31Mar
迷晴れボックス第115回、視聴者さんのトレードをテクニカルとメンタルの両面から深~く考察する代理学習シリーズ。
MJさんのトレード
上昇トレンド中の調整波について
迷晴れ様、初めまして、MJと申します。いつも有益な情報配信ありがとうございます。年齢は33で機械設計の仕事をしています。考えてモノを作り上げることが好きなので仕事を辞めることは現時点では考えておりません。
今後は事業投資を考えているので、稼ぐことにフォーカスしてFXを選びました。
トレード歴は1年半ほどになります。去年(2020)の7月から迷晴れさんの動画で本格的に勉強し始めました。
初めて為替チャートを見たとき(ポンド円)、なんて綺麗なギザギザした波形なんだろうと感動したのを覚えています。
もしかしたらこの波形には何か法則みたいなものがあって動いているんだろうか?と考えながら観察していました。
そこからネットでいろいろ調べていくうちに迷晴れさんの動画にたどり着いた次第です。
まさに僕のイメージしていた手法というか考え方だったので”週刊チャートナビ”で勉強を始めました。
最初はとにかく同じマインドで言語化できるように迷晴れさんの環境認識・エントリーするポイントを一人で喋りまくりました。
3か月分ぐらい勉強しているうちに考え方に慣れてきて自分の考えを言語化したのち、迷晴れさんの考察で答え合わせをするようになり、同じマインドに収束していったように感じました。
これならリアルトレードでもイケるんじゃないかと早速入金、結果は惨敗でした。
リアルで動いてるチャートはとにかく難しい。勉強していたときは静止画だったので変に安心していたのかもしれません。現在は少額リアルトレードで少しずつ経験を積んでいる最中です。
迷晴れさんと扱っている通貨は違えど、本質は同じだと信じて一貫性を意識したトレードを続けています。
今年(2021)に入ってからノートを取って環境認識・エントリー・反省・評価をつけてメタ認知的な部分を鍛えています。
まだ利益が出る月もあればマイナス収支のときもあって安定していません。環境認識からエントリーまで間違った解釈や気になるところがあればご教授願います。
トレードスタイル
①4H足で1週間分のゾーニング。主に週足高安・終値を(トレーディングレンジ中段・上段・下段)ベースとする。
②週足高安と日足高安の更新具合を確認して”上げダウ”か”下げダウ”かの目線を固定し現在地を把握。日足レベルでハラミ足・包み足が出たら静観。
③1H足でNゾーン、レジサポラインを確認してブルベアの波のイメージをする。あるラインまでは買い目線、そのラインを抜けたら売り優勢等の分水嶺なトレードを意識している。
④節目に到達したら15minか5minでプライスアクションを確認してエントリー、基本は1日20pips程度で手仕舞いしています。
⑤通貨はポンド円のみ。
以上がトレードの考え方です。
GBPJPY 2021/02/03
GBPJPY H4
トレーディング・レンジ
- Trading Range Middle:先週高値~先週押し安値
- Trading Range Upper:2020年2月高値
- Trading Range Bottom:先週安値
環境認識
- 先週安値でレジスタンスされて調整が入っている模様。
- 週足レベルで上げダウ継続中なので下がってきたら買っていきたい。
- TR中段下ラインの先週押し安値を割るまではロング目線。
GBPJPY H1
環境認識
- 前日陽線コマ足から高値切下げ、安値更新
- 短期DownTrend、長期UpTrend、基本目線はLong
Bull視点
- Nゾーン下段付近でサポートされればロング。
- 調整波エリオット波動5波完了を待ってロング。
Bear視点
- Nゾーン下限割れから先週押し安値までショート。
- チャネルライン付近で反発があればショート。
GBPJPY M5 エントリーポイント Long+27pips
- Nゾーン上段付近で停滞中。
- 青〇ロングはチャネルライン反発を警戒して見送り、下がってくるのを待ちたい。
欧州時間
- 前日安値で小さなWボトムができ、下げ止まりを確認。
- 調整波エリオット波動5波完了とみなしてミニネック抜けからロング、直近の戻り高値でアウト。
反省点&評価点
- 上位足は”上げダウ”なので基本はロングでいきたいが、調整波中のロングはあまりしっくりこない。
- 今回はエリオット波動がカウントできそうな波の形状だったので、下げ止まりを確認してロングで取ることができた。
- 日足レベルで高値を切り下げている場合はあまり自信が持てない。
- 週初めの日足がピンパーになったので、2/1と2/2は静観。
- 2/2の安値確定した時点で下側からチャネルラインを引いて調整波のイメージができていた。
- 日足レベルで高値を切り下げた調整波中のロングは正しいトレードなのか?
意識しているのはとにかく”自分の主観でトレードしないこと”です。シナリオをベースに”事実”を確認していき、再現性があればトレードする。
質問は上昇トレンド中の調整波でも上位足方向に沿ったトレードで合っているのかどうかです。
過去動画「トレード初心者は推進波を狙い、調整波は捨てろ。」などで参考にさせていただいておりますが、今回はあえてトレードしてみました。迷晴れさんのご意見をおきかせ頂きたくお願い申し上げます。
マヨハレ的考察
GBPJPY D1
1月陽線終値が日足レジスタンス(2020/09/01高値)をブレイク後、2月一週目のトレード。
日足レジスタンス(2020/09/01高値)への下値試しから、1月高値(2020/02高値ネック)で頭を止められなければ、次の日足レジスタンス(2020/02高値)まで上昇が見込めそうなところ。
GBPJPY H4
トレーディングレンジはMJさんと同じ認識。特に、2020/09/01高値をブレイクさせた”先週の押し安値”を勢力反転の分水嶺とするのがミソで、目線を固定することで感情トレードを排除できます。
GBPJPY H1
押し目を探る動き(調整波)からの押し目買い狙い。結果的にはMJさんがロングしたレートの一段下にある”押し目Nボックス安値”で買われました。
GBPJPY M15
ロンドン初動のロングは青チャネル高値際という理由でスルーしてますが、結果的に”ダマシ高値”になりました。1時間足クラスの押し目買いなのでWボトムを待って正解と思います。
今回のトレードの良かったところを3つにまとめました。
1.調整波のなかという認識があった。
今、どの道の上にいるのか、脳内GPSがないと道に迷います。
相場のGPSとは”MTF分析”のことで、MJさんはこのお金で買えないGPSをお持ちのようです。
登山にはメインルートとバリエーションル-トがあって、登山者の少ないバリエーションルートは道に迷いやすくGPS無しでは危険です。
過去記事、素直な勝ちグセ波と偏屈な負けグセ波をロウソク足で見分ける方法。でご紹介したように、今回のような、調整波のなかのトレードは道迷いしやすいバリエーションルートといえます。
MJさんは2日コマ足確定後に”調整波チャネル”を引きました。
チャネルの引き方については、迷晴れ流、波道先読みチャネル・ラインの引き方 / 週ナビ#295でご紹介したマヨハレ方式で引かれてます。
このチャネルの引き方はトレンドラインの引き方とは真逆ですが、トレンドラインは波のペースをみるもの、チャネルラインは波の道幅をみるものと、別モノとして定義しています。
山では道迷い防止の赤いリボンが要所の木に結ばれてますが、MJさんは、こうやって視覚的にルートを確保して安心感を得つつ、ムダ打ちを回避されてます。
こんなところで、ムダな体力と精神力を使い果たしてしまうと、肝心なところで力を発揮できません故。
2.目線の固定
Nボックス安値を分水嶺に、これを割るまで”買い目線”という考え方がとても良いです。
思考がシンプルになり、エントリータイミングの時の細かな値動きをブレずに冷静に見ることができます。
慣れてくれば、調整波のなかを押し目候補までショートすることもできますが、今回のケースだと中途半端なところまで下げてしまってます。
ロングに巻き込まれる可能性が高く、利幅もないので高くつきます。
3.ポンドの特性を活かせてる。
MJさんのロングは押し目にならなかったわけですが、ボラの大きなポンドの特性を活かし、利確目標の20ピプスを調整波からゲットできました。
同じようなトレードをボラの小さなドル円でやっても、たいして延びずに反転してしまって、うまくいかないでしょう。
まとめ
GBPJPY 1時間足
日足レジスタンス(2020/09/01高値)を先週陽線終値+1月陽線終値がブレイクしました。
日足レベルの節目を1月陽線+先週陽線がブレイクした”事実”は日足トレーダー以下のトレーダーなら全員注目して、押し目を拾おうとします。
「押し目待ちに押し目なし」ともいうように、押し目買い(戻り売り)は奥が深いものですが、わかりやすい押し目買いもあります。
手法として”日足や4時間足クラスのレジスタンス・ブレイク後の押し目買い”に絞ってトレードしてもいいかもしれません。
押し目買いのウィークポイントは、どのレート、どのタイミングで買われるか完璧な予測が難しいことです。
ただ、全くわからないわけではないので、MJさんのように”Nボックス”で見当をつけて、何度か買い直すことになります。
GBPJPY 15分足
質問は上昇トレンド中の調整波でも上位足方向に沿ったトレードで合っているのかどうかです。
この考え方で正しいです。
なので、MJさんが下げ止まりのWボトム確認後にロングしたのは合理的です。
ひとつ気になるのは、このロングを直近高値で利確できた理由です。
そもそも大きく狙ってなく、一日の利確目標である20ピプスを達成したから?
Nボックス安値が本命の押し目候補だったから?
もしこれらの理由で利確できたのなら素晴らしいセンスです。
今回のロングは2番底で入れているので1時間足クラスの波に成長すれば大量にピプスをゲットできます。
そうなると、利確しなきゃよかったとなりますが、その辺りはどう考えられていたのでしょう。
大きな波動の押し目買いを一発で仕留めるのは難しいので、過去記事、とほほトレードから抜け出す「ワンセット思考」のススメ。でご紹介した”ワンセット思考”をおすすめします。
これは、Nボックス安値を割るまで、数回ロングしても、それは”ひとつの押し目買い”という考え方です。
MJさんのロングの一段下が押し目になりましたが、ここで買い直すか、なんならナンピンでも構いません。
いずれにしても”ひとつの押し目買い”です。
GBPJPY 1時間足
ちなみにボクは押し目を探るとき、こう考えます。
「どこを試せば売り手は納得してあきらめてくれるのか?」
今回、売り手が試したいレートは日足レジスタンス(2020/09/01高値)ではないかと仮定します。
その付近にはRN143.0や押し目Nボックス安値があって、ここで下げ止まれば、ダマシ高値になる可能性が消えて、売り手は諦めざるをえないからです。
(※ポン円は合成通貨、他2通貨ペアのサポートレートに影響を受けます。)
よくドラマで「犯人は必ず現場に戻る」といいますが、これは犯人が、どんな証拠を握られているのか気になるからです。
相場で”試す”とは、まさに”証拠”を試してるわけです。
つまり、日足レジスタンス2020/09/01高値を確かに抜けたという証拠を試してます。
これがいわゆる”レジサポ転換”ですね。
但し、相場には”勢い”や、それまでの揉み合い方の影響も受けるので、必ず現場まで戻るとは限らないところが厄介なんですが。
今回のMJさんのロングは青1レートでしたが合理的で正しいロングです。
青1が崩れても、青水平線を割るまでロングで数回攻めます。
ビギナーなら青1+青2で半玉づつ分割エントリーするとか、チャネルライン・ブレイクを使うのもよいです。
青水平線の損切りレートは遠くなりますが、チャネルライン・ブレイクは青水平線サポートと合わせれば2つの根拠があるので上がりやすくなります。
最後に、MJさんはとても重要なことを言われてます。
自分の主観でトレードしないことです。シナリオをベースに”事実”を確認していき再現性があればトレードする。
ボクは非合理なことや、非論理的なことも好きです。
なぜなら、人生に行き詰まったとき、非論理的な助けも確かにあったし、そのときは非合理と思えることでも、後々、凄く役に立った経験もあります。
なので、世界が合理的や論理的な側面だけで成り立ってるとは到底思えません。
ただ、だからといって、何もしないで運や偶然に頼る生き方は良くないと思います。
人生に起こる非合理的、非論理的な出来事なんて、我々には制御できない神の采配だらかです。
トレードも、最初にすべきことは、運や偶然の勝ち負けを排除して、合理的に勝って合理的に負けられるようになることです。
合理的行動=論理的思考×経験則なので、これらは人間側でコントロールできるからです。
そうして手に入れた”合理的な行動”を礎に、時折舞い降りる幸運を掴むのが格好いいです。
焦ったり、恐れていては、直感が鈍り、幸運をつかむことができません。
そこで「ただ運が良かっただけです」なんて言たら、カッコイイなぁって妄想してます。
◆お断り◆
この動画は「学習」を目的に制作されたものです。個人の見解を過去のチャートから解説したものであり、未来を予想したり、利益を保証するものではありません。
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コメント
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コメント (8)
動画アップして下さりありがとうございます。
個人的には、短期足(トレード足)に振り回されてしまう事が、より防げる考え方に繋がります。
「どこで押し目・戻り目が入るか(タイミング)」
これも深い訳ですが、大きく間違っていなくても「ダブルを作ったから」だけでは、
マヨハレ様のトレードは出来ません。
チャートから試し完了の有力ポイントを見いだす事が重要であることを再認識致しました。
先週にお話くださった「デイトレなら1時間足・4時間足クラスのN波動片波を狙う」と合わせて、
意識したいと考えています。
今回も気付きを頂きました。
「分かる」と「出来る」を重ねられる事に繋がります。
全てはマヨハレ様から教えていただいております。
感謝申し上げるとともに、アップして下さることを当たり前と思わず継続していきたいと思います。
おっしゃる通り、論理的思考と経験則。この重ね合わせが”当たり前”をアップデートさせ、自動車の運転レベルの安全性を確保できるのだと思ってます。
いつもご教授頂きありがとうございます。今回の場面ではおそらく自分はロング出来なかったと思います。日足のトレンドフォローで4時間の節目で入るスタイルなので、普段15分足は見ませんのでこのエントリーポイントは気づけかったと思います。但しポンドは通貨強弱でも一番強く、対ドル、円ともずっと上昇してきているので押してきたら買いのスタンスでは見てましたし最近の相場でもそうです。4時間足の節目で値が止まったら今後も買いを見ていこうと思います。東京時間しかチャートを見れないので節目到達でバチンと入るしかありませんが、その分ロットを下げてスイング気味にトレードしていこうと思いますq
ポンドってスキャル的なチャンスが多い通貨ですね。兼業トレーダーさんにとって、そこが魅力なのかもしれません。猫チャギラさんのスタイルは通貨ペアにあまり左右されないのがいいですね。
どうもこんにちは。最近、少し別事に追われていました。
お話にあった「ただ運が良かっただけです」はカッコいいですね、確かに。
この、「運」と認識しているものはそれぞれのトレーダーのレベルによって認識の境界にかなり振れ幅があると考えています。
何故そう思うのかと言うと、こんな僕でも勝負事において友人に教える事がこれまで何度かあり、彼等の言う運と自分の言う運には驚く程の誤差があったためです。しかし反対に上手い人の言う運はもっと深いところにあり、同じ言葉と似たような認識であっても凄くよく考察がなされています。これが近しいレベルに到達するまで気付けないのです。玉葱の層の様な感じです(意味がわからない)。
ギリギリまで神に賽を振らせないと言いますがギリギリの度合いが人によって違う、とその時感じました。
なので相場では僕は傲慢にならない様常に気をつけています。僕の賽はまだまだ軽いので鉛の様に重厚な簡単に振れない賽を持つ人には憧れを禁じ得ません。そんな人の言う「ただ運が良かった」はシビれますね。
一色一生。随分、昔、人間国宝の方がインタビューに「自分はこれしかできない人間なんです」って言っていてシビレました。これも同じことですよね(^_-)-☆
迷晴れ様
いつも勉強になる動画配信ありがとうございます。
先週は引っ越しのため丸一週間チャートも迷晴れ動画も見ることができませんでした。
さて、MJさんのトレードですがエントリーした個所は若干早かったですが最適な利確で20pips近くとれているのでいいトレードですよね。
ただここが運命というかトレード結果の分かれ道で、MJさんと同じところで利確せず玉を持ったままだと
・一旦含み損に耐えてその後のばいーんをゲットする
・逆指値を入れることによって若干のプラスかスクエアでトレードをクローズする
・ばいーんの前の下げで含み損になりビビッて損切りして失敗トレードとなる
そんな未来もあったかもしれません。
やはりピンポイントでエントリーするのは難しいので、ワンセット思考で考えることが必須になってきますね。
おっしゃるように、今回のMJさんのトレードは利確が素晴らしい!MTF分析の成果と思います。