11Nov
チャートを左から見て、現在レートがいったいどこから来たのか分析する。大きな目標を達成してからなのか否かで右側の未来に起こる可能性も変化する。
機能する水平線とは、注文の集中する値段。
[youtube id=”_aiBJTjeNeg”]
注目の値段、重要レートなど水平線はいろいろな呼び方をされますが、要するに注文が集中する値段のこと。相場は3種類の注文で動く。
- 新規注文
- 決済注文の損切り
- 決済注文の利確
売ればどこかで買い注文、買えばどこかで売らねばならない宿命にあるのがトレード。3つの注文の集中する値段をチャートから推測できれば、そこが絶好のエントリーポイントになります。あなたの引いた水平線が機能しないのは、その値段では誰も買わないし、誰も売らないということに他なりません。
注文の集中がレジスタンス、サポート、節目であって、その一線を越えればブレイクアウト、支えられれば押し目、戻り目となる。こういうポイントでは世界中のトレーダーの思惑が交錯、大量の損切り注文なども出て一気にレートが動く。
Wの悲劇が起こる値段が絶好のエントリーポイント。
例えば、戻り売りの場面では多くのトレーダーが売り場を探しショートする。売り注文が集中する値段と推測できれば、あなたも一緒に売ればいい。
また、そのショートが成功すれば、今度は利確の買い注文が入るので、戻り売りの注文が大量にあれば、当然ながら利確の買い注文でかなりの反発が予想される。逆張りトレーダーはそういう利確の値段を目ざとく見つけて、逆張りロングを仕掛けてくる。
新規の戻り売りが失敗、逆行したなら損切りの買い注文が出される。その損切り注文を狙ってロングをする損切り狙いのトレーダーもいる。
チャートから、どの値段で損切りや利確の注文が集中しそうかを推測する。そういう値段に新規注文をぶつけてやれば短時間で大きな利益になりやすい。
他者の損切り注文に新規注文をぶつける、このダブル注文で値段は大きく動く、他者にとってはWの悲劇だが、捕食する側としてはおいしいポイントになり、この値動きを起爆剤として新たなトレンドが生まれることも多い。
他者の利確に新規注文をぶつける、これは張りトレーダーのやり方だが、Wの悲劇と違い一瞬の値動きになることも多いので、適当なところでもらっておくべきだ。
新規注文だけよりも、大量の損切りや利確注文をダブルで巻き込んだほうがより大きく強く動く、上図の黒マウスのように、大量の損切り、利確クリックがされそうなところで、あなたも新規注文を出すといい。
今のレートはどこから来たのか?
中長期足が上目線としたなら①のようなレジスタンス抜け期待ロングはどうだろうか?
上図を見れば4時間足サポートに支えられて上昇してきた経緯がわかる。つまり①の段階で4時間足サポートで買ったサポーターはまだポジション保有している可能性がある。彼らサポーターが①のポイントでさらに買い増ししてくることが期待できるので①でのロングはチャレンジする価値がある。個人的な期待感ではなく、そこに期待していい人間が存在しているかどうかがポイントです。
この図では4時間足サポートで支持されずに①まで上昇してきている。この場合①では買えない、なぜなら4時間足サポーターはポジションを持ってないので買う理由がないからだ。このケースでは4時間足サポートまで下落してから上昇しなおすこともある。
注文の量と伸び幅は比例する。
中長期足上目線として、ブレイクアウト後のエントリーを考えた場合、一番利益が伸びそうなのは①~④ロングの内どれだろう?その理由も考えてほしい。
①ブレイクアウト直後のロング:僕もよくこういう入り方をしますが、こういう抜けていく波は伸びないし、このケースは押し目も微弱だ。この上昇の中身はレジスタンス付近で売っていた人たちの損切りでつくられている。本格的に上昇し始めるのはサポートを試してからになりそうだ。損切りの買い&新規ロングで一応Wの悲劇と見れるが、そこまで新規注文が入るとは思えない。
②教科書的なレジサポ転換ロング:手前のサポートが微弱なので半信半疑のロングになる。レジスタンスの損切りで多少は反応するが伸びない可能性も高い。
③強者の値ロング:このポイントに新規注文が集中しそう。①~④では一番期待できそう。強者の値はレジスタンスをブレイクさせているので買い注文が集中したのがわかる。そこでサポートされたということは、再び買い支えられる可能性が高い。レジスタンスショート組が建値付近で撤退した損切り注文と上から逆張りショートの利確も重なり高値更新する波になる可能性が高い。
④サポート後の押し目買い:このポイントから売る人はほぼいないのでわかりやすいポイントだが、できれば手前の強者の値から買いたい。
弱い値段では、注文も弱くなる。
レジスタンスとサポートを同格とすると①でロングしますか?
「よくわからないのでやらない」というのが正解。このケースでは、いくつかの可能性がほぼ均等に存在してしまっている。
- レジスタンスで目標達成、ダブルトップのネックラインを割ったので今度はサポートを目指す。
- 上昇トレンドの押し安値を割っていないので、そのままレジスタンスをブレイクする。
- レンジになってからサポートないしは再度レジスタンスを試す。
こういう無指向なエリアでの確度の低いトレードを重ねる度にせっかく貯めた貯金が削られることになる。
今日のまとめ
トレードが成功するとあたかも自分でレートを動かしているような錯覚に陥るが、相場はあなたの注文くらいでは動かない。成功したトレードは市場参加者とあなたの思惑が一致したというだけのことです。短期トレードではいかに「我」を捨て、自分以外のトレーダーの思惑をチャートから読み取れるかが勝負の分かれ目になります。他者の思惑さえわかれば、それを基準にエントリーとイグジットを繰り返せばいい、間違っても自分の個人的な期待を基準にしてはいけない。
今回、紹介したケースは相場でよく起こっている現象なので、ぜひ自分の目で確かめてほしいです。自分の目にパターンとして焼き付ければ実践でもきっと役に立つはずです。
◆お断り◆
この動画は教育目的で制作されたものです。相場についての個人の見解を過去のチャートから解説したものであり未来の利益を保証するものではありません。売買取引についての判断は一切行っておりませんので、投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分に考慮の上、ご自身でご判断ください。
読者の皆様にとって有意義なコメント欄にするためにご協力をよろしくお願いいたします。記事内容に関するご質問やご意見、有り難い応援メッセージは下のコメント欄をご利用ください、頑張って返信させていただきます。記事内容と無関係なコメントに関しては掲載しないことがございますのでご了承ください。
※コメントを「読者さまの声」としてブログや動画に掲載させていただくことがございます。
※他サイトへのリンクがあると自動的にスパム扱いとなりますのでご注意ください。
関連記事
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (13)
いつも参考になる動画をありがとうございます。
質問させていただきます。
常々、自分の引いたサポレジラインにひきつけてからエントリーと
思っているのですが、いくらアラートやメールを入れていても
仕事や日常生活の方が優先されてしまい、いいタイミングを逃してしまう
ことが多くこのエントリーできないというストレスが、とんでもないエントリーを誘発させて
変な負けにつながってしまっているように思います。
いいタイミングをのがしてしまっても、方向感が正しければ、目標までの
利益(ピップス)が小さくてもエントリーをした方がメンタル的には安定しますでしょうか?
方向感があっているなら、足を小さくして狙ってみてもいいかもしれません。利益は小さいですが、サイズが小さくなっただけでスタイルとしては同じことなんで。チャンスを逃してしまった焦りからエントリーするぐらいなら、その方が根拠あるトレードになります。エントリーは根拠が大事なので。
こんばんは!強い値段、目的達成…意識してトレードしてるんですが、違う場合が圧倒的に多く心が折れちゃうんですよね…
自分の許容範囲が駄目なのかと思っているんですが、ビビっちゃうと言うか守りたい感が丸出しで。少し前の動画の内容が、まんま当てはまります!『教えられる物と、教えられない物がある…』迷晴れさんは言ってました。まさにその通りだと痛感しています。感情を無くして機械化人間に成れるよう、負けまくりたいと思います。でわ(^^)
お金と感情がつながらない程度の枚数から慣らしていくしかないですかね。普通の金銭感覚の人がいきなり10枚とかは無理なんで、まずは1枚から。理屈抜きで慣れは絶対にありますよ。
今回もためになる動画アップありがとうございます。また大変勉強になりました。ラインで切り返すか抜けるかということがわかれば、トレードはほぼ負けないと思います。損きりを巻き込むとかトレンドの強弱には相手がいることをついないがしろになっていました。
ところで少し疑問があります。クロス円は合成通貨なので今までどちらか言えば取引を控えていましたが、迷晴れさんのユーロドルの解説を見るようになってから取引するようになりました。でもユーロドルとドル円の合成通貨がユーロ円なのにどうしてサポレジが機能するのかが不思議です。
合成通貨という言葉に誤解があるのかもしれません。確かにユーロ円はユーロドルとドル円の掛け算通貨ですが、ユーロ円という通貨ペア単独での取引も存在しています。
人の腸内細菌にも悪玉、善玉、日和見菌がいますが、ユーロ円は日和見菌的な通貨ペアで、それに釣られてドル円やユーロドルが動くというイメージでしょうか。。
こんにちは。
今回も大変勉強になりました。いつも、ありがとうございます。
動画内にありました、4時間足のサポートにタッチする手前(目標未達成)で、上昇するパターンですが、
それだけ買いが強いのだと、間違えた認識をしていました。
レジスタンスの場合は、「レジスタンスまで上がる力がなく、反落」という表現を耳にしますが、
この場合も目標未達成ですが、ショートとロングの性質の違いになりますか?(ショートの方がスピードが早い)
動画解説は図を簡略化してますので、あくまで基本的な考え方です。指標などで強い買いがサポート手前で入ることもあるのでケースバイケースで考えて検証をすすめてください。下落は上昇と違い一気に落ちることがあります。
動画ありがとうございます、今回も勉強になりました。
エントリーがうまくいって利確をした後に、そこから反転すると思い失敗することが時々あります。
今回の動画でかなり勉強になりました、「人の不幸は蜜の味」ではないですが、損切や利確にうまくついていけるように頑張ります。
自分目線よりも、世界目線ですね(^^♪
とてもためになりました。
「水平線は注文線」
チャートには主要な高値安値に
MT4の×印とレ印を書き込んでいますが、
それを、「▼売り注文」 と 「▲買い注文」
にかえてプロットしてみました。
今まで、単なる高値安値、押し目、戻り、とみていたところに
「大量のマウス」と、「マウス連打の音」が聞こえるようで、
急にチャートが生き生きしていました。
安値、押し安値、反発の場所では
下から買い注文の連打、
高値、戻り高値、反落の場所では
上から売り注文の連打、
それらは、新規の「敵」のみならず、
それまで一緒に上がってきた(下がってきた)「味方」の
「裏切り(笑)」の利食い反対売買も含まれる!
注文が飛び交うにぎやかなチャート!
チャートには、大量のマウスと連打が隠れている!
魚市場のセリの様な騒々しい世界!
ひとときもじっとしていない!(狭いもみ合いはありますが)
「買い!」「買い!」「買い!」「買い!」(上昇トレンド)
「売り!」「売り!」「売り!」「売り!」(下落トレンド)
「買い!」「売り!」「買い!」「売り!」(レンジ)
しつこいですね(笑)
とてもとても面白い、興味深い、役に立つお話でした。
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
ナイスアイデア!チャートに人の気配を感じとれますね。
拝見させていただきました。
損切りと利確に新規注文を合わせるということは理屈ではわかっていました。
ただ、具体的にどういった場面でそういったことになるのかイメージ出来ていませんでした。
今回のお話しでどんな時にそうなるのか学ばせていただきました。
まだまだ、理解が浅いと思いますが、色々なパターンを考えながら実際の値動きを見て腑に落としていきます。
素晴らしい気付きをありがとうございました。