17Dec
相場の不確実性を深く理解できると、いい意味でトレードに諦めがつき、迷いがなくなります。確実という、もともと存在しないものに振り回されなくなると、やるべきことが見えてきて成長スピードもあがるはずです。
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トレードとは不確実性の中、確率思考で勝ち続けるゲーム。
相場の動きは不確実ですが、ランダムではありません。もし相場がランダムなら誰も勝ち続けることは不可能です。常勝トレーダーは、相場の動きに規則的なパターンや法則があることを知っていて、それを基準にトレードしています。しかし、その一方で、そのパターンや法則が確実なものではないことも知っています。そこで、常勝トレーダーは資金管理のルールを作り、損失をコントロールすることで相場の不確実性という荒波を乗り越えていくのです。
初心者もプロも不確実性の世界で戦う。
赤枠部分が「不確実性」と呼ばれる部分で、トレードはこの範囲内で行うゲームです。
無知:何が起こるか全く予見できない状態。
この状態でトレードしてもギャンブルになるだけです。一喜一憂するだけで勝ち続けることはできません。損失をコントロールする技も心構えもないので、恐怖にとらわれ、損切りできず大怪我する可能性も高いです。
不確実:起こりうる事象を知っているが確率的にはわからない。
全てのトレードが利益を生むわけではないことを知っていますが、確率的に考えて有利な戦い方ができないためにトータルでプラスにすることが難しいです。
リスク:起こりうる事象を確率的に知っている。
確率思考でトレードできていて、損失もコントロールしているので利益を残せます。
確実:何が起こるか100%知っている。
相場の世界では、ありえません。しかし、初心者ほど確実を求め迷宮を彷徨います。トレードに確実はないことを知ってから、本当の学びが始まることが多いです。
リスクを受け入れるということ。
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リスクを気楽に受け入れるには、何が起こるかを確率的に知っていなければなりません。確率的に優位なときにトレードを行い、もし、そうならなかったなら損失を受け入れる。この「確率的」ということが大事で、写真の犬は普段はおとなしく飼い主に対して従順ですが、もしかしたら、いきなり顔に噛み付く可能性だってあります。しかし、その可能性は極めて低いことを知っているので、この女性は顔をなめさせているのです。もし、この犬が牙をむきだしにしたドーベルマンなら、絶対に顔など舐めさせないはずです。
相場は上か下にしかいきません。それを決定づけるのは大きな要因はライン(水平線)です。複数時間足に絡まったレジスタンスやサポートといったラインの精度を高めることで、相場の優位性を味方にすることができます。このライン精度が低い内は、どうしてもトレードにスリルを感じてしまいます。ラインの精度に自信がついてくれば、スリルは消え、リスクに対して心の調和が保たれるようになります。
聖杯と負け組の正体。
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必勝法のことを聖杯といいますが、この聖杯探しほど時間のムダはありません。なぜなら、必勝法など存在しないからです。本物の聖杯とは心のありかたです。確かな相場観に裏付けされたリスクを受け入れることのできる心の状態のことです。この心の状態になるには、やはり正しい視点で行う、日々の訓練しかありません。トレードは応用問題を解くのと似ていて、チャートの読解力という基礎がない状態で、方程式(トレード手法)をいくつ知っていても解けません。
無知な人が、不確実性を学ばずして、存在しない確実を求め彷徨い歩くのが負け組の正体です。
今日のまとめ
「私、失敗しませんから」ドラマの世界では、どんな難しい手術でも成功させる外科医が話題ですが、トレードでは失敗(損切り)しないトレーダーはいません。トレードにリスクは付き物であるなら、そのリスクと上手に付き合えるようになることが勝ち続けるコツといえるでしょう。そのために、ひとつは損切りをコントロールして資金を守ること、次に相場の優位性をトレードの武器とすること。この2つがマスターできれば、負け続けることの方が難しくなります。
■投資のリスクについて■この動画、ブログは、相場について個人の見解を解説したものであり、利益を保証するものではありません。投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分ご考慮の上、ご自身でご判断ください。
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コメント
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コメント (5)
この記事、数ある記事の中でも出色の内容だと思います。
(自分の悩みにヒットしているということか?)
このことについて、ブログにせよ教材にせよ、こういう形で解説してくれているものは他にないのではないか。
本当に今回も深く納得でした。
Nonさんありがとう。
嬉しいコメント、ありがとうございます。毎回、頭に汗をかきまくって記事を書いています。これからも多くの方に「気づき」を与えられるように頑張ります。
拝見させていただきました。
スリルにせよネガティヴな感覚に実感に似た幻想を見出してしまう。
リスクの正体は可能性の負の側面であると思いました。
確率で考えるという事は、正の可能性と負の可能性を等価値で見られるということでしょうか。
ありがとうございました。
もう10年前なんですね。
スリルなのリスクなのっていう声が懐かしくなってまたみてしまいました。トレードの方はまだまだ上手く行きませんがリスクを受け入れることの大切さと難しさを日々感じています。
上手く行かなかった時の感情を受け入れることが自分の弱さなのかやり方を否定してしまいます。
世にあるモノで失敗例ばかりを解説しているものがあればいいのですが、それではヒトを集めるコンテンツにならないのでしょうか。
自分でトレード日誌を書いても失敗トレードの反省は、やはりやり方否定になってしまいます。
良い失敗というのはなかなか自分では肯定しにくいので難しいですが、トレード前にしっかりとリスクを認証することが良い失敗と見いだすことにつながるという考えでシナリオを描きトレードしていきたいです。
これからも投稿楽しみにしています。
まだ、くるみが健在のときですね、10年前の動画ですが、20年前から乗ってるミニ・クーパーと同様、まだまだ現役です。
よくリスクとリターンで比べられますが、個人的には、リスクの取り扱いを追求することで、リターンが得られる気がしてます。
リターンを優先すると、リスクにヤラれますね。
一緒に歩んでいただき、誠にありがとうございます。これからも、よろしくおねがいします。