Forex Tester 6(デスクトップ版)とForex Tester Online(ブラウザ版)の徹底比較
Forex Tester 6 vs Forex Tester Online
あなたの10,000時間を積み上げるべきツールはどちらか?
チャートの読み方を勉強しても、トレーダーにはなれない。
ローソク足のパターンを学び、ダウ理論を理解し、マーケット構造を頭で理解しても、いざ実際のトレードになると体が動かない──そんな経験は珍しくない。
「わかる」と「できる」の間には、大きな溝がある。
多くのトレーダーは、その壁を越えられずに立ち止まってしまう。
その溝を埋めるには、意図的な反復練習が欠かせない。
感情が揺さぶられるリアルトレードではなく、何度でもチャートを巻き戻し、同じシナリオを50回、100回と繰り返し練習できる環境。それが、知識を技術へ変える最短ルートだ。
Forex Testerは、そのために生まれたツールであり、僕自身もこのブログで長年おすすめしてきた理由がそこにある。
しかし、状況は変わった。
これまで定番だったデスクトップ版Forex Tester 6に加え、ブラウザベースの新製品Forex Tester Online(FTO)が登場したからだ。
では、どちらを選ぶべきなのか。
この記事では、両製品を実際のトレーダー目線で比較し、それぞれの強みと弱み、そして、どんな人にどちらが向いているのかを率直にお伝えしたい。
なぜ、どのインジケーターよりもバックテストが重要なのか
ツールの比較に入る前に、どちらを選んでも変わらない大切なことをお伝えしたい。
Forex Testerの本当の価値は、インジケーターや機能の豊富さではない。
その価値は、「経験を濃縮できること」にある。
例えば、4時間足のUSD/JPYをリアルトレードしていれば、意味のあるセットアップに出会えるのは1か月で6回程度だろう。
しかし、バックテストなら、その6回をわずか1時間で体験できる。
さらに次の6回、そのまた次の60回へと、経験を何倍ものスピードで積み重ねられる。
マルコム・グラッドウェルの「1万時間の法則」は、トレードの世界でもよく引用される。
しかし、本当に重要なのは時間の長さではない。
実際にチャートを見て判断し、その結果をすぐに検証する。
そんな質の高い経験を積み重ねることだ。
バックテストは、そのフィードバックループを、リアルトレードでは決して得られないスピードで回してくれる。
この視点を踏まえたうえで、Forex Tester 6とForex Tester Onlineを比較していこう。
Forex Tester 6 デスクトップの定番
Forex Tester 6(FT6)は、20年近くにわたり、多くの裁量トレーダーに支持されてきたバックテストソフトの最新版だ。
FT6の強み
完全オフラインで動作する
一度インストールしてデータを読み込めば、インターネット接続は不要。
通信環境に左右されず、遅延やサーバートラブルを気にすることなく検証に集中できる。
対応銘柄が非常に豊富
Super Dataサービスを利用すれば、為替だけでなく株価指数やコモディティなど860銘柄以上に対応している。
複数の市場を分析したり、さまざまな銘柄で戦略を検証したいトレーダーには大きな魅力だ。
ヒストリカルデータが充実している
Super Dataでは25年以上にわたるティックデータと変動スプレッドを利用できる。
USD/JPYの短期売買を検証したり、エントリータイミングを細かく検証したりするには十分な精度を備えている。
学習コンテンツが豊富
32章にわたるチュートリアルが用意されており、バックテストが初めてでも基本から学びながら使い始められる。
FT6の弱み
Windows専用
これが最大のハードルかもしれない。
Macユーザーは、仮想環境でWindowsを動かすか、Windowsマシンを別途用意する必要がある。Mac利用者の多い日本では、この点は無視できない。
導入までに時間がかかる
インストール、データの設定、画面レイアウトの調整など、使い始めるまでにはある程度の準備が必要になる。
「今すぐ練習したい」という人には、少し面倒に感じるかもしれない。
インターフェースに古さを感じる
FT6の画面構成はMetaTrader 4時代のデザインを受け継いでいる。
機能は豊富だが、情報量が多く、使いこなすまでには多少慣れが必要だ。
過去データは別料金
ソフト本体とは別に、Super Dataを契約することでティックデータや毎日のデータ更新、860銘柄以上のヒストリカルデータを利用できる。
そのため、本格的に活用する場合は、ソフト代だけでなくデータ利用料も含めて考えておく必要がある。
Forex Tester Online ブラウザ版
Forex Tester Online(FTO)は、従来のFT6とは別に開発された、ブラウザベースのバックテストツールだ。
インストール不要でOSを問わない。ChromeでもSafariでも、ブラウザでログインするだけで、すぐにバックテストを始められる。
FTOの強み
OSを選ばない
Mac、Windows、Linuxなど、ブラウザが動く環境ならどこでも利用できる。
Macユーザーにとっては、FT6で必要だった仮想環境やWindowsマシンを用意する手間がなくなる。
直感的で使いやすい画面
シンプルでチャート中心のデザインになっており、TradingViewに慣れている人なら違和感なく使い始められる。
バックテストを始めるまでのハードルはFT6より低い。
データ込みの料金体系
過去データは利用料金に含まれているため、ソフト本体とデータを別々に契約する必要がない。
USD/JPYなどのティックデータも利用でき、データは毎日自動更新される。
インジケーターが豊富
67種類のインジケーターを標準搭載。FT6にはないものも含まれており、Visible Range Volume Profile(VRVP)、Fair Value Gap(FVG)、Keltner Channels、Donchian Channels、そして日本のトレーダーに特に人気のRCI(Rank Correlation Index)なども利用できる。
これらを普段の分析で使っている人には魅力的だ。
ブラインドテスト機能を搭載
Proプランでは、日付・価格・銘柄名を非表示にした状態でバックテストができる。
先入観を排除し、チャートだけを見て判断する練習ができるため、後知恵バイアスを減らした検証に役立つ。
プロップファームチャレンジを再現できる。
利益目標や日次損失、ドローダウンなどの条件を設定し、プロップファームの審査を想定した練習ができる。
今後プロップトレーダーを目指す人には便利な機能だ。
振り返り機能が充実
Exit OptimizerやTrade Analyzerを使えば、「勝った・負けた」だけではなく、
- もっと良い利確はなかったか
- どこで判断を誤ったのか
まで分析できる。
単なるバックテストではなく、改善につながる振り返りまでサポートしてくれる。
トレードジャーナルを一元管理できる
メモ、タグ、スクリーンショット、自己評価などをバックテストと紐付けて保存できる。
別のノートやアプリで管理する必要がなく、検証内容を一か所にまとめられる。
FTOの弱み
インターネット接続が必要
FTOはクラウドサービスのため、利用にはインターネット接続が欠かせない。
通信環境が不安定だと、快適さが損なわれる可能性がある。
対応銘柄数はFT6より少ない。FTO Proでは約271銘柄に対応している。
通常のトレードには十分だが、FT6のSuper Dataが対応する860銘柄以上には及ばない。
さまざまな市場を検証したい人にはFT6のほうが有利だ。
自動売買向けの機能は限定的
独自スクリプトやノーコード機能は用意されているものの、本格的なアルゴリズム開発にはFT6のほうが適している。
裁量トレーダーなら大きな問題にはならないだろう。
サブスクリプションに抵抗を感じる人もいる
FTOは月額・年額課金が基本となる。
買い切りソフトに慣れている人は最初は違和感があるかもしれないが、買い切りプランも用意されている。
USD/JPY裁量トレーダーへの実践的な比較
このブログの読者の多くは、USD/JPYを裁量でトレードしている。
相場環境を読み、重要なレートを見極め、意味のあるゾーンでプライスアクションを確認してエントリーする——そんなスタイルだ。
その前提で考えると、どちらが向いているかは次のようになる。
すでにFT6を使っているWindowsユーザー
無理に乗り換える必要はない。FT6は今でも完成度の高いバックテストツールであり、裁量トレードの検証には十分な機能を備えている。
Macユーザー
FTOがおすすめだ。仮想環境でWindowsを動かす方法もあるが、その準備だけで検証を始めるハードルが上がってしまう。
ブラウザを開くだけで使えるFTOなら、その手間は一切ない。
バックテストをこれから始める人
FTOのほうが始めやすい。インストール不要で、画面も直感的なので、思い立ったその日に検証を始められる。
バックテストは、始めるのが早いほど経験も早く積み重なる。
プレッシャーのある環境で練習したい人
FTOには、FT6にはない強みがある。ブラインドテストモードでは、日付や価格などの情報を隠した状態でチャートだけを見て判断できる。
さらに、プロップファームシミュレーターでは、利益目標や損失制限を設定し、本番に近い緊張感でトレードを練習できる。
「ここで買うべきだと分かっている」ことと、情報が限られ、プレッシャーのかかる状況でも同じ判断ができることは、まったく別のスキルだ。
開発の方向性について
もう一つ、気になる点がある。
現在、Forex Testerの開発はFTOに力を入れている印象を受ける。
実際、FT6の公式サイトでもFTOへの案内が目立ち、新機能であるExit Optimizer、Trade Analyzer、ブラインドテスト、プロップファームシミュレーターなどは、FTOで先行して提供されている。
もちろん、FT6がすぐになくなるという話ではない。
しかし、これから時間をかけて使いこなすツールを選ぶのであれば、「今後どちらが進化していくのか」という視点も判断材料の一つになるだろう。
なお、どちらの製品も無料で試すことができる。
FTOはダウンロード不要・クレジットカード登録不要で、数分あればすぐに使い始められる。
一方、FT6はインストールが必要だが、1時間の無料テスト環境が用意されている。
まとめ
| ForexTester6 | ForexTesterOnline | |
| OS | Windowsのみ | Mac・Windows・Linux対応 |
| インストール | 必要 | 不要 |
| インターネット接続 | 不要 | 必要 |
| インターフェイス | クラシック / MT4スタイル | モダン / TradingViewスタイル |
| 内蔵インジケーター | 60以上 | 67種(RCI・FVG・VRVPを含む) |
| 対応銘柄数 | 18(無料)/ 860以上(データあり) | 80〜271 |
| ブラインドテスト | なし | あり |
| プロップファームシミュレーター | なし | あり |
| データ込み | 基本データ込み・拡張データは別料金 | あり |
| 買い切りオプション | あり | あり |
| 無料デモ | あり(1時間) | あり(制限付き) |
問題は、「FT6とFTOのどちらが優れているか」ではない。
大切なのは、あなたが10,000時間を積み重ねるうえで、どちらのほうが学習を続けやすいかということだ。
Windows環境で、すでにFT6を使いこなしているなら、そのまま使い続けても十分に価値がある。
一方で、Macユーザー、TradingViewに慣れている人、これからバックテストを始める人、あるいはプロップファームの審査を見据えている人には、FTOをおすすめしたい。
特に、Exit OptimizerやTrade Analyzerは、単に「勝った・負けた」を記録するだけではない。
なぜその結果になったのか。
もっと良い判断はできなかったのか。
そこまで振り返り、改善につなげるためのヒントを与えてくれる。
こうした仕組みを、自分一人で継続するのは意外と難しい。
だからこそ、ツールの力を借りる価値がある。
相場は待ってくれない。
本を読んで知識を増やした一週間と、チャートを動かして経験を積んだ一週間。
その差は、時間が経つほど大きくなる。
まずはデモ版を試してみてほしい。
実際に触れてみれば、自分に合うツールは自然と見えてくるはずだ。
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