私は、、、、
イスカンダルの、、、、
迷晴れ、、、、、、
相場の真理を、、、、、
今後ともよろしくお願い致します。
スターシャ、いったい動画を見てる人の何割くらい知ってるのでしょう?20代に人が見てたら全く意味不明だと思います。
迷晴れfx様
いつもためになる動画をありがとうございます。
fx始めて5年近くになりますが、このような解説は初めてで、
とても勉強になれます。ありがとうございます。
1つ質問ですが、
レンジを抜けたとき、一直線に抜けるときと、
抜けても1度引き返してくるときとの違いは、どこにあるのでしょうか。
どうやって見抜けばいいのでしょうか。
次の機会に、ご解説いただければありがたいです。
よろしくお願い申し上げます。
損切注文がたまっているか否かに注目してみてください。それまでの値動きがどうだったかがヒントになります。
拝見させていただきました。
今回のお話し、ちょっと凄すぎます。
今まで見えなかったものが見えるようになったような感じです。
これから自分がどうやってチャートと向き合って行くべきか方向を示していただけました。
この動画とこのページにある関連の動画を何度も見て体に取り込む必要がありそうです。
しばらくの間は先に進まなくなるかもです。
今回のお話しは自分が長年取り組んできたことにも通じるお話しでした。
ブログの最後に書かれていた【事象から得られる感覚の共通性】を実際に体感しました。
この動画以前と以降ではチャートの見方が全く変わりそうです。
素晴らしい気付きをありがとうございました。