15Nov
迷晴れボックスは、ブログの「迷晴れボックス」より投稿された、負けトレードや、トレードのモヤモヤを、テクニカルとメンタルの両側面からスッキリさせようというコーナーです。
トレードのルールについて:人生損切りさん
FXを始めて1~2カ月の初心者です。周りにFXの事を話せるような人も居ないので僭越ながら質問させてください。
売買時のルールについてですが、「移動平均線のゴールデンクロスとデットクロスで売買する」というルールをもってトレードするとします。
(11月8日早朝から18時位の1H足です)トレンド的には下げだと判断して短期MAが長期MAを下抜けたので売りからエントリーしました。
同時に損切りの注文をマイナス10ピプスのところに置きました。
それまでの自分だったらちょっと利益が出るとすぐ決済してしまうチキンなトレードしかできなかったんですが、今日はこのルールに則るという強い信念をもってしたので、半日以上持っていていい感じで利幅が出てきました。
そこで、僕は利確のために、その損切り注文を、エントリーからプラス10ピプスの所まで動かしました。
これでどんなに悪くても損はしない。最低でも10ピプスは利益が確定してます。
で、思ったんですが、それじゃゴールデンクロスとデットクロスで売買するというルールに違反しているんじゃないか?ここはどこまでもクロスを待つべきじゃないのか?ということです。
結果、このトレードは途中の戻しにあたってプラス10ピプスで終わりましたが、移動平均線はいまだクロスしていません。
ルールに則っていればもっと利益がだせたかもしれません。
こういう場合どうすればいいんでしょう?迷晴れさんならどうしますか?
そもそも損切り注文を入れたことが間違っていたんでしょうか?損してでもルールに徹しますか?
こういう時もあるさって・・・それとも利幅が出たところでルールなんか無視して決済してしまった方がいいんでしょうか?
メンタル的な事だと思いますけどよろしくご指導ください。
もしそのような事についての動画があれば教えてください。
よろしくお願いいたします。(資料の添付とか何も無くてすいません・・・)
テクニカルの側面
チャートやMAピリオドの説明がなかったので勝手に想像してみました。
MA21とMA10のDクロス(赤〇)でエントリー、Gクロス(紫〇)でイグジット。
移動平均線を含む平均値系インジは、過去の移動幅を平均化したものなので、ローソク足を後追いします。
ピリオドが小さければ反応が速く(ロウソク足に近い動き)、大きければ遅いという”タイムラグ”を利用したのが、Gクロス・Dクロス手法になります。
Gクロスとは、短期MAが上昇傾向となり、長期MAを上抜くことで、長期MAも上昇傾向になるはずというエントリー根拠です。
反応が遅いからダメということではなく、遅いことを利用して、相場の変化に信ぴょう性を持たせるものです。
古典的な手法ですが、エントリー条件に、レンジ相場をスルーするフィルターをかますなど、Gクロス・Dクロスのデメリットを知って、適材適所で使えばいいのではないかと思います。
ただ、ボクは使いません。
理由はクロスするタイミングが遅すぎるからです。クロスが発生した段階では、波の転換からだいぶ行きすぎてしまうことが多く、中途半端なところで入ると損切り位置が遠くなります。
ざっくりしたトレードなら、これでいいかもしれませんが、デイトレやスキャルピングなど、利幅の少ない短期トレードで、いかに損切りをタイトにできるかは重要です。
また、わざわざ、平均値インジを使わなくても、そのままダイレクトな情報で波の転換を判断可能だからです。
それよりもっと重要なことがあります。
ドル円は高値圏レンジで、オレンジ点線(ネックライン)は”猛牛注意”!そこにむかってショートしています。
これは、スピードメーターとタコメーターだけ見て、前も後ろも見ずに運転しているようなものです。
インジしかみないということは、そういうことです。
今回は猛牛注意ラインまで値幅があったので利益になりましたが、そうでなければ壁打ち顔面直撃の刑です。
これがわかっていれば、何をやってもアリだと思います。
1時間足で高値切り下げていて、そろそろ下に抜けやすいだろうからブレイク期待でホールドする。
猛牛注意ゾーンでもらって、再度、入りなおす。
猛牛注意ゾーンで半分利確して、残り半分を引っ張る。
どこで利食いするかも、好みの問題ですが、猛牛ゾーンの存在は、世界共通認識、グローバル・スタンダードです。
世界が認知しているだろう事実は、自分も認知しなければなりません。
おそらく投稿者さんが利確したのは青〇でしょうか。
ボクがもし、赤〇で入れたら、白1で半分利確して、113.50キリ番でサポートされ、安値を切上げだした白2で残り半分を利確します。
このまま下降フラッグになり、もっと下がる可能性もありますが、それは希望的観測なので、フラッグになってから入りなおせばいいです。
Dクロスで入り、オレンジ点線(ネックライン)までの動きならプラン通り、これを少しブレイクすることも想定内ですが、ネックラインを抜けた波は、すぐに戻り始めます。
要するに、どこまで下がるかは”運”の要素がからみます。運にすべてのポジションを預けることはできません。
メンタルの側面
メンタル的な事だと思いますけどよろしくご指導ください。
この一文に投稿者さんの”マインド”が現れていると感じました。
Dクロスでエントリー、何があっても、逆指値1マイナス10ピプス固定、Gクロスでイグジット。
Dクロスでエントリー、利益が10ピプスのったら、そこに逆指値を移動。
投稿者さんは、どっちがいいですか?どっちのルールになら安心して背中を預けられますか?
「それがわからないから聞いてるんだ」
そう思われるかもしれませんが、ボクは移動平均線を使わないので、何ともいえません。
ルールって、これで負けたら仕方ないと思えるものです。
それって、ボクが決めるより、自分で決めたほうがいいです。
どっちがいいのか…納得できるまで検証して”納得解”をみつけてください。
そしたら、そのマイルールに背中を預けられます。
そういうルーチンを省略して楽しようとしても、モヤモヤ・メンタルは解消しません。
ドラクエの伝説の勇者も、最初はただの人です。
だから、いろいろ、できないし、何をやっても、初心者レベルの経験値しか得られません。
スライムをひたすら棒で叩いて経験値を上げるのはめんどくさいですが、それがRPGの王道だし、経験値が上がらなければ、HP、MPはふえません。
ただし…
だれもが、レベル1からスタートしますが、マインドだけは、レベル100の伝説の勇者でなければなりません。
ボロは着てても、心は錦の鎧です。
何かを学ぶうえで最も障害になるのは”依存心”です。
人間には2つのタイプがいます。
もろい人ともろくない人です。
ラッキー待ち、希望的観測、必勝法探し、依存心の強い人間はもろいです。
何をやったって、もろい人間が、もろくない人間に勝るわけありません。
依存心はもろさの象徴です。
同じものをみて、同じものを聞いた人の未来が違うのは、モロさが違うからです。
相場に初心者コースなどありません。同じ土俵にあがるなら、いきなりのコブ付き急斜面からのアイスバーンです。
そこで転びながら覚えるしかありません。
「投資は腹でする!」
これは、ブログ読者の方から頂いた名言です。
投資は頭ではなく腹でする。
心構えや覚悟、勝っても負けても、自分の投資行動に責任をとる姿勢が大事なんだと思います。
ボクがトレードを始めて1、2ケ月のときは”分からないことが分からない”という二重苦でした。
インチキ塾の先生が、自信満々に語るノウハウに違和感を感じていたので殊更でした。
分からないことが分かる、これなら、希望の光が見えてきます、そこに向かってひたすらペダルをこげます。
辛くても楽しいのは、そこに希望があるからです。
この”つら楽しい”を感じ続けるには、学び方に確信がなければなりません。
だからこそ、何を学ぶのが正しいのかを知ることがコツです。
そうすれば、そこから始まるすべての”気づき”が学びになります。
敵を知り、己を知るなら、負けようがない。
敵を知らずに、己を知るなら、五分五分。
敵を知らず、己も知らなければ、勝ちようがない。
これは世界中の人が、一度は聞いたことがあるだろう、孫子のフレーズ。
敵のことも、己のことも、まだ何もわからない。
敵と己に対して自分は無知である。
これに気づくけば、分からないことが分かった、学びのスタートラインです。
学びのゴールは、敵のことも、己のこともわかってるあなたです。
当り前のことのようですが、このスタートラインにたてずにいる人が大半で、どこから始めればいいのかわからないのです。
“分かる”の語源は”分ける”で、”分からない”とは”分けられない”ことです。
このブログや動画では、どう分けるかということをお伝えしていますが、学びのスタートラインとして、これから学ぶべきことをざっくり2つに分けると”敵と己”になります。
敵をわかる。
これは、相場の環境認識のことです。どことどこが、どんな力関係で戦っているのかを分析(整理して見える化)できることです。
これができれば、どこからどこまで、どんな動きを狙うのかプランをたてることができます。
今は、売りと買い、どっちが有利なのかもわかります。
逆に、敵がどこに潜んでいるかわからなければ、自分の負けにくい状況をつくりながら戦うことができません。
勝つことばかりに捕らわれ、負けるカタチを知らないことが逆に”恐怖”を生み、裁量トレードなら、この恐怖がある限り不安定です。
手法はパターン認識のひとつでしかありません。
〇〇なら△△である。ただ、それだけのことです。
パターン認識なんて無限にあるので、そこからひとつ選べばいいだけです。
敵を知っているという前提なら、どんな手法を選んでも大差ありません。今回のようなクロス手法でもいいですし、そこは重要じゃありません。
己をわかる。
これには”負けトレード”から学ぶしかありません。
自らの失敗トレードを集めて、テクニカルとメンタルの両側面ら客観的にデータベース化することです。
おすすめは手書きでノートをつけること。
大学ノートの1ページを4分割して、簡略図、エントリーの根拠、負けた原因、そのときの感情などを記録します。
手で書くことで、右脳が刺激され次第に、自分固有の負けパターンを認知することができます。
負けにくくなれば、自然と、勝てるようになります。
ボクは初心者の頃から、1ロット(1万通貨)でトレードしました。
1回負けると1,000円~1,500円の損失になりますが、1回の負けトレードで、本一冊分の”気づき”を得ようと考えました。
1,000円本を読んで、ためになるのは、せいぜい数か所、そう考えると同レベルの価値と思ったからです。
同じミスを繰り返すと、また似たような本を読んでしまった…と後悔しますが、そういう己を知ることになります。
1,000円本を買っても悔しくはありませんが、1,000円負けると異常に悔しくなります。
その悔しさを”本を読む”という行為で得られる価値に置き換える”置き換えネガティブ・ダイエット”で、メンタル・ダメージを軽減してました。
いつまでもデモしかしない人がいますが、人は安全なところでは成長しません。
多少痛い思いをすることも、お金に耐性をつけるためには必要なことです。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
必勝法を学ぶより、危うくない己をつくることのほうが1000倍、大事です。
投稿者さんをはじめ、初心者の方は、まずこの「デイトレード」をオススメします。
◆迷晴れFXの上手な活用法◆
この動画やブログを見るだけでトレードが上達することはありません。
本来の学び場はチャートであり、当コンテンツは【考えるヒント】の気づき場とお考え下さい。自分で仮説をたてて、自分で考えることが勝つコツです。
◆お断り◆
この動画は「学習」を目的に制作されたものです。個人の見解を過去のチャートから解説したものであり、未来を予想したり、利益を保証するものではありません。
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コメント
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コメント (5)
迷晴様こんにちは。
いつもブログや動画を拝見させていただきありがとうございます。
私は迷晴れ様に今年4月初めにコメントを出させていただいたことがあります。
その時は初めて月単位で勝ち越し(+177pips)、嬉しくてお礼の気持ちを込めて書きました。
それから、あっという間に8か月近く経ちました。成績は月単位で半々ぐらいですが、pipsでははるかに負けています。
今回のブログで「己を知る」というキーワードが出てきました。少し意味合いが違うかもしれませんが、今の私は毎回同じ過ちを犯して自滅してしまう己(負ければ熱くなりポジポジしてマイナスに、雇用統計などのボラについ乗っかり大損するなど)が歯がゆくて、情けなくて・・・、やっていはいけないリストなど作成するのですが、悪魔の己がそれを無視して余計な行動を起こします。
人間、気持ちだけではそうは変われないものなのだなと痛感しています。しかし、私は変われる自分になりたいと心の底から思っており、人生の楽しみや目的が実はそこにあるのだとすら思っていて、トレードこそが自分が変われたことを分かりやすく知ることが出きるツールだと思っています。
今回のブログの写真の中で、足元に「start」とラインが引かれています。私は、11月1、2日とトレードしてまた同じ過ちを繰り返したので11月はこれで「stop」です。
迷晴れ様のたくさんのブログを見、いいと言われる本を読み、たくさんの知識を得ました。投資日記をつけることはとても大切なことだと心の中では認識していますが、やっかいなため、自分に都合よくスルーしてきた自分を猛省し、今、ブログを立ち上げ、投資日記、エクセルでの記録(このブログでいただいたやつを少しモディファイしました)を11月分の14回のトレードだけでもつけないと新たなトレードしないと決心して記載しているところです。
少ない記録ですが、つけていると、たくさんのことが分かり、見えてなかったものが見えてきてとても勉強になります。記録は大変ですがこれをしないと次の己に変化できないと確信してがんばっています。
長々とすみません。また成長したら報告したいと思っています。これからもブログ頑張って下さい。
トレードノート、ぜひぜひお役立てください。初心者の方からのご投稿は、ボク自身も、初心に帰ることができるので勉強になります。当時と今の心境の変化を思うに、少しは成長したかなとも思います。今年も残り僅かになりましたが、じっくりと自己分析をしてみるのもいいかもしれませんね。
自分の弱さや甘さが必ず損失となってしっぺ返しがきます。まるで投資の神様がみているようです。そう思うとなんだか笑えてきます。寸分もごまかせない崇高な世界に触れているような気がするからです。
お返事ありがとうございました。
こんにちは、
何でもそうなのかもしれませんが、相場のことを一通り学んでもそれが実戦で役に立つのかどうか、
これは体験をしないと身につきません。
ダウ理論にしても損切りにしても環境認識にしても、頭でわかっていてもそれらをリアルチャートで読み込めるのか、
全く別物ですね。
例えばギャップを埋めにいくという現象を知識で知っていても、そういう経験をしていなければ、いつの間にかその知識は脳みそのどこかに埋もれていきます。決して忘れているわけではありません。知識としては認識しています。
これはいくらデモで眺めても同じです。
実際ショートポジションを取った後に逆行して何故だと考え、「まだギャップが埋まってなかった」というのを痛みを伴って見ることで「なるほど」と思った時に初めてスキルとして身についていきます。
ノートを取って暗記をしたとしてもそれがすぐに役に立つことはありませんが、どこかでつながる時がきます。
その時にノートはかけがえのない宝物になると思います。
これには膨大な時間がかかりますが、必ず到達できると信じます。
時間の感覚やタイミングと知識が一体となった時にチャートが読めるようになると思います。
あとは、損切りや利確の枠組みをどう考えるのか、それこそが手法ではないかと思います。
ほとんどの場合、手法以前の問題で停滞しているのではないかと思います。
手法以前の問題で停滞している…強く共感します。
脳内ニューロンがつながるというか、経験値が上がれば、折り重なった複数のことが分かり、同時に行動できます。バラバラな情報が、ひとつの塊に見える瞬間、そういうときが来ます。
それには、本質を学ぶことからブレずに、数稽古するしかないと思ってます。