10Jun
相場には「勢い」という見方があります。後から見てムダだったと感じるトレードは、大概、勢いのない中途半端なポイントだったりします。
相場の「流れ」と「勢い」がわかればムダなトレードが激減する。
おいしい所を確実に頂く効率的なトレードをするには、相場の流れと勢い、この2つの把握が大事です。流れとはシナリオのことで、A地点を過ぎればB地点に向かうだろうというような、相場全体を俯瞰した作戦で、勢いとはタイミング、相場がグングン伸び始めるポイントのことです。
トレンドラインや移動平均線の角度でも、相場の勢いを測れますが、今回の勢いとは、ローソク足が完成する時の流れを、人間の一生になぞらえて見ていきます。
ローソク足、始めと終わりはヒゲになる。
ローソク足陽線を例に取ると、始値→安値→高値→終値の順で波をつくります。そこでローソク足の一生を人間のそれと同じように5期に分けてみました。勢いは若い方が強く中年になってくると衰え始め、老年になると目に見えて弱々しくなります。
少年期
- 始値から安値は本来向かうべき方向に抗うことが多いです。人間も非行少年よろしく、反抗期を迎えた幼いアイデンティティが大人の社会に逆らいます。
青年期
- 進路も決まり、大人社会の仲間入りを果たし、長いものには巻かれろという言葉の意味を理解します。
壮年期
- 結婚して守るものもでき、働き盛り、体力もあり、まだまだエネルギッシュに動ける時期です。
中年期
- 40を過ぎると体力の衰えをヒシヒシと感じます。仕事でも上司と部下の板挟みレンジ相場で上にも下にもいけません。
老年期
- 気持ちだけは若くても、寄る年波には勝てません。強気のレジスタンスで跳ね返されます。
オーソドックスなローソク足なら上下にヒゲを出すことがほとんどなので、慣れてくれば少年期の下ヒゲでエントリーなんて芸当もできますが、老年期はエントリーを控えたほうがいいといえます。
波で見ると少年期と老年期は「頭と尻尾はくれてやれ」の頭尾部分になるわけで、よくヒゲでやられる人は意識しておくといいです。
1時間足などをよく観察すると上昇トレンド中なら、1本前のローソク足終値を越えて陽線になり始めたくらいから急に伸び始めることが多くあります。こういうポイントでエントリーするとストレスなく利益を伸ばすことができます。
トレンド継続中に出現するフラッグなどのチャートパターンも、時間足の切り替わりによく起こります。上位のローソク足を見ると上ヒゲと下ヒゲでラインが引けるのが確認できます。過去チャートを見て是非、検証してみてください。
相場はフラクタル構造なので、日足など上位ローソク足1本の中に、トレードしている時間足の波も包括されています。上下ヒゲ部分はダブルトップやダブルボトムなので反転チャートパターンをつくり、ローソク足実体の中では時間足の切り替わりでフラッグなどのトレンド継続チャートパターンが出現しています。
実際にエントリーした具体例。
上図は2015/06/09EURJPYの5分足チャートで、1時間足ローソクを表示しています。ローソク足の一生を意識して実際にエントリーした様子を順番にキャプチャーしたものです。
この日は朝から青ライン、下方ブレイクのエントリーを狙っていました。1回5分足が実体で青ラインをブレイクしましたが、このとき1時間足も大きな下ヒゲを出してサポートの強さを示しました。1時間ローソク足が実体で青ラインをブレイクしなかったのでここのエントリーは見送りました。
次の1時間足陰線でき始め、5分足も上ヒゲを出している辺りで入れればよかったのですが、ここは入れませんでした。その後、1時間足陰線が青ラインをブレイクして確定。
次の1時間足が始まり、上ヒゲになり始めたところからエントリーしました(5分足陽線レジスタンス確定+陰線でき始めのタイミング)
始めの陽線部分は反発してヒゲになりました。
その後、順調に下落して、このワントレードで1日の目標ピプス(額)を達成しました。このように例えば1時間足1本を確実に取るだけでも、十分なピプスは稼げます。こういうことを毎日繰り返していれば比較的安全に利益を重ねることができるはずです。
参考5分チャートに1時間足ローソク足を表示する方法は以下の記事をごらんください。
今日のまとめ
ローソク足は日本人が開発したツールらしいですが、これを考えて人はホント凄いです。僕も相場環境やエントリーの判断にヒゲをよく見ますが、ローソク足はシンプルかつ4本値を通じて重要な情報を提供してくれる最強のテクニカルツールです。
[youtube id=”5laJ5PH5D-s”]
この動画は、ほんとに重要で意味が有り、そして深い理解が必要な事をいってますね。 しかも青年期、老年期というのがイメージしやすいです。 ただ、まだ、経験が少ないか負けている間は、そこまで大切かどうかわからないかもしれませんね。
あと、僕が感じているのは陽線は陽線で終わりたい動きになり、陰線は陰線で終わりたい動きのはずです。 でもヒゲになり、逆方向になる、大きな時間軸になると戻り売りで有り押し目である初動ですよね。 そして、ヒゲが出ないローソク足は、まさに力はあるけど老年期の為、次にバトンタッチをする。だから、ひとつ前の終わり値と 次の始値がどれだけ重要なのか、という事もわかります。エントリーポイントのところも上昇と下降の力関係がどう変化しているかをまさに表現してますよね。
これはぜひ、第2弾をお願いしたいです。 ローソク足の解説はどこでもたくさん有りますが、連続するローソク足を深く理解できるようなテキストは僕は見た事がありません。 この動画はほんとに素晴らしいです。絶対、重要です!! これからもよろしくお願いします。
今回の再レビューのきっかけは、このコメントでした。改めて動画を見直すと、そのときは然程感じませんでしたが、なかなか深いことを言ってるような気がします。
相場はいろいろな分析方法がありますが、ローソク足一本づつの意味が理解できれば、最強のテクニカル・アナリストになれるだろうなぁ。
相場では常に縄張り争いが起こっていて、それがローソク足に現れます。ローソク足の連続した動きは波として視覚化されますが、その波はローソク足で出来ています。
ローソク足はまるで、それ自体に意思があるかのような動きをしますが、それは気のせいではなく、実際に市場参加者の意思塊なのです。
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コメント
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コメント (14)
お久し振りです。実は最近、水平線を否定するトレーダーと出会ってしまいました。迷晴れFXの事は一切口にしなかったんですが、ことごとく否定され悔しくて仕方ありませんでした。
『見えるものに反応するようじゃ、常勝するのは難しい』とか言われ、自分には訳がわかりません。その人とはもう会うことはありませんが、何が言いたかったんでしょうか?
自分は水平線が一番だと思っています。
なめんなよ!
トレード手法は人それぞれなんで、目に見えないものを基準にトレードする人がいてもアリだと思いますが…ネットの世界には残念な人も大勢いますから何ともいえませんね。ネットでのお知り合いなら、あまり真剣に取り合わないのが一番です。チャートを見ていれば、そろそろかなという直感みたいなものはありますが、それは誰でもあると思いますよ。
ありがとうございます!本当に悔しかったのでこんなコメントしてしまいました。スミマセン
…
よく”T”のような下ひげのろうそく足が出ると反転の予兆だと書かれていたりしますが、その中には短期のWボトムのようなチャートパターンが内包されていて、次の足でダウ理論的な目線が変わって反転していくのかなと考えました。
FT2をレジサポの感覚を掴むために使っていたのですが、その中でチャートパターンをよく目にして、じゃあ次はローソク足の・・・とまた知識の沼に嵌まろうとしていたところでしたが、今回の記事で疑問が一気に解けました。
統計的に有利なパターンは複数時間足やダウ理論、レジサポなどの波の性質の表れだと考えると納得できそうです。
今回も大事なことに気づかせてもらいました。ありがとうございます。
断片的な知識が波の性質として、ひとつにつながるとチャートが顔に見えてきて応用が効くようになると思います。
いつも参考にさせていただいております。
質問なのですが、今回のエントリーですとロスカットはどの辺りなのでしょうか?許容の範囲にはなるとは思いますが私は140.700辺りにしてしまうのでロスカットが離れすぎているため躊躇してしまいます。完璧なエントリーなどないのは承知しております。今回のエントリーは5分陽線がレジされた上あたり140.350かなと予想しますがどうなんでしょうか?
よろしくお願いします。
僕もそこら辺でロスカットします。
いつもありがとう御座います
ちょうど今日トレードしていまたら
下落をして一旦買い戻しが入りましたが、00分になった途端に再度下落を始めました。
正確で見やすい時計が欲しくなりました。
これからも頑張ってください!
1時間足の替り目は意識した方がいいですね。
とてもためになりました。
余談ですが、反抗期のローソクで飛び出した「なめ猫」と「三連ホーンサウンド」は大ヒットです!
朝の通勤電車の中でしたが、何度も見直しては、にまにま笑いが止まりませんでした。
ローソクの一生をわかりやすく解説して頂いたのはトレードに大変役に立ちそうです。
ローソクが切り替わって、まず逆行すると、
「おっ!、出た出た反抗期、なめ猫、パラりらパラりら」 と楽しくなります。
トレードの戦略やシナリオは4時間1時間くらいで考えるようにしていますが、
実は、動きのある1分、5分を見るのが大好きで、電波時計の55秒あたりからのカウントダウンで1分の切り替わり、
パソコン上でチャイムが5分ごとにで鳴るようにしていて、5分、15分、1時間などの切り替わりを注目したりしています。
今回の動画は、おそらく1時間足くらいのイメージと思われますが、
1分、5分の短期足では、切り替わり直前数秒のどんでん返しがよくあるので、
別の意味で終値に注目しています。
最近、迷晴れ流「裸チャート+ラインのみ」表示のチャートにして以来、
ローソクがとてもよく見えるようになりました。
何か、かわいらしいような、これから行きたい方向を教えてくれるような、楽しい感じがするようになりました。
不思議なことに(笑)、成績も向上しているみたいです。
素晴らしい講義をありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
有難うございます。シンプル・イズ・マネー。単純さは金なりをコンセプトにこれからも番組をつくっていきます。
上司と部下に挟まれたレンジ相場(笑) 何気に聞いてたら吹きました
拝見させていただきました。
ロウソク足の重要性については、迷晴れ様から勉強させていただいて感じるようになりました。
でも、自分ではヒゲを見るくらいしか出来ず実際に活用するには見当がつかないレベルでしたが今回のお話しでかなり進歩しました。
ロウソク足の分析で感じたのが、これこそ検証して自分で考えることでしか最終的には極められないものなのではということです。
ロウソク足は、その一本ですら多くの情報を内包していますが、その連続性や動き更には陰線と陽線の比率などを考えると無限の情報の宝庫だと思いました。
だからロウソク足の解析方法は断片的なものばかりで、包括的かつ明確なものは目にすることがないのかなと感じました。
他の方もおっしゃていますが、私も迷晴れ様のこの動画で初めてロウソク足の包括的な解説を知りました。
情報価値、希少性、ともに他とは一線を画すものだと思います。
素晴らしい気付きをありがとうございました。
こんにちは、投稿ありがとうございます。 質問があります。 ローソク足の重さ、ローソクのペース、影の持続時間などを測定するローソク足分析について何か知っていますか。 ご存知の方はこの解析名を教えてください。 ありがとうございました