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ブレイクアウト攻略術、本物ブレイクとモドキの見分け方。

ブレイクアウトは押し目買い、戻り売り次ぐオーソドックスな手法のひとつで、レンジブレイクや高値・安値ブレイクなど、デイトレードでも一日一回は必ず出現するチャートポイントです。しかし、ブレイクアウトにはダマシも多く本物とモドキの見極めなければなりません。

ブレイクラインは天と地の境界線。

[youtube id=”sfR6qoGVOso”]

ブレイクアウト手法は、重要な高値・安値を基準にして、抜けたらエントリーするというものなので初心者でも視覚的にわかりやすい方法です。

トレードの基本はなるべく安く買い、なるべく高く売ること。ブレイクアウトの基準となるラインは、まさに天地が逆転するポイントなのでエントリーしたくなるのは当然のことです。

しかし、ブレイクアウト・トレーダーの、この心理を利用して儲けようとする逆張りトレーダーもいて、ブレイクしたと見せかけてダマシで終わってしまうこともあります。

逆張りトレーダーの餌食となるエントリーポイント。

g

相場には既にポジションを持つ人と、これからポジションを持とうとしている人がいます。つまり、決済注文(利食い、損切り、建値撤退)と新規注文に分かれていて、本物のブレイクアウトになるかどうかは、この決済注文の入り方にかかっています。

初心者は自分の立てる新規ポジションにしか目が向いてませんが、大事なのはむしろ、その反対のポジションの決済状況です。その中でも損切りや建値撤退、つまり、慌てて逃げる人たちの注文により相場が動意づきます。

これは、あらゆる手法に言えることですが、新規注文+撤退注文(損切り・逃げ)=良いエントリーポイントであり、上図のようにトレーダーの心理描写が載ってない教科書的なブレイクアウトのエントリーポイントを知るだけでは、逆張りトレーダーの恰好な餌食となってしまいます。

何の抵抗もなく一直線にブレイクアウトしたら、それはモドキで終わる危険性がある。

a

陽線は4時間ローソク足、赤ラインは4時間足で引かれたものとします。これは4時間足のラインなので、4時間足終値がラインを上抜けて、はじめてブレイク完成です。

上図は4時間足が上ヒゲとなりブレイクアウトが失敗したパターンですが、僕が逆張りトレーダーなら、赤ラインからのショートを考えます。なぜなら赤ラインのすぐ上にはブレイクアウト・トレーダーのロング注文がたまっているからです。彼らは赤ラインを下抜けた瞬間にブレイク失敗と判断して逃げるための決済注文(損切り・建値撤退)を入れてきます。そこをショートで捉えます。

レジスタンスをブレイクして、そこがサポートになったらエントリーというプライスアクションでいう鉄板エントリーですが、単純化された形でしかプライスアクションを理解してない人は、餌食にされやすいポイントです。

上位時間足との関連性ともうひとつ、上図ではラインブレイクするまで全く売られずに一直線に上昇しています。こういうブレイクは失敗する可能性があります。なぜなら、これでは売り手のロスカットを巻き込んでの上昇が期待できないからです。つまり、買い圧力が弱く完全にブレイクするにはエネルギー不足の可能性があるわけです。

まぁ、負けてもLC1で損切りする準備ができればいいのですが、こういうポイントで慌てて入る人に限って、潔く損切りできず、ズルズルと次のLC2まで損切りを延長してしまうものです。

綺麗なトレンドを描いてブレイクすると深く押す可能性がある。

b

上図のように綺麗な上昇トレンドを描いている場合、赤ラインの反発では上昇せずに、半値やフィボナッチ61.8%まで押してくる可能性があります。これは、それまでの上昇トレンドが意識されているせいだと思いますが、中クラスのレンジブレイクでも同じような現象が見られます。

損切りをLC2に置いておけば問題なく上昇していくことが多いですが、それまで逆行を見てないといけないのでメンタル的にはどうかなといった感じです。浅い押し目でエントリーしている自覚があれば問題ありませんが、そうでなければメンタル負荷がかかることになります。

本物ブレイクとモドキを見極める一番簡単な方法。

c

そのブレイクが本物になるかどうかを見極める簡単な方法は、ブレイク直前の値動きに隠されています。ブレイクライン寸前に小競り合いがあったかどうかを見て、そこを抜けてくれば、そのブレイクは成功する可能性が高いです。

上図は橙ゾーンで、小競り合いを起こしています。小競り合いの内訳は、それまでの上昇の利食い売り、逆張りの売り、ブレイク期待買い。結局、買い手が勝ちラインブレイクしましたが、まだ売りポジションを持っているトレーダーは、ここで撤退注文となる損切りや建値撤退をします。これが新規青丸買い注文と重なり合い上昇パワーとなります。

小競り合いゾーンを使えば、損切りも明確かつ浅く済むことになります。

d

本物ブレイクとなるには時間がかかることもあります。上図では一度ブレイクして、その後小競り合いとなり、だいぶ時間が経ってから本物のブレイクとなりました。ここでも小競り合いを確認するまで待てればムダなエントリーで実質利益を減らさずに済みます。

f

上図はブレイクアウト失敗のパターンです。ここでも小競り合いを見ていればショートできます。押し目買いなどで、浅い押し目が失敗して、もう一段深い押し目まで落ちるときなど、よくあるパターンです。

e

単純な押し目買い、戻り売りにもブレイクアウトの考え方は応用できます。なぜなら反転の際に出現するダブルボトムなど天底チャートパターンは、それ自体を小競り合いゾーンと見ることができるからです。

安値を切り上げるのは売りの圧力が弱くなっている証拠、ネックラインや戻り高値のブレイクはまさにブレイクアウトのことで、上図なら売り手の損切りや建値撤退を連鎖的に起爆させ、上昇パワーとなります。

今日のまとめ

ハング・グライダーは上昇気流(サーマル)を捉えるスポーツ、トレードも上昇気流や下降気流を捉えるゲームです。気流に初動から乗るには、それが起こる条件を知らないとできません。

気流は空気の温度差で発生しますが、トレードの温度差とは売りと買いの勢力争いということになります。気流の起こる原因、つまり小競り合い自体は他人にまかせて、その結果である爆風だけ利用するのが賢いやり方だと思ってます。

鳥のように風の流れ(値動き)を肌で感じるのには、余計なものを排除してプライスアクションという「風そのもの」を検証、体感して学ぶのがベストと考えそうしています。

鳥には空を飛べる理屈(メカニズム)が備わってますが、鳥自身は理屈を考えて飛んでいるのではなく、翼で風を感じて飛んでいるだけです。

◆お断り◆
この動画は教育目的で制作されたものです。相場についての個人の見解を過去のチャートから解説したものであり未来の利益を保証するものではありません。売買取引についての判断は一切行っておりませんので、投資をされる場合は、それに関わるリスクを十分に考慮の上、ご自身でご判断ください。

読者の皆様にとって有意義なコメント欄にするためにご協力をよろしくお願いいたします。
記事内容に関するご質問やご意見、有り難い応援メッセージは下のコメント欄をご利用ください、頑張って返信させていただきます。記事内容以外のコメントに関してはお答えできないことがございますのでご了承ください。また、FXとは無関係なコメントに関しては掲載いたしませんのでご了承ください。※コメントを「読者さまの声」としてブログや動画に掲載させていただくことがございます。



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コメント

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  • コメント (17)

    • りっきー
    • 2015年 8月 27日

    こんにちわ。冒頭の画像は鳥の翼にも、仙人の顔にも見えるユニークな写真で(笑)飛び去った後の気流にのる=人がポジションとったか決済した後のながれについていく事の比喩でセレクトされたセンスの良い画ですね〜大中小のN−ZONEを細分化してfightzoneやチャートポイントのjudgezoneで自信が判断して下さいねと言われている様で観る人への思いやりを感じます。いつもありがとうございます。

      • mayohare-fx
      • 2015年 8月 27日

      仙人の顔、そういえば、そう見えますね!気が付きませんでした。

    • りっきー
    • 2015年 8月 27日

    自信が→自身ででした(笑)

    • mocha0509
    • 2015年 8月 27日

    こんにちは、
    人間は道具(飛行機など)を使って、鳥より早く飛べます。
    人間の能力は鳥より上か、いや鳥が墜落して死んだなんで聞いたこともないし、そんなことあり得ません。
    鳥は、本能により空間を自由に移動できる奇跡の生物です。
    元警察官の方に聞いたのですが、犯人かどうかは、大体その人物を見たらわかるそうです。
    長年積み重ねた経験と勘が、その挙動や目つきを見て、怪しいかどうかを見分けることができるようです。
    行動や表情を分析すれば、犯人と言える共通点があるのでしょうが、そんな分析はしていないでしょうし、
    科学的根拠にもなり得ないでしょう。
    ブレイクも本物か偽物か見分ける理屈も大切ですが、経験を重ねることがなによりも重要なのでしょう。
    私は、この動画を見ながら止めながら、その日の取引したチャートと解説を見比べます。
    100%解説通りになることはありませんが、これが結構勉強になります。
    そうか、ここでエントリーするべきだったのか、だから失敗したのか、次はこうすれば良いかもしれない。
    いつか、鳥のように相場を自由自在に飛び回れる日を想いながら。

    今月は、あと2営業日あまり残っていますが、よほどの大失敗を繰り返さなければ何とかプラスになりそ
    うです。油断は禁物ですが、致命的なミスも減り、ミスエントリーも逃げれたり、マイナスもすぐに取り
    返せたりできるようになってきました。この動画のおかげです。
    ありがとうございます。

      • mayohare-fx
      • 2015年 8月 27日

      意識せずとも身体が自然に動くようになるには経験が必要ですね。そして、経験の質が大事ですね。

    • fx万年修行僧
    • 2015年 8月 28日

    こんにちは。初めてコメントします。

    今回の動画、終了間際の「反対側にある人たちの気持ち云々」という部分にハッとさせられました。
    チャート分析をしているとついこのことを忘れがちです。買いたい人が多いから上がる。売りたい人が多いから下がる。じゃぁどこまで上がる(下がる)のか? レジサポまで。なせ5分足のレジサポより日足のレジサポのほうが強いのか? 見ている人が多いから。
    んー、コメント書いているうちにぼんやりとですが相場の「地図」が読めるようになってきた感じがします。
    自分はまだ迷晴れさんの動画を見て「知る」の段階ですが、「わかる」「できる」の段階に至るまでどんどん検証を進めていきます。

    すばらしい動画、ありがとうございました。

      • mayohare-fx
      • 2015年 8月 28日

      短期売買の場合、チャート分析は心理分析だと思ってます。売り手と買い手しかいないので、女心よりはわかりやすいです(^^)

    • 一柳和明
    • 2015年 8月 28日

    いつもありがとうございます。
    ちょっとこの動画とは関係無いのですが、こちらでお願いさせていただきたいと思います。
    今私はFXのHPを作っていまして、その中で「今日はこんな勉強をした」とか「今日のポジションはこうだった」
    とか載せてるんですが、その中にはどうしても迷晴さんの動画で習ったこととかが出てきます。
    今日も、自分のポジションを画像と解説付きで載せたんですが、そこでは守破離が出てきて、
    「迷晴さんの動画で学びました」ということを書きました。
    これはOKでしょうか? もしダメならその部分は削除して、今後は慎むようにいたしますが。

    ちなみにそのページはこれです。
    http://kazuakifx.hippy.jp/pojikiroku/2015-08/20150827/poji0827.html

    こちらがトップとなります。
    http://kazuakifx.hippy.jp/

      • mayohare-fx
      • 2015年 8月 28日

      問題ありませんよ(^^)出来れば「迷晴れFX」という名称と僕のサイトへのリンクを貼って頂けると嬉しいです。

        • 一柳和明
        • 2015年 8月 29日

        ありがとうございます。
        HPも始めたばかりで勉強中ですが、リンク貼ってみます。
        「ポジションの記録」では定期的に自分のポジションを画像と説明付きで載せていきますので、
        もしお暇な時は御覧ください。
        「初心者の考え方」という点で参考になるかもしれません。
        ただ、私はかなり下手な部類ですがw

    • あまの
    • 2015年 8月 28日

    いつも有り難う御座います!
     
    常々20~30p獲れればいいと言われていますが、
    損切り幅はどのくらいを見られているのでしょうか?
     
    こちらは、含み益が出た段階で、損切りを建値まで寄せてしまうため、
    チキン利食いばかりとなり・・・・・・・

      • mayohare-fx
      • 2015年 8月 29日

      20~30pというのはトータルでという意味です(^^)短期足でタイミングを合わせれば、損切りは10pips以内に収まると思います。

    • HARRY
    • 2015年 9月 04日

    迷晴れ様、初めまして。
    いつもブログと動画で勉強させて頂きまして、ありがとうございます。

    いきなり質問で失礼致します。

    揉んでからのブレイクにも、それはそれでブレイクモドキがあるかと思います。
    例えばレンジを上にブレイクして、「抜けたー!」と思った人達が買い注文を入れた途端に再びレンジ内に戻り、先程の買い手達が「騙されたー!」と思ってロスカットする売り注文を追い風にしてそのまま下落して行くパターンなどです。

    今回の記事、未熟者の私には「すんなり抜けたブレイクはモドキの可能性があるけど、揉んでから抜けたブレイクもモドキの可能性がある」といった具合に、エントリーの判断材料ではなく、エントリーで迷う材料が1つ増える結果になってしまいました。

    もしよろしければ、「揉んでから抜けた時」という前提でのブレイクとブレイクモドキの違いを解説して頂けますと、今度こそ迷晴れになります。

    初コメントが解説のリクエストで申し訳ございません。

      • mayohare-fx
      • 2015年 9月 04日

      そういうところこそ、上位足の状態も絡めて3年分位検証してみてください。結局は自分の目に焼き付けないと身につかないものですので。

    • かにずき
    • 2016年 7月 09日

    拝見させていただきました。

    ブレイクのお話しだからというわけではありませんが、今回の内容では自分が少しブレイクスルーできたように感じました。
    反対側の心理であったり反対側のポジションのことを考える、その意味はわかっていたつもりです。
    ただ、どういう状況で現象としてそれが起きるのか、そこがどうしてもピンときませんでした。
    今回の動画で具体的なイメージが出来ました。
    もしかすると今回のような感覚が、迷晴れ様のおっしゃっている【魚の目】の一端なのではと思いました。

    素晴らしい気付きをありがとうございました。

    • ミタ
    • 2016年 9月 21日

    ブレイク狙いだけに絞って勉強しています。
    今までは1時間足でのトレードで15分足でタイミングをとっていました。
    うまく勝った時ももう少し早い段階でブレイクしているように感じていました。
    負けた時はどうしてかわからず、特にロングでのブレイクは一か八かに近い物を感じていました。
    この動画を見て1時間と5分足の組み合わせに変え、5分足の揉みあいを自分のエッジとしたところ
    勝率がぐんとアップしました。早くにエントリーできる分利益も少しですが多くなりました。
    ただ、今までは損切りを小さくPIPSで決めていましたので、損をしたときは大きくなります。
    10P以内におさめたいのですが、エントリーレートがブレイクしたと判断した水平線より数PIPS離している為、
    それを含めると10Pではおさまりません。
    が、ブレイクし損ねても、広げた損切り幅に気持ちよく救われる事もあり、
    できるだけ損切り幅を小さくできるエントリーに厳選してトレードしようと思いました。
    迷晴れさんが苦労されて、見つけられた答えを
    このようにいとも簡単に無料で教えて下さり、ありがとうございました。

      • NoN
      • 2016年 9月 21日

      勝率アップ、良かったです(^^♪また、気づいたことがあれば教えて下さい。

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