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危険を察知できるスキルは、上手にエントリーできるスキルよりも遥かに利益を生む。

エントリーすることを前提にチャートを見ていると、やたらとエントリーしたくなります。なかなか勝てない原因の多くは、そのエントリーの優位性が判断できないままにトレードを続けることにあります。
photo credit: Kat Northern Lights Man via photopin cc

青信号の時だけエントリーすれば、結果的に利益を残すことができる。

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エントリーの優位性を判断できるスキル、これは危険を察知できるスキルでもあります。エントリーすることよりも、むしろ危険を察知して手を出さないという行動をとれる方が結果的に利益を残せます。

日足の移動平均線が水平になったら注意しないといけない。

新しいSkitchファイル_083114_080051_AM移動平均線(MA)が水平になるということは、その時間足に勢いがなく方向感がないことを示します。日足などの長期足がこの状態になるとしばらくレンジになることが多いので注意が必要です。さらに移動平均線の辺りでレートがモミモミしだしたら、しばらくトレードを休んだほうがいいです。日足の移動平均線辺りで他の時間足の移動平均線が絡み合う『お祭り』状態になると、方向感がないうえに、上がるスキマも下がるスキマもなくなり優位性がなくなります。

今回の相場は上図のようにH8移動平均線とD1移動平均線とのスキマが20ピプス程度しかなく、上限からショート、下限からロングできない限りは利益を確保するのが難しいです。図には書いてありませんが、下には月足や週足のサポートゾーンがあって、急な反発上昇の起こりやすい場所でもあります。短期足vs中期足程度の攻防なら短時間で決着がつきますが超長期足vs長期足となると決着が着くのに時間がかかります。月足+週足サポートを背中にロングするにしても、各時間足の移動平均線を突破していかなければならず、その都度レジスタンスされる可能性があります。

移動平均線から離れる波と戻ってくる波をトレードする。

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移動平均線を基準にトレードするなら、移動平均線に角度がなければなりません。トレードは移動平均線から離れていく波を取るか、戻ってくる波を取るかになります。水平になった移動平均線はエントリーの基準になりません。移動平均線の使い方については後々お話しますが、上図の緑ゾーンはレンジの真ん中辺りでトレードには向きません。レンジでもある程度の値幅があればトレードは可能ですが、中央部分でエントリーはご法度です。

青信号のエントリーができる相場環境とはどんな状態なのか。

新しいSkitchファイル_083114_083624_AM

緑○は長期足から短期足まですべてが上目線になったポイントで最高の優位性があり青信号のエントリーができます。このように複数の時間足の目線が揃えば揃うほどエントリーの優位性は高くなります。もうひとつの優位性はトレードできる十分なスキマです。上図でいえば、まずはレジスタンスAまで狙い、ブレイクすればポジション保有してレジスタンスBまでも狙えます。

しかし相場はそうそう都合の良い状態ばかりではありません。長期足と中期足の目線が逆になっていることなど日常茶飯事です。言ってみれば黄信号のように『注意して進み、危なくなったら即止まる』トレードの方が圧倒的に多いです。そこで各時間足のレジスタンスやサポートの判断が必要不可欠になってきます。慣れないうちは黄信号でエントリーして一旦順行したが、結局戻ってきて損切りになることがよくありますが、これは仕方のないことだと思います。

問題は赤信号でエントリーしてしまうことです。今回の日足の水平な移動平均線にレートが絡んでいるチャートも赤信号チャートのひとつです。赤はとまれ、黄は注意して進め、青は進め(利益が伸ばせる)この判断ができるようになることです。どんな相場でも利益が抜けるのが優れたトレーダーではありません。

今日のまとめ

エントリーしなければお金を稼ぐことができません。しかし、エントリーすることでお金を失うのも事実です。お金を減らさないためにはエントリーしないのが一番です。エントリー=お金、この意識が根っこにあってトレードしていると、証券会社のいいお客になるだけで、ちっとも勝てません。エントリー=リスクだということをエントリーしたくなったら思い出してください。エントリーすることを前提にせず、エントリーしないことを前提にチャートを見るくらいでちょうどいいです。エントリーというリスクをとる価値がある相場なのかを判断して、何もしないという行動を選ぶことも立派なトレードです。

■投資のリスクについて■この動画、ブログは、相場について個人の見解を解説したものであり、利益を保証するものではありません。投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分ご考慮の上、ご自身でご判断ください。



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コメント

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  • コメント (5)

    • 高晴れ
    • 2015年 3月 03日

    とてもためになりました。
    移動平均線のお祭りという表現は的を得ていておもしろいですね。
    まるで各地の戦国大名が重要な地域をめぐって集まって乱戦しているようなものですね。
    そんな乱戦の時に気軽にどこかの軍の傭兵に志願するのはみすみす無駄死にするのと同じですから、トレードでも同じように気をつけなければならないということをしっかり意識したいと思います。
    値幅が狭いといつのは少し進軍するだけですぐ敵が現れるという危険な状況なのですね。
    いつもためになる講義をありがとうございます。
    今後ともよろしくお願いいたします。

      • mayohare-fx
      • 2015年 3月 03日

      しっかり戦局を見極めないとムダ死にすることになりますね(笑)いつもコメント感謝です!

    • かにずき
    • 2016年 6月 12日

    拝見させていただきました。

    移動平均線がにチャートが集まるとそのような傾向が現れるなんて。
    まさに自分がよく負けていた状況でした。
    勉強になりました。

    ありがとうございました。

      • Non
      • 2016年 6月 13日

      ボクもよく負けました。よく考えれば負けて当たり前ですよね。

    • 山崎
    • 2018年 7月 23日

    いつも気付きの多い動画をありがとうございます。

    グランビルの法則とエリオット波動の共通点を探していくと、33波がグランビルの法則のゴールデンクロスから短期線がローソクを支え、中期と乖離していく動きとほとんど同じ場所で起こります。移動平均線は単なる平均値でありながら、相場の原理原則にのっとっています。

    ではその相場の原理原則はなんなのか。
    そもそも私は移動平均線が機能する意味があまりわかっていなかったのが、ずっとモヤモヤしていました。そして、行き着いた答えは、移動平均線は相場を持ち合いと持ち合い離れに分けるためのインジケーターだということです。ある一定期間の平均値を出す計算式からも納得できる結論です。

    短期も中期も水平になるのをみつけ、持ち合いと判断し、そこから離れていく動きを持ち合い離れとしてトレードしていくものなのです。急角度だとサポートとなり抜けにくいという特性も、ふつうは、天井圏で叩き合いをしてからなのでそういう風に見えるというのが私の意見です。

    マヨハレさんの日足の移動平均線に近づくと動きが悪くなるというのも日足が持ち合っているからとも言え、共通点も多いと思います。

    私も移動平均線を薄めにして、環境認識用へ移行したいと思います。

    ありがとうございました。

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