21Aug
世の中には、器用な人と不器用な人がいますが、トレードもたった数か月でうまくなる人と、そうでない人がいます。今回は、多数寄せられたコメントを拝見するなかで気づいた上達のコツをお伝えします。
素早く上達する3つの秘訣
感覚の言語化
自分のやりたいことを言語化できる、自分で自分に説明できる、これが上達の秘訣ひとつめです。
昔からごボクの動画を覧いただいてる方は、お気づきでしょうが、ボクは値動きのパターンなどに「名前」をつけてます。
強者の値、マンボー、ネックネックこんにちは、押し目崩れ、戻り目崩れ、天井試し、底値試し、提灯消しなど、もともとある言葉も合わせたら、かなりのレパートリーです。
名前をつける理由は、自分のしたいことを感覚ではなく、言葉で定義して、記憶するためです。
感覚的なことは曖昧で再現しにくいわけです。
その点、言葉や用語にする段階で曖昧さが排除できます。
何事も感覚でこなせる天才肌ならともかく、ボクのような凡人はこうしないと、実戦で迷いが生じます。
他人に何かを伝えるとき言葉を使いますが、実は、自分自身に伝えるときも、言語化しないと曖昧なままです。
わかったつもり止まりの理解しか得られず、その程度の理解では実戦で使えません。
勝ってる方々のコメントを拝見すると、溜まったポジションが損切りされるところを狙う勝ちパターンを「ゾンビ斬り」と名付けるなど、技を固有名詞化する人がいます。
そもそも優位性が高く、再現性も高いからこその、勝ちパターンなので、名付けることで技に愛着や自信が持てますし、仮に勝ちパターン通り動かなくても、それはそれで「勝ちパターン崩れ」という認識を持つだけで、名前のついた勝ちパターンに不信感を覚えることもありません。
赤1ショートは、「フィボナッチ38.2%浅押し崩れ」という認識があってできることです。
青1が1番底、青2が2番底、黄ブロックで高値を更新できなかったことが、赤1以降の急落の原因をつくりました。
勝てない人が、自分のやりたいことに不信感を持つのは、やりたいことが明確に言語化できないレベルだからです。
絞り込み練習でセンスを磨く
ひとつのことへの「認識力」が高めると、その周囲のことや、細かな違いに気づくようになり、精度も格段に高まります。
「細部に神が宿る」といいますが、絞り込み練習でしかセンスは磨けません。
つまり、1から10を学ぶことができますが、この逆はムリで、10から1も学べず時間を浪費するだけです。
いつもコメントをいただく方ですが、うまいいく方は、みなこの「フォーカス&ディープ」な発想ですし、浅く広くで、うまくいった話を聞きません。
バッティング練習は、球をバットで打ち返すだけのことですが、奥は深いです。
野球なら球を打つ道具はバットと決まっていますが、トレードはどんな道具で打ち返してもいいので、その選択に時間をかけすぎの人がいます。
道具選びの段階では何も学べないので、さっさと練習をすべきです。
道具なんて、ラインとか、移動平均線とか、みんながよく使ってるもので十分なので。
反復練習で身体モデルを構築
自転車の操作や車の運転など、一度、体で覚えたことは忘れません。
だから、トレードの勝ちパターンも体で覚えます。
わかるとできるは雲泥の差です。
頭ではなく、体でわからないと「できる」レベルになれませんし、そこまで昇華させないとお金になりません。
自転車に乗れるようになることや、運転の車両感覚がつかめることを「身体モデルの構築」といいます。
これをするには「反復練習」しかありません。
勝ちパターンの記憶は、始め、大脳の記憶領域を使い意識的に行います。
これが、頭でわかってる状態です。
失敗も成功も繰り返しながら、大脳へ勝ちパターンを書き込んでいくと、次の、その記憶が小脳へと移ります。
これが、体でわかってる状態です。
小脳に刻まれた勝ちパターンの記憶は、無意識かつ瞬時に引き出すことができます。
上達の秘訣である「感覚の言語化」は、大脳への記憶を意識的に行うものですが、最終的には、意識しなくても正しいパターンを繰り返せるようになります。
それは、車庫入れの手順を考えなくても、自転車に乗る手順を考えなくても、自然に体が連携して動くようなものです。
小脳に勝ちパターンが刷り込まれると、その分、大脳のスペースが空くので、そこに新たな勝ちパターンを刷り込むため反復練習をします。
あとはこの繰り返しで、新たな技を次々に習得していきます。
どんなに上達が早い人でも、大脳から小脳への記憶コピーのスピードが速いだけで、ひとつの反復練習で、ひとつのスキルです。
ひとたび身体モデルが構築されれば、自転車ならアスファルトの上だけでなく、山道などの悪路を走れるように、応用範囲がひろがります。
トレードもこれと同じです。
今日のまとめ
素早く上達するコツとしては、感覚の言語化・絞り込み練習・反復練習、この3つだけです。
メカニズムは、意識下の大脳記憶から、無意識下の小脳記憶へ、勝ちパターンを刷り込むだけです。
むしろ、うまくなるため、当たり前の練習をするだけです。
「だれでもできることを、だれにもできないくらいやる」
うまくいかないのは、やらないからできないか、やらなくてもできる方法を探している、ただそれだけのことではないでしょうか。
少し前、テレビで林修さんが「歴史上の失敗者の共通点」という話をされてました。それによると失敗する原因は3つあるそうです。
- 情報不足
- 慢心
- 思い込み
思い込みとは、期待や願望から生まれる認知バイアスの意味なので、これでミスするトレードに限らずよくあります。
林先生はこの3つで「情報不足」が最大の失敗理由といわれました。
勉強嫌いのヤンキー生徒たちに、勉強の大切さを教える番組だったので、こういうオチにしたのでしょうが、
戦国時代なら、情報量がそのまま戦の優位性につながりますが、現代はむしろ逆で、情報の多さに振り回されて負ける人の方が多いと思います。
情報を集めることを勉強と勘違いして、情報を調理できない負のスパイラルです。
卵が高級食材だった時代は、栄養失調で病気になる人がたくさんいました。
現代は、過激なダイエットで亡くなる人はいますが、栄養不足で亡くなる人はいません。
現代病は「食源病」で、栄養の摂りすぎで肥満になり、加工食品の普及や偏食で病気になります。
ネット社会における「情報」の扱いも同じではないでしょうか。
今の時代、情報不足なんて起こりません。逆に情報の多さで、脳メタボになったり、情報を調理できず、加工された添加物だらけの情報を鵜呑みにして脳が毒されてます。
自家栽培の無農薬野菜をシンプルな調理法で食すように、情報も、シンプルな調理法で鮮度の高いうちに食べるのが一番体にいいのでしょう。
三浦しをんさんの「舟を編む」という出版社の辞書編集部を舞台にしたベストセラー小説があります。
「編む」とは、なかなか美しい日本語表現ですが、いくつかのものを一つにまとめるという意味があります、
人は問題に遭遇すると、2パターンにわかれます。
ひとつは「問題解決能力」を発揮してブレイクスルーできる人。
もうひとつは、感情に走り、いつまでも「思考停止」してる人。
怒りや悲しみ、妬みにとらわれ、思考停止していては、いつまでたっても現状や環境を改善することはできません。
現代社会でおけるサバイバルには「考えるちから」が必要で、それは、この情報社会という大海を航海できるちから、すなわち「情報を編むちから」ではないでしょうか。
問題が発生したとき、壁を乗り越えるとき、情報を編んで、新しい情報に調理できる力だと思います。
◆お断り◆
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コメント
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コメント (8)
いつも素敵な動画をありがとうございます。今回の内容、自分の努力の方向性が間違っていないと勇気づけられる内容でした。何事にも言えることだとは思いますが、臨界点を突破するまでは本当にやり込む必要がありますよね。トレードはそこに実益が生まれますのでやり込む価値は十二分にあると思います。勝ちパターンができてしまえば、あとは「わからない時はやらない」「迷ったらやらない」を徹底するだけで間違いなく負けなくなります。
ちなみに、昨日のドル円のトレードを言語化してみました。環境認識。大局は下。直近の流れは8月13日急騰陽線のハラミの中、急騰からの下落61.8%から押し目をつけてM15上昇トレンド発生中、急騰高値付近まで到達。急騰高値には6月安値、107円がありこの辺りがレジスタンスとして機能している模様。
買いのシナリオ、M15天井圏上抜けでロングだが、ダマシの可能性or107からの売り勢力にも注意。ちょっと買いで入るのは様子見が無難かも。
売りのシナリオ、ハラミの上限でレジスタンスされれば直近のM15上昇トレンドのラス押し安値Nゾーンまでをショート。
実際のエントリー、東京時間10時にショートエントリー。根拠①6月安値がハラミの高値と重なり、強力なレジスタンスとして機能している。根拠②直近のM15上昇トレンドがハラミの高値まで到達できずに高値を切り下げてダブルトップをつくった。9時の値動きが買いの最後の抵抗で、上げようとして上げきれなかった跡がM15で確認できた所でエントリー。
損切は直近高値の上。利食いはM15のNゾーンで止まった所を目標。
と、こんな感じでした。自分のトレードを言語化するのも初めは大変でしたが、トレード日誌に毎日書いていると、それがもう自然とできるようになりますね。トレード日誌も、迷晴れさんがどこかで上げてくれていたエクセルをそのまま使わせていただいています。
昨日のドル円、解釈がほぼ同じなのに、思わずニヤけてしまいました(^_-)-☆当たり前ですが、同じ見解の人が沢山いるから、そこから下がるんですよね。
いつもご教授頂きありがとうございます。上達を早める3つのコツですが、感覚の言語化は最近自分がよくコメントしています「個人焼き」を意識してます。別の言い方をすれば人の損切りが多く出るところと言ったところでです。損切りが多く出るところとは売りポジ、買いポジが貯まってるところだと思うのですが、「個人焼き」という言葉のイメージで探してますし、大きく値も動き易いので今後も継続したいです。絞り込みに関してはこちらも最近毎回コメントしてますように、あくまで注目の節目は週足、月足で考えるようにして、それに対して4時間足、日足がどう動いてるのかを見てシナリオを立ててます。1時間足は4時間足をより詳しく見たい時だけにして普段は見ません。なぜなら1時間足になると結構ノイズが多くなって、個人を焼くはずが逆に自分が焼かれてしまうからです。増してや15分以下の足は話になりません!チャートパターンや節目のプライスアクションがコロコロ変わり一貫性がなく、難しい割には益も少なく効率が悪いのでやりません。反対週足以上になるとノイズもほとんどなくなりチャートパターンや節目がガチはまりますし抜けるpipsも大きくてやり易いです。動画で腹に落とし込むと解説されてましたが、最近やっと頭にではなく体感でわかってきたように思います。そしてわかった以上これを徹底して続けていってしっかり自分のものにしたいと思います。
ほぼ完成といった感じですかね、おめでとうございます。4時間足を基準にすれば、かなりゆったりとしたトレードができますね。
いつも動画配信ありがとうございます
楽しく勉強させて頂いております。
今回の動画も勉強になり、「自分自身へ説明も言語化が必要」の
言葉は目からうろこでした。
知識が浅い人に難しい事を説明させると、素人にはとんちんかんですが、
ノーベル賞をとる様な方は、ノーベル賞をとる様な内容でも素人に分かる様に
説明できますよね。
ここ数ヶ月勉強をしてきて、最近になって実弾でのトレードを開始しました。
私はトレードノートの代わりに、Twitterにチャートの写真を添付し、どういう
根拠でエントリーしたかをツイートしています。
写真には今どういう波なのか、レジサポラインはどうなのか、フィボはどうなのか、
などを落書きし、本文中にはその写真のライン等を説明しながら、どういう根拠で
エントリーし、損切りと利確の事も明記しています。
こうする事によって、誰も見ていないと思いつつも恥ずかしい内容はツイート
できないので、自然と根拠の多い所でのエントリーになりますし、迷晴れさんが
おっしゃる、「自分自身への説明の言語化」ができると考えます。
1度自転車に乗れるようになると、何年ぶりでも乗れるのはそういう神経経路が
確立されるからとよく言いますが、私も自転車に乗るかの様に颯爽とトレードが
できるようになるまで、インプットとアウトプットを繰り返し精進していきたいと
思います。
まだまだ暑い日が続きますが、お身体に気をつけてください。
これからも動画配信楽しみにしています。
なかなか工夫されてますね。そういう方は上達も早いです。ボクも生中継のように口頭で解説しながらエントリーしてましたよ(^_-)-☆
いつも更新ありがとうございます。
仕事にフルコミットしており、フィリピンから一時帰国で久しぶりに動画を拝見しました。チャートも3週間近く見る事が出来ていないので、また感覚を戻していきたいです。
毎度ですが、心理系や学習法等についての内容は、FXに限らず真理的な内容が多くて勉強になります。「言語化」は私も昔からとても意識しており、“大事だけど慣れないと難しい”という印象です。フィリピンでは日本人大学生がおり、東大やイギリスの超有名大学などいわゆるエリートが多かったのですが、「自分の頭で考える力」、「中学生でも分かるよう端的に言語化する力」が低く、驚きました。
これは日本人特有なのかは分かりませんが、鍛えないと身に付かない力なのだと気付かされた次第です。逆を言えば、身に付ければ大きな武器になる。今回のように「学習」に役立てる事もできるし、FXで学習効率の向上はそのまま勝つ確率の向上に繋がります。また本ブログもとても分かりやすく「言語化」のお手本として、そういった面でも勉強させて頂きます。
大企業で8年務め、フィリピンの田舎で学生からビジネスオーナー、現地の村人…etc いろいろな人に触れ合ったからこそ、このブログからいかに大きな学びを得られるかを強く感じております。時々間が開いてしまうこともありますが、引き続き楽しみにしております。まだまだ暑いのでご自愛ください。
まずは今週中に最新記事まで追いつきます!
お久しぶりです。どうしてるかな~と気にしてましたが、ひと段落ついたんですね(^_-)-☆フィリピンも暑そうですが、日本もまだまだ暑いです。動画やブログはお暇なときでもご覧いただき、体調に気を付けて益々ご活躍ください!